『こんなに変わった!小中高・教科書の新常識』|バージョンアップし続けるのは大変だ!

こんにちは。最近物忘れがひどいあさよるです。若い頃は記憶力はいい方だと自負していましたが、最近サッパリなにも覚えられない。そのうえ、知っているはずのことが思い出せない。ヤバイ。常にアイドリングするように、いつも思い出していることはすぐに思い出せますが、一度離れてしまった分野のことって勘が戻るまで時間がかかりますね。

で、あさよるにとって「昔得意だったのに今サッパリなこと」の代表が数学と物理です。どちらも中高生の時は得意だったし、好きな教科だったのに、今、自分でも引くくらいなんにも覚えていない! まぁ、そんな浅はかな学習しかしてなかったんだろうな……って事実を突きつけられているんでしょうが、なんとも受け入れがたいです。

そんで、今日『小中高・教科書の新常識』を読むと、子ども時代のことを覚えていたって、教科書で習う常識自体が変化していることもあると知り、常に学び続けなきゃ仕方ないんだなぁなんて思いました。

本書は親書で、かなり軽く読める内容なのですが、歴史、理科、数学、国語と広く分野を扱っているので、面白いです。

昔の常識は非常識?新しい話題を入手するために

本書『小中高・教科書の新常識』は昭和の頃と比較して、今の教科書に採用されている歴史、数学と理科、国語の学習内容の変化を扱ったものです。本書は青春出版社の「青春新書プレイブックス」というシリーズなのですが、昭和世代のオッサンオバサンホイホイな内容です。「青春新書プレイブックス」の紹介文に

つねにいち早く時代のニーズを切り取り、既成のジャンルにとらわれない個性的な切り口

とあるので、トレンドを学び続けましょう、というのがコンセプトみたいですね。本書『小中高・教科書の新常識』もまさに、時代とともに新説や新発見が反映された〈今の教科書〉を貪欲に学ぼうというもの。「昔はこうだった」とか「今の子どもは~」という年寄りになっていくのか、今の子どもたちが学ぶ最新の学習を取り入れるのか、「自分の生き方」が反映されるような読書ですね(苦笑)。

いつの時代も若い人が正解なのだ

あさよるは個人的に、いつの時代も「今」という時代を正しく見ているのは若い人だと思っています。それは、若い人には前例を持っていないから「今しか見えていない」とも言えます。反対に歳を取るというのは「過去の記憶が増える」ことで、経験値が増えることで対処できることも増えますが、一方で過去の経験が邪魔をして先入観なしで「今を見る」のはとても難しいことです。

そして、誰もがかつて若者で、誰しもがいずれ歳を取ります。誰だって時代がちゃんと見えていたここともあるし、誰だって生きた分、経験値が増えてゆくのです。

何を言いたいかっていうと、若い人との会話って大事だよね、ってことです。で、人と人がコミュニケーションを取るときに必須なのが「言葉」です。本書『小中高・教科書の新常識』では、昭和世代が使っている常識や語彙と、今、小中高の学校で教えられている常識や語彙の違いを知ることで、世代を超えたコミュニケーションに役立つのではないでしょうか。

昭和世代も61学年あるからね

『小中高・教科書の新常識』では、昭和世代が学校で習った常識と、今学校で教えられている常識の違いが紹介されるもので、昭和ホイホイなのですが、「昭和世代」といっても61学年もありますからね~(数えた。昭和元年は12月しかないから、昭和2年4月~昭和63年3月生まれまでが昭和の学年)。「昭和世代」の中でもかなり常識には差があるでしょう。単純に戦前と戦後で全然違うしね(戦前世代が読者に想定されているかは知りませんが)。

あさよるも昭和世代ですが、昭和の終わりのグループなので、本書で「新常識」として紹介されている内容の多くは、学校で習った記憶があります。

ただ、あさよるたちと、今の現役小中高生との常識の違いは「教科書の分厚さ」でしょう。あさよるはゆとり世代で、どんどん教科書が薄くなっていた世代なので、今の教科書の分厚さにはビックリ。内容が増えただけでなく、昔に比べると教科書が大きく、カラー資料が充実するようになり、とても分厚い教科書になっているそうで、プリント資料もたくさん配られますから(コピー機で刷れるらかね)、カバンが非常に重く、保護者は子どもの登下校を心配するほどだそう。

これって知ってた?新常識!

