『スピッツ』|分厚い!「ヒバリのこころ」から「フェイクファー」まで

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こんにちは。あさよるです。2017年10月3日~8日まで大阪市にあるギャラリーPINEBROOKLYNにて開催されていた「SPITZEXPO2017」へ行こうと、予習をしておりました。「SPITZEXPO2017」は、スピッツのCDジャケットに使用された小物や原稿などが展示されているデザイン展で、「あるプロダクトのアイデアスケッチから原稿、小物なんかが一斉に展示されている」って、ありそうでなさそうな展示で面白かったです。

で、予習で読んだのはロッキン・オンから1998年に出版された単行本『スピッツ』です。CDサイズの可愛らしい装丁ですが、分厚くて読みごたえがあります。雑誌「ロッキング・オン・ジャパン」でのインタビュー集です。

同時に、スピッツのサポートミュージシャンをなさっているクジヒロコさんの本も読みました↓。ブログで未紹介ですが、楽器の選び方や、楽器の運搬の話など、あさよるの知らない話ばかりで面白かったです。

C階段で行こう!

ちなみに、SPITZEXPO2017へ行きたかったのは、今度発売になる『スピッツのデザイン』というデザイン本が気になっていて(デザイン本は高いのです><)、SPITZEXPO2017は『スピッツのデザイン』と内容が一部共通しているっぽかったので、出かけてみたのでした(ホントに共通なのかは未読なのでわかりません><)。

ネット情報よりこっちのがいいね、やっぱ(‘Д’)

スピッツの情報をネット検索すると、ファンの方のブログが多数ヒットしまして、つらつらと見ていると「スピッツの曲のテーマはセックスと死だ」「それがすごい」という言説をよく目にしました。確かに〈セックスと死〉って普遍的なテーマだけれども「一体この話の出典はどこなんだろう」と気になっていました。

ちなみに、あさよるの朧気ながらの記憶で、1990年代後半の音楽誌でスピッツのインタビュー形式の1~2ページほどの短い記事が載っていて、「テーマは性と死だ」というようなことを読んだ記憶があります。だけどほら、ああいう記事って誰かが勝手に書いてたりするし、そもそも出典の雑誌はもう廃棄してしまったので確認が取れません。

で、その辺の話を「ロッキング・オン・ジャパン」のインタビューでしっかりとお話されていました。要約すると、「死ぬのが怖い」という青年時代の経験と、夢中になれるものの対象としての恋・セックスだという話。あと、やはり〈普遍性〉も意識されているようですね。例えばヒット曲になった『ロビンソン』が未だに色あせない理由は、普遍的で古くならないテーマと言葉が選ばれているのも理由の一つでしょう。意図的にテーマが選ばれてるんだなぁと、当然ちゃあ当然なのかもしれませんが、出典に当たれてよかった。

もう一つ、スピッツの4人のキャラクターが見えてきて楽しい。4人ともパリピ系ではなかったみたいで共通しているようです。が、非リアの青春を送った田村さんと、実はちゃっかりリア充してる草野さんと、繊細な三輪さんと、マイペースな感じの崎山さんとと、一人ずつの話を読むと個性が違っています。特に田村さんと草野さんのキャラの違いが良いですねw

順風満帆なのに反骨というアマノジャクw

本書『スピッツ』は、スピッツのデビュー時から『ロビンソン』『チェリー』とヒット曲を連発し、アルバム『フェイクファー』発表までのロッキング・オン・ジャパンでのインタビューです。1991年にデビューし、大ヒット曲が登場した1995年まで、苦節の物語……というわけでもなさそうなのが、本書の面白い所。そう、スピッツはデビュー時からロッキング・オン・ジャパンに取材されてインタビューされて、その後もずっと特集され続けてるし、ジワジワっと知名度も上がっているようだし、新譜を出し続けライブツアーもしてるし、ミュージシャンとしてはまずまずな感じじゃないっすか。で、ヒット曲の登場によって、より多くの人に知られたってところ?

