10 哲学

『漫画 君たちはどう生きるか』|私たちは誰に当てはまるのか

こんにちは。あさよるです。やっと話題すぎる『漫画 君たちはどう生きるか』を読みました。書店で平積みされ続けていますが、手にも取ってなかたので、実はこの本がマンガであることも今回読み始めるまで知りませんでした(;’∀’)(;’∀’)

とんでもないベストセラーになってるそうで、とりあえず読んでおくべきではないかと思います。「なんでこの本が売れているのか」を知るためにもね。

ちょっと前に「『蟹工船』が若い人に売れている」と話題になりましたが、そんな感じなんでしょうか。読んでみて余計に「なんでこの本が売れてるんだろう」と謎が深まりました。

大ベストセラー!読んどいてもいいんじゃない?

本書『漫画 君たちはどう生きるか』はずっと書店でも平積みされていますね。2018年上半期一番売れた本だそう。200万部突破ってすごいなぁ~。

宮崎駿監督によるスタジオジブリの次回作が「君たちはどう生きるか」というタイトルであることが発表されて話題になってるんだと思っていましたが、この編集会議の記事を読むと、それとは別のプロジェクトだったって話なんですね。

200万部って信じられないようなベストセラーになってるんですから、一度は読んでおいてもソンはないでしょう。マンガとしても、羽賀翔一さんの絵柄は好きだし、読みやすかったです。

だいたいこんな内容

主人公は中学生は〈コペル君〉。コペルニクスにちなんで、おじさんが彼をニックネームでそう呼びます。編集者だったおじさんは、勤め先が倒産したことをきっかけにコペル君の家の近くに引っ越してきました。数年前に亡くなったコペル君のお父さんが「立派な人間になってほしい」と願っていた意志を、おじさんが引き継いでくれています。

圧力、勇気、卑怯、貧しさ、生産

コペル君は学校やクラスメイトの友人たちを通して、様々な出来事に出会います。

豆腐屋の浦川君がいじめのターゲットにされたときは、コペル君も教室内にうごめく目に見えない圧力に呑まれ、それを跳ね返すことができませんでした。しかし、いじめっ子に立ち向かうガッチンと、自分をいじめた奴が殴られるのを「もう許してやってくれ」と言う浦川君の気丈な姿を見て、コペル君も自分が正しい行いをしようと心に決めました。

また、貧しさにも出会います。学校を休んでいる浦川君の様子を見に行くと、彼は家業の豆腐屋の手伝いと兄弟の子守に追われていました。浦川君はまだ中学生なのに働いて、物を作りそれを売り、生産をしています。コペル君は働く浦川君を見て、自分も誰かが作ったものを食べ、着て、人と人が網の目のように繋がることで生きているのだと気づきます。

更におじさんは、コペル君が貧しい人を見下さないことを褒めます。貧しくても正しく振舞う人もおれば、お金持ちでも尊敬できない人もいるのです。そして中学生のコペル君はまだ働いていませんが、それでもコペル君は何かを生み出しているんだと問いかけます。彼は何を生み出しているのでしょうか。

そしてある日、コペル君は大きな苦しみを経験します。友人であるガッチンが上級生から目をつけられ、「絶対にガッチン守る」と約束をしていました。しかし、本当に上級生に襲撃されたとき、コペル君は卑怯にも逃げ出してしまったのです。それを悔やみ、何日も寝込んで学校を休んでしまい、苦しみから「死んでしまったほうがマシだ」とさえ思いました。おじさんにすがりますが、おじさんからは「自分がしなければならないことにまっすぐ向かっていく」ように諭されます。そして「君は今正しい道へ進もうとしている」とも励まされました。

おじさんのノート

おじさんはコペル君との交流から、コペル君に伝えたいことをノートにしたためてくれていました。そして、コペル君が友人を裏切ったことで苦しんでいるとき、そのノートを手渡してくれたのです。

そのノートは、コペル君が大人として歩み始めた記録でもあります。自分が世界の中心だった子ども時代から、自分も社会の中のちっぽけな要素でしかないことに気づいた「コペルニクス的転回」をしたその日からの記録だからです。

おじさんはコペル君を見守りながら激励します。そして問うのです。「君たちはどう生きるか」と。

本書『漫画 君たちはどう生きるか』はマンガなのですが、おじさんのノートと、コペル君が書いた手紙だけ活字で構成されています。

時代背景を知った方がわかりやすいかも

原作の『君たちはどう生きるか』が発行されたのは1937年で、戦前に書かれた本です。コペル君のお父さんは銀行の重役で(物語の数年前に死去)、コペル君も勉強もできます。旧制中学は尋常小学校を卒業した男子が入学するところですから、コペル君へのメッセージは「旧制中学に通う男子」と限られた人へ向けられています。

本書の中でも、おじさんのノートには「小学校にしか行けなかった人」の話が登場します。コペル君のクラスメイトの浦川君の家は貧しいと言っても、息子を中学にやれるくらいの店を持っているのです。

中学へ行かなかった人は、当たり前ですがコペル君が学校で習ったことを知りません。全ての物質が分子でできていると知らなければ、コペル君のように世界がガラッと変わって見える体験をしないかもしれません。銀座のビルの上から街を見下ろして「人間はちっぽけだ」と気づいたのは、彼がビルのある街に住んでいたからかもしれません。

あくまでコペル君は限定された境遇にいます。だから、コペル君は社会的な責任を負っているのだろうし、お父さんもおじさんもコペル君に「立派な人間になってほしい」と願っています。

現在の日本では格差が広がっているといいます。それはつまり、コペル君になれる人となれない人が、生まれながらの境遇や生まれた時代によって分けられ始めているということです。本書がベストセラーになるのは結構だけれども、多くの人がコペル君にはなれない時代が来てしまうというのはなんとも。

浦川君のうちの若い衆

あさよるの感想としては「こんだけ売れてるなら一度は読んどけば?」というのは本当ですが、同時に「へー、これが売れてるの」って感じもある。共感要素もないし、なにをどう解釈すればいいのかもわからず、とてもムズムズする。

先に触れたように、あくまで特別な立場にある「コペル君たち」への「どう生きるか」という問いだろうから、少なくとも あさよるには当てはまりません。あさよるはエリートじゃないし、女だし。たぶん、売れに売れているマンガ版の読者の多くもそうでしょう。

だからなんか読んでいて居心地が悪いというか、自分をどこに当てはめていいのかわからないんですよね……しいて言えば、おじさんのノートに書かれていた、「浦川君のうちの店に勤める若い人」が、多くの人(とくに若い世代)にあてはまる立場じゃないかと思います。

 現に浦川君のうちに若い衆となって勤めている人々を考えてみたまえ。あの人々は、何年か後に、せめて浦川君のうちぐらいな店がもてたらと、それを希望に働いているのだ。
浦川君のうちでは、貧しと言っても、息子を中学校にあげている。しかし、若い衆たちは、小学校だけで学校をやめなければならなかった。
また、浦川君の一家は、まだしも、お豆腐を作る機械を据えつけ、原料の大豆を買いこみ、若い衆を雇い、一種の家内工場営んで暮らしを立てているけれど、若い衆たちは、自分の労力のほかに、なに一つ生計をたててゆくもとでをもっていない。一日中からだを働かせて、それで命をつないでいるのだ。
こういう人々が、万一、不治の病気にかかったり、再び働けないほどの大怪我をしたら、いったい、どうなることだろう。労力一つをたよりに生きている人たちにとっては、働けなくなるということは、餓死に迫られることではないか。

p.269-270

戦後、教育は行き届いて、義務教育のみならず、多くは高等学校を卒業します。高校卒業後さらに進学をする人も少なくありません。ただ、学校に通う期間は長くなったけれども、働き方としては、おじさんのいう「浦川君のうちの若い衆」に近い状況の人が多いんじゃないでしょうか。となると、おじさんの話のように、病気や怪我で勤め続けられなくなると「餓死」というのは困ります。

エリートでもない我々は「コペル君にはしっかりしてもらわないと」と思うしかないんでしょうか。

あと、これを引用しながら〈浦川君のうちの若い衆〉は「将来自分も工場を持てたら……」と多少の希望を持ってるんだなぁ~と。すごい時代にわたしたちは生きているのかもしれません。

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池上彰『高校生からわかるイスラム世界』|今を知るには歴史が必要

池上彰先生のイスラムの授業

本書『高校生からわかるイスラム世界』は、テレビでおなじみの池上彰さんが、イスラム教やイスラムの歴史、イスラム世界にまつわる現在の国際問題までを解説するものです。「高校生からわかる」とあるように、10代の人向けで、社会科の教科書だけでは扱いきれていない話や「世界史」「現代社会」などと教科別ではなく、「イスラム世界」というテーマで話題が扱われます。教科を超えて、より広い視点で世界を眺めることができるでしょう。

日本にもイスラム教徒はいますが、あまり身近ではない存在の人も多いのではないでしょうか。あさよるも、キリスト教徒の人は知り合いにもいますが、イスラム教徒の人はいないんで、「知識としては知っているけど……」という存在だったりします。

しかし、世界的には、イスラム教徒の数はどんどん増えていて、近い将来、キリスト教徒の数を上回るそうです。また、アジアの国々でも、ヨーロッパでもイスラム教徒はたくさんいますから、日本が例外的な立地なのかもしれません。

で、池上彰さんといえば「わかりやすい解説」ですよね。もちろん本書『高校生からわかるイスラム世界』でも、やさしく話しかけるような文体で、とてもわかりやすい!

イスラム教は怖い?

