かこさとし

『死ぬほど読書』|読書はしないといけないの?

こんにちは。いつの間にか読書ブログをはじめていた あさよるです。当初はもっと雑多な話題を扱おうと思ってたのですが、すっかり本の話題のみにw ということで、やはり「本」や「読書」を扱う本が気になります。読書ブログが読書本の感想を書くという、ややこしい入れ子構造でございます。

本書『死ぬまで読書』の著者は元伊藤忠商事社長の丹羽宇一郎さんが、朝日新聞の投書に寄せられた読書に関する大学生の声に答えます。

なんのために本を読むの?

本書はこんな問いから始まります。

「読書はしないといけないの?」

これは、2017年3月8日の朝日新聞に掲載された大学生の投書です。大学生の読書時間が減っているという話題を受けて、読書が教養や新しい価値観に触れるなどの有用性を認めながらも、「だからと言って本を読まないのは良くないと言えるのかどうか」と問いかけけています。曰く、投稿者は読書習慣がなかったけれども大学受験で苦労したくらいで、大学生になってからは一般教養として書籍を読んでいるが、「糧になる」とは感じないそうです。それよりも、バイトや大学の勉強の方が大事だし、読書は趣味の範囲だろうと考えています。

本書『死ぬほど読書』は、この大学生の問へのアンサーです。なぜ本を読むのでしょうか。序章である「はじめに」にて、本を読む意味が端的に示されています。

 人は自由という価値観を求めて、長い間、闘ってきました。努力し、工夫し、発明して進歩してきた果てに、いまの自由な社会はあります。
それは人類史上、かつてないほど自由度の高い環境といっていいかもしれません。
しかし、「何でもあり」の世界は一見自由なようですが、自分の軸がなければ、じつはとても不自由です。それは前へ進むための羅針盤や地図がないのと同じだからです。それらがなければ、限られた狭いなかでしか動けません。
では、自分の軸を持つにはどうすればいいか?
それには本当の「知」を鍛えるしかありません。読書はそんな力を、この上もなくもたらしてくれるはずです。
すなわち、読書はあなたをまがいものではない、真に自由な世界へと導いてくれるものなのです。

p.7

本書でも、不要だと思うなら読まなくていいんじゃないと言いながらも、読書の楽しみや面白さを知ってしまうとやめられないと、読書がもたらす効用について広がってゆくのです。

読書好きなら語りたくなる!

この「読書はしないといけないの?」という問いに、みなさんはなんと答えますか? まずなにから話始めましょうか。本書では、まずは情報が溢れかえった現在、情報の取捨選択を自らがしなければなりません。事実として玉石混淆の中から、自分が必要な情報を探し出す能力が求められています。そのために兎に角も必要なのは「知識」であり、それを手っ取り早く身に着けられるのは「読書」です。

先の朝日新聞投稿欄の大学生は、自身の学業や将来の職業に必要な知識だけを身に着けようとしているんです。しかし、実際には毎日届くメールや、ヒットしたキュレーションサイトの記事や、SNSで飛び交う情報に私たちは晒されていて、怒涛の情報を一気に処理し続けねばなりません。「職業に必要な知識だけ」では足りないのです。

また、読書論は死生観にまで及びます。どう生きて、いずれ訪れる死とどう向き合うのか。必ず訪れるその瞬間を考えるとき、先人たちが残した記録に触れることができるのです。

読書好きなら語りたくなる!

本書『死ぬほど読書』では、読書の有用性をとことん説きまくる戦法で、読書の必要を主張します。さて、みなさんならどんな切り口で「読書はしないといけないの?」という質問に答えますか?

「読まなくてもいいよ」というのも答えの一つです。読書が必要だと感じた時があれば、その時に本を読めばいいのです。あるいは、「好奇心を満たすため」の欲望渦巻く読書の世界を紹介したい人もいるでしょう。いいや、もっと内省的で自分よがりな読書があってもいいはずです。逆に、表現のための読書もあるだろうし、見栄やカッコつけの読書だって悪くはありません。

読書好きが集まると、読書談義になることがありますが、あれ、盛り上がるんですよね。メンバーによっては終始お互いに納得しまくりなこともあれば、自分と違う読書論を展開する人に感嘆したり、ヒートアップしちゃったりと、なかなか楽しい。本書もそんな、読書好きの心をくすぐる内容です。

