『龍の棲む日本』|国土をぐるっと囲む龍が守り、災いを呼ぶ

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こんにちは。あさよるです。『龍の棲む日本』は以前からおススメされていた本。あさよるの最近の関心事、漢方とか、鍼灸、ツボとか、風水とか、そのへんのことをゆるっと時間をかけて拾っていたのですが、『龍の棲む日本』も一つ、新しい視点を得たような読書でした。

一冊の本が論文のような構成ですので、かいつまんで説明するのは難しいのですが、Interesting なんです。その熱やテンションが伝われば~!

〈日本図〉を読む

〈国土〉とはそもそも〈大地〉であり、そこで人間は歴史を生み出してきました。国語辞書的には、国の統治が及ぶ領土、土地、ふるさと、仏語と少なくとも4つの意味があるそうです。〈国土〉といえば地図帳の測量された地図であり、科学的に日本地図を完成させたのは伊能忠敬が知られています。

んじゃ、伊能忠敬の地図が作られる以前、日本人はどんな〈国土〉を見ていたの?てのが本書のテーマです。

資料として「大日本国地震之図」と「金沢文庫〈日本図〉」という地図がカラーで掲載されています。興味のある方はググってくだされ~。どっちも面白いし、「大日本国地震之図」は目で見て超カッコいい代物。真ん中に地図らしきものがあり、その周りを龍がグルっと囲み、自分の尻尾を自分で咥えているのです。「金沢文庫〈日本図〉」は地図の半分だけ残されていて、西国の国々の地名が記されておりその周りを何やら細長い鱗のあるものがグルっと這っています。龍の胴体で、きっと失われた東国の地図の報に頭と尻尾があり、パクっと咥えていると想像できます。

龍と国土と天災と蒙古

本書は、日本の国土をグルっと取り囲む龍の図を読み解いてゆくことで、日本が『龍の棲む日本』であることを確認してゆきます。龍とは龍穴を通じて地下で繋がっており、国土を守る一方で、地震や天変地異を引き起こす存在でもあります。

蒙古襲来時「悪風」を吹かせたのは龍の姿になって現れた諏訪大明神だったという。日本の危機を救った龍。龍の棲む「龍穴」は国内にたくさんあり、「龍」のつく地名も多い。

龍という概念が見えるかも

龍とか龍穴、地脈なんて言葉を聞いたことがありますが、『龍の棲む日本』を読んで、「龍」と呼ばれる〈なにか〉の存在がおぼろげながら感じられた気がします。なにか、とてつもなく大きな〈力〉がうごめいている。しかし目には見えない、認識できない、ってところでしょうか。

あさよる的には、一年以上かけて荒俣宏さんの『帝都物語』を読んでいたので、嬉しい内容でした。『帝都物語』は東京の街は平将門の怨念を封印するために設計された街であり、封印を解いて東京を破壊しようとする加藤が、封印を解き龍神を目覚めさせようと画策するスリリングでバトルありのファンタジー。まだ最終巻に到達していませんが、なかなか面白いのでオススメ。

帝都物語 第壱番 (角川文庫)[Kindle版]

帝都物語 第壱番 (角川文庫)[Kindle版]

  • 作者:荒俣 宏
  • 出版社:KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2012-10-01

もし、東洋版「マインクラフト」があったら……

『龍の棲む日本』を読んで和製「マインクラフト」を想像してみました。「マインクラフト」とは日本では「マイクラ」と略されて呼ばれるゲームで、世界のあらゆる構成物が立方体のブロックでできており、それらを採掘したり破壊したり燃やしたり組み立てたりして自然を開拓してゆくゲームです。

常々、世界観が西洋的だなぁと思っていたのですが、もし東洋版「マインクラフト」があったら、地面を掘っていたら龍穴が開いていて気脈が通っていたり、なにがのブロックに触れると全く違う場所で水が溢れたり、順番に杭を打っていくと大地が動いたりとか、そんなことが起こるのでしょうかw

オリジナル「マインクラフト」では、どうやら災害が起こらないみたいで、どんな建築をしても大丈夫。宙に浮いていてもOKだったりするので現実味がありませんが、災害の多い場所に住んでいる身からすると「積みあげたものが崩壊しない」という世界観は、異質に思えます。

こんな「もしも」の話を空想するにも『龍の棲む日本』は面白かったです。

龍の棲む日本

龍の棲む日本 (岩波新書)

龍の棲む日本 (岩波新書)

  • 作者:黒田 日出男
  • 出版社:岩波書店
  • 発売日: 2003-03-20

目次情報

プロローグ 〈国土〉と〈日本図〉と龍

Ⅰ 行基式〈日本図〉とは何か

1 金沢文庫の〈日本図〉
2 行基図のアポリアと謎解き
3 行基菩薩とは
4 独鈷の〈かたち〉をした〈日本〉
5 独鈷のシンボリズム
6 〈日本図〉と三国のシンボリズム

Ⅱ 金沢文庫本〈日本図〉と蒙古襲来

1 金沢文庫〈日本図〉とは
2 〈国土〉と異界
3 龍及国宇嶋と雨見嶋
4 高麗・蒙古国と唐土
5 妙本寺本〈日本図〉の発見と「三韓」

Ⅲ 龍体の神々と国土守護

1 蒙古と戦う神々の姿
2 龍の〈日本史〉
3 龍のつく言葉と〈日本〉の龍
4 龍の字図像学
5 龍が起こす地震――「龍動」「龍王動」「龍神王」
6 政変や天変地異と龍

Ⅳ 龍が棲む中世〈日本〉

1 龍が伏す〈大地〉
2 龍神だらけの中世的〈国土〉
3 地下を縦横に走る巨大な穴道
4 龍の棲む〈国土〉と地下世界遍歴の物語

Ⅴ 大龍と地震と要石

1 「大日本国地震之図」の読解
2 金沢文庫本〈日本図〉と大日本国地震之図の比較
3 地震と要石

エピローグ 龍から大鯰へ

主要参考文献

あとがき

黒田 日出夫(くろだ・ひでお)

1943年東京都に生まれる
1972年早稲田大学大学院博士課程修了
専攻―東京大学資料編纂所教授,群馬県立歴史博物館館長(嘱託)
著書―『謎解き 洛中洛外図』(岩波新書)
『姿としぐさの中世史』(平凡社ライブラリー)
『王の身体 王の肖像』(平凡社)
『中世荘園絵図の解釈学』(東京大学出版会)
『謎解き 伴大納言絵巻』(小学館)ほか

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