でもインタビューでは、草野さんはあくまで「スピッツは陰キャラ」だと繰り返しておっしゃっています。正直今となっては「いやいや、さすがにスピッツはマイナーじゃないでしょう」と言いたいw でも、つねに反骨、アンチ大勢でいるってのは、あくまでスピッツはロックバンドなんだなあと。

分厚い。

この本、分厚い。ひたすら厚い。あさよるは一応毎日更新の読書ブログなんてやってますし、読むのは早い方だろうと自負してたんですよ、内心。それでもやたら時間がかかり、全部読むのに約2週間……いや、正確には赤地に白抜き文字のページは目が痛くて、途中で諦めました。肝心の「SPITZEXPO」までに間に合わなかったし(;’∀’)

ファンの方のブログでは、「草野さんは歌詞についてあんまり深く解説なさらない」と紹介されていたんですが、こうやってインタビューを単行本でまとめて読むと、結構踏み込んで歌詞の世界についても言及されていますね。リアルではない別の世界を歌っていたり、パラレルワールドがたくさんあるという話も面白い。曲の雰囲気が変わったのは彼女が変わったからだとか、リアルな話も面白いですね。

神格化されるロックスターじゃなくって、ざっくばらんに〈普通の人〉な語り口も新鮮でした。草野さんは、天才ミュージシャンって感じじゃなくって、話だけだとすごく普通のお兄ちゃん的ですね。もっとオタクっぽい感じをイメージしてたんだが……(‘◇’)ゞ

スピッツの本は、2007年に出版された『旅の途中』という本もあります。インタビューではなく、聞き書きっぽい感じの構成です。デビュー時から今へ繋がるスピッツの変化や変わらないものを探るには、本書『スピッツ』の方が最適ですね。

旅の途中

旅の途中

  • 作者:スピッツ
  • 出版社:幻冬舎
  • 発売日: 2007-11-30

自分メモ的、ロッキング・オン・ジャパン掲載号とインタビュアー

目次はアルバムタイトルで分けられており、各アルバムのインタビューがまとまっています。ここではさらに、節の見出しとリード文、インタビュアーと掲載号を一覧にしてみた。自分メモ。

「元気に生きていこう!」より「フワッと死んでいこう」がいい
――『スピッツ』

  • 「元気に生きていこう!」より「フワッと死んでいこう!」がいい
    甘く切ない狂気 ギター・バンドの90年代型、スピッツ登場
    インタヴュー=山崎洋一郎
    (ロッキング・オン・ジャパン/91年3月号)
  • イヤでもトリップさせてやる
    詩人のペンとロックのギターを持つバンド、スピッツ、その暖かくシュールな世界
    インタヴュー=山崎洋一郎
    (ロッキング・オン・ジャパン/91年4月号)
  • 野望はありません
    デビューしてもひとり遊び状態が続くスピッツは大丈夫か
    インタヴュー=山崎洋一郎
    (ロッキング・オン・ジャパン/91年8月号)

どうせ死ぬなら綺麗に生きたい
――『名前をつけてやる』

  • 続・野望はありません
    「どうせ死ぬから綺麗に生きたい」
    スピッツから淡々としたセカンドアルバム
    インタヴュー=山崎洋一郎
    (ロッキング・オン・ジャパン/91年12月号)

思いっきりいろいろやっちゃってもスピッツになるって自信がある
――『オーロラになれなかった人のために』

  • 野望が見えました
    オーケストラ・アレンジのミニアルバムは永久平和国家スピッツを変えるか?
    インタヴュー=山崎洋一郎
    (ロッキング・オン・ジャパン/92年5月号)

ちょっと出てパッと消えるバンドじゃない、という意気込みは出てきたし
――『惑星のかけら』

  • 空想の中で生きてるんです
    4作目『惑星のかけら』で完成を見た、甘く切ないSFファンタジーロック
    インタヴュー=山崎洋一郎
    (ロッキング・オン・ジャパン/92年10月号)

世界スピッツ化計画
――ロッキング・オン・ジャパン 93年3月号~93年12月号連載

  • ON AIR 6カ月マンスリー・ライヴ決定!マサムネは修行僧
    インタヴュー=田中宗一郎
    (ロッキング・オン・ジャパン/93年3月号)
  • 天才詩人マサムネ・ソングブック
    文=田中宗一郎
    (ロッキング・オン・ジャパン/93年4月)
  • マンスリー・ライヴ開催!!薔薇色の禁治産者バンド、ピーリラプーリラと出帆す
    インタヴュー=田中宗一郎
    (ロッキング・オン・ジャパン/93年5月号)
  • 静かな鼻水の暴風雨
    インタヴュー=田中宗一郎
    (ロッキング・オン・ジャパン/93年6月号)
  • マサムネ、ムキ身宣言
    インタヴュー=田中宗一郎
    (ロッキング・オン・ジャパン/93年7月号)
  • 世界をいくぢなしで埋めつくすための秘伝こんにゃく殺法、新作『Crispy!』完成!!
    インタヴュー=田中宗一郎
    (ロッキング・オン・ジャパン/93年9月号)
  • 『Crispy!』マイナー・ヒットに揺れるスピッツの「明日はどっちだ?」
    インタヴュー=田中宗一郎
    (ロッキング・オン・ジャパン/93年12月号)
  • 世界スピッツ化計画
    最後のカウント・ダウン~番外編~
    恐怖の大王に転身した草野マサムネ全キャリア総括。あるいは、来るべきスピッツ世界へのビギナーズ・ガイド
    文=田中宗一郎
    (ロッキング・オン・ジャパン/93年8月号)

