『自律神経を整える 「あきらめる」健康法』|あきらめる=逃げだって思ってません?

「あきらめる」って悪いこと?

意地や嫉妬に折り合いをつけるコツ、それが「あきらめる」。

そして「あきらめる」と、健康になる!?

「あきらめる」と健康になるのか?

小林弘幸さんの書籍を過去に2冊読みました。どちらも読みやすい上に、収穫のある読書だったので、再び小林さんの書籍をロックオン!

『「あきらめる」健康法』は、たまたま図書館の本棚で見つけて気になっていました。「あきらめる」ってどゆこと??

今回、やっと手にとってみて、「あきらめる」の意味を知り、「ほほ~ぅ」と納得。ついでに、知っているつもりで知らなかった「自律神経」についても、知識が深まりました。

自律神経ってなに?「あきらめる」ってどういうこと?

まず、自律神経ってなんだ?

自律神経は健康維持に大きく関わっています。自律神経は血管や心臓、肺、腸などに伸びた神経です。「交感神経」と「副交感神経」という二つに分かれていることは、よく知られています。

自律神経は無意識に働くものですから、意識して動かすことはできません。心臓が、無意識にも止まらずに動き続けていて、「止めよう」と思っても止まりません。コントロール不可な神経が、自律神経ってことですね。

で、この自律神経はすごい。体温が上がりそうになると、汗をかいて体を冷やそうとしたり、血液の循環や消化吸収や排泄も自律神経の仕事です。内蔵や血管をコントロールして、命を動かしている神経なんです。

自律神経の内、「交感神経」が体を支配しているとアクティブモードに、「副交感神経」が支配するとリラックスモードに切り替わります。主に、交感神経は日中、副交感神経は夜に働きます。

この交感神経と副交感神経の数理には、4つのパターンがあります。

①交感神経も副交感神経も高い
②交感神経が高く、副交感神経が極端に低い
③交感神経が低く、副交感神経が極端に高い
④交感神経も副交感神経も低い
このなかで、もっとも心身の状態がよく、ふだんの力が発揮できるのは、交感神経と副交感神経の両方が共に高いとき、つまり①です。
反対に、もっともパフォーマンスがでないのが④、つまり交感神経も副交感神経も低いときです。
(中略)
心身に病的な状態が現れている人の自律神経を測ると、まず間違いなく②か③です。
とくに交感神経が高く、副交感神経が極端に低いと②のとき、人は病気になりやすくなっています。

小林弘幸『自律神経を整える「あきらめる」健康法』 p.60-61

自律神経を自動車にも例えられていました。交感神経はアクセル、副交感神経がブレーキです。自動車は、アクセルとブレーキ共によく利くとき、自動車の本来の性能が存分に発揮されます。片方が利かなくなってしまっては、キケンで走行ができません。

同じように自律神経も、交感神経と副交感神経の両方がよく利いている時が理想です。しかも、両方がバランスよく、ちょっと強めに働いている時が絶好調なんだそう。目指すべくは、交感神経と副交感神経がバランスよく強く働く状態です。

「あきらめる」は自律神経を上手に働かすコツ

自律神経の働きについて知ると、上手に使いこなして、思うがままのコンディションを手に入れたいって思います。が、先程も紹介したように、自律神経は意志で動かせるものではないのです……。

が!本書『「あきらめる」健康法』では、自律神経をコントロールするコツが紹介されています。例えば、作り笑いでも、笑顔を作ると副交感神経を上げるんです。これは、あさよるも聞いたことがあります。不安や怒りで副交感神経は下がってしまうので、その反対の「笑顔」という動作をすると、副交感神経が上がるんですね。おもしろい。

自律神経は呼吸や消化に作用している神経ですから、呼吸や食べものでも変化します。しかし、なにより自律神経に大きな変化をもたらすのは、「精神状態」です。心の乱れが、自律神経の乱れを招くんだそう。

緊張したり不安になると、呼吸が浅くなり速くなる。リラックスしたり、心の余裕があるときは呼吸もゆったり深くなります。この働きを利用しましょうというワケです。反対のことをすればいいってね。ホッとすると息をついてしまうように、先に息をついて、安心しちゃうんです。嬉しいと笑顔になっちゃうのを先回りして、先に笑顔を作ってしまう。

そうやって、擬似的にリラックスや安心したときの状態を作ってやることで、それにつられて自律神経が働く力を利用する。これが自律神経のコントロール法です(と、あさよるは解釈しました^^)。

