『真夜中のディズニーで考えた働く幸せ』|情熱をカタチにするってコト

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こんにちは。子どもの頃なりたかった職業は「ケーキ屋さん」のあさよるです。理由は……なんとなく。〈将来の夢〉が明確にある人がずっと羨ましい人生でした。今でも「楽しいことしたい」と、ゆるく夢見ています。

さて、今回は〈仕事〉と〈熱意〉を考える本に出会いました。働くってなんだろう?ってこと。そして、熱意を持って取り組むパワー。

14歳の世渡り術。働く熱意!

本書『真夜中のディズニーで考えた働く幸せ』は、河出書房新社の〈14歳の世渡り術〉というシリーズの中の一冊です。中学生~大人までが読者の対象です。本書は、東京ディズニーランドオープン当時からランド内の〈そうじ〉係をしていた著者・鎌田洋さんの経験が綴られています。

鎌田洋さんは会社員をしていましたが、東京ディズニーランド建設の計画を知り求人募集に応募します。鎌田さんはアメリカのディズニーランドへ行った経験から、どうしてもここで働きたいと思っていましたが、残念ながら不採用。会社まで辞めて何度もエントリーしますが、なかなか採用されませんでした。ディズニー本社へ直談判の手紙を書き、アメリカのディズニーランドまで出向きスタッフと話をしますが、なかなか採用の通知が届かない。別の仕事をしながら何度も何度も応募して、やっと採用になりました。

やっと東京ディズニーランドのスタッフになれましたが、配属されたのは〈カストーディアル〉という、パーク内のそうじ係。みなさんもディズニーのそうじスタッフをご存知でしょうから、「かっこいい!」「すてき!」って思うかもしれませんが、東京ディズニーランドの建設当初は〈カストーディアル〉がどんなに重要な役割なのか多くの人は知らなかったでしょう。鎌田洋さんも本場のディズニーランドでカストーディアルの仕事を見て感動していたのに、いざ自分が配属されたとき「内心がっかりした」と告白しておられます。しかも、鎌田さんは深夜、ゲストのいない時間のそうじが任されました。

何度も何度も不採用になり、諦めずにやっと手に入れた仕事なのに、ちょっと不本意な配属。そんな中でも、働くこと、熱意を持ち続けること、諦めないこと。そのパワーがどんどん自分の境遇を変えてゆく様子を、ご自身の体験と共に紹介されています。

マネできるところ

〈14歳の世渡り術〉ということで、本書を読んで誰もが真似できる、取り入れられるところをピックアップしてみます

  • ディズニーランド予定地を見に行った

鎌田さんは東京ディズニーランド建設のニュースを聞き、とりあえず予定地とされている場所へ赴いていました。建設前ですからもちろん、ディズニーランドの気配もなかったようですが、「どこにあるの?」「どんなところ?」「どんな風になるの?」って、実際に行ってみる!

将来働くかもしれないところや、進学するかもしれない学校など、実際に行って見てみる。夢の中のフワフワしたお話がグッとリアルに、現実と地続きなことがわかります。

  • アメリカのディズニー社へ手紙を書いた

ダメ元でディズニー本社へ、自分の熱意を伝える手紙を書きます。結果的に返事はもらえなかったし、直接的には手紙は役立ちませんでした。しかし、巡り巡って手紙を書いた熱意が、自分を後押しします。どうやら、手紙はちゃんと届いて読まれていたようで、鎌田さんの名前は把握されていたようですし、どうやら日本の東京ディズニーランドの面接でも、手紙の一件はみんな知っていたようです。じわじわっと効くアプローチもあるんですね。

  • 落ち着いて作戦を考える

東京ディズニーランドで働きたいと、前職を辞めてしまった鎌田さん。しかし残念ながら不採用。生活しないといけませんから、とりあえず他の会社で働き始めます。ここで、働きながら、落ち着いて「これからの戦略」を考える。突っ走り続けるだけだとすぐ息切れしてしまいますから、冷静さも大事。

  • 「前の仕事」が後押しする

著者の鎌田洋さんは、当時の仕事を辞めて東京ディズニーランドで働きたいと思った時、奥様もすんなりOKして、そのあと幾度も不採用の通知が来ても「やめなさい」「諦めなさい」とは仰らなかったそうです。それは、鎌田さんが以前の仕事も真面目に働き、サボったりせず優秀な成績を上げていた〈実績〉が大きいんじゃないのかなぁと思いました。働き者で優秀な人だと分かっているから、奥様も反対なさらなかったのではないか?ということです。全然違う世界に飛び込むときも、これまでの自分がやってきたことが後押しをします。

  • プロの世界は、スゴイ

念願の東京ディズニーランドで働き始めますが、配属されたのは掃除係。当時の掃除って、キツイ、キタナイ、危険の3Kの仕事でした。しかし、そこでディズニー社が持ってる掃除のノウハウに出会います。掃除って、ただ汚れを取るだけじゃなくって、人の心までキレイにするものです。人の行動を把握し、ゲストが夢の世界に浸れるように配慮します。まさにプロフェッショナルの仕事です。

働く人は、みんな物語を持っている!?

