話す言葉で健康状態が変わる『自律神経を整える 人生で一番役に立つ「言い方」』

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小林弘幸『人生で一番役に立つ「言い方」』書影

医師である著者は、「言い方」は「医学」だと言います。「言い方」が自律神経を刺激し、気持ちや体調を良くも悪くも変えてしまうのです。

たとえば、医師が患者に病名の宣告をするとき、「言い方」次第で患者の状態が変わります。宣告に動揺して冷静な判断を失ってしまうと、適切な治療を拒んでしまうこともあります。だから医師は、治療の効果を最大限に引き出せるよう、「言い方」にまで配慮します。

あるいは、部下や家族、仲間たちへの「言い方」を変えるだけで、仕事の能率アップや、コミュニケーションがスムーズになります。「言い方」次第で、相手の自律神経の状態が変わりますから、より良いパフォーマンスを引き出せるのです。

もちろん、自分の使う言葉にも、自分の体は反応します。「言い方」次第で、自分のコンディションも左右するのです。

相手を怒らせて、いつもクヨクヨしたり、イライラと過ごす時間を解消しましょう。スーパーマン、とはいかなくても、「言い方」を少し工夫するだけで、今まよりずっと豊かな生活が待っています(*^^*)

悪い「言い方」が自律神経を乱れさせる

「言い方」が大切だ。そう広く言われています。ネガティブな言葉を使わず、ポジティブな言葉に置き換えるよう務めている人も多いでしょう。

しかし、これが案外難しい。どんなに気をつけていても、ひょっと攻撃的な「言い方」をしてしまったり、人を避難してしまうこともあります。どんなに「言い方」に気をつけていても、使う言葉のチョイスは「気分」や「体調」「状況」によって変わるからです。

当たり前のように思いますが、どうして状況が変われば「言い方」まで変わってしまうのでしょうか。

医師である著者は、それを自律神経の作用だと言います。自律神経が乱れていると、冷静さを失い、適切な判断が出来ません。よって、不用意な「言い方」をしてしまいます。

気分に左右されない「言い方」をコントロールする

「言い方」をコントロールするには、自律神経をコントロールしなくてはなりません。

ベストな状態は、交感神経と副交感神経ともに、高い状態で維持することです。実際には、交感神経と副交感神経は常に上がったり下がったり変動するので、なるべく二つの上下の幅を小さくしてゆきます。

自律神経を左右する「言い方」

この自律神経をコントロールするために大切なのが「言い方」なんです。

あれ?なんだか話が元に戻ってしまいましたね。「言い方」をコントロールするには自律神経が、自律神経をコントロールためには「言い方」を変える必要があります。

自律神経がキチンと働いていることで、体の細胞一つ一つまで酸素や栄養が血液によって運ばれます。その自律神経は、自分の「言い方」次第で変わってしまうのです。

言葉がいかに大きな影響を持っているのかと、思い知らされますね。

自律神経を安定させる具体例

忙しい時ほどゆっくり話す

「言い方」で気をつけるべきは「ゆっくり話す」ことです。

挨拶をするにしても、チャカチャカと忙しなくするのと、ゆっくりと挨拶をするのでは、相手に与える印象が違います。慌ただしく挨拶もそこそこに、今日の業務や要件を伝えられると、相手もなんだか気が急いてイライラしてしまいます。

たとえどんなに忙しい時でも、ゆっくりと挨拶をすれば、相手もリラックスする上に、自分自身も余裕や心のゆとりを持つことができます。忙しい時ほど「ゆっくり」を心がけることで、自律神経を安定させ、ミスを減らし、効率をアップさせましょう。

「ゆっくり」にフォーカスした、同著書の『自律神経を整える ゆっくり健康法 』も合わせて参照しましょう。

 

『自律神経を整えるゆっくり健康法』を読んだよ

相手の自律神経を安定させる

人間は、共感する生き物です。対峙した相手の気持ちがどんどん周りの人に伝播してゆきます。

自分の自律神経を安定させるためには、一緒に過ごす仲間やパートナーも、自律神経が安定していないといけません。相手がイライラしていれば、自分もイライラし、自分のイライラがまた相手に伝わり…と負のスパイラルに陥ることも、しばしばあります。