「あきらめる」は「明らめる」

前置きがめっちゃ長くなってますが、今回読んだ『「あきらめる」健康法』は、執着や嫉妬や惰性を「あきらめる」ことで、自律神経のバランスを良いホ方向へ導こうというもの。

まずは、「あきらめる」と聞くと、どうしてもマイナスな、ネガティブなイメージってありませんか?そこを、本書『「あきらめる」健康方』では、「諦める」の語源を「明らめる」だとし、「明らかにする」ことが本来の意味だと紹介されていました。

そう、「問題を明らかにする」「改善点を明らかにする」「ひっかかりを明らかにする」。それが「あきらめること」。

「あきらめる」=「逃げる」では、ナッシング!

(↑明らめる=逃げるって言う意味で使われがちですよね~。かくいう、あさよるもこの思考にハマり込んでしまい、あきらめることができず体調を崩しまくった過去が……モット早ク読ミタカッタ……)

矢沢永吉さんのエピソード

で、「あきらめる」のモデルとして、矢沢永吉さんのエピソードが紹介されていました。矢沢さんは以前、信用していたスタッフの裏切り似合い莫大な金額を持ち逃げされました。だけど矢沢さんは働き続け、なんと数年後に負債を完済しました。

普通「なんで自分が?」「悪いのはアイツなのに」って気持ちになります。すると、自律神経も乱れてしまい、健康を損なって、あげくには働くこともできなくなってしまうかもしれません。しかし、矢沢さんはそうなりませんでした。

その理由を小林弘幸さんは「あきらめ」で説明をなさいます。矢沢永吉さんは、「アイツが悪い!」「自分は悪くない」という思考にこだわらず、どこかで「あきらめ」をした。具体的には、「彼を信用したのは自分だ」と納得した。だから、自律神経を損なわず、健康を損なわず、完済が出来たのではないか。

誰にでもある挫折や試練

矢沢永吉さんのエピソードはスターだからこそのものかもしれませんが、似たことは我々にも起こります。恋人や友人、家族とお金のトラブルはあちこちで聞く話です。

また、病気や怪我、事故は、いつでも誰にでも起こります。そのせいで、仕事を辞めざるをえなくなったり、夢を諦めたり、生活習慣そのものを変更せざるをえないこともあります。

そのとき、確かに自分は悪くない。悪いのは、病気であり、怪我であり、事故そのものなのですが、そんなものを責めることもできないし、どうにもなりません。もし自分ができるとこがあるとすれば「あきらめる」こと。

これまでと同じ生活を「あきらめる」。仕事を続けること、交友関係をキープすること、以前の自分と同じでいることを「あきらめる」んです。すると、どうなるんでしょうか。

意外と、こだわっていたものを「あきらめる」と、次の目標が見えてくるものなんです。むしろ、執着や妬みや恨みでいっぱいのときは、それに囚われてる状態ですから、見えるものも見えない。いっそ「あきらめる」ことで、次のステップへ進むんです。

しかも、自律神経が乱されることを防ぎ、健康状態を維持します。なにをするにも「健康」であることは重要ですから、大事にしたいところです。

『「あきらめる」健康法』の感想のようなもの

前置きがめっちゃ長くなってしまっているので、あさよるの感想へ移ります(・∀・;)>

あさよる的には、この内容すごく納得しました。あさよるも同じような経験があったからです。

自分の目標や夢を「あきらめる」ことができず、数年もの間ズルズルと引きずり続けました。結果から言うと、夢を諦めないことで待ち受けていたのはズバリ「不健康」でした。健康を失うと、叶う夢も叶いません。なにをするにも健康第一ですからね。

そして、一度失った健康は、なかなか帰って来ない!これが恐ろしい所……。

医者は病気を治す人、健康は自分が管理するもの

医師である小林弘幸さんが『自律神経を整える「あきらめる」健康法』を書いておられるのは、意味があることだと思います。

日本の現在の医療は対症療法です。胃が痛いなら胃に働きかける。腎臓の不具合があるなら、腎臓にアプローチする。だけれども、人の体というのは、臓器や器官がバラバラではなく、一つの塊ですから、病気の原因は別にあったりします。しかし、病院では、原因そのものにはタッチしないんですね。(保険が効く治療では、と言ってもいいかも?)