本書の冒頭では、高校生の前で講義をする際、池上彰さんが生徒たちにイスラム教のイメージを訪ねた話題から始まります。生徒たちは「怖い」「暗い」「他の宗教より激しい」という答えだったそうです。高校生に限らず、大人たちも同じようなイメージを抱いている人は多いんじゃないでしょうか。

イスラム教について知識が乏しければ「自分の知らない存在」ですから、得体が知れなく「怖い」と感じてもおかしくないでしょう。その上に、ニュースではイスラム世界で起こっている紛争やテロの報道が続いています。そりゃあ「怖い」「暗い」「他の宗教より激しい」と思う人もいるでしょう。

しかし、イスラム教は世界三大宗教であり、ほとんどの圧倒的多数の人は「普通の人」なんだろうなぁと想像します。それは、日本人の中にも悪い奴も時々いますが、まぁ概ねほとんどの人は「普通の人」であるのと同じじゃないでしょうか(「普通の人」というのは「聖人君子なわけでもないけど、極悪人でもない」という感じで)。

まずは「得体の知れない存在」から「知っている存在」に変えることは、自力でできます。その入り口に本書『高校生からわかるイスラム世界』にいいんじゃないでしょうか。

10代へ世界の常識を

本書『高校生からわかるイスラム世界』で扱われる話題は、

  • イスラム教とは。コーランとは
  • ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の関係
  • イスラム教徒の戒律や習慣
  • イスラム「原理主義」とは
  • イスラム教を取り巻く国際問題(中東問題や、ユダヤ世界、エルサレム、湾岸戦争など)
  • イスラム世界のこれから

ざっとこんな感じ。

大人も、ややこしい話はわからないor忘れちゃってる部分があるでしょうから、「高校生からわかる」シリーズですが、本書は大人こそオススメだったりします。というか、「高校生からわかる」ってネーミングいいですね。昔は「サルでもわかる」とか、最近だと「中学生からの」みたいなタイトルの本が多いですが「高校生からわかる」というのは、サルでも中学生にもわからない、難しい話を扱っている感じがしますw

なんで歴史を学ぶのか?

夏休み中帰省していた親戚と「子どもの頃、なんで歴史なんか勉強しないといけないのかと思っていた」という話をしました。「大人になると義務教育で習ったことは知ってないといけないんだとわかった」という話です。

「歴史をなぜ学ぶのか」というのは、「お母さんはなぜ起こっているのか」という話と同じだろうと思います(笑)。お母さんは別に、今日、我が子が生まれて初めて部屋を散らかしっぱなしでゲームをしているから怒っているわけではないでしょう。たぶん、過去にも同じようなできごとが散見されていた結果として、今、怒っているんだろうと想像されます。

「今、なにかできごとが起こる」のは、過去になんらかの理由や原因が複数あって、それらが絡み合い、重なり合い、なにがなんだかわからなくなりながら、「今」がある。その瞬間瞬間はランダムに起こるできごとでしょうが、それらを振り返ると軌跡となっていて、それが「歴史」になっているんじゃないかと思っています。

現在の国際問題について知るには、モーゼやノアの時代の話題が飛び出すというのは、「歴史は必要なんだ」というのをよく表していますね。よく「歴史から学ぶ」という言い回しがありますが、あんまりそれは的確じゃなくって、「今を知るために、過去を知る」という感じじゃないかなぁと思います。

あと、世界の戦争や紛争のニュースは、キリスト教やユダヤ教の問題でもあるのに、イスラム教ばかり「怖い」と思われてしまうのは偏った話だなぁと思いました。

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池上彰さんの本

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『おおきく考えよう』|中身が入れ替わってもオリジナル?

『おおきく考えよう: 人生に役立つ哲学入門』挿絵イラスト

こんにちは。あさよるです。こう毎日暑いとなんにも考えたくないですよね。ということで、ボーっとした頭であえて、頭がこんがらがるような哲学を扱った本を手に取ってみましたw といっても、本書は10代向けの本で、ページのほとんどはイラストで構成されています。

しかし、書いてある内容を理解しながら読むとなると、じっくり腰を落ち着かせて読まないと、前後の話がわからなくなるような読みごたえはありました。

「考える」ことはやめられない

本書『おおきく考えよう』はサブタイトル「人生に役立つ哲学入門」とあるように、はじめて哲学的な内容に触れる10代向けに書かれた本です。本と言っても、文字は少なくイラストが紙面のほとんどで、ビジュアルから「考え」をイメージできる工夫がなされています。

子ども時代の思考ってとことん具体的で、成長過程で抽象思考が身についていきます。大人に近づくステップとしてこの『おおきく考えよう』は役立つんじゃないでしょうか。

と言っても、大人が読んでも物足りなさはありません。というか、大人のほうがこんな本が好きかもね。

悩める若い人に語りかける

本書『おおきく考えよう』で問いかけられる哲学的話題は、「生きるってなんだろう」「社会ってなんだろう」「男と女って違うのかな」といった第一章「すべての生きもののなかで、いちばん幸せ」。

第二章「おなじ川に2度、入ることはできない」では、変わりゆくもののなかで「今、ここ」や「これ」「私」とはなんだろうと考えるきっかけに。哲学者ヘラクレイトスは「同じ川に2度、入ることはできない」と言いました。川はどんどん流れてゆきますから、さっき入った川の水は、次に川に入るときははるか河口へ流れ去っています。だから「同じ川には入れない」というワケ。同じような話で「ボートの板を1枚ずつ替えるとしよう。1枚のこらずべつの板と交換した場合、できあがったボートは、もとのボートと同じものかな?」とイラストが語りかけてきます。これは刻々と、新しい細胞が生まれ、死んで、細胞がすっかり入れ替わってしまっても「自分は自分」と言えるのか?という問いに繋がります。

『おおきく考えよう: 人生に役立つ哲学入門』挿絵イラスト

ちなみにこの、ボートの板をすべて入れ替えても、最初と同じボート言えるか」あるいは「新しく組み立てたボートは元の同じボートと言えるか」という問いは、日本建築に当てはまります。例えば、奈良にある法隆寺の五重塔は世界最古の木造建築と言われていますが、修繕が重ねられ、本当に法隆寺建立当時から使われているオリジナルの木材はほんの一部分だけです。新しい材木にほぼ入れ替わっている五重塔を「世界最古」と言えるのか?

あさよるは先日、京都の平等院へ連れてもらったのですが、最近、平等院が修繕されてキレイになったんですよね。ほぉ~と眺めながら「これは〈新築〉に見えるなぁ~」なんて思ったりw 日本人的感覚だと〈リフォーム〉は、新築ではないから、「昔からここにあるもの」なんですね。これは、日本人的な感覚と、西洋哲学的考えの違いの例としてよく挙げられる話ですね。

『おおきく考えよう:人生に役立つ哲学入門』イメージ画像

話は戻って、第3章では、物事の本質を見ること。第4章は空想、創造の幅を広げること。第5章では、人生の意味について尋ねられます。

答えのない問に耐えられる?

本書『おおきく考えよう』は、疑問や考え方を提示されますが、答えらしい答えはなにもありません。そもそも答えのない問いだからです。もし、予め正解が想定された問題ばかりに慣れているのなら、最初から答えの存在しない問いは苦痛に感じるかもしれません。

「本書は10代向けで、若い人にオススメ!」と言いつつ、当のあさよる自身、10代の頃は本書を読めなかっただろうと思いますw まるで言葉遊びをして、からかわれているような気になったろうと思うから(苦笑)。

本書はイラストが大半で、絵本のような作りですが、意外と読み解ける子どもは少ないのでしょう。大人受けする本だと思います。その上で、本書に挑戦する10代の人がいるといいなぁと思います(`・ω・´)b

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『はじめての嘘の心理学』|嘘を見抜けば誰もが〈正直者〉

『はじめての嘘の心理学』挿絵イラスト

こんにちは。嘘をつくのが下手な あさよるです。より正確にいうと、嘘をついても途中で嘘の設定を守り続けるのが面倒くさくなって、投げ出しちゃうというのが正しいw 嘘はバレるというよりも、「嘘をバラしてしまう」という感じでしょうか。なので、なるべく嘘は言わないように気を付けています。まあ、正直にズケズケモノを言いすぎるのは、嘘つきよりも嫌われる気がしますが(苦笑)。

今回手に取ったのはゆうきゆうさんの『はじめての嘘の心理学』です。ゆうきゆうさんって、ネットでマンガを読んだことがありましたが、本で読むのは初めて。本書ではマンガは すぎやまえみこさんが担当なさっています。

3つの嘘ツキがいる

本書『はじめての嘘の心理学』では、人の「嘘」をテーマに心理学的なアプローチで、人の本音を探る内容です。言葉のみならず、ジェスチャーや姿勢などの非言語の情報も使って、心理学的に「嘘」を見抜いてやろうという試みなのです。嘘をついているとき、外見や仕草に焦りや後ろめたさが表れるそうです。手足の動きや視線、表情、姿勢、話し方をチェックしましょう。

ます「嘘」とは「だますことによって、ある目的を果たそうとする意識的な虚偽(真実ではないこと)の発言」と定義されています。嘘には3つの特徴があります。

1 虚偽の意識がある

虚偽とは「偽り(本当ではないこと)と意識的に真実(本当)のように見せかけること」をいいます。つまり、嘘つきは自分の話していることや書いていることが真実ではないと知っているのです。

2 だまそうとしている

本当ではないこと、事実とは違うこと、間違っていることを相手にしんじこませようとします。つまり、嘘つきは意図的・計画的に相手をだまそうとしている人のことです。

3 嘘の目的が明確である

自分が利益を得たり、悪口や避難から逃れたり、あるいは自分を守るためだったりなど、嘘をつく目的がはっきりしています。ただし、必ずしも自分の利益のためだけではなく、他人やグループ、集団のために嘘をつく場合もあります。

p.3

よって、勘違いや記憶違いなど、本人が真実だと思って言う嘘は、ここでは「嘘」には含まれません。本書では、意図的に「嘘」をつき、自分や自分の属する集団が利益を得るための嘘を見破るためのテクニックが紹介されています。

マンガと解説を、他人事のように笑って読もう

本書は一つの嘘のシチュエーションごと、見開き2ページで構成されています。見開きの3/2の面積はマンガと図解です。このマンガもコミカルで楽しいのが本書の良いところ。「ほうほう、こんな人いるな~」「ああ、この発言聞いたことあるー」と、自分のことを棚に上げて読むと楽しいものです。

反対に、自分の言動に当てはめた途端、冷や汗が……あさよるは、嘘をつき通すのが面倒なので、嘘はつかないように気を付けているのですが、自分でもなんだかよくわらない見栄を張ったり、意味のない嘘を言ってしまうことがあります。何かを「隠したい」という本音が無意識に働いているのでしょうか……。

また同時に、顔色一つ変えずに嘘をつく人や、完全に自分の都合の良いように記憶を改ざんしているとしか思えない人がたまにいますが、本書を読むと想像以上に「ヤバイ人」なのかも……と不安になってきました。嘘をつくと、なんらかの「後ろめたさ」が隠せないのが普通なのに、平然と嘘を吐き通せるって……。

嘘で本音がわかる

本書の面白いところは、「嘘」を扱っているのですが、その嘘が見破ることができれば、人は饒舌に「真実を語っている」ということになります。嘘は「騙されるから嘘」なのであり、騙されさえしなければ、相手は饒舌に真実を語る者のように見えるかも?

