『スタンフォードの自分を変える教室』|自分の本能の声を聞こう

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

こんにちは。体調不良のままゴールデンウイークが終わってしまった あさよるです。朝方の寒さでお腹を壊してしまって、スッキリしないままの連休でした(;’∀’) もっと自制して、良いコンディションのまま維持できるようになりたいなぁと。

そこで、『スタンフォードの自分を変える教室』ですよ。口コミでもいい感じですし、自分の生活習慣が変わるやも?と期待して手に取りました。

思っているほど、人の「意志」は働かない

『スタンフォードの自分を変える授業』の著者、ケリー・マクゴニガルさんは心理学者で、心理学や精神科学、医学の研究を下敷きに、本書が作られました。

誰でも納得できるようなたとえ話を用いながら、専門的な話が簡単に説明されています。

「自分を変える教室」を最後まで読んでわかったのは、「自分で思っているほど人の〈意志〉は、強くない」ってコト。自分で「ダイエットしなきゃ」「勉強しなきゃ」「やめなきゃ」と思っても、その通りに動けません。それは、人に元々備わっている〈本能〉の働きが関係しています。

ヒトも動物であり、捕食者から逃れ、狩りをし、飢えをしのいで生き延びてきました。飽食の時代とか、誰もが長生きできる時代なんて、ほんの最近局地的に起こっている現象であって、ヒトは飢えながら敵から逃げて生き延びるためのプログラムが備わっています。そのプログラムがどんなものなのか理解しないと、意志と本能がズレてしまうと、思わぬ結果を招いてしまうのです。

思っているほど「意志」は強くないって前提に立つことで、自分の意志力を最大限に利用できるんだって思います。

人の意志・本能の特性を知れば対処ができる

例えば、疲れていたり寝不足な状態では判断力が鈍り、意志力も下がります。体調管理が意志を変え、行動を変えるってことです。

また、同じことでも「いつやるのか」が大事だったりします。朝の貴重な時間帯、メールチェックに追われるのか、自分の時間に使うのか、自分の意志で割り振ることができます。

また、「甘い物が食べたい」という欲求を上手に使うこともできます。脳が活動するためには糖分が必要ですから、我々は日夜、血糖値を上げるために活動していると言っても過言ではない!? 脳に糖分を適度に補給してやると、意志力もアップします。恐ろしいのは、脳は消費する糖の量を調節してしまうことです。血糖値が低い状態が続くと、脳は糖を使う分量を減らし、勝手に省エネモードになってしまいます。すると、意志力も弱まってしまうのです。「体の仕組みを知る」ってのも、必要なのですね。

シロクマのことは考えないでください

人間の意志の不思議。

シロクマなんて、ふだんは学生たちの頭の片隅にもありませんでした。なにしろセックスと試験のことで頭はいっぱい、話題といえばコーラの新商品は期待はずれでがっかり、なんてことばかり。なのに、そんな彼らがシロクマの虜になってしまったのです。それもこれも、こんな指示を受けたばかりに――「これからの5分間、シロクマのことを考えないようにしてください」。

p.304

「シロクマのことを考えないようにしてください」と指示をされると、シロクマのことが頭から離れなくなってしまう……よくわかる話です。

例えば、子どもに「ジュースこぼしちゃダメよ」と注意すると、ガシャーンとこぼしてしまうのも、この力? ちなみに、「こぼしちゃダメ」と思えば思うほど、あさよるは大人なのにこぼしてしまいますw

意識してしまうと、そのことで頭がいっぱいになってしまう。例えば「太っちゃダメ」と考えると、やってはいけないイメージで頭の中がいっぱいになってしまう。ゲームしちゃダメって思うと、ゲームのイメージが湧いてしまう。悩ましい話です。

また、他人の意志力が「伝染する」というのも面白いです。

不健康な生活習慣の人と一緒に過ごすと、生活習慣が伝染ってしまう……わかる気がします。人は、他人の行動を見ると、知らず知らず真似をしてしまいます。

他人の行動をまねしてしまうということは、誰かがスナック菓子やお酒やクレジットカードに手を伸ばすのを見たら、いつのまにか自分もまねしてしまい、意志力を失ってしまうかもしれないということです。

p.278

これも、経験として「わかる」と思います。スリムな人と一緒にいると、知らずに自分もヘルシーな食べ物を選んでいたりとか、マジメな人と一緒に仕事をすると、自分もピリッと襟を正される感じ。

これも、自分の〈意志〉とは違う、他人からの影響です。

「知る」ことで、変わる

自分の〈意志〉というものは、絶対的ではなく、本能や他人からの影響が大きく働きます。それを悪しきものとするよりも、上手に利用する方が、良さそうです。

「自分を変える教室」は、「自分を知る教室」なのかもしれません。また、大学の講義で扱われているものですから、普遍的で多くの人に当てはまる〈特徴〉です。ヒトの持っている習性と言ってもいいかもしれませんね。

本書は、多くの人に当てはまるように抽象的な話なので、自分に当てはめながら読むとより分かりやすいかも。アメリカの本と言うことで、たとえ話がアメリカンなのも楽しかったですw

