『巨石文化の謎』を読んだよ

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姫路城 天守

ピラミッド、ストーン・ヘンジ、モアイ像……と世界の巨石文化は未だ興味をそそられます。子供の頃から、夢中になって“世界の謎”を紹介する本を読み漁った記憶が蘇ります。

以前、奈良県・明日香村を、留学生に紹介しながら巡ったことがありました。日本史やアニミズム信仰についてなどについて言及しながらも、お互いにカタコトの英語ですので、どう伝わったのかわかりません。
後ほど、日本古代史を研究している先生に相談したところ、「巨石文化」を切り口に話を展開してはどうかと提案されました。

飛鳥にも、ご存知のように石舞台古墳や亀石、鬼の雪隠など、人工的な大きな石の塊が転がっています。同じような文化は世界中に点在していますから、留学生にとっても馴染み深いものだったかもしれません。
次回、同じような機会があれば、そのように紹介してみようと思います。

それ以来、「巨石文化」は常に頭の片隅で気になり続けています。なにぜ、日本人を代表して(?)、日本の巨石文化を紹介する役目を負ってしまったのですから、責任重大なのです。
今回手に取った『巨石文化の謎』では、ヨーロッパの巨石についてグラビアも十分に紹介されています。アジアや日本の巨石については触れられていませんが、関連付けて紹介する際には、ヨーロッパ文化も押さえておかねばなりません。
それに、私の中の子供心には十分に好奇心に火がつく内容です。

残るのは石組みだけか

巨石ではありませんが、例えばお城の石垣。
上モノの木造建築部分が時とともに風化すれば、巨大な石垣のみが大地に残ります。現在でも、大きな白の石垣は十分に立派ですが、鬱蒼と茂る植物の間に、突然あの巨大な堀や石垣が現れれば、それはマチュピチュ遺跡のように、未来の人々の好奇心を刺激するでしょう。

姫路城 天守(↑写真は姫路城の天守内。巨大で全体が画角に収まらない)

現在の私たちも、胸躍るフィールドで生きているようです。

巨石文化の謎

  • 著者:ジャン-ピエール=モエン
  • 監修:蔵持不三也
  • 訳:後藤淳一、南條郁子
  • 発行所:株式会社 創元社
  • 2000年7月20日

目次情報

  • 第1章 伝説の石
  • 第2章 古代研究科と学者たち
  • 第3章 巨石建造物の3000年
  • 第4章 死者と神々の宮殿
  • 第5章 天と地の間で
  • 資料編―巨石の記憶―
    • 1 ステュークリの見解
    • 2 ドルメンの意味
    • 3 「カルナックの石は大きな石だぁ!」
    • 4 巨石の大旅行
    • 5 ヘンリー・ムーア
    • 6 ダーバヴィル家のテス
    • 7 太陽の神殿
    • 8 ガヴリニスの巨石美術
    • 9 巨石美術
    • 10 巨石の運搬実験
    • 用語解説
    • INDEX
    • 出典(図版)
    • 参考文献

著者、監修者、訳者紹介

ジャン-ピエール・モエン

フランス博物館研究所の所長。アンドレ・ルロワ=グーランの指揮の下で,先史学の国家博士を取得。グラン・パレで,「ケルト王の宝物展」(1987年)など数々の展覧会を開いてきた。主な著書に『巨石建造物の世界』,『先史時代の冶金』などがある。1992年まで,サン=ジェルマン=アン=レー国立先史学博物館館長。

蔵持 不三也(くらもち・ふみや)

1946年生まれ。早稲田大学文学部卒。現在,同人間科学部教授。フランス民俗学・ヨーロッパ4先史学専攻。著書に『祝祭の構図』(ありな書房),『ワインの民族史』(筑摩書房),『異貌の中世』(弘文堂),『シャリヴァリ』(同文館),『ペストの文化史』(朝日新聞社),『ヨーロッパの祝祭』(編著,河出書房新社),訳書にA・ルロワ=グーラン『先史時代の宗教と芸術』(日本エディタースクール),同『世界の根源』(言叢社)ほか多数。

後藤 淳一(ごとう・じゅんいち)

1964年生まれ。中央大学大学院大学研究博士課程前期終了。仏文翻訳書。訳書に『ヨーロッパ未来の選択』,『ジャック・アタリの核という幻想』,『ローマ教皇』,『錬金術』,『レオナルド・ダ・ヴィンチ』(本シリーズ64,72,79)がある。

南條 郁子(なんじょう・いくこ)

1954年生まれ。お茶の水女子大学理学部数学科卒。仏文翻訳者。訳書に『十字軍』,『ヨーロッパの始まり』,『ミイラの謎』,『宇宙の起源』,『ギュユスターブ・モロー』,『ラメセス2世』,『古代中国文明』(ともに本シリーズ30,36,42,49,77,81,86)がある。

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