また、騙されやすい人も紹介されています。

  • すぐにその気になりやすい(話を真に受けやすい)
  • はっきり断れない
  • 「お得」に弱い
  • おだてられると嬉しい
  • 自分は騙されないと思ってる
  • 権威に弱い、ブランド物に弱い
  • 深く考えるのが苦手
  • お人好し、人を信じてる方が楽だと思ってる
  • 自信がない
  • 不安感が高い

自分が騙されやすい人に当てはまっているなら、自分に言い寄ってくる人は「騙そう」としているのかも? という警戒の仕方もアリでしょうか。

嘘はバレている

『はじめての嘘の心理学』挿絵イラスト

本書『はじめての嘘の心理学』を読んでわかったのは、「嘘はバレる」ということw ご自身に「絶対バレない」という自身がおありなら別ですが、そうでないなら、嘘は必ずバレていると考えておく方が無難そうです。なぜなら、嘘の事例がたくさん挙げられているんですが、どれも「見たことある」し「多分同じ状況なら気づくだろう」と思うものばかりだから。

また、相手を騙して自分の利益を得るための「嘘」には、「見栄」やコンプレックスを隠す嘘も含まれます。思わず見栄を張ったり、虚勢を張っても、やっぱり不自然だし、いつかそのうち相手に伝わっちゃうんじゃないかと思いました。なので、見栄やコンプレックスも、「相手にバレている」と考えておいた方が無難かも。

それを踏まえた上でも、嘘をついたり見栄や虚勢を張っちゃうのが「人情」ってもんですから、相手の嘘も多めに見るようにしようと思います。なぜなら、自分もまた誰かに多めに見てもらってるだろうから。

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『人は「死後の世界」をどう考えてきたか』|死んだら地底か来世なのか

『人は「死後の世界」をどう考えてきたか』挿絵イラスト

こんにちは。あさよるです。あさよるは「前世」とか「来世」とか思想を持っておらず、その言葉自体をあまり使わないのですが、それでも慣用句のように「前世はよっぽど~」とか「このままじゃ来世は~」なんて言い回しをすることがあります(稀に)。

みなさんにもそれぞれ、ご自身の「世界観」がおありでしょう。それは、幼いころから慣れ親しんだ世界観、死生観もあるでしょうし、生きてきた中でハイブリッドな考えに至った部分もあるでしょう。みんな同じ道をゆく身ですから、多かれ少なかれ共感しながら生きているように思います。

『人は「死後の世界」をどう考えてきたか』は古今東西の人々の死生観をざっくり大まとめに紹介するものです。概要的内容ですが、古代ギリシア、古代エジプトから、キリスト教、仏教、イスラム教の世界三大宗教、そして日本人の死生観まで幅広く取り扱います。

面白く生々しく、そしてやっぱりちょっと怖い「死後の世界」を覗いてみましょう。

ズラリ世界の「死後の世界」

本書『人は「仕事の世界」をどのように考えて来たか』では、世界中の「死後の世界」観を一挙に紹介するものです。扱われているのはザッと「古代ギリシア・ローマの冥界」「古代オリエントの死後と終末」「キリスト教の地獄・煉獄・天国」「インドの輪廻転生」「大乗仏教と東アジアの来世」そして「現代の死後の世界」です。

冒頭では、現代の我々の「死後の世界」観の変化について触れられています。それは、日本人も今や「天国へ行く」という表現を使う人が増えたとう点です。天国というキリスト教的な世界観が普及しているのが見て取れます。

宮沢賢治の「来世」

かつて……宮沢賢治は妹をなくし、ノイローゼになっています。賢治の父は浄土真宗の信者でありましたが、浄土真宗の個人主義的な極楽浄土の世界観よりも、慈善活動を行うキリスト教や日蓮宗の方がリアルに感じていたようです。しかし、妹の死によって、日蓮宗的な来世観が賢治を苦しめます。

賢治が信じていた公式通りの輪廻観によれば、死者はみなバラバラの運命をたどる。身内どうしがまた再開できるといったものではないのだ。(中略)日蓮宗ではみんなが極楽浄土で会えるという立場を取らないから、どうしてもこの、バラバラの死後世界に耐える必要が出てくるのだ。(p.270)

そして、妹が「地獄へ向かったかもしれない」ことを思い、恐怖します。賢治は輪廻転生を信じ、地獄に落ちることを心配していますが、

そうした輪廻神話よりも法華経のパワーの方が優位に立つことを確信し、輪廻をめぐるノイローゼから解放されている。
つまり、賢治にとって、宗教のロジックは呪縛にも解放にもなっているのである。輪廻信仰は呪縛となっている。しかし法華経の信仰は救済となっているのだ。源信が描くような地獄堕ちの恐怖は、阿弥陀の救済によっても法華経の救済によっても無化され得るということらしい。

p.280

宮沢賢治の死や物語にある、「死」のイメージは、ダイレクトに彼のテーマでもあったのですね。あさよるは、ユニークな地獄絵図のなんかを見てると「地獄は愉快そうだなぁ」なんて気楽に考えていましたが、宮沢賢治ともなると突き詰めて考えるものなのですね。

世界の神話はなんとなく似ている

本書では古代ギリシアから日本の死後の世界まで広く紹介されるのですが、神話の世界はどことなくみんなよく似ています。太陽神がおり、地下に黄泉の世界があり、死んだ神様や人は黄泉へ行きます。ギリシア神話では、これを「冥界」と呼びます。

仏教には極楽浄土と地獄がありますが、キリスト教にも天国と煉獄があります。これらの元ネタになったであろうゾロアスター教や、エジプト人、ペルシャ人のオリエントの死後と終末の世界があります。

エジプト人は死後の世界に備えてミイラをせっせとつくっていただけでなく、死んで復活した神が冥界で死者を審判するという神話をもっていた。ゾロアスターの徒は神々も自然も善と悪の二つのカテゴリーに分け、個人の死後の審判と世界週末のときの審判の二重の審判の思想を持っていた。どちらの宗教の神話も、どこかしら聖書の神話に似ているのである。(p.65)

エジプトの神様は、太陽神ラーと、冥王オシリスが有名ですね。死ぬと冥界に行って、オシリスの審判を受けなければならないそうです。エジプトの閻魔様なのです。古代エジプト人にとって大事なのは、オシリスの楽園で永遠の生を受けることでした。

エジプト宗教とゾロアスター教を眺めると

「神の死と復活」「死後の審判」「天国(楽園)と地獄(破壊)」「神と悪魔の対立」「終末・救世主・死者の復活・審判」という、後世の一神教世界の道具立てによく似たものが概ね出揃っていた。(p.82)

エジプト宗教とゾロアスター教がユダヤ教、キリスト教、イスラム教にどう影響を及ぼしたかは不明で、なんともいえないそうですが、世界の死後の世界観は「だいたい似ている」のは分かります。

インドでは、輪廻思想が体系としてまとめられました。

インドといえば輪廻、輪廻といえばインドというぐらい、インド思想と輪廻思想は深く結びついている。全世界に転生の思想はあるが、それを厳格な体系としたのはインド人だたからである。ヒンドゥー教(紀元前二千年紀から)、仏教(前五世紀ごろから)、ジャイナ教(同)、シク教(後十五世紀ごろから)と、インド発の宗教はいくつかあるが、いずれも輪廻思想を世界観の根幹に置いている。(p.169)

輪廻信仰は近代になってから西洋にも広がり始めているそうです。

そのヒンドゥーから派生したのが仏教だとされます。

開祖の釈迦は解脱を目指すにあたって、婆羅門的伝統に距離を置いて独自路線を追求し、快楽でもない、苦行でもない、「中道」を行くという大きな指針を打ち立てた。ヒンドゥー教のヨーガ行者などはむしろ好んで派手な苦行を行う。文教の修業は相対的に穏やかなものだといわれている。(p.188)

世界の代表的な宗教が、絡まりながら流れになっている様子が面白かったです。

『人は「死後の世界」をどう考えてきたか』挿絵イラスト

さて、死後の世界は?

普段の会話の中でも「前世は~」とか「死んだら~」なんて言葉が飛び出します。死や死後の世界は「馴染み深い」とも言えるし、だけど宮沢賢治のように突き詰めて考えている人ばかりではないだろうと想像されます。あさよるは「考えても仕方のないことは考えない」ので、死んだ後のことに興味がありません。

……なーんて言いながら、一人でふと「今回の人生はツイてないな」なんて思うこともあります。また、小学生の甥が「俺はママのお腹を選んで生まれてきた」と話していて、「ほう、今はそんな教育がされているのか」なんて思いました。個人的には、その考え方は「どうなんだろう」とギモン(BADな環境にある子にも「そこを選んで生まれてきた」と言わすのだろうか。んで、反抗期を迎えたとき「パパとママを選んで生まれた」は全員にとっても苦行じゃないのかと/苦笑)。

生きている限り「死」のイメージはつきまといます。初めて「ピンピンコロリ」という文言を読んだときギョッとしましたがw、今や新たに出版される健康指南本は「ピンピンコロリ」を目標にしているものばかりで、何も感じなくなりました。高齢社会、人生100年時代というのは、こうもあっけらかんと死を語る時代なんですね。

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『それをお金で買いますか』|私の〈心〉も見積もられてるの?

『それをお金で買いますか』挿絵イラスト

こんにちは。あさよるです。以前、マンガ家の蛭子能収さんの『笑われる勇気』にて「人の心はお金じゃ買えないが、オレの心はお金で買えます!」と断言されており、逆にカッコイイとすっかり気に入ってしまいました。

しかしホントのトコロ、人の心はお金で買えるのか? あるいは「人の心をお金で買ってもいいのか」? 難問だと思いませんか? この問いは、「YES」と答える人と「NO」と答える人がパッカリ二つに分かれる問いだと思うのですが、いかがでしょう。

今回は、白熱授業でおなじみのサンデル先生の市場倫理のお話です。

「公平」「常識」「正しい」ってなんだろう?