ですから、相手の自律神経を安定させる「言い方」が大切です。自分の感情に着目するよりも、相手の体調や気分をよく観察する方が、自分の健康にとっても良いのです。

背筋を伸ばし、笑顔で、ゆっくりと話します。すでにポジティブな「言い方」に気をつけている人も多いですよね。

交渉場面での「ゆったり」が話を優位にする

交渉の場でも姿勢よく、ゆっくりと話しましょう。自分の有意差を示そうと、たくさん話したくなってしまいますが、そこは一旦我慢。

相手に先に喋らせます。ゆっくりゆったりと構えることで、自分の自律神経も安定し、冷静に話を進められます。

なんでも言い合える家族だからこそ「言い方」の改善を

家庭内でも、ついつい「早く◯◯して!」「◯◯しなさい」なんて言葉を使ってしまいませんか?

そう言いたくなるシチュエーションはよくよく分かりますが、相手を急き立て、攻め立てても、お互いの自律神経を見だして泥沼にハマるだけです。できれば、他の「言い方」に変えてゆきましょう。

ビジネス、家庭、そして自分自身への「言い方」指南書

本書では、ビジネスでの、上司・部下への対処、会議や交渉時の立ち振舞い方。家族間の、パートナーへの気配り、子供への叱り方。

そして、自分自身へ投げかけるべき言葉のチョイスなど、細かな事例別に挙げられています。

医師目線の治療の心得が(・∀・)イイネ!!

中でも、覚えておきたいと思ったのは、医師との対峙の仕方です。

誰でも病気や怪我はします。大病を患うことも、大怪我をすることも、ないとは言えません。その時、お医者様の言葉をどのように受け入れ、病気や怪我を向き合うのかは、正直その時になってみないと分かりません。

しかし、医師である著者の言葉は、お医者様からの患者へのメッセージでもあります。緊急事態ほど、医師の指示に従い、治療の邪魔をしないことが最も有効な処置です。なのに、不用意に動揺して、冷静な判断ができないと困ります。医師目線の治療への心得は、読んでおいて損はないなぁと思いました。

自律神経を整える 人生で一番役に立つ「言い方」

  • 著者:小林弘幸
  • 発行所:株式会社 幻冬舎
  • 2015年4月10日

目次情報

はじめに
「言い方」は技術じゃなくて、医学だ
「上手な言葉遣い」を学ぶだけでは無意味
私の人生を一瞬で変えた「言い方」
「言い方」が変われば、「人生」が変わる

CHAPTER1 自律神経を整えれば「言い方」が変わる

自律神経が乱れるといろいろな「言い方」をしてしまう
「言い方」と自律神経はつながっている
自律神経の理想的バランスは10:10
「クソッ!」と言った瞬間、自律神経のバランスは崩れる
トップアスリートや名医は、自律神経のバランスが整っている
「医学」として捉えないと、「言い方」は治らない
「自律神経」と心や体の関係は、医学的に立証されている

CHAPTER2 「言い方」で自律神経をコントロールする

相手の自律神経を整える「言い方」を心がける
言葉を発する前に意識する8つのこと
感情をそぎ落とすことで、自分の器を大きくする
調子がいい・悪いは、時間帯によって変動する
重要な会議は、午前8~10時か午後4~6時に

CHAPTER3 空気を変える、人生を変える10の「言い方」

「言い方」で、一瞬で空気を変え、人生を変えられる
一瞬で空気を変える、人生を変える「言い方」
1 ゆっくり
2 背筋を伸ばす
3 笑顔で
4 抑揚をつける
5 「1:2(ワンツー)呼吸法」を行う
6 ポジティブに
7 意表をつく
8 まず褒める
9 無駄な想像をしない
10 自分からは話さない

CHAPTER4 「ゆっくり」言えば空気が変わる、人生が変わる

ゆっくり話せば、心に余裕ができ、感情ののコントロールができる
百戦錬磨の名医は、ゆっくり話す
ゆっくり話せば、会議で失敗しない
ゆっくり話せば、信用される
ゆっくり話すと、言葉が感情に左右されない
ゆっくり話すと、いい声が出る
ゆっくり話すと、若々しくなる
ゆっくり話して、駆け引き上手になる
ゆっくり話すためには、意識をする