スタンフォードの自分を変える教室

スタンフォードの自分を変える教室 (だいわ文庫)

スタンフォードの自分を変える教室 (だいわ文庫)

  • 作者:ケリー・マクゴニガル
  • 出版社:大和書房
  • 発売日: 2015-10-10

目次情報

Introduction 「自分を変える教室」へようこそ
――意志力を磨けば、人生が変わる

科学と実践から導き出された見解
「自分はどう失敗するのか」を知る
本書の使い方――「科学者」として自分を観察する
1つの章からは1つの戦略のみ実行する
最初の課題
マイクロスコープ あなたの「チャレンジ」を選んでください

第1章 やる力、やらない力、望む力
――潜在能力を引き出す3つの力

本能に流されずに生き抜く
出世も勉強も寿命を「意志力」が決める
前頭全皮質があなたをコントロールする
マイクロスコープ できない理由を特定する
脳は1つでも「自分」は2人いる
マイクロスコープ もうひとりの自分に名前をつける
本能を目標達成に利用する
第1のルール「汝を知れ」
意志力の実験 「選択した瞬間」をふり返る
失敗する瞬間に気づく
脳の肺白質を増強する
意志力の実験 5分で脳の力を最大限に引き出す
自分を何度も目標に引き戻す

第2章 意志力の本能
――あなたの体はチーズケーキを拒むようにできている

身体が勝手に「衝動的」になる
こうしてあなたは誘惑に負ける
マイクロスコープ なぜ「やりたくないこと」をしてしまうのか?
ひと呼吸おいて考える本能
「自己監視システム」が脳にエネルギーを集める
意志の強さは「心拍変動」でわかる
食べ物で「意志力の保有量」が変わる
意志力の実験 呼吸を遅らせれば自制心を発揮できる
「運動」すれば脳が大きくなる
この2つを「しなければ」意志力が上がる
意志力の実験 グリーン・エクササイズで意志力を満タンにする
「6時間未満の睡眠」が脳を弱くする
意志力の実験 眠りましょう
「する」が失敗したら「しない」を決める
意志力の実験 体にリラクゼーション反応を起こす
ストレスは「一瞬」でやる気を奪う
マイクロスコープ ストレスでいかに自制心が落ちるかを試す

第3章 疲れていると抵抗できない
――自制心が筋肉に似ている理由

自制心は筋肉のように鍛えられる
マイクロスコープ 意志力の増減を観察する
「大事なこと」をやる時間帯を変える
甘いものが「自己コントロール」を回復させる
「1分の自制」の消費エネルギーはミント半分以下
脳はエネルギーをお金のように使う
腹が減っていると危険を冒してしまう
意志力の実験 お菓子の代わりにナッツを食べる
「意志力筋」を鍛える
「難しいほうを選ぶ」ことを繰り返す
意志力の実験 目標に関係のある強化法をやってみる
限界を感じるのは脳にダマされているだけ
「意志力の限界」は超えられる
マイクロスコープ 疲労感を気にしない
「望む力」が限界を引き延ばす
意志力の実験 「望む力」をつくりだす

第4章 罪のライセンス
――よいことをすると悪いことをしたくなる

人は「まちがった衝動」を信用する
「モラル・ライセンシング」が判断を狂わせる
しようと考えただけで、した気になってしまう
人は正しいことは「したくない」と感じる
マイクロスコープ 自分の「言い訳」を知る
脳が勝手に「やるべき目標」を切り替える
「やることリスト」がやる気を奪う
意志力の実績 「なぜ」を考えれば姿勢が変わる
サラダを見るとジャンクフードを食べてしまう
「意志が強い」と思っている人ほど失敗する
マイクロスコープ 「あとで取り返せる」と思っていませんか?
人には「明日はもっとできる」と考える習性がある
意志力の実験 「明日も同じ行動をする」と考える
後光効果が「罪」を「美徳」に見せかける
意思を骨抜きにする「魔法の言葉」
マイクロスコープ 誘惑の「キーワード」を見つける
エコ活動が罪悪感を鈍らせる
罰則をつくればルール破りが増える?

第5章 脳が大きなウソをつく
――欲求を幸せと勘違いする理由

人が刺激を「やめられない」脳の部位
快感の「予感」が行動を狂わせる
ドーパミンは「幸福感」をもたらさない
「携帯ドーパミン装置」が生活を埋め尽くしている
マイクロスコープ ドーパミンの引き金を探す
真新しいものほど「報酬システム」を刺激する
本能を操作・誘導する人たち
ドーパミンを刺激する「戦略」を見抜く
マイクロスコープ 心を動かすものの正体を暴く
退屈な作業を「ドーパミン化」する
意志力の実験 「やる力」とドーパミンを結びつける
「欲しいもの」は反射的に不安を生みだす
マイクロスコープ 欲望のストレスを観察する
脳内物質に操られて破滅的な行動をし続ける
意志力の実験 快感の誘惑に負けてみる
欲望がなくなった人間はどうなるか?
ほんとうの報酬とまやかしの報酬を見分ける