さて、具体的に本書で取り上げられている「新常識」をいくつか紹介してみます。

まず「聖徳太子」の話題。聖徳太子は日本史の中のヒーローの一人ですが、時代とともに教科書から聖徳太子の存在感が薄くなっているそうです。「厩戸皇子」「厩戸王」と習い、「通称・聖徳太子」とされたりしているそう。その方が今の歴史的な解釈に近いそうですが、一方で聖徳太子信仰もありますから、「聖徳太子」という存在は大事なんじゃないのかなぁなんて思ったりもする。

関ヶ原合戦では、徳川家康vs石田三成ではなく、西軍の大将は毛利輝元、二番手が宇喜多秀家です。二人は秀吉の「五大老」です。歴史ファンなら常識かもしれませんね。

江戸時代に取られていた「鎖国」も「いわゆる鎖国」と表現されるそうです。江戸時代は鎖国していると言っても、中国とオランダ、そしてアイヌと琉球への窓口がありました。全く国交がなかったわけではなく、限定的な貿易はあったんですね。

算数の「さくらんぼ計算」というのは、甥がやっているのを見て「これはいい教え方だなぁ」と思った記憶があります。「さくらんぼ計算」とは、例えば「7+5」の場合、5を3と2に分解して、「7+3+2」とし10のまとまりを作って「10+2」として計算します。この計算方法、面倒くさいと感じる大人が多いそうなのですが、あさよるはソロバンを習っていた経験もあり、この「さくらんぼ計算」はとてもいいと思います。余談ですが、あさよるは数学が得意&好きだったんですが、数学はなるべく丁寧に式を書き出して、できるだけ頭で考えない方が、問題を解くのが簡単じゃないぁなぁと思っています(問題を解くだけならね)。

いつまでも最新でいるのは大変だ

本書『小中高・教科書の新常識』を読んで、いつまでも最前線の知識を持ち続けるって大変ですね。また、大人になるというのは、それぞれの専門分野へ進むことですから、別に学校で習ったすべての教科をアップデートし続ける必要もないのかもしれません。だけど、時々本書のような、教科書のっ変更点が簡単にまとめられている書籍に目を通すのは良いですね~。

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こんなに変わった!小中高・教科書の新常識

目次情報

はじめに

序章 「昭和の教科書」と「今の教科書」はまるで別物
比べてみたら、驚きの発見がいっぱい!

旧教科書のイメージがガラッと変わる、最新版ビジュアル教科書
いくつ答えられますか? 平成の教科書7つ新常識チェック
教科書は「4年に1回」生まれ変わる本
なぜ、教科書の常識はあっさり覆されるのか?
薄くなったり分厚くなったり、教科書の姿はどんどん変わる
驚きの改訂が続出。新常識を知って脳細胞をリフレッシュ!

1時間目 【歴史の教科書】の勉強
ビックリ!な書き換え、新事実が続々

「知らなかった」じゃすまない、有名史実の大転換

「イイクニつくろう」はもう古い!? 鎌倉幕府成立タイムラグの謎
なれ?「聖徳太子」の扱いがどんどん地味になってる!?
「冠位十二階」も「憲法十七条」も聖徳太子が「制定したとされる」?
「大化の改新」は「蒸し米で祝おう(645年)」ではなくなった
「関ヶ原の戦い」で家康に対抗した西軍盟主は石田三成……ではない
縄文人の暮らしは「狩猟生活」ではなく「農耕・定住生活」だった!

「いちばん」や「はじめて」が変わった!