ですから、病理をやっつけるのは患者の仕事です。

そしてもっと大事なのは、そもそも病気をしないことです。で、自律神経のバランスを整えるって、健康で在り続けるための条件じゃないかなぁと思いました。

そしてそのコツが「あきらめる」。夢とか目標なんて言うと聞こえはいいですが、執着や思い込みだったり、意地や見栄である場合もあるでしょう。小林弘幸さんはそこまでストレートな物言いはされていなかったと思いますが、あさよるは、自分の過去を振り返り、執着や意地でいっぱいだったなぁと思います(-_-;)>

小林弘幸さんの「自律神経」本3冊読んだ感想

あさよるネットでも過去に小林弘幸さんの書籍を数冊紹介しています。

正直に言うと、この2冊と今回の『「あきらめる」健康法』、書いてある内容はだいたい同じと言えば同じです(苦笑)。

いやいや!そりゃ当たり前なんですよ。人間の体の仕組みについて紹介されていて、ほぼ同じ「自律神経」を扱ったテーマなのですから、むしろ内容が違っていたら困ります。ずっと同じことが書かれていることが医学的である証拠なのかなぁと思います。

で、あさよるも3冊も同じような本を読んじゃっていることでも分かるように、結構、気に入ってセレクトしていますw

あさよる的、同じような本をいくらよんでも苦じゃない人は、同著者の他の書籍もどんどん読んでみてください。ですが、同じ内容は一冊あれば十分!と思う方は、一冊だけで良いでしょう(苦笑)。ちなみに、この3冊の内、どれを選んでもオススメです。

あなたの健康を守る人

「自分の健康を管理し、守る人って、この世に自分しか居ないんだ」と、当たり前だけども、ゾッとするような事実に気づきます。

そう、今の自分の働き方、今の生活「不健康」ではありませんか?

自分で書きながら、「仕方ないじゃん!忙しんだもん!」「現代人は不健康でしょうがなだろ」なんて、言い返したくなってしまいます……。

が、それはいけませぬ。だって、健康じゃないとなんにもできないんだもの!その健康のカギが「自律神経」。そもそも、病気を寄せつけにくい状態を維持し続けるのが、健康へのカギです。

今回の『「あきらめる」健康法』では、「あきらめる」という一見するとネガティブにも思えることが、健康維持に欠かせない「自律神経」を良い状態へと導きます。

読みながらも、「そうか、あきらめるといいんだ…」と、最近モヤモヤしていたことを「あきらめ」て、今やるべきことに集中しようと、頭が切り替わりました。

関連記事

自律神経を整える 「あきらめる」健康法

  • 小林弘幸
  • 角川書店
  • 2013/8/29

目次情報

はじめに~すべてはあきらめることからはじまる~

第1章 健康を招く「あきらめる」という生き方

「あきらめる」のは自分に負けること?
本当にあきらめない人の強さとは
「あきらめる勇気」を持つことで得られるもの
医学的に説明された「ネガティブな感情は自律神経のバランスを崩す」
誰かのせいにしているかぎり「あきらめる」ことはできない
ギブアップすることが「あきらめ」ではない
「あきらめる」と置かれた場所で見事に咲ける
「あきらめる勇気」でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授
「あきらめる勇気」を持つと前を向く力が出てくる
あきらめたからこそ湧いてくる生きる理由
「あきらめる」と精神的な安定を得られる
「あきらめる勇気」があればがんにも立ち向かえる
人はふだん、無意識に動いている
頭のなかにあるものを書き出して、はじめて心のなかが見えてくる
「あきらめの境地」の本当の意味とは
あきらめられないからストレスになる
こだわりが心の不調を生む
30歳をすぎたとき、サザエさん症候群に
心身の不調はすべて自律神経のバランスの乱れが原因

第2章 「あきらめる」と自律神経が働き出す

神経は私たちの脳と体をつなぐ情報の道
自律神経は脳と同じくらいに重要
自律神経は体のライフライン(血流)を支配している
交感神経を副交感神経のバランスにつて知る
自律神経のバランスが崩れると血流が悪くなる
血流が悪くなると「血液の質」そのものが低下する
心が乱れると血液はドロドロになる
あきらめられないから怒りも湧く
笑うと副交感神経が高くなる
自律神経をコントロールする方法がある
なぜ深呼吸すると心が落ち着くのか
呼吸が浅くなると末梢血管が流れにくくなる
呼吸には瞬間的に体の状態を変える力がある
自律神経は私たちの臓器もコントロールしている

