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【子育て】お金の教育してますか?『お父さんが教える 13歳からの金融入門』|お金、投資、株式市場

こんにちは。「おカネの話」に疎いあさよるです。

必ず必要なものなのに、正直「考えるのも面倒くさい」って思ってるのかなぁ~(;’∀’)(;’∀’)

パパからの「おカネ」の授業

『13歳からの金融入門』は、アメリカ人のパパが息子にお金・金融に関する物事を教える内容です。

生まれるにもおカネがかかる。死んでもおカネがかかる。おカネはなくてはならないものです。

まずは「おカネ」の話から。世界の通貨や為替の話から始まります。

通貨も、従来の紙幣やコインだけでなく、電子マネーも普及しています。

そしておカネを稼ぐ方法。「固定報酬」「時給」「年収」「手数料」「成功報酬」「会社を売る」、それらを組みわせる。「コンサルティング料金」「チップ/サービス料」、「モノを交換する」。

おカネの稼ぎ方だけでも、方法はたくさんある!

……この話だけでも結構ボリューミーだと思うのですが、これら、最初のたった1章だけでサラッと語られるのみなんです。こんな濃度で全16章。

子ども向けですが、かなり濃密な一冊です。

アメリカのお金事情はちと違う!?

アメリカの金融事情を紹介するものなので、日本とは違った部分もあります。

その都度、「日本では〇〇だよ」って追加されているので、引っかかりなく読み通せます。

さり気ない補足なのですが、これがないとチンプンカンプンかもしれません(;´∀`)

こんなレクチャー、受けたかった!

『金持ち父さん貧乏父さん』も、大人が子どもたちにおカネの稼ぎ方、使い方を教える内容でした。

その中で、「働いてお金を稼ぐのではなく、お金に働かせる」「そしてお金を増やす」という考え方がありました。

おカネは働らいて増やし、使って減らすものだと思い込んでいた あさよるとしましては、非常に心に響いたわけです。

本書『13歳からの金融入門』も、おカネを増やすための基礎知識が集まっています。

まずは、おカネってなんだ?って話から始まり、為替、金利や借金、株取引、企業分析と、幅広く扱います。

どんな職業に就こうとも、どんな生き方をしようとも、必ず必要な知識です。

もちろん子ども向けのものですから、それらのエッセンス集なのですが、無知なあさよるには刺激的でした。

ああ!こんなレクチャーを受けたかった!

そして今回、『13歳からの金融入門』に出合ってよかった^^

『金持ち父さん貧乏父さん アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』

子どもに話して聞かせるために^^

さて、『13歳からの金融入門』というタイトルですが、13歳の中学生にこの本を与えても、読みこなすのは難しいんじゃないかな?と思います。

少なくとも、13歳の頃の あさよるは読めませんでしたw

「お父さんが教える」とあるように、大人が本書を読み込んで、それを話して聞かせるのが自然なのかな?と思います。

話は筋道立てて話さないといけませんから、こうやってキチンとまとめられた書籍は参考になります。

あさよる的には、この本を片手に会話しながら、時折本書を参照するような雑談スタイルがいいのかな?なんて想像します。

学校では、ここまでつっこんだおカネの話は教わりません。自習の範囲ですが、大人が正しく導きながら教授する内容でしょう。

おカネの話はタブーになりがちです。だからこそ、家庭内でこんな時間、いいですよね。

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『その節約はキケンです――お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか』

こんにちは。お金のことを考えると憂鬱になる あさよるです(^_^;)

計画的にね、キチンとなさっている方なら憂鬱にならないのかもしれません……あさよるの場合は……なんだか自分でもよくわからないので、お金のことを考えたくありません。

お金のこと考えたくないので、「とりあえず貯金しとけばいいんでしょ」と思っています。いや、貯金、できてないんですけどね……(^_^;)(^_^;)(^_^;)

ほら、お金の使い方でも、良い使い方とか、悪い使い方ってあると思うんですけども、ムズカシイことはわからないので、何も使わないのが吉なのかなぁと思うようようにしています……。

