
学校では問題解決を教えてくれないから!
子どもだって、集客や資金調達したいんです。
いでよ!問題解決キッズ!
中学生へ向けた「問題解決」のための入門書。
問題解決とは、ひらたくいえば、「現状を正確に理解し」「問題を原因を見極め」「効果的な手打ちまで考え抜き」「実行する」ことです。
『世界一やさしい問題解決の授業』p.19
①現状の理解→②原因の特定→③打ち手の決定→④実行→①へ戻る… そう、これってPDCAサイクルですよね。ここでは、CAPDの順番で紹介されています。
問題解決の授業って、中学生向けに向けた、ビジネス書なんです。
本書の中で、二つのケースが取りあげられます。それは、クラスメイトと始めたバント「キノコLovers」の集客をアップせよ! と、年末までに半年でパソコンを買うためのお小遣いを捻出せよ! という問題です。
社会に出て大人になると、直面する「問題解決」の方法。子どもたちにだって、それを知ってたっていいじゃない。その名も「問題解決キッズ」を輩出することが、本書の狙いです。現在の日本の学校教育では扱わない「問題解決」を、今後の教育には取り入れるべきだとのメッセージが込められています。
イラストいっぱい、図解いっぱいで楽しく読めた
図解もたくさんあり、親しみやすいイラストやキャラクターたちが楽しい内容です。
問題の原因を考えるために「分解の木」なる図解をします。イエスかノーで枝分かれしてゆく図を作成することで、疑問や仮定が生まれてくるんです。
さらに、時間やお金の成約の中で、何を「実行」し、何をやめるのか。これも、マトリックス表を使い可視化します。見える化すれば、他の仲間達とも相談できるから便利ですね。
実行プランでは、実際に行動のスケジュールを表に書き出して、全員が把握できるようにするのは……スケジュール管理の苦手なあさよるにも染み入ります……はい、大事です……
根性論より、諦めより、頭でっかちよりも、問題解決しよう
PDCAサイクルをグルグル回ししてゆく様子も、とっても当たり前のこととして紹介されていて、すんなりと読み進めることができました。
バンドの集客がままならないのは告知不足だと仮定しましたが、アンケートを取ってみると、ライブがあることは知っていたけど足を運ばなかった人が多数いた。なぜだろうと考え、どんな楽曲を演奏しているのかまずはみんなに知ってもらえば興味が湧くのではないかと仮定した。計画を立て、実際にみんなの前でサビだけ演奏したり、WEBやチラシで呼びかけた。
どんどん仮定をし、実証をして、結果が異なっていれば訂正をし……と繰り返してゆく様子が、ひたむきでしっかりと目標のある行動に思えました。なにも考えず努力や根性で押し切ろうとせず、端から諦めもせず、頭でっかちにもならず、きちんと取り込むのが大事だと知りました。
中学生向け!難しい本が希望なら他へどうぞ
本書『世界一やさしい問題解決の授業』は、「問題解決キッズ」のための書籍です。ですから、メインの対象読者はあくまで中学生(小学生高学年でも大丈夫かも)。
すでに社会に出て、日々問題解決に明け暮れている大人たちにとっては、既に知っている知識ばかりでしょう。ですから、小難しい内容の書籍をお探しなら他の本をどうぞ。
あさよるは、バンドのお客集めや、お小遣いの貯め方など、子供向けの内容ではありつつも、大人だってバンド活動をしますし、お小遣いも貴重!ビジネス書はどうしてもパブリックな問題に据えてしまいがちなので、プライベートな問題解決を考える時にいいかも。頭の切り替えがしたいときね。
子どもたちにレクチャーしたり、一緒に読んだり!
『世界一やさしい問題解決の授業』は、「問題解決キッズ」育成のための中学生が対象の内容です。
大人が本書を扱う場合、子どもたちに「問題解決」をレクチャーしたいときが、最も役に立つでしょう。あとは、プレゼントしちゃうとかね。
そして、もちろん大人にだって、十分活用できる「問題解決」です。結構幅広く使えると思います。
イラストや図解がたくさんあって、可愛らしく楽しげな雰囲気がとっても好きでした。子どもたちに一緒に読みながら話をするのが(・∀・)イイネ!!
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