山田ルイ53世『一発屋芸人列伝』|髭男爵、一発屋芸人のその後

こんにちは。あさよるです。このブログを始めてから、一日に一冊本を読む生活が始まったので、てんでテレビを見る時間がなくなってしまいました。なので正直、今の流行がわからないので、内心焦っています。

本書『一発屋芸人伝』は出版当初から話題になっているのを知っていましたが、取り上げられている芸人さんの中に、サッパリ知らない人もいたりして、「これはいかん」と思い直した次第……。

一発屋のその後

『一発屋芸人伝』の著者は髭男爵の山田ルイ53世さん。「ルネッサーンス!」の髭の方の人ですね。一発屋芸人自らが、一発屋芸人へインタビューをしながら「一発屋芸人の〈その後〉」を詳らかにします。

都内のレストランにて一発屋が集まる会合が開かれ、ダンディ坂野の「ゲッツ」を一発として、誰は〇.何発だとか、あれは二発だとか、検証トークがなされたという、ものすごくどうでもいい話題から始まります。その会合の主宰者はレイザーラモンHG。彼が「一発屋芸人伝」に最初に取り上げられる人物です。

レイザーラモンHGはテレビで「あの」コスチュームと「フォー!」のギャグは見かけませんが、レイザーラモンとしてスーツを着て漫才しているそう。そして、奥様の事業が成功し、左団扇らしい。関西では相方のRGもテレビやラジオによく出ているし、コンビで人気があるイメージでした。

本書に登場する一発屋芸人は、複数のタイプがあるみたいです。レイザーラモンHGやキンタロー。は「真面目」で、なんでも追及して極めてしまう人みたい。またレイザーラモンや とにかく明るい安村なんかは、元々漫才で評価されていて「売れそう」だった芸人が、キャッチーなキャラとギャグで一発当たっちゃった人もいる。

そして、絵に描いたような芸人……というか、社会人としては「ダメな人」の部類に入るような人が一発当たることもある。コウメ太夫ってどんな人なのか全然知りませんでしたが、なかなかキワドイキャラなのね。ハローケイスケも同じく。

個人的には、天津木村のエロ詩吟がとても好きだったんですが、木村さんはホンマにガチでロケバスの運転手になってしまったんだなぁ(笑)。

あと、実は知らない芸人さんやネタもあったので、この機会に勉強になりましたm(__)m

キンタロー。すげー!

個人的にキンタロー。さんがスゲー!とめっちゃ尊敬の対象に。キンタロー。さんがキレッキレッのダンスをするのは知っていましたが、芸人になりたい夢もありながら、20代まではダンスをやっていて、アラサーの頃に芸人になったそうで。どちらも成果が出てるんだから、めっちゃすごい。

本書では性格を「嫉妬深い」と強調されてますが、「負けず嫌い」で何をやってもやり込む人なんだろうなぁと思うとマジ尊敬。

今、キンタロー。さんの「居場所はブログ」というのも、個人的親近感。

「一発屋」というけれど……

著者の髭男爵の山田ルイ53世さんの語り口も良いですね。ほかにも著作があるそうで、そっちもぜひ読みたい。

「一発屋芸人」と言っても、地方で活躍している人もいるし、全国放送のゴールデンタイムのテレビ番組に出演しなくなっただけなんですね。あさよるも関西のテレビやラジオ番組に出演なさっている芸人さんもちらほらと。

あと、あさよるも昔、お笑いの劇場に通っていた時期があったのですが、やっぱお笑いも舞台で見る方がいいなぁと思っていて「久々に劇場に行きたいな」なんて思いました。

ハッピーエンドのその後の話はいかが?

本書『一発屋芸人伝』では、晴れて一発当たった芸人の、ハッピーエンドのその後の話です。スポットライトを全身に浴びた状態のまま「エンドロール」でおしまいならいい話なのに、実際にはその後も人生が延々と続いていく。その一発屋芸人たちの、その後の人生の叫びが本書のおもしろ味。

で、ハッピーエンドのその後の話って「マジでいらんな」と思ったのが、ご存知シンデレラ。ガラスの靴を履いて、シンデレラは王子様と結ばれてめでたしめでたし。……の、続きの話を知ってますか?

王子様と結婚して子どもにも恵まれたものの、実は王子様の母親が人食い鬼で、シンデレラの子どもたちを見ているとムクムクと昔の「人の味」を思い出してしまい、我慢できずに子どもを食べてしまいます。そしてついにシンデレラも餌食に……。だけど、気を利かした召使が、子どもの肉とだまして動物の肉を食べさせていて、実は生きていました~! という話が続きます。

やっぱディズニーの『シンデレラ』のように、めでたしめでたしで終わっておいて欲しっすねww

(↑あさよるが読んだのは新潮文庫のシャルル・ペロー童話集。6つめの話「サンドリヨンまたは小さなガラスの靴」がシンデレラのお話。kindle版もあるよ)

という、どうでもいい話ですが、めでたしめでたしの「その後」は、「いらんわ~」とつっこみつつ、実は面白いお話だったりしますw

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一発屋芸人列伝

目次情報

はじめに

レイザーラモンHG 一発屋を変えた男

コウメ大夫 “出来ない”から面白い

テツ and トモ この違和感はなんでだろう

ジョイマン 「ここにいるよ」

ムーディ勝山と天津・木村 バスジャック事件

波田陽区 一発屋故郷へ帰る

ハローケイスケ 不遇の“0.5”発屋

とにかく明るい安村 裸の再スタート

キンタロー。 女一発屋

髭男爵 落ちこぼれのルネッサンス

おわりに

山田ルイ53世

本名・山田順三(やまだ・じゅんぞう)。お笑いコンビ髭男爵のツッコミ担当。兵庫県出身。地元の名門・六甲学院中学に進学するも、引きこもりになり中途退学。大検合格を経て、愛媛大学法学部に入学も、その後中退し上京、芸人の道へ。『新潮45』で連載した「一発屋芸人列伝」が、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞を受賞し話題となる。その他の著書に『ヒキコモリ漂流記』(マガジンハウス)がある。

コメント

  1. […] 『一発屋芸人列伝』|エンドロールの後も人生は続く…… […]

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