『伝わる文章の書き方教室 書き換えトレーニング10講』|ゲームで文章力うp!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

こんにちは。毎日ブログを書いていると、自分の文体というかキャラというか……を見失いがちな あさよるです。愉快でコミカルな感じでお送りしたいと常に思っているのですが、上手く伝わっているでしょうか……(;’∀’)>

今日紹介する『伝わる文章の書き方教室』は、その名の通りズバリ「伝わる」ための作文レッスンの本です。良い文にせよ悪い文にせよ、まずは〈伝わらないと〉善し悪しの判断さえしてもらえません。とにもかくにも「伝わる文章」の練習をはじめましょう。

作文ゲームで文章を練習しよう!

本書『伝わる文章の書き方教室』は、作文のレッスン方法が紹介される、ちょっと変わった本です。あさよるネットでもこれまで、文章の書き方に関する本を紹介してきましたが、漢字ドリルや算数ドリルのように、文章を自分で組み立てながら進めていく内容のものって、なかったんじゃないかな?

一つ目のレッスンはこんな感じ。

レッスン1 適切なことばを選ぼう――特定の音を使わずに書き換える

例題1
次の文章を、「い」を使わないで置き換えてください。

吾輩は猫である。名前はまだない。 (夏目漱石『吾輩は猫である』冒頭)

もちろん答えは何通りもある問題です。あさよるはこんな風に考えました。

「私は猫よ。名前なんて初めからなかったわ。」

どうでしょう。本書では「余は猫である。目下のところ名無しである」と文章を作っていました。これは「吾輩」という偉そうな感じを前面に出し、猫の横柄さがそのまま出ている文章です。ちなみにあさよるは、誰もいない指令室に駆け込むとAIが音声で「私は猫よ」と話しかけてくるイメージでしたw 確かにこれじゃ、元の『吾輩は猫である』と全く違う世界になっちゃいます(;’∀’)>

これは〈語彙力〉を増やすレッスンです。一つの文章を、他の言葉を使って表現し直します。『吾輩は猫である』の例文では「い」を使わないというルールでした。子どもが遊ぶ〈しりとり〉もこの手の遊びですね。もっと他の音をどんどん抜いて、表現の幅を増やすレッスンがあります。

〈語彙力〉の他に〈表現力〉〈論理力〉を伸ばすレッスンが用意されています。

やっぱ書いてナンボ!?

本書は読んでいるだけでなく、実際に手をうごかして文章を作っていくことが前提になっています。でも、退屈な〈お勉強〉というよりは、頭を使った〈ゲーム〉みたいに取り組んでOKだから、勉強よりずっと楽しい時間でしょう。

やっぱり、文章力アップしたければ、まずは「書く」ってことが大事なのね……当然だけど(;’∀’)>

そして、数をこなせばいいわけじゃないってこと。本書のように、良い文とは何か?を踏まえたうえで、そこへ向かっていかなければならず、アサッテの方向に進んでも仕方がありません。闇雲に作文を嫌々書きまくるよりも、本書『伝わる文章の書き方教室』のような指針になる本に添って、レッスンをした方がよさ気ですね。

分かりやすい文章に、ビビる……

本書では、伝わる文章の良い例も数々紹介されているのですが、改めてその的確さにビビりました(;’∀’)

その例が、夏目漱石の『門』。

・針箱と糸屑の上を飛び出す様に跨いで茶の間の襖を開けると、すぐ座敷である。南が玄関で塞がれているので、突き当りの障子が、日向から急に這入ってきた眸には、うそ寒く映った。其所を開けると、廂に逼る様な勾配の崖が、縁端から聳えているので、朝の内は当って然るべき筈の日も容易に影を落とさない。(一の二)
・夫婦の坐っている茶の間の次が台所で、台所の右に下女部屋、左に六畳が一間ある。下に女を入れて三人の少人数だから、この六畳もじゃ余り必要を感じない御米は、東向の窓側に何時も自分の鏡台を置いた。(四の十四)
・宗助は玄関から下駄を提げて来て、すぐ庭へ下りた。縁の先へ便所が折れ曲がって突き出しているので、いとど狭い崖下が、裏へ抜ける半間程の所は尚更苦しくなっていた。(七の四)

p.110

この文章から、家の間取りが分かるというのです。分をじっくり読んで想像してみて下さい。同じく、『門』の文章から間取りを書き起こした図が、朝日新聞の記事にもありました。合わせてご覧ください。

