土橋章宏『超高速!参勤交代』|ドタバタハラハラエンタメ歴史小説!

こんにちは。深田恭子ちゃんにメロメロのあさよるです。

ディーンフジオカさんと共演してた『ダメな私に恋してください』をちょこっとだけ見てて、ディーンフジオカに惚れ惚れするはずが、深キョンちゃんにメロメロだったんですよ(すごくどうでもいい話っすなw)。

映画『超高速!参勤交代』でも、あまりに可愛いすぎる女の子が出てくるから、「誰!?」っと色めきだっていたら、深田恭子ちゃんだと!?

あさよるより ちょい年上のお姉さんのハズでしたが、絶対見えない!!

すごくどうでもいい導入ですがw、映画『超高速!参勤交代』は、ひたすらに深田恭子ちゃんが可愛い映画だったのですよ。

映画もまぁまぁ面白かったので、ちょいと小説版も読んでみようか!と。

ちなみに、原作“小説版”と映画の“ノベライズ版”があるようです。あさよるが読んだのは原作版です。

土橋章宏さんによる脚本・小説→映画化の順みたいですね。

ドタバタ、そしてチャンバラ!

あらすじ

ときは享保20年(1735)初夏、改革の嵐吹き荒ぶ8代将軍吉宗の時代。わずか1万5000石の磐城湯長谷藩に隠し金山の嫌疑がかかり、幕府老中から「5日以内に参勤せねば、藩を取り潰す」と難題をふっかけられた。若殿様以下7名は東国一の忍びの力を借りつつ、陸前浜街道、水戸街道、さらには山野を踏み越え江戸城本丸へ急ぐ。軽量化のため竹光しか持たない一行を阻む公儀御庭番と百人番所の精鋭。湯長谷藩の運命や如何!?

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貧乏の弱小藩の殿様と家来たちが一致団結、野宿をしつつ、野を駆け山を駆け江戸を目指す!途中、江戸参勤を阻止すべく、幕府方から放たれた忍びも待ち伏せる。

話の筋はほんと、これだけなんです。

主な登場人物は、

  • 湯長谷藩の殿様・内藤政醇(まさあつ)
  • 政醇に雇われた忍者・雲隠段蔵
  • 道中、政醇が出合う飯盛り女・お咲
  • 幕府の老中。ヤなヤツ。人民をいたぶって遊ぶ松平信祝(のぶとき)

たぶん、この4人を覚えておけば大丈夫!(そうか?)

生き方を選べない3人

政醇、段蔵、お咲の三人は、過去に辛い経験を背負っている。そんな意味で似たもの同士だった彼らは、多くを語らずとも互いに信頼し、繋がってゆく。

んで、彼らの過去がやけに重い(苦笑)。政醇は乳母からひどい折檻を受けて育ち閉所恐怖症。明るく振る舞う様子が逆につらい。段蔵は仕事が上手くいかずアル中で妻と子に手を上げ離縁。今はアルコール断ちをしているが、その描写がつらい。お咲は口減らしで売られ、気が強く虐待を日常的に受けているよう。

……エンタメの中に潜んでいるから余計に、設定がつらい。

彼らは、物語を通じ、自らの置かれた立場や経験をどう受け入れ、どう乗り越えるんだろうか。あまり言うとネタバレになっちゃうけど、結果、三者三様の向き合い方をする。

政醇、段蔵、お咲は、身分も立場も性別も違い、だからこそそれぞれの運命に抗えない。

身分の高い貧乏藩の殿様として振る舞わねばならないし、段蔵は忍びとして任務を遂行するしかない。飯盛り女のお咲に、できることなんてほとんどない。

おお、これが「身分制」なのか……描かれているのは教科書で習った「参勤交代」だけではない。

やっぱチャンバラ、忍者vs忍者っしょ!

と言いつつ、やっぱり時代物で見たい(読みたい)のは、刀を振り回るチャンバラシーンでしょ!

政醇は居合の達人で、強いんだぜ!

そして雲隠段蔵が、江戸城の大勢のお庭番相手に大バトルは超カッコいい!段蔵は登場時、得体が知れずモヤモヤした感じなんだけど、話が進むごとに段蔵の過去が明かされ、そして段蔵は更に強くなってゆく~!