人類の発祥のは約200万年前? いえ、新常識は700万年前
「弥生時代は紀元前3世紀から」の通説に意外な注釈
最大級の前方後円墳「仁徳天皇陵」が「大仙古墳(仁徳陵古墳)」に
日本初の通貨「和同開珎」は「富士銭」にバトンタッチ
小野妹子以前の“本当の第1回遣唐使”の注目度が上がった
日本に鉄砲を伝えたポルトガル人の本当のストーリー

そんな事実、本当はなかった。違ってた!

「士農工商」の記述が2000年から消えた!
「四民平等」の言葉も教科書から消えている……
本当はなかった!? 鎖国は「いわゆる鎖国」に格下げ
農民の暮らしを規制した「慶安の御触書」も消滅の危機
日本最初の「原人」の名も教科書からすべて消え去った

その「言い方」はもう古いです

江戸時代、キリスト教信者を見つけるためのあの行為は?
江戸時代における幕府の直轄地の呼び名は?
天草四郎率いる民衆による幕府との戦いの名は?
応仁元年に発生し、戦国時代の始まりとなった大乱は?
縄文時代に使われていた土器の名前は?
2~3世紀に女王卑弥呼が治めた国は?
3世紀後半、奈良盆地に形成された政治勢力の名は?
鎌倉時代、九州北部がモンゴル帝国に二度襲撃された事件の名は?
4~7世紀に海を渡って日本にやってきた人の呼び方は?
明治初期、西郷隆盛が率いた士族の武力反乱の名称は?
アドルフ・ヒトラーが組織した「ナチス」の正式名称は?
インド民族独立運動の原点となったインド人傭兵(セポイ)による反乱の名は?

歴史的異人の顔にギモンあり!

旧一万円札の「聖徳太子」の肖像画が、まさかの別人!?
あの「源頼朝の肖像」が一転、簡素な顔に変わった
「足利尊氏像」はただの「騎馬武者像」に表記変更
北条時宗、武田信玄……、まだまだ出てくる「顔」のギモン
知ってビックリ。西郷隆盛とフランシスコ・ザビエルの顔の共通点

こんな更新、加筆にも注目!

「マガリャンイス」って誰? 偉人もネイティブ発音だと意味不明に
「遣唐使の廃止」が「遣唐使の停止」や「中止」に変わった
印象が薄かった「室町時代」の解説が詳細になった
江戸の「リサイクル」や「ファストフード」がコラムで注目
新しい高校の日本史教科書に「吉原」が登場!

本人もあの世で驚愕!? ころころ変わる人物評や出自の表現

「農民の子」が定説だった豊臣秀吉の出自が謎めいてきた
「家康の排斥を謀った石田三成」の悪役イメージが塗り変わっていた
暴君とされていた徳川綱吉は、「慈愛の政治」をした好人物に格上げ
賄賂まみれの政治家・田沼意次は「積極的な経済活動を促した人」に

2時間目 【理科・算数の教科書】の勉強
昭和世代が青ざめる理数の新常識とは?

見た目や中身もどんどん変わる! 理科の新常識

大判でカラーページ多数。見て楽しい今どきの理科教科書
2006年から冥王星が惑星の仲間から脱退していた
富士山はかつて「休火山」→今「活火山」
「哺乳類は爬虫類から進化した」は昔の常識
耳慣れない元素記号がどっと増えた
ひと昔前まで植物の仲間だった藻類は今、「原始生物」
日本周辺に4つあった「気団」の扱いが変わった

知ってると役立つ、理科の記号の新常識

リットルの表記は「ℓ」から「L」へ
力の単位をあらわす「N(ニュートン)」が平成14年から登場
「時はh」で「秒はs」。速さの単位などで使う時間の表記も更新

新常識の「言い方」あれこれ

植物から最初に出る葉の名称は「ふたば」から「子葉」に
子葉に次に出てくる大人の葉は「本葉」から「葉」へ
「ブドウ糖2分子のもの」は、「麦芽糖」にすっきり変更
脂肪が消化されてできる「脂肪酸とグリセリン」が別の名前に
雲仙普賢岳から生まれた溶岩ドームは「平成新山」
「浸食」から「侵食」へ。この違い、わかりますか?

