『世界のエリートがやっている 最高の休息法 「脳科学×瞑想」で集中力が高まる』|脳科学×瞑想で集中力が高まる

こんにちは。だんだん暑くなってきまして、イライラしたりグッタリ疲れてしまったり、季節の変わり目を生きています。こんなとき、なるべくなら心穏やかにいたいものなのに、ついカリカリしてしまい他人に苛立っては、自分がどんどん疲れてゆく……というループにハマり込んだことありませんか?

どうもこれって脳の作用かもしれないということで、『最高の休息法』という書籍に手が伸びました。こちら、以前からレビューが気になっていました。

科学と瞑想、東洋哲学

本書『最高の休息法』は脳科学的な脳の特性を踏まえ、東洋的な〈瞑想〉を取り入れることで、脳の良い状態をつくり出す方法が紹介されています。

脳は働き続ける臓器で、休まろうとしません。脳は働き続けると、内側前頭前野と後帯状皮質と呼ばれるところの活動が低下するそうです。

これらの部位は記憶・感情などに加え、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)を司る部位でもある。
DMNとは、内側前頭前夜、後帯状皮質、契前部、そして下頭頂小葉などからなう脳回路であり、意識的な活動をしていないときに働く脳のベースライン活動だ。いわば脳のアイドリング状態といったところだろうか。端的に言えば、脳というのは、つねに動いていようとする臓器なのだ。
(中略)DMNは「心がさまよっているときに働く回路」として知られている。そして人間の脳は、なんと1日のおよそ半分以上を心さまようことに費やしているというのだ。

p.67

うつ病の人に「あのとき、ああしとけばよかった」と考える〈反芻運動〉が見られれるそうですが、これも脳が休まらなく疲労の原因になってしまいます。次々と悩みが頭の中でグルグルと堂々めぐりする状態に陥ってしまうと、どんどん疲弊し、冷静に判断できなくなってゆくということですね。

マインドフルネス、瞑想は脳の8つの部分に働きかけ、構造を変えてゆく作用があるそう。「瞑想」ってなんだか非科学的でオカルトっぽく感じていましたから、科学的な根拠もあるんだなぁと驚きました。

京都・禅寺からイェール大学留学中の主人公

本書『最高の休息法』の大部分はストーリー仕立てになっています。京都の禅寺に生まれ、イェール大学で研究員をしているナツと、イェール大学教授のヨーダ。そして、アメリカでベーグル店を営むナツの伯父が登場します。ナツは実家の禅寺で、幼いころから修行を実父からさせられており、父に反発し日本を飛び出したのでした。

……という物語形式でマインドフルネスについて語られるのですが、正直、禅寺に生まれた娘とか、アメリカの大学の研究員とか、ちと共感できないというか……(;´∀`)特別な例すぎないか?思ってしまいましたw 伯父さんもアメリカで自営業やってるとかね。

この物語が、物語であることで〈とっつきやすく感じる人〉と〈長い蛇足〉に感じる人は分かれそう。

7つの休息法・一覧が分かりやすい

本書の7つの脳の休息法が、まとめて一休息法につき見開きイラスト付きで紹介されているのが分かりやすい。kindle版でお買い求めになられた方は、見開きでスクショとって保存しておきたい。

1 マインドフルネス呼吸法

注意を過去や未来ではなく「今ココ」に向けるための呼吸法。呼吸に意識を向けます

①基本姿勢を取る
②身体の感覚に意識を向ける
③呼吸に注意を向ける
④雑念が浮かんだら

2 ムーブメント瞑想

現在はマルチタスクの時代。自動操縦モードほど雑念が浮かびやすいもの。体を動かしながら瞑想する感じかな

①歩行瞑想
②立った姿勢でムーブメント瞑想
③座った姿勢でムーブメント瞑想
④そのほかこんな方法も

3 ブリージング・スペース

脳のストレスは体にも悪影響が及びます。だるさ、肩こり、腹痛などなど。ストレスに気づき、呼吸への意識から、体全体へ意識を広げてゆきます

①ストレスの影響に気づく
②呼吸に意識を集中させる
③身体全体に意識を広げる

4 モンキーマインド解消法

頭の中にさまざまな雑念が渦巻いているとき、「もう既に考えた」ことを片づけ、名前を付け、俯瞰し、思考のループから抜け出します

①捨てる
②例外を考える
③賢者の目線で考える
④善し悪しで判断するのをやめる
⑤由来を探る

5 RAIN

脳に過度なストレスがかかると偏桃体が暴走し、それを抑えようと前頭葉が働きます。瞑想を続けることで、この二つがフラットな状態を作ってゆきます

①Recognize(認識する)
②Accept(受け入れる)
③Investigate(検証する)
④Non-Identification(距離を取る)