CHAPTER5 人間関係を好転させる「言い方」

初診の患者さんにはまず住所の話
「がんばって」ではなく「無理することないよ」
ジャイアンツの大逆転を呼んだ間違えた「言い方」
スマートな謙虚が成功へのカギ
一瞬で部下のパフォーマンスを高める呼びかけ方
部下を叱る時の、3つのルール
「怒る」と「叱る」を混同しない
成長する人は、「はっきり」か「無口」
「了解です」で、迷いを吹っ切る
トラブルは「安心させる言い方」で相談する

CHAPTER6 交渉の場を有利にする「言い方」

口火を切ったほうが負ける
「1回目に3割達成」を目指す
急ぎの仕事は、バタバタ感を出すと失敗する
お願いごとは、200%説明する
NOが言えない自分に打ち勝つ
言い訳せずに潔く謝る
「よく考えてくださいね」で相手の健康を守る
診察する時の「交渉」テクニック
緊急時を乗り切る「言い方」

CHAPTER7 健康で長生きできる「言い方」

ひどい「言い方」には免疫はできない
「言い方」で、自分と相手の健康を守る
がんに立ち向かう力をつける、告知の仕方
禁煙外来で「タバコはやめなくてもいい」と言う
長年の便秘が治った、便秘外来での「言い方」
食欲がない時は「食べたくなったら言って」

CHAPTER8 仲が深まる「言い方」

反面教師となった母の「言い方」
「早くしなさい」と言ってはいけない
叱る時は「悪かったことを言ってごらん」
なぜ悪いのか、一緒に考える
結果より努力を褒める
「勉強しなさい」と言っても無駄
他人とではなく、自分自身と競わせる
浅田選手を立ち直らせたコーチの言葉
夫婦仲を深める「ありがとう」「ごめんね」
夫婦でタブーの「言い方」

CHAPTER9 メールで潤滑にゆく「言い方」

メールは言葉以上に人を乱す
メールは相手の時間を奪っている
怒っている時ほど絵文字を使う
感謝の気持ちは、しつこいくらい形に残す
文字を丁寧に書くと「言い方」も変わってくる

CHAPTER10 人生を豊かにする「言い方」

言葉の選び方で、人生は豊かになる
励まされた言葉「Take it easy!」
ひとり言で自分をコントロール
人生に迷った人を励ます「あせることないよ」

CHAPTER11 「聞き方」上手になって人生を変える

口撃に負けない防御法=「聞き方」を身につける
「聞き方」上手になれば、何を言われてもくよくよしない
不愉快な言葉は笑いを交えて流す
手をパッと開いて、「聞き方」上手になる
怒りを自覚すると、50%は収まる
理不尽な叱責は「了解です」で受け流す

CHAPTER12 人生で役に立つ自分への「言い方」

自分で自分に話しかける
他人の叱責をそのまま自分に問いかけない
人間関係に悩んだら「残念な人」と俯瞰で見る
誰かを憎む気持ちも、自分への「言い方」で消えていく
1か月に一度の「やりたいことリスト」で、生きる目標を見つける
大切な人を亡くしたら、対話を重ねて送り出す

CHAPTER13 空気を変え、素晴らしい人生を手に入れる「言い方」をするための8つの習慣

空気を変え、素晴らしい人生を手に入れる「言い方」をするためには、余裕が必要
朝起きたら感謝する
「ありがとう」を言葉に出す
空を見る
あいさつは、ゆっくり元気に
こまめに水を飲む
ため息をつく
1か所だけ片づける
就寝前に日記を書く

あとがき

著者紹介

小林 弘幸(こばやし・ひろゆき)

1960年埼玉県生まれ。順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター・自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのパフォーマンス向上指導にかかわる。『なぜ、「これ」は体にいいのか?』『「これ」だけ意識すればきれいになる。自律神経美人をつくる126の習慣』『自律神経を整える「あきらめる」健康法』など、著書多数。

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