本書『それをお金で買いますか』は、「白熱授業」でおなじみのマイケル・サンデル先生の「市場主義」について言及された書籍です。数多くの事例が次々と提示され、「これをお金で買うのはアリ?」と語りかけられます。

例えば「お金を払うと行列に並ばなくていい権利」が買えることが、日本でも大っぴらに周知されるようになりました。ユニバーサルスタジオジャパンでは、「ロイヤル・スタジオ・パス」というアトラクションの待ち時間が短縮されるチケットが販売されています。お金で行列に割り込むのはアリ? では別の例として、アメリカでは、お金を払うと医師の携帯電話の番号を教えてもらえるサービスが増えてるそうです。お金を払うと、医師と直通電話がつながり、通院の待ち時間も短縮できます。お金で順番に割り込むのはアリ?

育児放棄を減らすプロジェクトとして、薬物中毒者の女性が避妊手術や長期の避妊を行うと、現金を支払らう慈善団体があるそうです。薬物中毒者の子どもは生まれたときから薬物中毒で、その多くは虐待や育児放棄に遭います。だからあらかじめ、薬物中毒の女性を不妊にしておくことで、社会問題を解決しようとしています。このやり方はアリ? 中国の一人っ子政策では、都市部で二人目の子どもを産むと罰金になりました。それは「罰金を払えば二人目を産める」とも解釈できます。社会が、お金のあるなしで産める子どもの数を制限するのはあり? 別の例では、成績のよい子どもにお金をあげたり、資産家の子息はお金を払うと有名大学へ入学できるのはアリ? など、命の価値や、教育や環境のお金の話が取り上げられます。

ホントに「なんでも買える」のだろうか?

本書で度々「罰金」と「料金」の関係が登場します。ある託児所では子どもの迎えの時間に遅れて来る保護者がいることから、遅刻すると「罰金」を導入しました。それで遅刻は減ると考えたからでした。しかし実際には逆でした。罰金を導入後、遅刻をする親が増えたのです。それは、罰金導入前の保護者達は、迎えの時間が遅くなると保育士たちに対して「申し訳ない」と恐縮していたのですが、罰金導入後は「料金を払えば延滞できる」と考えるようになり、堂々と時間をオーバーするようになったのです。

「お金」を徴収することにより、「何か」が失われ、新たな「何か」が表れる良い例でしょう。

しかし、同じような例で、受け取り方の違う事例もあります。それはレンタルショップの延滞料金。かつて、映画のビデオテープをレンタルし、返却が遅れると客側が「申し訳ない」気持ちになっていたし、店側は「遅れやがって」という態度丸出しだったと本書では書かれています。日本の昔のレンタルビデオ屋も、なんとなく同じような雰囲気はあった気がします(みなさんはどうですか?)。しかし、考えるまでもなく我々は「客」であり、一日延滞するごとに料金もきっちり支払っているのですから、申し訳なく思う必要はありません。

託児所の例と、レンタルビデオ屋の例は、同じような話なのですが、なんとなく違う気がするのはなぜでしょう。

「タダ働き」させる方がヤル気が出るなら

『それをお金で買いますか』挿絵イラスト

本書の興味深い例は、ボランティアの話です。学生を3つのグループに分け、Aグループにはこの活動の素晴らしさだけを解きます。BとCには理念と、出来高制で報酬を支払いますが、BよりCの方が受け取れる割合を高く設定します。この3つのグループのうち、一番多くの成果を出したのは、Aでした。次いでCグループでしたが、Aの成果にははるか及びません。

わたしたちは、「お金を貰って働く」よりも「無償で働く」方が、よりヤル気が出てたくさん働いく場合があるようです。考えてみれば、「ボランティア」はなにか自分の良心を試されているような感覚も無きにしも非ずで、「手を抜くことは人間性に関わるような気持ち」があるような気がします。しかし「時給950円」と言われると、「950円分の仕事しかしなくていい」と感じます。そしてもっと多くの働きを求めらえると「じゃあ時給を増やせ」と思うだけで、期待に応えようとは思えません。

「タダほど高いものはない」と言いますが、実際に、報酬を与えるよりも、タダ働きさせる方が成果が上がるなら……。

この話は、自分が「働く側」なのか「働かせる側」なのかによって捉え方が180度変わります。

私たちは「やりがい搾取」を求めている?

本書の例では、核廃棄物の処分場になった町民に手当てを支給すると、それを拒否した住民が多数いました。それは、自分たちは社会のために意義のある働きをしているのに、お金を受け取ることで「賄賂で動いたことになってしまうから」と考える人が多かったようです。

ときにわたしたちは、お金を差し出されても、受け取るのを拒否することがあります。お金を受け取ることで、自分の矜持や信念が汚れてしまうと考える場合です。それは美しい話なのか、はたまた労働者のプライドすらも利用して、労働力を刈り取られているのか、どう考えればよいのでしょう。

立場によって志向が変わる

あさよる個人的には、本書を読んで「もらえるお金はもらっておこう」と思いました(苦笑)。それはつまり、自分の信念やプライド、美意識などとと、お金は別の話ではないかと思ったからです。詳しく言うと、市場では、消費者のそのような「プライド」さえも予め見積もられていて「足元を見られている」のだというのが、透けて見えた気がしたからです。

「みんなのため」に働くのは大切なことですが、それと「タダ働きをする」のは別の話です。消費を煽り、労働者を雇う側の人たちは、事前に彼らの「お金に換算できないこと」も織り込み済みなんだなあと知ったのでした。それなりの報酬を求めることは悪いことじゃないんだなあというのが、あさよるの本書『それをお金で買いますか』を読んだ感想でした。

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『イチから知りたい! 聖書の本』|美術展のおともにkindle版を!

『カラー版 イチから知りたい! 聖書の本』挿絵イラスト

こんにちは。美術館へ行くのが趣味な あさよるです。西洋絵画の画題として、聖書のシーンが用いられていることが多いのです。美術館でも簡単に解説がなされていますが、それだけで聖書世界が理解できるワケではありません。かといって、聖書を通読するのも……というときのために、数々の聖書の解説書が出版されています。

本書『カラー版 イチから知りたい聖書の本』は全ページカラーで、イラストや地図、図が満載で、聖書の世界の手ほどきには打ってつけの本です。kindle版では199円とリーズナブル(2018年2月現在)。これ、いいよ!

聖書・大ダイジェスト!

本書はオールカラーの聖書のダイジェスト版です。序章で聖書にまつわる、聖書の内容や構成、聖書世界の説明がなされ、あとはひたすら「創世記」から「黙示録」まで突っ走ります。といっても、一つのトピックスが見開き2ページに収められていて、ページ面積の半分くらいはイラストや地図等で、かなり楽しい感じ。

間にコラムや豆知識的なコーナーがあったりとコンパクトだけど網羅的な内容です。

先に上げた、美術展を見に行くときは、kindle版をスマホに入れて、参照しながら観覧できれば便利。

情報量多すぎ!?

ダイジェスト、網羅的、図や地図、イラスト満載というのは、これは本書の良い特性なのですが、反対に言えば「情報量多すぎ!」「めまぐるしすぎる!」「話の展開についけてない!」なんてうれしい悲鳴が上がってしまいますw 例えば出エジプト記は、旧約聖書を代表する一大スペクタクルですが、モーセの出生から死まで8ページで終わるので、「ええっ!?いつの間に話が進んだ!?」ってな感じ。というか、出エジプト記は実際に聖書を読んでみてもあっという間に終わって「ええっ!?」となる。

あと、あくまで「聖書」の内容をダイジェスト的に紹介する解説書であって、キリスト教の思想や興りがメインではありません。なので、キリスト教世界について知りたいのであれば、他の本を当たりましょう。と言っても、やはり聖典の「聖書」は当たっておくべきであって、本書はオススメです。

あのお話の元ネタ、ここです。

『カラー版 イチから知りたい! 聖書の本』挿絵イラスト

出エジプトのみならず、アブラハムとイサクの話、大魚に食べられたヨナの話、ソドムとゴモラの話、十戒、受胎告知などなど、超有名シーンが目白押し。あのお話の元ネタはここにあるのです。

単に「聖書」っていうと多くの日本人にとっては直接的に関係のない話でしょうが、意外と間接的には聖書の物語を受容していたりしています。

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『哲学の使い方』|街角で、哲学をつかおう

こんにちは。あさよるです。以前、鷲田清一さんの『てつがくを着てまちを歩こう』を読み、それまでよくわからんかった「ファション」について興味を持つきかっけになりました。そして、被服をまとうことについて「哲学」するというのも、好奇心かきたてられました。

今回手に取った『哲学の使い方』でも、布を体にまとうように、「哲学」を身近に、肌感覚のあるものであるし、そうあるべきものだと書かれており、興奮冷めやらぬ読了となりました。

「自分らしさ」ってなんだろう?『てつがくを着てまちを歩こう』

〈ガクモン〉から使える哲学へ

本書のタイトル『哲学の使い方』とは、現在「哲学」と言えば大学の限られた学問としてのものであり、西洋哲学を並べて触れること指す状況への提言です。哲学とは、子どもでも年寄りでも、誰にとっても「使う」ものであるし、身近なモンダイを哲学してもいい。

哲学は「である調」の書物に書されるようになったのは最近で、古くは対話形式であったり、エッセイとして書かれたり、詩であったりもしました。だから現代の我々だって、「である調」の哲学をする必要はありません。

本書では一例として〈哲学カフェ〉が挙げられていました。街角で、普通の人たちが集まってテーマについて哲学する。年齢も職業もさまざま。孫くらい年の離れた人と対等に論議する。哲学専攻の学生なんかが進行役をするそうですが、交通整理と最後のまとめをする程度で、特に混乱もなく進むそうです。

哲学カフェについて知ると、ふしぎなことに気づきます。とうして実生活では孫ほど年の離れた人と論議にならないのだろう。どうして友達は同年代に限られているんだろう。どうして「知っていること」を改めて考えることがなかったんだろう。

日本では「哲学」は大学で、やっと触れるものですが、ヨーロッパでは子どもの内から学校で哲学の問いがなされるそうです。さらに日本では、日本の哲学と、西洋哲学の二階建てで、多くは〈西洋哲学の本を読む〉ことが「哲学」な感じがしています。我々は、もっと「哲学」してもいいのかもしれない!