「思い込み」が邪魔をする

さて、『その節約はキケンです』では、従来の“賢いお金の扱い方”に「待った!」

もちろん、従来のお金の知恵を否定しているわけではないんですよ。しかし「節約はこういうものだ!」と思い込んでいませんか?という問いかけです。

気持ちはわかる!けど…

例えば、節約のために家計簿を付ける人はたくさんいます。が、家計簿をつけたからってお金が貯まるわけではありません。

というのも、家計簿をつけるのが苦手な人の中に、「頑張って家計簿をつける」ということ自体が目標になってしまう人が少なからずいるようです。

あくまで、「“貯金のため”の家計簿」なのに、家計簿をつけることで満足をしてしまっては、目標達成できません。

500円玉貯金の話も面白いなぁと思いました。500円玉貯金はハマってやっている人も多いでしょうし、小銭のわりには大金が貯まりますよね。

しかし、500円玉貯金をするために、わざわざ紙幣を使って釣り銭から500円玉を作ってしまう人が多いんだそうです。貯金のために出費しちゃってるんですね。

人間心理として、そういう気持ちはよくわかります。

人間心理と言えば、節約節約と窮屈な思いをすることだけが節約とは限りません。

一般的には贅沢と呼ばれるようなことでも、自分にとって大切なものなら優先すべきです。

本書では、あらゆる出費は削るけど、季節ごとに選びぬいたブランドの洋服を購入する人の話や、時間外ATMの利用や、自販機で飲料を購入することをやめ、代わりに寮生活をやめて一人暮らしができるようになった人の話など紹介されていました。

何が大切で、何が優先すべきものなのか。どれを削っていいのかは、自分のライフスタイルに合わせて考えないといけないのですね。

家庭を持ち、持ち家を考えている人向け?

『その節約はキケンです』では、住宅購入時のローンの組み方や、子どもの教育資金のなど、家庭を持っている方にとっては気になる話でしょう。

住宅ローンの返済期間を短く見積もったために、妊娠出産や転職、病気や怪我など、夫婦のどちらかが働けなくなった時に、ローンが重くのしかかることを紹介し、一概に早く返済するプランが良いとは言えないことを知りました。

また、いずれ訪れる老後のための資金の計算の仕方や、保険の選び方など、気になるところです。

単身世帯でも当てはまる

しかし、単身世帯でも存分に当てはまる事項も多いのです。

ローンや保険の話はすべての人に関係する話ですし、老後に向けて貯蓄を増やしてゆくプランも考えなければなりません。

住居の選び方や、生活水準の設定も大切ですし、よくテレビや雑誌で特集されるような節約術との付き合い方も慎重に行わないといけません。

先に述べたように、「こうしなければならない」という“思い込み”が、逆に貯蓄や節約の足を引っ張ることがあるからです。

あくまで、自分の生活にあった方法を模索することを忘れないように……φ(..)

「歳を取る」という未知の世界へ

あさよるがあまり考えないようにしていたのが、歳を取ってからのことと、保険の話題でした。それをズイッと目の前に突きつけられた……。

そんな、老後のためにお金を貯めるなんて……正直フィクションの話のように考えていたかもしれません。来年のこともわからないのに\(^o^)/

そして、保険の話はややこしくて考えたくないことの代表格でした。ちょっと勉強しなきゃなぁ。

あと「ファイナンシャル・プランナー」という職業を、正直「なんか胡散臭い名前やなぁ」と思っていました。ファイナンシャル・プランナーの方がいたらごめんなさいm(_ _)m

しかし、自分のお金を管理する手段として、プロに相談することも全然アリだなぁと感じました。

とりあえず、なんにも考えてないチャランポランなあさよるよりも、プロに考えてもらう方が絶対100%良いに決まっているww

ちょっぴり反省しつつ、「こういう方法もあるんだなぁ」とちょっぴり手がかりを得た気分です。

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『心も生活も整理されて輝く!貯金・節約のすすめ』|貯金の主役を「お金」から「自分」へ

こんにちは。深夜のフリマアプリで散財してしまう あさよるです(^_^;)>

夜中は脳内でドーパミンが分泌されて、冷静な判断ができなくなっているんだとか……深夜のテレビショッピングがよく売れたり、深夜バラエティがやたら面白く感じるのもこのせいらしい……と、読みかじりの知識ですw

貯金・節約の“目的”はなんだろう!?