第6章 どうにでもなれ
――気分の落ち込みが挫折につながる

大半の「ストレス解消法」は意味がない
意志力の実験 根拠のある方法を実行する
死亡事故を見たらロレックスが欲しくなる
タバコの警告表示はなぜ「逆効果」なのか?
マイクロスコープ 「あなたが恐れていること」は何ですか?
ニュースをやめたら夜食が減った
「どうにでもなれ効果」――一度失敗するともっとダメになりたくなる
マイクロスコープ つまづいたとき自分に「何」を言っていますか?
なぐさめの言葉で「どうにでもなれ効果」が緩和される
自分に厳しくしても意志力は強くならない
意志力の実験 失敗した自分を許す
「変わろうと思う」だけで満足してしまう
「いつわりの希望シンドローム」が起こす快楽
マイクロスコープ 「決心するだけ」を楽しんでいませんか?
意志力の実験 決意を持続させるためのシミュレーション

第7章 将来を売り飛ばす
――手軽な快楽の経済学

「すぐに」手に入れないと気がすまない
マイクロスコープ 将来の報酬の価値を低く見ていませんか?
「5年後の成果」など脳は望んでいない
目に入るから「報酬システム」が作動する
意志力の実験 「10分待つ」と何が起こるか?
10分ルールでタバコを減らす
「割引率」が10年後の成功を決める
意志力の実験 割引率を下げる
「将来の報酬」を自分に意識させる
背水の陣で「もうひとりの自分」と戦う
意志力の実験 逃げ道をなくす
「あなた2.0」に会う
つねに「将来の自分」を過大評価している
マイクロスコープ 「万能の自分」を待っていませんか?
2か月後の約束なら「より多く」を引き出せる
「将来の自分とのつながり」を知るテスト
バーチャル体験で貯金が増える
意志の実験 未来に行って「将来の自分」に会う

第8章 感染した!
――意志力はうつる

肥満はこうして感染する
マイクロスコープ あなたの「感染源」を発見する
「他人の欲求」を自分の欲求に感じる
脳は「目にした失敗」をまねたがる
マイクロスコープ 誰の「まね」をしていますか?
「目標感染」が起こる条件とは?
意志力の実験 意志力の「免疫システム」を強化する
ルール違反の「形跡」が自制心を低下させる
意志力の実験 「鉄の意志を持つ人」のことを考える
「好きな人」から感染する
マイクロスコープ 誰の影響を最も受けていますか?
「ろくでなしの仲間」にはなりたくない
よいことをするより仲間をまねたい
マイクロスコープ 努力するのを「ふつう」にする
「恥の効果」を利用する
落ち込んでいるときは誘惑に負けやすい
プライドが意志力の「保有力」を増やす
意志力の実験 「認められたい力」を作動させる
「最後の授業」で言い渡した課題

第9章 この章は読まないで
――「やらない力」の限界

好印象をねらうほど不愉快なことを口走る
思考の「モニター機能」が破滅を導く
頭に浮かぶことは真実だと思い込む
マイクロスコープ 「皮肉なリバウンド効果」を検証する
コントロールしなければコントロールできる
「考えるな」と言われたことを「実行」してしまう
ダイエットは体重を「増やす」行動
マイクロスコープ 自分に何を禁じていますか?
「思考」を押さえつけず「行動」だけが自制する
意志力の実験 欲求を受け入れる――ただし、従わないで
「禁止」を「実行」に変えればうまくいく
意志力の実験 「やらない力」を「やる力」に変える
「衝動」を観察して自制心を強化する
意志力の実験 「欲求の波」を乗り越える
意志力に最も大切な3つのこと

第10章 おわりに
――自分自身をじっと見つめる

訳者あとがき

ケリー・マクゴニガル[Kelly McGonigal, Ph.D.]

ボストン大学で心理学とマスコミュニケーションを学び、スタンフォード大学で博士号(心理学)を取得。スタンフォード大学の心理学者。専門は健康心理学。心理学、神経科学、医学の最新の研究を応用し、個人の健康や幸せ、成功および人間関係の向上に役立つ実践的な戦略を提供する講義は絶大な人気を博し、スタンフォード大学で最も優秀な教職員に贈られるウォルター・J・ゴアズ賞をはじめ数々の賞を受賞。各種メディアで広く取り上げられ、「フォーブス」の「人びとを最もインスパイアする女性20人」に選ばれる。ヨガ、瞑想、統合医療に関する研究を扱う学術専門誌「インターナショナル・ジャーナル・オブ・ヨガ・セラピー」編集主幹を務め、著書に『痛みを和らげるヨガ--心を落ち着け、痛みを緩和するためのシンプルヨガ』(未邦訳)などがる。

神崎 朗子(かんざき・あきこ)

翻訳者。上智大学文学部英文学科卒業。外資系生命保険会社の社内翻訳を経て、第18回DHC翻訳新人賞優秀賞を受賞。訳書に『ぼくたちが見た世界』(柏書房)、『ベスト・アメリカン・短編ミステリ』(共訳、ディーエイチシー)がある。

SNSでもご購読できます。

スポンサードリンク


コメントを残す

*