第3章 「あきらめる」と病気が逃げてく

どういう状態を「本当の健康」というのか?
自律神経は免疫システムに大きく関わっている
働き盛りに副交感神経は急激に低下する
睡眠不足は副交感神経を低下させる
徹夜仕事を「あきらめる」と自律神経が整う
週に一度は「睡眠の日」をつくる
ネガティブな感情は目に見える形で体に影響を及ぼす
「あきらめる」と自律神経のバランスが整って病気が逃げていく
便秘にも自律神経が関わっている
便秘を根本的に治すには腸の蠕動運動を活発にさせること
「あきらめる」ことでお腹の張りがなくなった便秘外来の患者さん
対症療法では根本的に治療はできない
交感神経が過剰に優位な人は糖尿病になりやすい
副交感神経を上げないと食餌療法の効果は半減してしまう

第4章 「あきらめる勇気」があれば、心身ともに若返る

自律神経の働きが低下すると人生の質も低下する
自律神経のバランスは主に副交感神経が上下することでとられている
副交感神経は働き盛りにガクッと低下する
40歳を過ぎてから更年期障害が現れる原因
医学的に証明された自律神経と更年期障害の因果関係
自律神経のバランスの乱れはメンタルな病気の発症と深く関わっている
アスリートが30歳過ぎで引退するのは副交感神経が急激に下がるから
女性のほうが男性より平均寿命が長い理由
年齢とともに億劫になるのは副交感神経が低下するから
若さを保つには副交感神経をリカバリーする意識を持つことがカギ
自律神経のバランスを悪くするような生活習慣をあきらめる

第5章 「あきらめる」と人生は楽になる

「あきらめ」が真の「あきらめない勇気」を後押しする
「あきらめる勇気」が人を育てる
「追加点」をあきらめずに負けたサムライブルー
目標がはっきりと定まると自律神経のバランスが高めで安定する
「あきらめ」ができないと凡ミスを誘う
「あきらめる」と平常心を取り戻せる
無駄な想像をあきらめた瞬間、不安は消える
気分や感情は、自律神経のバランスの乱れが生み出す
「あきらめる」にはコツがある
ムダな考えをあきらめると、呼吸がゆっくりしてくる
バタバタすることを「あきらめ」て、ゆっくりと動く
調子が悪いときはすぐに仕事をはじめることをあきらめる
スランプのときは呼吸が浅くなっている
「あきらめる」とさまざまな症状が改善させる
慶応大学ラグビー部が優勝した理由
勝負のときに緊張をほどくコツ
緊張しているときは、一瞬、別のところに気持ちを向ける
空を見上げるだけで体の状態は瞬時に変わる
1対2の呼吸で自律神経を整える
ため息をつくと副交感神経が上がる

第6章 「あきらめる」と人間関係はたちまちうまくいく

自律神経の乱れはメンバーの自律神経も乱れてしまう
自律神経のバランスがいい人は空気を読まない
副交感神経を上げると、たちまち人間関係がうまくいく
嫉妬や疑心暗鬼は自立神経を大きく乱す
自律神経のバランスがいい人はまわりを落ち着かせる
患者にとって医者の笑顔が最高のクスリ
マイナスなことは口にしない
言葉はすごい力を持っている
怒りを鎮めないと自律神経の乱れはしばらく続く
体を少し動かすだけで気分や感情は自分でコントロールできる
いらだちは自律神経の乱れのせいだとあきらめる

第7章 「あきらめる勇気」を持つための習慣

★(1) 朝の過ごし方ひとつで自律神経は整えられる
朝をあわてて過ごすと、一日中副交感神経は上がらない
朝の体のコンディションをチェックする
朝のトイレでチェック
朝、食欲があるかどうか
朝は、かならず体重に乗る
ジョギングよりウォーキングのほうが健康効果は高い
★(2) 片づける習慣を持つと自律神経は安定する
1カ所片づけるだけで「あきらめる」力がついてくる
ストレスや悩みを片づける「あきらめリスト」
丁寧に文字を書くと確実に自律神経が安定してくる
あきらめると新しい対応策が見えてくる不思議
「あきらめリスト」をつくる
不測の事態も「あきらめリスト」で解決できる
自律神経のバランスを整える日記の書き方
★(3) ゆっくり動く習慣で副交感神経を上げる
ゆっくり動くだけで気持ちは落ち着く
★(4) 感情をコントロールする習慣
スキップしながら暗いことは考えられない
笑顔で副交感神経を上げる習慣

小林 弘幸(こばやし・ひろゆき)

1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。順天堂大学大学院医学研究科(小児科)博士課程修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属章に研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任、現在に至る。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導にかかわる。

コメント

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