鎌田洋さん『真夜中のディズニーで考えた働く幸せ』では、「オープン当時の東京ディズニーランドのキャストとして働いた!」というスペシャルな体験を手に入れるまでの困難と、そこで学んだことが紹介されています。すごく特別で、すごく〈普通じゃない人〉の体験ですね。

〈14歳の世渡り術〉ということで、働くことや、チャンスを自分で手に入れる方法、諦めず何度もチャレンジし続ける、情熱も実を結ぶ実例です。そして、執念の先にゲットした仕事なのに、不本意に思っちゃったり、それでも諦めずに真摯に取り組めば、与えられた仕事の大切さが分かってくる。

こんな経験、もちろん著者の特別な経験なのですが、働く大人たちは多かれ少なかれ同じような経験を持っているのではないでしょうか。夢を持って行動したり、時に夢に破れたり、諦めたり道を変更したりしながら、それでも〈今〉に至る道筋を誰でも持っていて、ドラマチックじゃないかもしれないけど、他にない経験を持っています。

思春期頃、大人の自分を考えるとき、スペシャルな人の体験に触れるのも刺激的です。しかし意外と、身近な人の物語も、面白いかもしれません。

真夜中のディズニーで考えた働く幸せ

目次情報

はじめに

第1章 「あきらめない」という旅

念願のディズニーランドでの配属は……掃除!?
掃除は大事だけれど……
ディズニーランドとの出会い
ディズニーランド、日本上陸
ディズニーランドで働きたい! 28歳のチャレンジ
まずは英会話から
アメリカ本社トップへの直談判
運命のいたずらは本当にある
「とりあえず」地元で就職
ほかの仕事をしながらの再挑戦
あきらめられない想い、再びアメリカのディズニーランドへ
意気地なしの自分との戦い
アメリカのカストーディアルスタッフとの出会い
ラストデイに訪れたチャンス
天にも昇る気持ちからどん底へ
新しいパワーは想像の翼を広げて生まれる
押しの一手ばかりでは空回りする
人に話すことで、頭と気持ちはリセットできる
半ばあきらめていた最後の挑戦

第2章 カストーディアルの仕事を通して学んだこと

私は「その他大勢」に過ぎない
はじめての仕事は確認作業から
与えられた役割はスーパーバイザー
カスト―ディアルという仕事
掃除を“勉強”する
掃除の神様との出会い
トイレの掃除を通して大事なことを教えてくれたチャック・ボヤージン
なんだか掃除が楽しくなってきた!
まさかのナイトカストーディアルに配属
ウォルト・ディズニーの掃除への理想
ウォルト・ディズニーとチャック氏の出会い
カストーディアルの仕事と意義
深夜勤務のはじまり
万全の準備を重ねて
東京ディズニーランド、ついにオープン
暑さとの戦い
ディズニールックへのこだわり
非現実の世界と現実問題の交渉
ディズニーランダーズだけが見える景色
自分の仕事を見てくれている人がいる喜び
「自分が出来ることはすぐやりなさい」
チャック氏のゴミ箱へのこだわり
カストーディアルは人の心も綺麗にする仕事
自分で考えるようになろう
飾り気のないおもてなしの心
真のリーダー

第3章 思い通りにいかないときこそ、素直に懸命に

人生は小さな「転換期」の積み重ね
若いときは、誰だって自分の心の整理ができない
自信をなくした高校時代
ときとして本は救いになる
浪人、留年、そして就職。将来の夢なんてなかった
素直にやってみると、意外と楽しく、学びも多い
「とりあえず」?「腰掛け」?
人がやらないことをたってみる
目の前の仕事に真剣に向き合う
仕事は、内容それとも給料?
立つ鳥、跡を濁さず

第4章 人生は人との関わりの中にある

ウォルト・ディズニーの人を信頼する心
信頼できる人を見つけよう
周りの評価を気にせず、自分が出来ることに集中する
仕事は一人ではできない
話すだけではなく、「聴く」ことを身につける
尊敬できる人の存在

おわりに

鎌田 洋(かまた・ひろし)

1950年、宮城県生まれ。商社、住宅メーカー勤務を経て、1982年、(株)オリエンタルランド入社。東京ディズニーランドオープンにともない、初代ナイトカストーディアル・エリアスーパーバイザーとして、ナイトカストーディアルキャストを育成。その間、ウォルト・ディズニーがこよなく信頼を寄せた、アメリカのディズニーランドの初代カストーディアル・マネージャー、チャック・ボヤージン氏から指導を受ける。その後、ディアル・ユニバーシティ(教育部門)にて全キャストを指導、育成する。1997年、(株)フランクリン・コヴィー・ジャパン代表取締役副社長を経て、1999年、(株)ヴィジョナリー・ジャパン設立。著書に『ディズニー そうじの神様が教えてくれたこと』『ディズニー サービスの神様が教えてくれたこと』(以上、SBクリエイティブ)他。

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