哲学の使い方、入門

本書『哲学の使い方』は、きっと高校生くらいなら読めるはず。ちょっと背伸びした読書が楽しめると思います。

哲学ってムズカシイ、取っつきにくいものじゃなく、身の回りにあるものです。冒頭に紹介した「服を着る」ことや、ポスターのキャッチコピーにだって哲学できます。ソクラテスは街角で対話をすることで哲学をしました。あなたの近くでも、今日も哲学カフェが催されてるかも。一度覗いてみるのも面白いかも。

もちろん、大人が読んでも結構読み応えあります(;’∀’) 哲学勉強された方はどうかわかりませんが、あさよるは結構、読むだけでいっぱいいっぱいでしたよ。しかーし、鷲田清一さんの文体はやわらかで読みやすいのです。

あさよるネットで紹介した哲学の本

『哲学用語図鑑』/田中正人

『哲学用語図鑑』|ド忘れ&知ったかぶりから卒業!

『はじめての哲学』/石井郁男

『はじめての哲学』|西洋哲学の偉人くらい、知ってるよね?

『西洋哲学の10冊』/中川純男,杉山直樹,石川文康,村山達也,竹内綱史,関口浩,小島和男

『西洋哲学の10冊』を読んだよ

『ハーバードの人生が変わる東洋哲学──悩めるエリートを熱狂させた超人気講義』/マイケル・ピュエット,クリスティーン・グロス=ロー

『哲学用語図鑑』|ド忘れ&知ったかぶりから卒業!

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『パブロフの犬:実験でたどる心理学の歴史』|アヤシイ雰囲気にワクワクしちゃう

こんにちは。ナゾなもの、フシギなものに気が取られちゃう あさよるです。本書『パブロフの犬』もタイトルだけ見て「読んでみたい」と思いました。なぜかというと、あさよるは完全に〈シュレーディンガーの猫〉と勘違いしていたからでしたw 読み始めてしばらくするまで気づいていなかったw

パブロフの犬とは、ベルを鳴らしてからエサを犬に与えていると、ベルの音を聞くだけで犬はヨダレをたらすようになるアレ。梅干を見たら唾なアレ。心理学のお話です。人間の心理学だけでなく、動物に知能があるのか? 動物に心があるのか? 誰もがソボクに気になっちゃうことも、ちゃんと過去に実験がなされているんです。

……ちなみに、本書のシリーズで〈シュレーディンガーの猫〉もあるそうですw こっちもまた読みたいデス。

心理学の50の実験:心ってなんだ?

本書『パブロフの犬』は心理学の重要な50の実験を歴史順に並べたもので、心理学入門編であり、心理学の歴史がわかるという仕掛けになっています。

一番最初に紹介されるのはダーウィンの研究で、ミミズに知能があることが実験により発見されました。ミミズは自分で掘った穴に木の葉を引っぱり込んで蓋をします。しかも、穴に刺さっているのは先がとがった葉っぱが多いのです。ミミズは葉っぱの形が分かっているの?と、ダーウィンは子どもたちと一緒に観察を始めました。反対に言うと、この時代までミミズに知能があるとは思われてなかったってこと?

ネズミは道を覚えられるのか?や、タイトルにもなっているパブロフの犬の実験(犬にベルを鳴らしてからエサを与え続けると、ベルの音を聞いただけでヨダレを出す)。被験者を囚人と監視員に振り分けると、監視員たちが囚人を虐待し始めた実験。吊り橋効果やなど、有名な心理実験のあらましも紹介されています。

我々は〈自由な心〉を持っているように思えますが、それも環境や学習により書き換えられ、行動に変化をもたらします。それは無意識にも。つい「他の〈みんなの意見〉が正しい」と思い込み、目の前の一目瞭然の事実すら見えなくなってしまいます。どうやら、周りの人の考えに流されてしまうのは、勇気や根性の話ではなく、心理的に「自分がおかしい」「自分が間違っている」と思ってしまうからみたいなのです。

自分の心ってなんだろう。自分の意志ってなんだろう。みんながこう言ってる。みんなそうしている。これって、いったい何だろう?

オールカラーでイラストも賑やかに

本書は心理学の入門的一冊ですので、多くのトピックスは見開き2ページで収まる程度の長さがほとんどです。しかも、ポップなイラストが散りばめていて、なにやら禍々しい雰囲気がたまりません。

見開きページ例をご覧ください。

『パブロフの犬:実験でたどる心理学の歴史』見開きイメージ

パブロフの犬:実験でたどる心理学の歴史 (創元ビジュアル科学シリーズ1) | アダム・ハート=デイヴィス, 山崎 正浩 |本 | 通販 | Amazon

古い書物をひも解き、魔法の本を読んでいるかのような演出。見ているだけでワクワクしちゃいます。あさよるも、ヴィジュアルイメージがカッコよくて本書を手に取りました。

あさよる的には〈読みやすさ〉という点では白い紙に挿絵ナシの方が読みやすいと思います。しかしこの〈特別感〉は魅力的。知らない世界を誘ってくれるに相応しい雰囲気です。

中高生にオススメ!

本書『パブロフの犬』は好奇心と探究心にあふれる中高生に贈りたい一冊です。もちろん大人も読んでも面白いけれども、なんかこのアヤシイ空気感は、絶対年頃の人に合うと思うんですよ! というか、あさよるもその頃に本書を読みたかった!!

アヤシイ雰囲気も、考えるとコワイ実験やもっとコワイ結果の数々や、禍々しいイラストも、世界観がワクワクしちゃいます。

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『美人は得をするか 「顔」学入門』|顔を変えるなら整形よりメイク?

こんにちは。「ジャケ買い」「パケ買い」という言葉がありますが、今回『美人は得をするか 「顔」学入門』は完全にタイトルに魅かれて手に取りましたねw 〈美人は得をするか〉なんてキャッチーすぎる問題だし、顔学って言葉も初耳&面白そう! そんな、ノリで読書するあさよるでした。

あさよるは、ブログやTwitter等でイラストのアイコンを使っているのですが、顔学的にはアイコンも大事なのかなぁ~なんて思い至り、冷や汗。

↓これ、女性にも見えるし男性にも見える感じにしたかったが……

まず「顔」とはなにかを知らなくては

本書『美人は得をするか 「顔」学入門』では、タイトルの通り「美人は得をするか」という誰もしもが一度はぶち当たる命題に触れているのですが、それを考えるためにはまず「顔」とは何かを考えなけばなりません。したがって、本書は「顔」とはなにかを掘り下げる内容がほとんどです。そして核心の「美人は得をするか」の回答はむっちゃ短いページしかありませんw

しかし「顔」とはなにかを知ってゆくと、「美人は得をするか」の答えも、納得できます。

人にとって、顔はコミュニケーションの道具です。多くの哺乳類は顔を毛で覆われていますから、表情がほとんど見えません。代わりに、毛を逆立てたり、牙をむいたり、腹を出したり、全身を使って仲間とコミュニケーションを取ります。顔に毛がないヒトやサルの一部に、表情を持つものがいます。これらは、顔の〈表情〉を使ってコミュニケーションを取っています。

人は、顔に敏感です。それは、表情によるコミュニケーションを取っているからです。ですから、表情を使うのが上手い人がコミュニケーション上手で、にこやかな人が他人から好かれる人です。人から好かれる人は、知らない人とも仲間になりやすく、得をしやすい人です。すなわち、得をするかどうかは、表情の使い方にあります。

……というのが結論です。しかし!本書は結論に至るまでの道順が超面白い! ヒトにとって「顔」という部分はむちゃくちゃ、べらぼうに特別なものらしい。しかも「目」がすごく重要っぽい。目の錯覚を紹介する図もあり、読んでいて飽きない。

顔は特別なものらしい

人にとって「顔」はとても重要なものらしいのです。

赤ちゃんはまだ視力がよくないので、人の顔がぼんやりとしか見えていません。しかし、ぼんやりとした像でも我々は「微笑み」を見分けることができます。そして、赤ちゃんは人の「目」に興味を示します。よく見慣れた「目」には親しんでおり、知らない「目」には怯えます。目を識別できるようになる頃に人見知りが始まるんだそうです。

顔の白黒写真を、ネガにすると誰だか分かりにくくなります。しかし、目だけポジにすると、判別できます。反対に、ポジの写真で目だけネガにしても、誰かわかりにくいままです。どうやら、目は周りの色と関係なく「目」(白目と黒目)だけで認識してるようですね。

人物の写真の目と口のパーツだけ切り出し上下さかさまにし、さらにその写真を上下さかさまにすると、あまり違和感なく感じます(目と口は上下そのままだから)。しかし、正しい位置で見ると目と口が逆転しているのでとても気味の悪い写真です。このような顔に関する目の錯覚も多数紹介されており、見ていて楽しいし、とても不思議です。また、心霊写真の正体も、この辺りにあるのではないか?と触れられていました。

顔が特別なのは、顔のパーツを移動させても気づかないということです。顔以外のものは何かが移動すると違和感を覚え、どこが違うのか言い当てられます。しかし、顔だけ、パーツが多少変わってもわからない。反対に言えば顔のパーツが変わっても同じに見えるということ。これは整形手術をしても誰か分かることや、子どもが成長して大人の顔になっても誰か判別できることに通じています。

特徴のない顔=美人

美人とは、平均的な顔の人です。平均的であるということは、よく見慣れた顔ということです。まさに〈均整の取れた〉顔ですね。しかし〈よくある顔〉ですから、初対面でもなかなか印象に残らない顔とも言えます。美人な人は、人に覚えてもらいにくい顔。あるいは「あの人は美人だったわね」と覚えられていても、「平均的な顔ね」と言われているのと同じなので、やっぱり「顔」を覚えられているワケではないらしい。

確かに、思い浮かべてみて下さい。「きれいだなぁ」って思う女優さんや、すてきなアイドルや、大好きな役者さんたちは、確かに美男美女だけども、特徴がある気がします。〈クリクリと大きな目〉だったり、〈つんと尖った鼻先〉だったり、〈優しそうに見える二重まぶた〉だったり……どれも「特徴」なんですよね。人と違うから目を引くし、印象に残るし、特別に思えます。