それにしても、これだけの文章だけで家の間取りを正確に描写できるのって……論理的に論述できているということです。みなさんのお住まいも、言葉だけで表現できるでしょうか。あさよるは……絶対ムリ!(^^♪

宿題にもブログにも作詩にも

本書『伝わる文章の書き方教室』は、ほとんどすべての人に必要な力のレッスンが紹介されています。文章を書かない人もいないでしょうし、簡単な連絡や引継ぎでさえ、文章で正しく書き記せるといいのにねぇ……(遠い目)。例えばパパママだって、子どもの連絡帳にきちんと伝えるべきことを書けないとなりませんし、お友達とLINEで行き違いを生まないためにもやはり必要なのは文章力。なにも仕事や勉強でのみ必要な特殊技能ではありません。

本書は子どもの宿題の助けにもなるだろうし、このようにSNSやブログで文章を投稿している方にも、良い励みになるでしょう~。こっそり詩を書き溜めている人とか、言葉を綴っている人にも!

伝わる文章の書き方教室 書き換えトレーニング10講

目次情報

はじめに

第1章 語彙力をつけるレッスン

レッスン1 適切なことばを選ぼう――特定の音を使わずに書き換える

音を避ける訓練は昔から/現代作家の試み/最もよく使われる音は

レッスン2 語感を意識しよう――和事漢語とを互いに書き換える

漢語を使いたがるレポート/「ぱっと見て分かる」を漢語で言うと/清少納言のウィット/日記を和語・漢語バージョンで

レッスン3 むだのない言葉を選ぼう――決まった時数で書き換える

要約力を支える語彙力/百字の男/「余録」子の苦労/句の音数を決め手書く

第2章 表現力をつけるレッスン

レッスン4 誰の行為かをうまく表そう――主語を使わずに書き換える

主語がないのがひとりなら自分自身/敬語によって行為者を示す/行為者を示す4つのルール

レッスン5 独り合点を避けよう――必要十分な内容に書き換える

コーチングとは何のこと?/国語辞典の誤訳を書いてみる

レッスン6 描写力をつけよう――視覚情報を文章に置き換える

自分のとらえかたをことばで伝える/文学作品の文章を視覚化する

第3章 論理力をつけるレッスン

レッスン 前後の論理関係を考えよう――一続きの文に書き換える

濫用される「が」「て」/長い文を続ける名人芸/ヒット曲を一文で

レッスン8 客観的に書こう――感想を含まない文に書き換える

口癖としての「思います」/論理的な文章に感想はいらない/志賀直哉の「感想文」/主観的な表現いろいろ

レッスン9 論理の型を知ろう――「だから型」を「なぜなら型」に書き換える

ふつうに話すと「だから型」に/歴史・物語を逆さに語る/「問題・結論・理由」で考える

まとめ 難解な文章を「伝わる」ように書き換える

「伝わる」ことが肝心/語句の意味を確かめる/イメージできない表現を書き換える/文の順番を替えて論理を分かりやすく

おわりに

飯間 浩明(いいま・ひろあき)

1967年生まれ。早稲田大学文学部博士課程単位取得。早稲田大学非常勤講師(日本語教育研究センター、メディアネットワークセンター)。『三省堂国語辞典』編集委員。専門は日本語学。辞書にはまだ収録されていない現代語の収集・記述につとめる。クイズやディベートと取り入れた独自の文章指導を10年以上続けている。NHK「かわる国語 読み書きのツボ」企画監修を担当。著書に、『非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門』(ディスカヴァー携書)、『NHK わかる国語 読み書きのツボ』(MCプレス)、『遊ぶ日本語 不思議な日本語』(岩波アクティブ新書)などがある。

SNSでもご購読できます。

コメント

コメントを残す

*