『国宝の解剖図鑑』|ところで国宝って何?イラスト図鑑

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国宝というとなんだかスゴそうな「箔」を感じるけれども、ところで国宝ってなんだろう。国宝はどうやって選ばれていて、どんなものが国宝に指定されているのだろうか。知っているようで知らない「国宝」のことをコンパクトに紹介するのが本書『国宝の解剖図鑑』だ。

本書『国宝の解剖図鑑』のポイントは充実のビジュアルだ。しかも写真ではなくイラストで解説されているから細かなとこまでよくわかる。写真は影になっている部分や細かな部分が潰れてしまったりするから、細部まで紹介するにはイラストが適している。個人的にわたしも絵を描く者として、「絵がめっちゃうまい」というのも注目だったw

さて、国宝というのはなんだろうか。本書によると

「重要文化財のうち、世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるもの」(p.8)

だそうだ。2018年現在重要文化財の数が1万3千件を超えており、国宝の数は1110件。つまり重文の1割未満の数しかない。かなり希少な感じがする……。

わたしもいくつか国宝を見たことがあるけれども、国宝は「これは国宝だな」という雰囲気がある、と思っている。そんな気がしているだけとは言わないで。特に陶磁器なんかだと、展示の仕方も違っているのかもしれないけれども、「やっぱ国宝はちゃいまんなぁ」なんてわかったようなことを考えていたりする。照明とか違ったりするのかな。

ちなみに、国宝がいちばん多いのは東京都だけど、国宝の約半分は近畿にあるらしい。わたしも近畿に住んでいるのからなのか、本書に掲載されている国宝のうち、半分くらいは見たことがあるものだった。

これまであまり「国宝だから」と注目して物を見ることがなかったけれども、『国宝の解剖図鑑』を読んだからには、国宝巡りをしてみても楽しいかもなんて思ったり。

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国宝の解剖図鑑

目次情報

はじめに

国宝の基礎知識

国宝とは?
指定には満場一致が必要
国宝にならないものもある
合計8分野、計一一〇点ある
国宝に指定されたら……
国内になければ国宝にあらず
ほぼ全国に存在する
人間国宝も国宝?
世界遺産との違いは?

1章 考古資料・工芸品

深鉢形土器(火焔形土器)[十日町博物館]
土偶
 縄文のヴィーナス[茅野市尖石縄文考古館]
 縄文の女神[山形県立博物館]、中空土偶[北海道函館市]
 合掌土偶[八戸市]、仮面の女神[茅野市尖石縄文考古館]
金印[福岡市博物館]
玉虫厨子[法隆寺]
天寿国繍帳[中宮寺]
片輪車蒔絵螺鈿手箱[東京国立博物館]
刀剣
 太刀 銘 三条[東京国立博物館]
 金地螺鈿手抜形太刀[春日大社]
 短刀 無銘 正宗(名物庖丁正宗)[徳川美術館]
曜変天目[静嘉堂文庫美術館]・[藤田美術館]・[龍光院]
赤糸威大鎧[春日大社]
古神宝類[熊野速玉大社]
初音蒔絵調度[徳川美術館]
日本陶器
 志野茶碗 銘 卯花墻[三井記念美術館]
 白楽茶碗 銘 不二山[サンリツ服部美術館]・秋草文壺[慶應義塾]
 色絵藤花文茶壺[MOA美術館]・色絵雉香炉[石川県立美術館]

COLUMN やきものの見かた―成り立ちを追えば、違いがわかる―

2章 絵画

高松塚古墳壁画[文部科学省]
仏涅槃図[金剛峰寺]
源氏物語絵巻[徳川美術館、五島美術館]
平家納経[厳島神社]
鳥獣人物戯画[高山寺]
信貴山縁起絵巻[朝護孫子寺]
伴大納言絵巻[出光美術館]
地獄草紙[奈良国立博物館]
 餓鬼草紙[京都国立博物館]
病草紙[京都国立博物館]
山超阿弥陀図[京都国立博物館]
 阿弥陀二十五菩薩来迎図[知恩院]
伝源頼朝像[神護寺]
慧可断臂図[斉年寺]
洛中洛外図屏風[米沢市上杉博物館]
楓図襖[智積院]
 松林図屏風[東京国立博物館]
 檜図屏風[東京国立博物館]
彦根屏風[彦根城博物館]
風神雷神図屛風[建仁寺]
 風神雷神増[妙法院]
紅白梅屏風[MOA美術館]
雪松図屏風[三井記念美術館]

COLUMN 絵の見かた―かたちに合わせて見てみよう―

3章 彫刻

釈迦三尊像[法隆寺金堂]
救世観音[法隆寺夢殿]
 金堂[法隆寺]
 夢殿[法隆寺]
阿修羅像[興福寺]
盧舎那仏坐像[唐招提寺御影堂]
 唐招提寺金堂[唐招提寺]
千手観音菩薩坐像[葛井寺]
東寺立体曼荼羅[東寺]
阿弥陀如来坐像[平等院]
 鳳凰堂壁画扉画[平等院]
 天蓋[平等院]
 雲中供養菩薩[平等院]
阿弥陀三尊像[浄土寺]
 浄土堂[浄土寺]
金剛力士像[東大寺]
 東大寺南大門[東大寺]

COLUMN 仏像の見かた―特徴がわかると役割がわかる―

4章 建造物・歴史資料

法隆寺五重塔[法隆寺]
薬師寺東塔[薬師寺]
 薬師三尊像[薬師寺]
正倉院正倉[正倉院]
平等院鳳凰堂[平等院]
 鳳凰[平等院]
三佛寺奥院(投入堂)[三佛寺]
中尊寺金色堂[中尊寺]
 阿弥陀如来坐像[中尊寺]
厳島神社[厳島神社]
法華王院本堂(三十三間堂)[妙法院]
 二十八部衆像[妙法院]
 千手観音菩薩坐像[妙法院]
銀閣/東求堂[慈照寺]
待庵[妙喜庵]
姫路城[兵庫]
日光東照宮陽明門[日光東照宮]
旧閑谷学校行動[岡山]
出雲大社本殿[出雲大社]
大浦天主堂[長崎]
慶長遣欧使節関係資料[仙台市博物館]
富岡製糸工場[群馬]
迎賓館赤坂離宮[東京]

COLUMN 寺院と神社の歩きかた―境内のつくりと作法を知っておこう―

数で読む国宝

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歴史・保存編

五十音順索引
参考文献

佐藤 晃子(さとう・あきこ)

美術ライター。愛知県出身。日本、西洋絵画を優しく紹介する書籍を多数執筆する。明治学院大学文学部芸術学科卒業。学習院大学大学院人文科学研究科博士前期課程修了(美術史専攻)。『画題で読み解く日本の絵画』(出川出版社)、『この絵、どこがすごいの?』(新人物往来社)、『常識として知っておきたい日本の国宝50』(河出書房新社)ほか。

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