不細工なモグラの政権を勝ち取ってしまおう
――『Crispy!』

  • ここでちょっとクリスピーに決めて、不細工なモグラの政権を勝ち取ってしまおうというアルバムです
    「いくぢなしの国」特攻隊長として遂に覚醒した草野マサムネ。野蛮な世界を骨抜きにする最終ポップ・ウェポン『Crispy!』を引っさげ弱々しく立つ!!
    インタヴュー=田中宗一郎
    (ロッキング・オン・ジャパン/93年10月号)

常に時代に対して、お汁粉に塩を入れるみたいな存在でありたいっていうか
――『空の飛び方』

  • 俺が歌を作るときのテーマは“セックスと死”だけなんです
    草野マサムネはなぜラヴ・ソングばかり歌うのか? 胸の内にぽっかりと空いた虚無空間を覆い隠すための歓喜の歌――新曲“空も飛べるはず”を題材に
    インタヴュー=田中宗一郎
    (ロッキング・オン・ジャパン/94年5月号)
  • もう幽体離脱しちゃって、サーフィンに乗って、曼荼羅の世界へ飛んでくアルバムですよ
    これこそがスピッツ・ワールド!優しく甘いメロディーと狂った妄想世界が自然に溶け合った新作『空の飛び方』。カルトとポップの垣根を越えた、90年代のアンデルセン童話の誕生
    インタヴュー=田中宗一郎
    (ロッキング・オン・ジャパン/94年10月号)

俺のことを小馬鹿にしているような女の子ってのに惹かれるんです
――『95年度版 マサムネ白書』

  • 猫が眠り、花が揺れる白昼夢の陽だまり、スピッツ。寝っころがって死と性に思いを飛ばす秘密の場所、スピッツ。言葉にできないミラージュの世界をもしかするとあぶり出せるかもしれない(?)、マサムネへの5つの質問
    インタヴュー=田中宗一郎
    (ロッキング・オン・ジャパン/95年6月号)

誰も触れない二人だけの国の国家みちあなのを作ろうかなと思って
――『ハチミツ』

  • 現実も見つめながら、虫の鳴き声とか月の満ち欠けを気にするような――人間は生き物なんだからそんな人生を生きなきゃね
    “ロビンソン”の大ヒットでついに飛び散ったスピッツの「メルヘンとシュールの種」。草野マサムネはどんな「想い」と「世界」をそこに込めたのか?音楽観と思想を全て語った画期的インタヴュー
    インタヴュー=井上貴子
    (ロッキング・オン・ジャパン/95年9月号)
  • 事務所が決まる時、社長に「俺らを浜田省吾のように売り出すつもりなんですか?」って訊いたの(笑)
    新宿ロフトのギャラに喜んだ時代から“ロビンソン”大ヒットにびびる現代まで――デビューが決まろうとも売れなかろうとも、イライラするほどじっくりと進んできた「不細工なモグラ達」スピッツの歩みを総括
    インタヴュー=鹿野淳・兵庫慎司
    (ロッキング・オン・ジャパン/95年9月号)
  • 「誰も触れない二人だけの国」の国家みたいなのを作ろうかと思って
    誰からも汚されないスピッツ・ミュージックの頂点、新作『ハチミツ』ついに完成!世界と溶け合って微笑むマサムネが送るアルバム主要曲解説
    インタヴュー=井上貴子
    (ロッキング・オン・ジャパン/95年10月号)
  • 自分の中で勝手に“陽のミスチル、陰のスピッツ”みたいな位置づけを作ったりして(笑)。やっぱり、僕はB級好きなんでしょうね
    スピッツ大ブレイクの転機となった95年を振り返り、今年の野望を大豪語!……のはずだったのに、ああ、やっぱりマサムネはどんなにビッグになってもマサムネだった……。嵐の一年を経たスピッツが本誌だけにそっと語りおろした自然体の気持ち
    インタヴュー=井上貴子
    (ロッキング・オン・ジャパン/96年2月号)