お買い物って楽しくってワクワクするもの……のハズですよね。なのに、あとになって罪悪感が沸いたり、お金が足りなくなってアタフタしていては困ります。

お金の話って、なんとなくタブー感があって人に相談しにくいし(冗談っぽくは言えるけど、ガチ相談しにくい話題)、だけど、お金って生きてゆくのに絶対避けて通れないお話。

「節約!」「倹約!」ってブームは長く続いているけれど、正直ケチケチした生活も……こんな生活、いつまで続くの!?

先の見えない暮らしの中では、なんのために貯金をしている or したいのかすら見えなくなってしまいます(T_T)

主役の座を「お金」から「自分」へ

『貯金・節約のすすめ』では、こんな表が掲載されていました。

●従来の貯金法と横山式の違い

 従来の貯金法横山式
主役お金自分自身
(生き方・人生)
目的お金を貯める生活に張りを持
ち、豊かになる
意識「辛くても当然」
と耐える
「楽しみながら」
を心がける
時間軸中・長期的(人生)
お金の
使い方
消極的積極的
ストレス
継続難易度困難容易
開始時に
すること
いきなり実践現状分析と
意識改革
成果最初は劇的だが
息切れする
ゆったりとした
右肩上がり

 横山光昭『貯金・節約のすすめ』p.70

従来の節約では「お金」が主役。お金を貯金するために節約をする。ローンを返済するため、支払いをするために節約する。

テレビで節約術を紹介している様子も、「◯◯をすれば△△円節約!」とか「◇◇すると、年間☆☆円もコストカット」とか、「お金」が主役の扱いです。

しかし、『貯金・節約のすすめ』の著者・横山光昭さんは「自分自身」を主役にした貯金・節約を呼びかけます。一般的に節約の対象になる事柄も、自分にとってはかけがえのない大切なものだったり、あるいは反対に、多くの人にとってやめられない出費も、自分は案外大丈夫だったりする。

あさよるの場合は、旅行や被服費は少なくてもいいけど、食費を削るのは辛いなぁ。だけど案外、おやつ代は減らしても大丈夫かも……なんて思いながら読みました。みなさん、それぞれに「コレは減らせるかも?」「だけど、これは減らせない」ってものもありますよね。

また、食費を削ろうとすると、勤め先の食事会まで断っている内に、結果的に出世が遅れたり、仕事に支障が出ては本末転倒。また、仲間との飲み会が良い息抜になっていた人は、ストレス解消ができなくなって体調でも崩したら一大事。

お金を増やす方法は3つしかない

大切なお金を蓄える方法は、次の3通りしかありません。

①収入を増やす
②支出を減らす
③収入を増やして支出を減らす

横山光昭『貯金・節約のすすめ』p.16

ベストは「③収入を増やして支出を減らす」!!そりゃ当然です。しかしながら、「いやいや、そう簡単なことじゃありませんよ」って話ですよね。ですから、みなさん「②支出を減らす」の一択になってしまうんだそうです。

その傾向に、著者は警鐘を鳴らします。まずは、「③収入を増やして支出を減らす」を検討してみましょうよ、と。検討もなにもせずに、自らの選択肢を狭めていないか!?ってことですね。

そして、大金をガバッと稼げなくても、たとえ数千円でも、月に稼げればそれだけ収入がプラスです。金額は小さく感じますが、お金はお金。はした金だからって粗末にしていては、貯まるものも貯まりません。

今、一番身近で手っ取り早いのは、ネットを使ったお小遣い稼ぎ?