6 やさしさのメッタ

嫌悪、妬み、怒り等のネガティブな感情を減らし、他人への愛情・慈しみを育て、脳を疲れさせません

①マインドフルな意識状態をつくる
②その人のことを思い浮かべる
③心の中でフレーズを唱える

7 ボディスキャン

脳の疲労がひどくなると、身体の一部にほてりや疲労が生れます。痛みの抑制と、痛みに対処できる脳をつくります。

①横たわって、呼吸に注意を向ける
②左足のつま先に注意を向ける
③身体をスキャン
④同様のプロセスを全身で

以上の瞑想法が、実際に紙面ではイラストを交え、詳しい説明ページへの案内を交えて紹介されています。中には、瞑想法を実践なさっている方や、知っている瞑想法もあるかと思います。基本は道具も何もなくその場でできるのがいいですね。

働くための「休息法」を得とくせよ

あさよるは、自身の疲労や、自分のイライラや怒りに“気づきにくい”人でして、現状把握できないばっかりに、自分に振り回されて、自分でヘロヘロになってしまいます。まず、自分の中で怒起こっている〈疲れ〉や〈感情〉に気づくことから始めたく思います(;’∀’)

そして、グルグルと同じことを悩み続けて疲弊してしまうターン!あるあるですね。第三者として、他人の悩みを聞いていたりすると、悩みが堂々巡りしていて悩みのループにハマっていることが客観できたりします。しかし、いざ自分がそのループにハマり込んじゃうと、なかなか気づけない……。そもそも、グルグルと悩まない脳づくり、コンディションづくりっていいですね。

先にも言いました、あさよるは「瞑想」っていうとちょっとオカルトっぽくて苦手でしたが、その苦手意識はなくなりました。

また、「休む」ことって、「働くため」にも必要なんだって気づきました。良い仕事をするために、上手に休む。「最高の休息法」ですね。

最高の休息法

目次情報

はじめに――科学的に正しい「脳の休め方」

「科学的に脳を癒す方法」が模索されている
脳は「何もしない」でも、勝手に疲れていく
世界のエリートは、こうして脳を休ませる
本当の休息は「単なる充電」ではない

まずはこれだけ!
脳の疲労を解消す7つの休息法

1|とにかく脳が疲れているとき――マインドフルネス呼吸法
2|気づくと考えごとをしているとき――ムーブメント瞑想
3|ストレスで体調がすぐれないとき――ブリージング・スペース
4|思考のループから脱したいとき――モンキーマインド解消法
5|怒りや衝動に流されそうなとき――RAIN
6|他人へのマイナス感情があるとき――やさしさのメッタ
7|身体に違和感・痛みがあるとき――ボディスキャン

マインドフル・モーメント――「最高の休息法」の物語

Prologue ニューヘイブンの隠者

Lecture 0 先端脳科学が注目する「脳の休め方」

最先端の脳科学で、心をメンテナンスする
「脳を作る時代」が到来
注意散漫、怒り、無気力…「脳疲労」のいろいろ
世界トップ企業が導入する「最高の休息法」

Lecture 1 「疲れない心」を科学的につくるには?――脳科学と瞑想のあいだ

世界が熱望する「脳を癒すための技術群」
疲れているのは「身体」ではなく「脳」だった!!
瞑想の「科学的裏づけ」が進んでいる
勝手に脳は疲れていく――DMNという浪費家
疲れない脳の構造は「自分でつくれる」
集中力を高め、セルフコントロールを手に入れる