美人で有名な人って、ただ美人なだけじゃなくって、にこやかで親しみやすかったり、コミュニケーションに長けているからこそ、みんなが好きな「有名人」になっちゃうんです。ここでいう「有名人」は、町の店員さんだったり、名物女将さんとかね。

ここでふと、「存在感のない人」「目立たない人」って、美人なのかもしれない……! た、確かに、印象的な人って、いろんな意味で目立つ人だものね……( ノД`)

美容整形より化粧が効果的

先に、顔のパーツは多少動かしても「同じ顔」と認識してしまうという話をしました。だからもし「別人のように」なりたいと思うならば、顔学的には美容整形はあまり効果がありません。細部は変わるかもしれないけど、「別人のように」とはいかないからです。コンプレックスを持っていたりすると、細部ばっかりが気になってしまうものですが、ヒトは「人の顔」を認識するとき、細かいところは見ておらず、全体で人物を特定し、表情を読み取っているそうです。

一方で、目の錯覚を利用する化粧の方が、顔を変えるに効果的だと言います。あさよるもこれは納得でした。あさよるは絵を描くのが好きで、お化粧も好きなので、錯視を使えば、顔のパーツの位置や大きさを調節できるハズ!と思い、錯視について調べたことがありましたw

「顔」について知ることは、「自分とは何か」を考えることなんだなぁと思いました。自分の顔は自分ですし、新しい自分になるときなにが変わるのだろう、とかね。いろんな人と関わっていく間に、いろんな表情ができるようになるといいのになぁ。

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『14歳からのパレスチナ問題』|「宗教紛争でしょ」って納得してない?

こんにちは。地図が好きなあさよるです。世界地図なんて見ていると、行ったことがない場所ばかりですが、聞いたことのある地名がたくさんあります。「パレスチナ」もよく見聞きはするけど、それは一体どこにあるの?なんでニュースになってるの?どんなところなの?旅行した人も少ないだろうし、「知っているけど知らない」代表格なんじゃないでしょうか。

本書『14歳からのパレスチナ問題』は、タイトルに魅かれて手に取りました。なんとなく知った気になっていましたが、実は全然知らなかったパレスチナ問題が、整理されて紹介されています。

写真や地図、注釈も多くてオススメです。

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『「自分の言葉」で人を動かす』|本音は伝わる、嘘はバレる

こんにちは。いつも人に真意が伝わらない あさよるです。モヤッとしたまま過ごすこと多し……。

人に思いを伝える。ごく当たり前のコミュニケーションです。「人に思いを伝えたい」という願いもまた、ごく当たり前の願望です。だけど……自分言葉が他人に伝わらない!そんなコミュニケーションへの不満や悩みを抱えている人は、たぶん多いはず。一方で、スルッと人の心に入り込む言葉もあります。なんであの言葉は伝わるのに、私の言葉は伝わらないんだろう?

「話したい」から「教えたい」へ

本書『「自分の言葉」で人を動かす』では、自分の言葉を引き出し、相手の動かし方を知り、自分の言葉の強め方が紹介されています。

自分の言葉の引き出し方、強め方。めっちゃ簡単に言っちゃえば「誰かに教えたいっ!」ってことを優先すること。「言いたいこと」「聞いてほしいこと」じゃなく、「教えたい!」なんです。自分にとっては何の得にもならない、儲からない話でも思わず人に教えたくなっちゃう情報。それは、話を聞いている方にとっても真実味を感じてくれます。だって、何の得もないのに教えてくれるってことは、真実だろうと思うんですね。

例として、定食屋さんに入ったとき「オススメありますか?」と聞いたら「いいネギが入ったからすき焼がいいよ」と教えてくれた。で、そのネギを作っている農家の人がいかにネギを愛しているかという情報を教えてくれました。そりゃもう、すき焼き頼むしかないですよね(笑)。別にそのお店は、他のお店と比べてすごく綺麗でもないし、すごく良いわけでもない。でも、なんとなくそのお店に通いたくなっちゃう。これが、人に伝える力。言葉の力。「教えたい」を伝えることなんです。

「言いたい」「認められたい」はどうでもいい

 言いたいことを話すと「マジ、どうでもいい」と思われる。
認められたくて話すと「噓っぽい」「つまらない」と思われる。

p.55

苦笑いしつつ「ごもっとも」と納得せざるを得ません(;’∀’)

しかし、「教えたい」という願望は、「言いたい」と「認められたい」とも違っています。言わば、「言いたい」と「教えたい」の間が「教えたい」とも言えます。

「教えたいことは?」という視点で物事を見たとき、まず相手の存在を意識せざるを得ません。教えるという行為自体、「誰に」が必ずセットになるからです。
そしてその相手を想像しながら、「この話だったら共感してくれるかも」「相手にメリットがあるかも」と自然に考えられるようになります。
となれば、単に「言いたい」だけの自分本位から抜けらせることができます。ここに、相手の立場、相手本位の視点でもありません。
 そもそも「教えたい」という感情は、本音がベースでないと決して湧き上がってこない感情です。
この本音を抑えてまで「認めてもらおう」と考えてしまうから、自分の思っていることをセーブしたり、相手の枠の中に収まろうとしたりして、自分が消えてしまうのです。

p.55-56

「言いたい」というのは、自分よがりな感情です。自分の思うことを言いたい!反対に、「認めてもらいたい」という欲求は、相手に決定権をすべて与えてしまっています。認めるか、認めないかを決めるのは他人であって、自分ではないのです。だから、自分の気持ちを押し殺したり、ときには偽りの自分に徹することもあるでしょう。

しかし、「教えたい」という欲求は、ちょうど「言いたい」と「認められたい」の間だというのです。自分よがりというほど自分中心でもなく、相手がいるから「教えたい」と思っている。しかし、何もかも主導権を相手に譲っているわけでもなく、自分の思い、自分の本音が核にあります。決して、自分を抑圧しているわけじゃありません。

だから、自分よがりでもなく、偽りの言葉でもない、「教えたい」という欲求から発せられる言葉に、他人は耳を傾けてくれるんですね。

会話の勘違い集

あさよる的に、勘違い例がズキッと胸に刺さったので、簡単に挙げておきます。

  • 勘違いその1 論理的に伝えれば、人は動く

人は論理よりも感情を優先します。正しいことが行動に結びつくとは限りません。

  • 勘違いその2 知名度が上がれば、人は動く

有名になれば売れるとか、テレビで話せば話を聞いてくれるというものではありません。やっぱり「教えたいこと」が含まれていて始めて、人に伝わり行動を促すのです。

  • 勘違いその3 テクニックを使えば、人は動く

テンプレを使えば人が思い通りに動くなんてこと、ない!テンプレを使って楽をすることで、自分の考えとは違ったことをプレゼンしてしまう自体になってしまう。人に教えたくなる「本音」の力が必要なのです。

感情を動かす

本書『「自分の言葉」で人を動かす』では、本音で語り、他人の感情に訴えかけるよう呼びかけます。もちろんそれは、普段のプライベートなコミュニケーションもでしょうが、仕事でのプレゼンでも同じです。取り繕った、相手に気に入って欲しいがために心にもないことを言うのではなく、だからといって一方的に言いたいことを言うわけでもない。本心からの「教えたいこと」を話すのです。

すると相手も、本音で話すあなたの話に耳を傾け、行動へ結びつく。嘘の言葉では、相手に伝わらないんですね。

話を伝えるテクニックを紹介する本はたくさんありますが、勉強すればするほど、そもそも素朴な「本音が伝わる」「嘘はバレる」ってことが置き去りになっちゃってるような方。ハッと初心に戻る気がします。

そして、これから伝え方を知りたいなぁって方は、難しく考えすぎず、単純で簡単なことなんだって教えてくれる本書は、ゴリゴリに凝り固まらずに良いんじゃないかと思います。

あさよるは、学生の頃にこの本を読んでいたら「本音が伝わるなんてキレイごとだぁ!」と逆に信じれなかった気がしますw 今だからこそ「それな」と同意できる気がする(;’∀’)>

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メンタリストDaiGo『自分を操る超集中力』|誰でもできる。休憩と絞り込みが集中の鍛え方

こんんちは。メンタリストDaiGoさんのファンになりつつある あさよるです。以前にも紹介しましたが、YouTubeでニコ生の録画をつらつらっと見てまして、ちょっと楽しみになっていますw(最近更新されてないのよね~)

あさよるネットでも、メンタリストDaiGoさんの著書を数冊紹介しております。楽しく読んでますよ。

あさよるネットで紹介したメンタリストDaiGoさんの本

『メンタリズム 恋愛の絶対法則』

面白かったやつ。実際に自分で紙に書きだしたり、参加すると楽しい。

『メンタリズム 恋愛の絶対法則』|メンタリズムで恋も攻略できる?