あさよるがお小遣いになるかも?と思ったサービス

「節約」にも好みや価値観がある

近年、話題になっているシェアハウスを、節約の目的で利用している人がいます。家財道具の準備が減らせたり、家賃が安く上げている人もいます。一方で割高なのにシェアハウスに済み続ける人もいます。防犯面や、利便性を優先して、他の人と一緒に暮らすのもアリです。

しかし、「他人と一緒に住むのはちょっと……」「メリットがあってもシェアハウスはムリ……」って人もいるでしょう。

そう、節約方法って、個性があるんですよね。

外食をやめてオール自炊にできる人もいるでしょうが、外食が良い気晴らしになっている人にとっては、やめられない習慣。代わりに、他の部分で削りましょうということ。

現実味のある貯金・節約の心得

単に、「お金」を貯金する、節約する、というのなら、テレビで紹介されているような手法が役に立つでしょう。しかし、そこには主役である自分がいない。個性がないんです。

『貯金・節約のすすめ』は、もっと現実的といえます。なんとなく説得力のある節約法って、正論だけど現実味がなかったりしませんか?実行できないと意味がないし、生きている限り「お金」は必ず付いて回るもの。「なんとなく」「誰かがそう言ってたから」って理由で、貴重なお金を扱ってるって……コワイことだなぁと気づきました。

お金ってとっても大事なモノなのに、直視していない or 直視したくないモノだったりしませんか?

本書『貯金・節約のすすめ』は決して、具体的な節約法をたくさん紹介している書籍ではありません。それよりももっと前、心構えや考え方に触れる内容です^^

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『お金に頼らずかしこく生きる 買わない習慣』

「買わない」ことで手に入るモノは、

それは、「幸せ」や「豊かさ」の目に見えないモノ

「お金」はなぜ必要なのだろう

『買わない習慣』では、“買わない”ことでお金の出てゆく先を考えなおそうと提唱します。

そもそも、「買わなければならない」「しなければならない」と信じている事柄は、はたして本当に出費しないといけないことでしょうか。「お金を使わないといけない」と思い込んでいるだけではないでしょうか。

何をするにも、必ずお金が必要です。

ですから、お金の行く先・使い先を考えるということは、自分がなにをするのか考えることなんですね。

「お金」を手に入れるために、何を失っているか

もう長いこと「節約」「倹約」が叫ばれ続けています。

金銭的に余裕のある人なんて少なくなっていますから、切羽詰まって「節約」「倹約」に取り組んでいる人もいるでしょう。

しかし、頭では「節約しなきゃ!」と行動すれど、思うようにゆきません。

節約をする→我慢からイライラが募りストレスが溜まる→ストレス発散で買物をする→お金がなくなる

こんなスパイラルにハマってしまう人も少なくないんだとか。はい、あさよるも他人事とは思えません(-_-;) 見失ってはいけないのは「何のためにお金がほしいのか?」です。それは、「自分の幸せのため」なんです。

本当に欲しいもの、必要なものを選び取る

お金を使う理由を、きちんと整理しましょう。

「見栄を張るため」「みんな持ってるから」「恒例だから」「みんなに自慢したいから」 そんな理由でお金を使うこともありますが、どれも“他人のため”にお金を使っていることを忘れてはいけません。

見栄を張るよりも、自分が欲しい、必要だと真に思えるものを買う方が、ずっと自分を幸せにするお金の使い方です。「みんな持ってるから」「流行だから」って物を買うのではなく、自分が良いと思うのもにお金を使うべきです。