映画版も、大チャンバラシーンがあるんだけど、唐突感があって若干呆気にとられながら見ていました(苦笑)。小説の方がスムーズに話が進んでいく感じ。

映画→小説の順がいい、かな?

あさよるは先に映画を見て、後から小説を読みました。

もし人に薦めるなら、同様に映画→小説の順をお薦めします。

理由は、映画の内容は欠けているからです。端折ってあるせいで唐突に物語が展開したり、「今の何?」「その設定何!?」と疑問が多かった。

小説版を読むと「なぜそうなったのか」「なぜその設定が必要だったのか」わかります。(なんで江戸の街でバトルしてるの?とか、政醇とお咲の過去重いわ!とかw)

ですから小説を読んでから→映画を見ると、なんかイメージ映像みたいになるんじゃないかなぁ?と思います。

映画は映画で楽しい作品なので、存分に楽しんでから小説をじっくり味わう作戦が(・∀・)イイネ!!

“歴史小説”ってとっつきにくいなぁって人へ

「歴史小説」って、なんか難しそう、とっつきにくそうなイメージがある方は『超高速!参勤交代』を読めば、そんなイメージぶっ飛びます。

あさよるは学生時代、歴史小説にハマってそればっかり読んでいた口なのですがw、全然堅苦しくないし、難しくないし、ひたすら超カッコいい話ばっかりで、歴史の登場人物たちにお熱でした(苦笑)。

気楽な感じで、エンタメとして楽しんでも乙なものです。

その意味で『超高速!参勤交代』は終始ドタバタと慌ただしくコミカルで、だけどキメるとこはびしっとキメる。素晴らしくエンタメしてる作品でした。

勧善懲悪モノの要素もあり、スカーッとする読了感。どうぞ~

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超高速! 参勤交代

  • 土橋章宏
  • 講談社
  • 2015/4/15

目次情報

序章

〈一日目〉
1 江戸からの使者――内藤政醇
2 江戸城の闇――松平信祝
3 群がる忍びたち――雲隠段蔵
4 陸前浜街道――内藤政醇

〈二日目〉
5 高萩宿の籠脱け――内藤政醇
6 離縁状――琴姫
7 常陸の山越え――内藤政醇
8 狂刃――松平信祝

〈三日目〉
9 山の主――雲隠段蔵
10 飯盛り女――内藤政醇
11 折り鶴――雲隠段蔵
12 折檻――内藤政醇
13 窮地――湯長谷の家臣たち

〈四日目〉
14 禅の公案――琴姫
15 障り――内藤政醇
16 錯綜――雲隠段蔵
17 珊瑚の簪――内藤政醇

〈五日目〉
18 名残――内藤政醇
19 取手宿の奇計――相馬兼続
20 想い――お咲
21 酒――雲隠段蔵
22 最強の剣
23 裸足の将軍――徳川吉宗
24 非情――内藤政醇
25 奇策――琴姫
26 藩士結集――内藤政醇
27 誤算――松平信祝
28 血笑――湯長谷の家臣たち
29 百人番所の攻防
30 殿中――琴姫
31 石垣の暗闇――雲隠段蔵
32 物の怪――内藤政醇
33 戸隠流秘奥義――雲隠段蔵
34 江戸城本丸――内藤政醇
35 沈黙――琴姫
36 黒書院事変――内藤政醇

〈六日目〉
37 磐城の土――内藤政醇

終章

土橋 章宏(どばし・あきひろ)

一九六九年、大阪府豊中市に生まれる。関西大学工学部を卒業後、エンジニアとして日立製作所に勤務。二〇〇〇年退社。二〇〇九年、「スマイリング」で函館港イルミナシオン映画祭でグランプリ受賞。同年「海煙」で第13回伊豆文学賞優秀作品賞受賞。二〇一一年「緋色のアーティクル」で第三回TBS連ドラ・シナリオ大賞入選。同年「超高速!参勤交代」で第三七回城戸賞を同賞初の審査員オール満点で受賞。趣味はロードバイク、山歩き、釣りと料理。

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