『人を操る禁断の文章術』

役立ってるやつ。結構これ、使ってますw

なんでアイツばっかり人気者?|『人を操る禁断の文章術』

『メンタリストDaiGoの心を強くする300の言葉』

『メンタリストDaiGoの心を強くする300の言葉』|自分を動かすメンタリズム

集中力は鍛えられる

本書『自分を操る超集中力』では、集中力とは持って生まれた能力ではなく、誰でも後天的に鍛えられると紹介されています。著者のメンタリストDaiGoさんも、幼いころは集中力のない子どもだったそうですが、自分で克服したそうです。

ざざっと内容を紹介します。

集中力が高い人は、集中力の鍛え方を知っている人です。集中力の高い/低いはそれだけの違い。誰でもトレーニングすれば集中力をコントロールできるようになります。

思考や感情をコントロールする力を「ウィルパワー」というそうで、ウィルパワーには定量があり、集中すると減ってゆきます。ですから、ウィルパワーそのものを増やすことと、ウィルパワーを節約することの二つができれば、集中力が思いのままに使えます。

また選択肢を狭めてしまうのもコツ。我々は選択肢が多いと、いちいち決断をしなければなりません。決断するたびに脳が疲れウィルパワーが減ってしまいます。そして、いちいち決断せずに習慣化してしまうのも大事なポイントです。なるべく、決断せず始められる環境を作りましょう。

そして、集中力の高い人は、実はそんなに長時間集中していない。上手に区切りを作って集中しましょう。時間を決めて「もっとやりたかったのに~」くらいでやめておくと焦らしパワーが効きます。

集中力を生み出すエンジン

集中力を働かす7つのエンジンが紹介されています。サラッとですが見てみます。

  • 場所

集中しやすい色や環境が存在します。集中するために、集中しやすい場所づくりが必要です。集中を妨げるスマホを遠ざけたり、散らかった部屋だと気が散るから、物を減らしましょう。理想は、何もない場所で、目的別のスペースを設けられるとベスト。不思議なことに、天井が高い所の方がアイデアが出やすいそうです。あと、静かなところよりも、ちょいガヤガヤしているところ方が集中しやすいのは、経験がありますね。

  • 姿勢

姿勢が良いと、脳のエネルギーであるブドウ糖と酸素も運ばれやすい。また、姿勢が良いと前頭葉が活発になるんだとか。椅子に座りっぱなしより、15分に一度は立ち上がります。15分ごとにコーヒーを入れたり、ちょっと気分転換を兼ねて席を立つのがよさそうですね。立っているときは、座っているより集中力や判断力もアップするというのです。足を使うと血行も良くなりますし、良いことづくめですね。

  • 食事

集中力を生み出すためにい必要な栄養素は、ブドウ糖、脂肪酸、リン脂質、アミノ酸、ビタミン、ミネラルの6つ。しかし、ブドウ糖が補給されると、血糖値が上がり脳にもブドウ糖が行き渡るのですが、急に血糖値が上がるとそのあと急激に血糖値が下がります。するとお腹がすいたりイライラして、集中力どころではありません。そこで、血糖値を緩やかに上げる「低GI食品」というものが紹介されていました。低GI食品として、そば、玄米。全粒粉パン、リンゴ、チーズ、ヨーグルトが挙げられていました。上手な間食の摂り方や、カフェインやエナジードリンクの摂り方も紹介されています。

  • 感情

高い集中にあるとき、自分は集中していると気づかないものです。気が付くと時間が経っているような状態を「フロー状態」というそうです。フロー状態とは「ものすごく集中している状態」と言い換えられます。フロー状態を体験するための4つの条件が挙げられています。

・ちょうどいい難易度のものに取り組んでいる
・取り組んでいる対象へのコントロール感覚がある
・直接的なフィードバックがある
・集中を妨げる要素がシャットアウトされている

p.113.114

さらに、喜怒哀楽の感情を上手に使うと、集中力が高まります。

  • 習慣

高い集中力が必要なことでも、習慣化してしまえば集中しなくてもできるようになります。あれこれ思い悩み混乱している状態から、頭の中をスッキリと集中するものを限定しウィルパワーを温存するのです。すると、新しい習慣やスキル習得へ集中力が回せます。有名な話では、スティーブジョブズは毎日同じ服を着ることで「服を選ぶ」というウィルパワーを節約しているんですね。脳は小さな意思決定の積み重ねで疲弊します。物を減らして片づけることも有効です。余計な集中力を使わず温存しましょう。

  • 運動

軽い運動をした後は集中力が上がります。また、運動は人をポジティブにします。疲れる仕事があるとき、あえて朝ジムに行くのも手。また、公園など緑の中で体を動かすとリフレッシュします。できれば日光のもと軽い運動ができると良いみたいです。あくまで軽い運動が良いそう。

そういえばあさよるネットでも以前こんな本を紹介しました。

『脳を鍛えるには運動しかない!―最新科学でわかった脳細胞の増やし方』

  • 瞑想

瞑想で得られるものが箇条書きにされています。

1.リラクゼーション反応
2.集中力アップ
3.緊張や不安に強くなる(ワーキングメモリーが鍛えられる)
4.感情のコントロール力が強くなる(偏桃体が変化する)
5.体脂肪が落ちる
6.睡眠の質が向上する

p.153

瞑想を習慣化することで、集中力も大きくなります。集中力もトレーニングで鍛えられるという所以ですね。

瞑想については、あさよるネットでもこんな本を紹介しています。

『最高の休息法』|脳科学×瞑想で集中力が高まる

疲れを癒す

ウィルパワーを回復させることも重要です。しっかり休ませましょう。

  • 睡眠

睡眠不足は集中力を奪います。睡眠不足だと睡眠中の記憶の定着が起こりません。できる人ほどよく寝るそうです。夜22時から深夜2時をゴールデンタイムなんて言いますよね。やっぱり本当のようで、この時間に深く眠ることが大切。体が傷ついた細胞を修復し、疲労を回復させます。良い睡眠を取るための方法も本書では紹介されていました。食べ物や時間割、アプリなどです。

  • 感覚

脳の疲れとは、目の疲れだと言えるそうです。脳が処理する情報のうちの8割が視覚の情報だからです。目の疲れを取るために、目のストレッチをしましょう。目をギューっと瞑って、パッと開ける。あと、目に光が入らないよう手で覆って1分くらい休ませるのも有効だそうです。また、香りを使ったリフレッシュ法も紹介されていました。

  • 不安

脳内のワーキングメモリがいっぱいになった状態も、集中力低下状態です。そんなとき、不安なことを書き出すだけでワーキングメモリが増えるんですって。頭の中の不安を書き出すことでスッキリしちゃうんですね。また、最初の5分間集中が続けば、あとも続きやすい。だから、最初は簡単なことをやって集中力を付けてゆくと良い。

集中力をつくり出す時間術

集中力が高い人は、時間の使い方にも特徴があります。

  • 早起き

優秀な人は早起きだという話は聞いたことがあります。最も頭が冴えている時間を、自分だけの時間に使うため、家族よりも早起きして有意義に時間を過ごすそう。なにか新しいことをするときも、朝の時間がオススメ。また、優秀な人は長時間眠るそうで、早寝早起きなんですね。そして、朝のうちに軽い運動も。集中力がさらに高まります。こんな時間の使い方も紹介されていました。

・朝はインプットの時間
・昼はアウトプットの時間
・夜は復習し、定着させる時間

p.221

  • ポモドーロ・テクニック

この言葉は初めて聞く言葉です。「25分の集中と5分の休憩を繰り返すというもの。」と紹介され、集中力の持続時間が短い人におススメだそう。この25分間、1つのことだけに集中する。今この瞬間に集中する。「他のことをやらない」と決めるだけで集中力が高まります。5分間の休憩では、瞑想や散歩をしてもOK。

  • ウルトラディアンリズム

こちらも初めて聞く言葉。応用編の時間術だそう。こちらは、90分の集中と、20分の休息を繰り返します。90分間に取り組むタスクは1つに絞ります。休みの20分間もストレッチしたりオフィスを歩いたり、脳に刺激を与え、ウィルパワー回復に努めましょう。

  • アイビー・リー・メソッド

これも初めて聞く言葉。

「アイビー・リー・メソッド」です。これはやるべき行動を絞り込んでいくToDoリストの一種。「一つの作業が終わるまで、断固として次のことをやらない」という仕組みづくりです。

p.238

「ToDoリスト」「やることリスト」の元祖なんですって。知らなかった。

アイビー・リーはその場でシュワブに対して効率化のために考案した自身のメソッドを伝えました。その所要時間はわずか20分。ポイントは次の6つだけです。

1.紙に「明日やるべきこと」を6つ、メモする
2.その6項目を重要だと思われる順に1、2、3、4、5、6と番号を振る
3.翌日、このメモの順番に従って仕事を進める
4.もし全部できなかったら、悔やむことなく忘れる
5.その後、明日のための6つの項目を新しくメモする
6.1~5を丁寧にくり返す

p.241

そして、絶対に大事なのは、優先順位1番が終わるまで、2番のことはしない。1つのことしかしないことです。私たちは「やる」ことに気が向いてしまいますが、「やらない」ことが大事です。

  • スケジュール管理

スケジュールにはあらかじめ余白を作っておきます。スケジュールがズレたときもゆとりを持って対応できます。目標数値も、日ごとではなくて週単位で設定すると、ゆとりが生れます。1日単位で管理して「今日も出来なかった」と落ち込んでいては、非効率ですよね。週単位で管理すれば、メリハリも生まれ挫折感もないので、集中しやすくなります。あと、これ大事。自分が怠けたりサボる時間を想定してもOK。その方が翌日の集中力が上がるならね。

テッパンな集中力の鍛え方、効くぞ!

ざっと本書『自分を操る超集中力』を見てきました。どうでしょう、紹介したメソッドのうちいくつかは既にご存知の考え方もあったでしょうか。もしかしたら、既に実践しておられる方もいるかもしれません。本書の良い所は、奇をてらって過激な方法を紹介するわけでなく、いたってマジメに「そりゃそうだろうなぁ」と思えることを紹介している点です。それだけに、この通りに集中力アップ作戦に取り組めば、誰だって別人のようになるでしょう。

正攻法だけに、取り組むのが難しそう……いいや、「めんどうくさそう」なメソッドもありますw 寝る時間を変えたり、食べ物を変えたり、運動を変えるあたり……w そう、わかってる!これ大事なのよ!あさよるも寝る時間、前倒しにして、朝に活動できるようにします……。

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『最高の休息法』|脳科学×瞑想で集中力が高まる

こんにちは。だんだん暑くなってきまして、イライラしたりグッタリ疲れてしまったり、季節の変わり目を生きています。こんなとき、なるべくなら心穏やかにいたいものなのに、ついカリカリしてしまい他人に苛立っては、自分がどんどん疲れてゆく……というループにハマり込んだことありませんか?