『買わない習慣』では、ついやってしまいがちなお金の無駄使いの例と共に、これからどんなお金の使い方をすればよいのか提案されています。

安いから、お得だからって「買わない」

ついついお金を使ってしまうのは、何も他人へのためだけではありません。

「お買い得!」「激安!」なんて謳い文句にまんまと釣られてしまうこともあります(-_-;) あさよるの場合は「今だけ!」「期間限定」に弱いです(;´д`)トホホ…

『買わない習慣』を読んで、「買わない」って大事なんだなぁと。はい、思い知りました。

もちろん、お金を使わずに行きれませんから、必ずお金を使います。だけど、それをとことんまで見なおしてみる。まずははじめに「買わない」という選択を手に入れる。

いつでもできる、誰でもできる。だけど……

『買わない習慣』は、「買わない」という手段を選ぶだけなので、誰でも出来ます。いますぐに開始できます。

しかし、「買わない」という選択は、一見して消極的な選択のように思えます。が、これまでの習慣や思考パターンを変えてゆくのですから、根気よく続ける必要のある案件。

ですから、誰にでもできるけど、誰もが手に入れられる習慣でもないのかなぁとも思います。

あなたの「豊かさ」を手に入れる

『買わない習慣』で紹介されているのは、「自分の豊かさ」「自分の幸せ」を手にれましょうというお話。

そのために必要なのはお金ではなく、まずは自分自身への理解ではないでしょうか。

また、自分が何を欲し、自分の人生に何を必要としているのか。それは、物質的なものなのか。お金を出せば手に入るのか、お金以外の方法で手に入れるのか。

「お金がほしい」「裕福なのが羨ましい」と切望することはあったけれども、自分がどうすれば豊かになれるのか、幸福をいつ感じるのか、「自分」の幸せについて、掘り下げて考えたことありませんでした。

自分を豊かにするのは自分しか居ないということですね。

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『ぼくはお金を使わずに生きることにした』|都会で大冒険!カネなし生活

『ぼくはお金を使わずに生きることにした』挿絵イラスト

こんにちは。あさよるです。先日読んでブログでも紹介した『0円で生きる』が面白くて、ゴールデンウィークに「家財道具を売ってみよう」とメルカリに出品してみました。『0円で生きる』で紹介されていた「ジモティー」も利用したいのですが、荷物の運搬手段がないので、これから考えよう。

これまで物の譲渡って、役所とか公民館の「あげます・ください」の掲示板を見たり、フリーマーケットに出品するとか面倒くさかったけど、ネットサービスが充実することで、誰もが気軽に安価or無料でやりとりができてとても便利です。「テクノロジーは社会を変えるんだなあ」なんて、大げさなことを考えてみたり。

今回手に取った『ぼくはお金を使わずに生きることにした』も、イギリス人の男性がロンドン郊外で1年間、一切のお金を使わず生活をするチャレンジをした記録です。彼がチャレンジを決行したのは2008年の年末のこと。2008年はリーマンショックがあった年です。さらに3.11以降のわたしたちにとって、彼のチャレンジは当時と違った意味を感じるかもしれません。

現代の冒険譚・お金を使わない

著者のマーク・ボイルさんは現代の冒険家です。かつて「冒険」とは、大海原へ漕ぎ出だしたり、未踏峰を踏破したり、誰も行ったことのない場所へ踏み込むことでした。現在では都市部の郊外で「1年間一切お金を使わない」というチャレンジが、誰もやったことのない大冒険なのです。現にマーク・ボイルさんは、1年間お金を使わない構想を発表してから、世界中のメディアから数多くの取材を受けます。

テクノロジーを否定しなくていい

マーク・ボイルさんのチャレンジの特徴は、まずロンドンの郊外で行われること。お金の一切は使わないけど、友人たちを頼るし、社会のインフラも使います。また、基本的にはテクノロジーの否定はしていません。

1年間お金を使わない計画に際し、マーク・ボイルさんはルールを自分で設けています。まず、石油燃料は〈自分のために〉使わないこと。電気は自分で発電しますが、誰かから「どうぞ」と差し出される分には使用してもいいこと。つまり、わざわざ〈自分のために〉石油・ガソリンや電気は使いませんが、他の人が使っているものを分けてもらうのはOKということ。例を挙げると、「自分のために車を出してもらう」はNGですが、ヒッチハイクで「元々あっち方面へ向かう車の助手席」を分けてもらうのはOK。

この辺が「世捨て人」的な感じではないところ。なにより交友関係はとことん使います。「ロンドンの郊外」ですから、落ちているモノ、捨てられているモノを手に入れやすい環境にもあります。