理科実験の新常識、時代がかわる新情報にも注目!

「カエルorフナの解剖」をやる学校はレアケースに
なつかしの実験器具アルコールランプが消えようとしている
学校の校庭にあった「百葉箱」も影が薄くなった
小5理科に未来の乗り物「リニア中央新幹線」が登場!

ゆとりから一転、子どもたちを悩ませる“新しい”算数

数式と文字だけの地味~な算数教科書がカラフルに
小学校の算数は教科書が分厚くなり難易度もグンとアップ!
親子で「算数が難しい」と感じる時代
ていねいすぎて大人は混乱する算数1--「さくらんぼ計算」
ていねいすぎて大人は混乱する算数2--「たし算、かけ算の順番ルール」
今の高校は基礎解析を知らない!? 科目割が大幅変更
「そろばん」は健在だが驚くほどあっさり終わる

3時間目 【社会・国語・英語の教科書】の勉強
知ってると雑談ネタにも困らない

社会・地理の変化を見れば時代がわかる!

小学校の社会科の教科書がAB判に大きく生まれ変わった
平成以降、高校の社会科が「地歴科」と「公民科」に分かれた
「世界一長い川」と川の長さが変わっていた
日本の中心工業地帯は「四大工業地帯」から「三大工業地帯」へ
見た目にはわからないけど日本の経度・緯度が変わった
小5社会で「シェールガス」と「バイオマスエネルギー」が登場
「リアス式海岸」→「リアス海岸」に表記が変わったワケ
農家は「終業農家」「準業的農家」「副業的農家」に分類
「現代社会」の教科書から、平成のカタカナ用語を読み解く

なつかしいあの作品が消えた!? 国語の教科書

高校の国語の科目、いくつあるか知ってますか?
ノートの取り方、ペンの色使い、メールの書き方まで教える「国語表現」
あっ、教科書の「そ」の書き方が変わってる!
漱石や鴎外も……。中学の教科書から、明治の表題にも変化
なつかしいあの作品『最後の授業』はなぜ教科書から消えたのか?

国際化の荒波は進化した英語教育が受け止める!

英語教育の低年齢化が進み小学校でも必須に
英語で自己紹介「マイネームイズ名―姓」が「アイアム姓―名」に
「筆記体」を習うことが必須ではなくなった
英語教科書のイラストが「めちゃめちゃかわいくなった」と評判
英語の教科書なのに「日本語」の量が増えた?
「辞書の使い方」を教科書でていねいに教える
高3の英語で「くまもん」が紹介された

4時間目 【その他の教科と学校生活】の勉強
驚くことだらけな平成の学校事情

昔はなかった「生活科」。何を勉強するの?
課題発見力を見つける「総合的な学習の時間」
「音楽の教科書」にAKB48の楽譜を発見!
見て、持ってビックリ! 中学生の通学かばんが重すぎる
昭和世代が驚愕する、今どき小学生の新常識

シルバーやゴールド!? ランドセルの常識が変わった
ランドセルにつける防犯ブザーが必需品に
連絡網なし。緊急連絡はメールで配信
時間割は毎週更新されるのが常識!?
パソコンルーム完備のデジタル学校生活
運動会のお弁当は“親子別々”が普通になった
遠足に「おやつ禁止」のルールがある!?
小学生が「iPS細胞」を学び始めた

「うさぎ跳び」はもう決してやらない
進化型の学校給食はフランス料理やバイキングも
「デジタル教科書」の登場で、近未来の授業風景はもっと変わる!

現代教育調査班

教育にまつわるさまざまな疑問や不思議について、綿密なリサーチをかけるライター集団。本書では昭和世代と平成世代の間に横たわる大きなギャップに気づいたことから調査がスタートし、調べるうちに自分たちの情報にも更新が必要なことを実感した。つい人に教える「気づき」が満載の本。

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