どうもこれって脳の作用かもしれないということで、『最高の休息法』という書籍に手が伸びました。こちら、以前からレビューが気になっていました。

科学と瞑想、東洋哲学

本書『最高の休息法』は脳科学的な脳の特性を踏まえ、東洋的な〈瞑想〉を取り入れることで、脳の良い状態をつくり出す方法が紹介されています。

脳は働き続ける臓器で、休まろうとしません。脳は働き続けると、内側前頭前野と後帯状皮質と呼ばれるところの活動が低下するそうです。

これらの部位は記憶・感情などに加え、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)を司る部位でもある。
DMNとは、内側前頭前夜、後帯状皮質、契前部、そして下頭頂小葉などからなう脳回路であり、意識的な活動をしていないときに働く脳のベースライン活動だ。いわば脳のアイドリング状態といったところだろうか。端的に言えば、脳というのは、つねに動いていようとする臓器なのだ。
(中略)DMNは「心がさまよっているときに働く回路」として知られている。そして人間の脳は、なんと1日のおよそ半分以上を心さまようことに費やしているというのだ。

p.67

うつ病の人に「あのとき、ああしとけばよかった」と考える〈反芻運動〉が見られれるそうですが、これも脳が休まらなく疲労の原因になってしまいます。次々と悩みが頭の中でグルグルと堂々めぐりする状態に陥ってしまうと、どんどん疲弊し、冷静に判断できなくなってゆくということですね。

マインドフルネス、瞑想は脳の8つの部分に働きかけ、構造を変えてゆく作用があるそう。「瞑想」ってなんだか非科学的でオカルトっぽく感じていましたから、科学的な根拠もあるんだなぁと驚きました。

京都・禅寺からイェール大学留学中の主人公

本書『最高の休息法』の大部分はストーリー仕立てになっています。京都の禅寺に生まれ、イェール大学で研究員をしているナツと、イェール大学教授のヨーダ。そして、アメリカでベーグル店を営むナツの伯父が登場します。ナツは実家の禅寺で、幼いころから修行を実父からさせられており、父に反発し日本を飛び出したのでした。

……という物語形式でマインドフルネスについて語られるのですが、正直、禅寺に生まれた娘とか、アメリカの大学の研究員とか、ちと共感できないというか……(;´∀`)特別な例すぎないか?思ってしまいましたw 伯父さんもアメリカで自営業やってるとかね。

この物語が、物語であることで〈とっつきやすく感じる人〉と〈長い蛇足〉に感じる人は分かれそう。

7つの休息法・一覧が分かりやすい

本書の7つの脳の休息法が、まとめて一休息法につき見開きイラスト付きで紹介されているのが分かりやすい。kindle版でお買い求めになられた方は、見開きでスクショとって保存しておきたい。

1 マインドフルネス呼吸法

注意を過去や未来ではなく「今ココ」に向けるための呼吸法。呼吸に意識を向けます

①基本姿勢を取る
②身体の感覚に意識を向ける
③呼吸に注意を向ける
④雑念が浮かんだら

2 ムーブメント瞑想

現在はマルチタスクの時代。自動操縦モードほど雑念が浮かびやすいもの。体を動かしながら瞑想する感じかな

①歩行瞑想
②立った姿勢でムーブメント瞑想
③座った姿勢でムーブメント瞑想
④そのほかこんな方法も

3 ブリージング・スペース

脳のストレスは体にも悪影響が及びます。だるさ、肩こり、腹痛などなど。ストレスに気づき、呼吸への意識から、体全体へ意識を広げてゆきます

①ストレスの影響に気づく
②呼吸に意識を集中させる
③身体全体に意識を広げる

4 モンキーマインド解消法

頭の中にさまざまな雑念が渦巻いているとき、「もう既に考えた」ことを片づけ、名前を付け、俯瞰し、思考のループから抜け出します

①捨てる
②例外を考える
③賢者の目線で考える
④善し悪しで判断するのをやめる
⑤由来を探る

5 RAIN

脳に過度なストレスがかかると偏桃体が暴走し、それを抑えようと前頭葉が働きます。瞑想を続けることで、この二つがフラットな状態を作ってゆきます

①Recognize(認識する)
②Accept(受け入れる)
③Investigate(検証する)
④Non-Identification(距離を取る)

6 やさしさのメッタ

嫌悪、妬み、怒り等のネガティブな感情を減らし、他人への愛情・慈しみを育て、脳を疲れさせません

①マインドフルな意識状態をつくる
②その人のことを思い浮かべる
③心の中でフレーズを唱える

7 ボディスキャン

脳の疲労がひどくなると、身体の一部にほてりや疲労が生れます。痛みの抑制と、痛みに対処できる脳をつくります。

①横たわって、呼吸に注意を向ける
②左足のつま先に注意を向ける
③身体をスキャン
④同様のプロセスを全身で

以上の瞑想法が、実際に紙面ではイラストを交え、詳しい説明ページへの案内を交えて紹介されています。中には、瞑想法を実践なさっている方や、知っている瞑想法もあるかと思います。基本は道具も何もなくその場でできるのがいいですね。

働くための「休息法」を得とくせよ

あさよるは、自身の疲労や、自分のイライラや怒りに“気づきにくい”人でして、現状把握できないばっかりに、自分に振り回されて、自分でヘロヘロになってしまいます。まず、自分の中で怒起こっている〈疲れ〉や〈感情〉に気づくことから始めたく思います(;’∀’)

そして、グルグルと同じことを悩み続けて疲弊してしまうターン!あるあるですね。第三者として、他人の悩みを聞いていたりすると、悩みが堂々巡りしていて悩みのループにハマっていることが客観できたりします。しかし、いざ自分がそのループにハマり込んじゃうと、なかなか気づけない……。そもそも、グルグルと悩まない脳づくり、コンディションづくりっていいですね。

先にも言いました、あさよるは「瞑想」っていうとちょっとオカルトっぽくて苦手でしたが、その苦手意識はなくなりました。

また、「休む」ことって、「働くため」にも必要なんだって気づきました。良い仕事をするために、上手に休む。「最高の休息法」ですね。

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『スタンフォードの自分を変える教室』|自分の本能の声を聞こう

こんにちは。体調不良のままゴールデンウイークが終わってしまった あさよるです。朝方の寒さでお腹を壊してしまって、スッキリしないままの連休でした(;’∀’) もっと自制して、良いコンディションのまま維持できるようになりたいなぁと。

そこで、『スタンフォードの自分を変える教室』ですよ。口コミでもいい感じですし、自分の生活習慣が変わるやも?と期待して手に取りました。

思っているほど、人の「意志」は働かない

『スタンフォードの自分を変える授業』の著者、ケリー・マクゴニガルさんは心理学者で、心理学や精神科学、医学の研究を下敷きに、本書が作られました。

誰でも納得できるようなたとえ話を用いながら、専門的な話が簡単に説明されています。

「自分を変える教室」を最後まで読んでわかったのは、「自分で思っているほど人の〈意志〉は、強くない」ってコト。自分で「ダイエットしなきゃ」「勉強しなきゃ」「やめなきゃ」と思っても、その通りに動けません。それは、人に元々備わっている〈本能〉の働きが関係しています。

ヒトも動物であり、捕食者から逃れ、狩りをし、飢えをしのいで生き延びてきました。飽食の時代とか、誰もが長生きできる時代なんて、ほんの最近局地的に起こっている現象であって、ヒトは飢えながら敵から逃げて生き延びるためのプログラムが備わっています。そのプログラムがどんなものなのか理解しないと、意志と本能がズレてしまうと、思わぬ結果を招いてしまうのです。

思っているほど「意志」は強くないって前提に立つことで、自分の意志力を最大限に利用できるんだって思います。

人の意志・本能の特性を知れば対処ができる

例えば、疲れていたり寝不足な状態では判断力が鈍り、意志力も下がります。体調管理が意志を変え、行動を変えるってことです。

また、同じことでも「いつやるのか」が大事だったりします。朝の貴重な時間帯、メールチェックに追われるのか、自分の時間に使うのか、自分の意志で割り振ることができます。

また、「甘い物が食べたい」という欲求を上手に使うこともできます。脳が活動するためには糖分が必要ですから、我々は日夜、血糖値を上げるために活動していると言っても過言ではない!? 脳に糖分を適度に補給してやると、意志力もアップします。恐ろしいのは、脳は消費する糖の量を調節してしまうことです。血糖値が低い状態が続くと、脳は糖を使う分量を減らし、勝手に省エネモードになってしまいます。すると、意志力も弱まってしまうのです。「体の仕組みを知る」ってのも、必要なのですね。

シロクマのことは考えないでください

人間の意志の不思議。

シロクマなんて、ふだんは学生たちの頭の片隅にもありませんでした。なにしろセックスと試験のことで頭はいっぱい、話題といえばコーラの新商品は期待はずれでがっかり、なんてことばかり。なのに、そんな彼らがシロクマの虜になってしまったのです。それもこれも、こんな指示を受けたばかりに――「これからの5分間、シロクマのことを考えないようにしてください」。

p.304

「シロクマのことを考えないようにしてください」と指示をされると、シロクマのことが頭から離れなくなってしまう……よくわかる話です。

例えば、子どもに「ジュースこぼしちゃダメよ」と注意すると、ガシャーンとこぼしてしまうのも、この力? ちなみに、「こぼしちゃダメ」と思えば思うほど、あさよるは大人なのにこぼしてしまいますw

意識してしまうと、そのことで頭がいっぱいになってしまう。例えば「太っちゃダメ」と考えると、やってはいけないイメージで頭の中がいっぱいになってしまう。ゲームしちゃダメって思うと、ゲームのイメージが湧いてしまう。悩ましい話です。

また、他人の意志力が「伝染する」というのも面白いです。

不健康な生活習慣の人と一緒に過ごすと、生活習慣が伝染ってしまう……わかる気がします。人は、他人の行動を見ると、知らず知らず真似をしてしまいます。

他人の行動をまねしてしまうということは、誰かがスナック菓子やお酒やクレジットカードに手を伸ばすのを見たら、いつのまにか自分もまねしてしまい、意志力を失ってしまうかもしれないということです。

p.278

これも、経験として「わかる」と思います。スリムな人と一緒にいると、知らずに自分もヘルシーな食べ物を選んでいたりとか、マジメな人と一緒に仕事をすると、自分もピリッと襟を正される感じ。

これも、自分の〈意志〉とは違う、他人からの影響です。

「知る」ことで、変わる

自分の〈意志〉というものは、絶対的ではなく、本能や他人からの影響が大きく働きます。それを悪しきものとするよりも、上手に利用する方が、良さそうです。

「自分を変える教室」は、「自分を知る教室」なのかもしれません。また、大学の講義で扱われているものですから、普遍的で多くの人に当てはまる〈特徴〉です。ヒトの持っている習性と言ってもいいかもしれませんね。

本書は、多くの人に当てはまるように抽象的な話なので、自分に当てはめながら読むとより分かりやすいかも。アメリカの本と言うことで、たとえ話がアメリカンなのも楽しかったですw

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