マーク・ボイルさんはお金と石油燃料を自分のために使うことを避けていますが、それ以外のテクノロジーやコミュニティーは特段否定していません。

菜食主義で健康に

お金を使わない生活をすると、納税しないことになります。だからマーク・ボイルさんは1年間、病気をしないように健康に気をつけるのですが、ビーガンになることで、かつての不調がウソのように改善した様子を綴っておられます。菜食主義の人がよく「肉や乳製品をやめると体調が良くなった」と仰ってるのを目にしますが、実際のところどうなんでしょう。

また、肉食をやめたことで、体臭に変化があったそうです。お風呂も洗濯機もありませんから、衛生状態と〈清潔感〉をどうキープするのか周囲の人も気にしているようです。「ボディソープを使わなくても体はきれいになる」と説明しても、信じてくれない様子。

これについては以前、あさよるネットでも『「お湯だけ洗い」であなたの肌がよみがえる!』で紹介しました。有機物は水溶性で水に溶けて流れます。だから「水浴びだけでも清潔」は、そうなんでしょう。

Wifi完備でネット環境

マーク・ボイルさんはネットで住処の提供を求めたところ、なんとキャンピングカーの提供を申し出る人が表れました。また、そのキャンピングカーを停める場所も、ボランティアを引き受けることで場所を貸してもらえました。そこはWifiもつながっていて、マーク・ボイルさんは自家発電をしてネットに接続し情報発信を行います。プリペイドカード式の携帯電話を所持しているので、電話を受けることもできます。世界中のメディアからの取材も、電話を貸してもらって受けています。

「現在の冒険譚」と紹介したのは、現代のネットワーク環境を活用しているからです。『アルプスの少女ハイジ』の〈オンジ〉のように、コミュニティーに属せず、人々から隔絶された地で生きるのとは正反対です。積極的にコミュニティーを持ち、情報を発信し、人とつながりながら「お金を使わない」から、冒険なのです。

お金はすごく便利だ!

本書『ぼくはお金を使わずに生きることにした』は、著者のマーク・ボイルさんの体当たりレポにより「お金」の価値について問い直されます。本書を読んでつくづく思うのは「お金はとても便利なものだ!」ということです。マーク・ボイルさんご自身も、「お金が少ないのと、お金を全く使わないのは、全然違う」と書いておられます。

本書が面白いのは、別に貨幣経済を否定してるワケでもないところ。ただし「お金の価値しかない社会」はどうなの? という問いかけになっていますし、また「お金を使わない生き方を選ぶ自由がある」という至極当たり前のことを体現した記録でもあります。

マーク・ボイルさんの結論として、「お金のない世界で暮らしたい」と理想をあげながらも、現実的には「地域通貨」への切り替えが落としどころとして提示しておられます。小さな町や村のコミュニティーの中で、スキルや物を提供したりもらったりして、交換する価値としての「地域通貨」です。

お金で買っているのは「時間」

カネなし生活で、足りなくなるのは「時間」だと言います。朝起きて、水を確保しないといけませんし、ネットにつなぐための電気を発電し、どこへ行くにも何十キロと自転車を飛ばさねばなりません。ボールペン一本、安いお金を出せばに入る物ですら、ボールペンが落ちていないか探さねばならないのです。

お金を使うことで、一瞬でほしいモノが手に入るのですから、最強の「時短」アイテムなんですね。

カネなし生活には「お金以外の力」が必要

お金は便利だと紹介したのは、カネさえあれば、他に何もなくても欲しいものが手に入るからです。お金がない生活とは、人とのつながりが重要で、自分を助けてくれる人、自分を気にかけてくれる人の存在が重要です。幸いにもマーク・ボイルさんは、彼のチャレンジに協力してくれる友人や恋人がいて、また世界中のマスコミが取り上げ多くの人が彼に注目していました(もちろん賛否アリ)。またマーク・ボイルさんは健康で若い男性であり、彼の思想や信仰も、お金を使わない計画を後押ししたでしょう。いくつもの要素が絡まり合って、成立したチャレンジだと考えることもできます。

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