読書家へ読書家のメッセージ

本書『死ぬほど読書』は、既に読書習慣があり、まとまった冊数を常に読んでいる人に向けて、読書家が読書論を展開する内容です。残念ながら、冒頭の「読書はしないといけないの?」と考えている人には届かない類の本であると思います。さらに、内輪で盛り上がるだでなく、読書の良さを知っている人は、やはり読書習慣の必要性を広めるべきなのでしょうか。

本書は単に、読書習慣のある人が、そうでない人へのマウンティングのための道具になってはいけません。冒頭の大学生の意見に耳を傾け考える必要があります。なぜなら、「考える」ための道具としての読書でもあるのですから。

てっきり読み始めは、軽く「イマドキのワカモノ」をディスりつつ「やっぱり昔ながらの読書よね~」なんて話になるのかと思いきや、結構「読書の効果」を考えさせられます。そして、「はたして自分は読書の効果を得ているのだろうか?」と不安にさえなりました。

関連本

『読書力』/齋藤孝

『王様の勉強法』/荒俣宏,中谷彰宏

『ちっちゃな科学』/かこさとし,福岡伸一

『読書をお金に換える技術』/千田琢哉

『子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?』

『キミが勉強する理由』/藤原和博

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『未来のだるまちゃんへ』|目を見開いて、理解して、面白がって

かこさとし『未来のだるまちゃんへ』挿絵イラスト

こんにちは。かこさとしさんブームな あさよる です。きっかけは、「あさよる」の本を見つけたからでした。豆の家族の一日を追っかけるドキュメンタリー絵本です。

さらに『あさよる、なつふゆ、ちきゅううはまわる』という本も見つけて、図書館で資料請求してみました。こちらももちろん かこさとしさんの本です。

で、この本、読んだことあるかもしれない……!というか、図書館に寄贈したの、自分じゃね?というw 「あさよる」って自分で考えた名前だと思ってたんですが、まさか元ネタがあった疑惑……。

かこさとしさんと福岡伸一さんの『ちっちゃな科学』もおもしろかったのです。子どもの好奇心や興味を、大人になってもずっと絶やさないかこさんも素敵です。

だるまちゃんだった

本書『未来のだるまちゃんへ』では、絵本『だるまちゃんとてんぐちゃん』の作者、かこさとしさんの半生と、そして子どもたちへの眼差しが記されています。

『だるまちゃんとてんぐちゃん』とは、1967年に出版された名作絵本です。〈だるまちゃん〉と〈てんぐちゃん〉は仲良しで二人で遊んでいますが〈だるまちゃん〉は〈てんぐちゃん〉のステキな出で立ちが羨ましくなり、お父さんの〈だるまどん〉に帽子や扇子や履物を強請ります。〈だるまどん〉は〈だるまちゃん〉のために道具を用意してくれるのですが、なんだか違う……という、すれ違いがおかしい絵本です。

大人が読んでも面白く、まただるまちゃんが愛おしくてたまらないのですが、どうやら〈だるまちゃん〉のモデルはかこさとしさんご自身の体験にあるそうです。かこさんのお父様は、欲しがってもないのにアレコレと子どもに与えたがる方だったそうで、欲しくもないものを「欲しい」と言い、買い与えられる自分に歯がゆさを感じていらしたそうです。それが〈だるまどん〉の姿であり、欲しくないものを用意されて困っている〈だるまちゃん〉なんですね。もちろん、お父様にも十分に目をかけられない息子への気持ちからなのですが、すれ違いなんですね。

かこさとし『未来のだるまちゃんへ』挿絵イラスト

みんな、だるまちゃん?

〈だるまちゃん〉のもう一つの特徴は、なんでもよく「観察する目」と「好奇心」です。〈てんぐちゃん〉の衣装をよく観察していて、同じものが欲しいと思います。羨ましがっているというよりは「ステキ!」「いいな!」「ほしい!」って素直に自分の興味に従っています。

で、誰もが子ども時代、だるまちゃんだったんじゃない?ってことですね。

『未来のだるまちゃんへ』の中では、かこさんの子ども時代の思い出が語られています。かこさんは福井県で生まれ子ども時代を過ごしました。満州事変のあと、鯖江から兵隊さんたちが大陸へ出兵するのを、学校をあげて見送りへ行きました。そのとき、子ども心に「出征というのは、こんなに寂しいものなのか」と感じたそうです。周りは大人も子どもも「万歳」と声を上げ、旗を振っているのに、兵隊たちは誰も笑っていない。