相変わらずヘソ曲がりなことを一生懸命、真面目にやっていきたい
――『インディゴ地平線』

  • 何があっても揺るがないものはもうちゃんと持ってるから
    花吹雪舞うスピッツ旋風の中、遂に、遂に届いたニュー・シングル“チェリー”。スピッツの“今”が鳴り響く、静かで力強い旅立ちの意志をマサムネ&テツヤに訊く!
    インタヴュー=井上貴子
    (ロッキング・オン・ジャパン/96年4月号)
  • 今、かなりアルバムにてこずってる。特に俺が「このまま音楽やっていいのか?」っていうぐらい煮詰まってる
    ニュー・シングル“渚”をリリースしますます順風満帆な中、アルバム・レコーディングで突如起こったアクシデントとは!? スピッツ初の「事件」をキーマン三輪テツヤが語る
    インタヴュー=鹿野淳
    (ロッキング・オン・ジャパン/96年10月号)
  • 目をつぶって遠くへ行ってもほんとに遠くへ行ったことにはならない、目を開けて歩いて行くことによって初めて遠くへ行けるんだってことがわかった。それをつまんないって言う人がいるかもしれないけど、今の僕らはそうなんです
    スピッツ第2章、堂々の幕開け!幻想の空から降り立ち、力強く大地を踏みしめるニュー・アルバム『インディゴ地平線』。困難な状況の中、最も正直でハードな道(=音楽)を選び新しいロマンチシズムを確立した草野マサムネが全てを明かす、独占ソロ・インタヴュー!!
    インタヴュー=井上貴子
    (ロッキング・オン・ジャパン/96年11月号)

囚われないスピッツ元年、今年はそんな年かなという予感がする
――『フェイクファー』

  • バンド・ブームの頃に対バンやってたBOOMとかフィッシュマンズって当時の音楽と比べてすごい成長したけど、スピッツってずーっと同じ煎餅焼いてる感じなんですよね(笑)
    1年ぶり!?全国70ヵ所ツアーを終え、台湾&沖縄で夏休みを過ごし、いよいよ曲作りに突入したマサムネが、スピッツ新章を前に遂に登場。嵐の20代を終え、静かに、そしてしたたかに佇む彼は今、何を想う?
    インタヴュー=井上貴子
    (ロッキング・オン・ジャパン/97年11月)
  • 解散はしてないんだけど、再結成みたいな気持ちを持つのもいいんじゃないかなって。今のスピッツはちょっと悩んでみるってことも必要だったんです
    日本中が待ち望んだスピッツのニュー・シングル“運命の人”遂に完成!初めてスタッフ、ブレイクビーツ、マサムネの弾き語りアコギ、ダサい魂に光を当てる少しだけ強靭な言葉、そしていつもと変わらぬ翼を持ったメロディー。あえて自らを冒険へと駆り立てるマサムネに、1998年に向けて新たに生まれ変わるスピッツの予兆を見た!
    インタヴュー=井上貴子
    (ロッキング・オン・ジャパン/97年12月号)
  • 「囚われないスピッツ元年」、今年はそんな年かなという予感がする
    スピッツ、待望のニュー・アルバム『フェイクファー』完成直前に行われたスペシャル・インタヴュー。
    笹路プロデューサーから離れ、自分たちの原点に立ち返ったスピッツ。一人の部屋から大空へ、そして再び一人の部屋から遠くを見つめるマサムネの奇妙なロック感覚の行方を追う
    インタヴュー=井上貴子
    (ロッキング・オン・ジャパン/98年3月号)

 

スピッツ

スピッツ

スピッツ

  • 作者:Spitz
  • 出版社:ロッキングオン
  • 発売日: 2001-06-16

目次情報

spitz
スピッツ

namae wo tsuketeyaru
名前をつけてやる

orora ni narenakatta hito no tameni
オーロラになれなかった人のために

hoshi no kakera
惑星のかけら

make the world spitz project!
世界スピッツ化計画

crispy!
クリスピー

sora no tobikata
空の飛び方

masamune hakusyo’95
マサムネ白書

spitz photo memorial
スピッツ フォト メモリアル

hatimitsu
ハチミツ

indigo tiheisen
インディゴ地平線

fake fur
フェイクファー

spitz enjoying picnic in takaosan
スピッツ・ピクニック・イン・高尾山

kusano masamune 20000 letters self-story
草野マサムネ20000字インタヴュー

miwa tetsuya 20000 letters self-story
三輪テツヤ20000字インタヴュー

tamura akihiro 20000 letters self-story
田村明浩20000字インタヴュー

sakiyama tatsuo 20000 letters self-story
崎山龍男20000字インタヴュー

afterwards
あとがき

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