Lecture 2 「疲れやすい人」の脳の習慣――「いま」から目をそらさない

「何もしない」を練習する――休息の基本姿勢
「脳が疲れる理由」に気づく方法――呼吸を意識する
脳疲労は「過去と未来」から来る――心のストレッチ
脳を変えるには「習慣」が第一
ランチタイムにできる脳の休息法――食事瞑想

Lecture 3 「自動操縦」が脳を疲弊させる――集中力を高める方法

雑念は「自動操縦の心」に忍び込んでくる
マルチタスクが脳の集中力を下げる
「集中モード」の脳では、何が起きているか
自動操縦を脱する方法――ラベリングと歩行瞑想

Lecture 4 脳を洗浄する「睡眠」×「瞑想」――やさしさのメッカ

日本人は「最高の休息法」を知っていた!
クスリで「脳の疲れ」は癒せない
眠りながら「洗浄液」で脳の疲労物質を洗い流す
ぽじてぅな感情を育てるメッタの3ステップ

Lecture 5 偏桃体は抑えつけるな!――疲れを溜め込まない「不安解消法」

「前頭葉」と「偏桃体」のアンバランスがストレスを招く
「ブリージング・スペース」で緊張感をほぐす
「脳構造」が変われば「ストレスの捉え方」も変わる
疲労は「疲労感」という脳現象である
脳の疲れを防ぐ食事
脳が回復する5つの習慣

Lecture 6 さよなら、モンキーマインド――こうして雑念は消える

月に一度は「怠けること」に専念する
雑念が疲労を呼ぶ――モンキーマインド解消法
マインドフルネスは「第3世代」の認知行動療法
なぜいつも「同じこと」を考えてしまうのか?
脳を疲れさせる「ジャッジメンタル」とは?

Lecture 7 「怒りと疲れ」の意外な関係性――「緊急モード」の脳科学

「偏桃体ハイジャック」から脳を守れ!!
脳から来る「衝動」にはRAINで対処
目的意識のある人ほど「怒り」に注意

Lecture 8 レジリエンスの脳科学――瞑想が「折れない心」をつくる

瞑想が最強のチームをつくる
「回復力のある脳」はつくれるか――レジリエンス
「レジリエンス×脳科学」の結論はマインドフルネス⁉
苦境でも心の安定を保つ――アクアニミティ

Lecture 9 脳から身体を治す――副交感神経トレーニング

「競争」が最も脳を疲労させる
なぜ「疎遠になった人」へ連絡するといいのか?
瞑想が「痛み」に効く脳科学的プロセス
身体をリフレッシュする「ボディスキャン」のやり方

Lecture 10 脳には脳の休め方がある――人と組織に必要な「やさしさ」

リラックスだけでは「脳の休息」にはならない理由
幸福の48%は遺伝。だから「感謝」が重要
ニューロマーケティングと「人にやさしいベーグル」
「最高の休息法」は組織・社会をも癒す

Epilogue 思いやりのメッタ

おわりに--Doing から Being へ

久我谷 亮(くがや・あきら M.D./Ph.D.)

医師(日・米医師免許)/医学博士
イェール大学医学部精神神経科卒業。アメリカ神経精神医学会認定医。アメリカイェール精神医学会会員。

日本で臨床および精神薬理の研究に取り組んだあと、イェール大学で先端脳科学研究に携わり、同大学で臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年間にわたり従事する。そのほか、ロングビーチ・メンタルクリニック常勤医、ハーバーUCLA非常勤医など。

2010年、ロサンゼルスにて「TransHope Medical(くがや こころのクリニック)」を開業。同院長として、マインドフルネス認知医療やTMS磁気治療など、最先端の治療を取り入れた診療を展開中。臨床医として日米で25年以上のキャリアを持つ。

脳科学や薬物療法の研究分野では、2年連続で「Lustman Award」(イェール大学精神医学関連の学術賞)、「NARSAD Young Investigator Grant」(神経生物学の優秀若手研究者向け賞)を受賞。主著・共著合わせて50以上の論文があるほか、学会発表も多数。趣味はトライアスロン。

▼TransHooe Medical (くがや こころのクリニック)
http://www.thmedical.org/

コメント

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