当時小学一年生だったかこさんだけでなく、多くの子どもたちはその雰囲気を感じ取ったようで、いつも戦争ごっこして遊んでいる子らも、帰り道も黙ったまま。何も知らない子どもだからこそ、その場の「空気」を誰よりも率直に感じたのかもしれません。

「子どもだから何もわからない」のではなく、「こどもだからこそ、理屈じゃなく感覚でわかる」ってこともあるのかも。子どもを侮ってはいけないし、馬鹿にしてはいけない。彼らは「わかっている」んだと思いました。

次のだるまちゃんへ

かこさんはセツルメント活動を通じて、子どもたちを大人の目線で観察し、また絵本作家として活動を開始します。当初は会社員との二足の草わらじで、作家であることも隠していたそうです。家庭では父となりましたが、実の子との一緒に過ごす時間は少なかったと告白されています。家庭よりも、自分の運動や活動に没頭していたというのは、ちょっと意外な横顔でした。かこさんご自身が、夢中にのめりこむ〈だるまちゃん〉だったのです。

子どもたちの関わりの中で、大人の〈だるまちゃん〉の、未来の〈だるまちゃん〉へのメッセージです。

 生きるというのは、本当は、喜びです。
生きていくというのは、本当はとても、うんと面白いこと、楽しいことです。

(中略)

僕は、子どもたちには生きることをうんと喜んでいてほしい。
この世界に対して目を見開いて、それをきちんと理解して面白がっていてほしい。
そうして、自分たちの生きていく場所がよりよいものになるように、うんと力をつけてそれをまた次の世代の子どもたちに、よりよいかたちで手渡してほしい。

p.251-252

「目を見開いて、それをきちんと理解して面白がっていてほしい」というのが、かこさんらしいと思います。世界には悪いことも嫌なことも考えたくないこともいっぱいあるけど、目を見開いて、理解して、そのうえで面白がってほしい。「面白がる」ってのがレベル高いし、ポイントですね。

だるまちゃんだったあさよるは

あさよるも、かつては〈だるまちゃん〉でした。いいや、ホントは今も〈だるまちゃん〉でありたい。けれども、どうだろう、興味や好奇心は尽きていないだろうか。

あさよるも、子どもの頃は何もわかっていなかったけども、なんとなく社会の雰囲気は感じていました。90年代に子ども時代を過ごしたので、将来貧しい社会がやってくることは悟っていたし、9.11テロに大人たちが落ち込んでいる理由がわからなかった。「起こるべくして起こった」としか思わなかった。原子力発電にムリがあるのは理科の本に書いてある。

なのに今なにが起こっているのか、自分の知識が邪魔してまっすぐ目に入りません。子どもの話はバカバカしく聞くに耐えないと感じてしまう。ほんとは、新しい人が古い人に教えてくれているのに。

『未来のだるまちゃんへ』を読んで、結構ヘコみました。〈だるまちゃん〉の話に耳を傾ける〈だるまどん〉はえらい大人だなあ。

関連本

『花森安治の青春』/馬場マコト

『ミライの授業』/瀧本哲史

『本を読む人だけが手にするもの』/藤原和博

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『バッタを倒しにアフリカへ』|人類のため、バッタに食べられたい

こんにちは。流行りものに目がないあさよるです。『バッタを倒しにアフリカへ』話題になってたじゃないですか。読むしかないですよね。それにしてもタイトルが謎だし、写真も謎だし、どう見てもふざけているようにしか見えないのですが、著者は何者!?

タイトルの意味も、緑色の出で立ちも、本書を読めば意味が分かるのですが、その意味が予想の斜め上行き過ぎているw オモロー

昆虫学者のアフリカ滞在記

本書『バッタを倒しにアフリカへ』は著者、前野ウルド浩太郎さんのエッセイです。前野さんはファーブル昆虫記を読み、ファーブルに憧れ、昆虫の研究をはじめ、バッタを追ってアフリカはモーリタニアへやってきた。ミッションはバッタの駆除。「神の罰」とも呼ばれるバッタの大発生を防ぐのだ。しかし、干ばつが続きバッタが発生せず、代わりにゴミムシダマシと、キュートすぎるハリネズミとの生活が始まった。

大人の事情も絡んでくる。研究費と生活費が保証された2年が過ぎようとし、もうすぐ無収入になる……日本へ帰るか?バッタを追うか? 一時帰国であちこちで講演をし、京都大学の白眉プロジェクトへエントリーをするのだった。京大総長とのやりとりは、読んでいて思わず目頭があつくなるものだ。はたして、彼は無事に予算を手に入れるのだろうか……ドキドキ、という展開です。

 私はバッタアレルギーのため、バッタに触られるとじんましんが出てひどい痒みに襲われる。そんなの普段の生活には支障はなさそうだが、あろうことかバッタを研究しているため、死活問題となっている。こんな奇病を患ったのも、14年間にわたりひたすらバッタを触り続けたのが原因だろう。
全身バッタまみれになったら、あまりの痒さで命を落としかねない。それでも自主的にバッタの群れに突撃したがるのは、自暴自棄になったからではない。

子どものころからの夢「バッタに食べられたい」を叶えるためなのだ。

p.3-4

ちょ、ちょっと情報量が多すぎてわからない。バッタアレルギー?そんなアレルギーあるの? 本書によれば、バッタが腕をテクテクと歩くと、その足跡にじんましんができるらしい。そんな話初めて聞いた。そしてなによりこの一文だ。「バッタに食べられたい?」?? どうやらバッタが大発生している様子を見学していた人の、緑色の服にバッタが群がり、服を食べてしまったという話が昔、科学雑誌に載っていたそうだ。それが羨ましくて「バッタに食べられたい」ということらしい。

大発生するバッタを前に、成すすべもない人類。その先陣を切って、全身緑のタイツで立ちはだかる男。それが著者なのだった。

冒険記、体験記はオモシロイ

本書はタイトルからどんな本なのか推測しづらく、読んでいても話の終着点はなんなんだ?とハラハラと読み進めました。前半はアフリカでの異国の文化や動植物のレポートが続き、旅行記のような楽しさが、そして後半は日本の研究者の微妙な立場や、日本でアフリカでの様子を講演や雑誌連載など忙しく駆け回る様子もまた、ドタバタで面白い。

学術的な話は置いといて、本書は命懸けの研究者の奮闘を知れる本だと思います。砂漠でサソリに刺されていたし……。学者、研究者って、屋内で青白い蛍光灯の下、机上の空論を並べているにあらず。

おもしろかったデス(^^)v

関連本

『アヘン王国潜入記』/高野秀行

ミャンマーにある「ゴールデントライアングル」と呼ばれる地域に、「アヘン王国」が存在する。

著者が実際に文明から離れた村に潜伏したレポート。

『アヘン王国潜入記』|のどかな山間のアヘン栽培日記

『巨大津波は生態系をどう変えたか 生きものたちの東日本大震災』/永幡嘉之

津波の塩害により、自然がどう破壊されているのか。

大量の写真で見てゆきます。

『巨大津波は生態系をどう変えたか 生きものたちの東日本大震災』|塩害による変化

『うんこがへんないきもの』/早川いくを

タイトルそのまんま。へんな生きものや、へんな習性。

『うんこがへんないきもの』|生きることは食べること。食べることは…

『LIFE<ライフ> 人間が知らない生き方』/麻生羽呂,篠原かをり

マンガとコラムで、動物から人生訓を学ぶ。

『LIFE 人間が知らない生き方』|動物は知っている、生き方を

『生きものの飼いかた』/松橋利光

こんなの飼えるの?どうやって飼うの?

そして、スーパーで買ってきた食材も、飼えるのだ。

『生きものの飼いかた』|カッコいい生きものカタログ!しかも飼える!

『ちっちゃな科学 – 好奇心がおおきくなる読書&教育論』/かこさとし,福岡伸一

ワクワク、ドキドキはどこからくるの?

好奇心を大きく育てるために。

『ちっちゃな科学 – 好奇心がおおきくなる読書&教育論』|好奇心はどこから来るの?

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『だるまちゃんとてんぐちゃん』|絵の中の〈伏線〉を読もう!

こんにちは。子どもの頃、結構大きくなるまで絵本を読んでいたあさよるですw 母が熱心に絵本を買い揃えていて、未だに「定番」な絵本は読んで育ちました。大人になってからは、たまに軽く新刊をチェックする感じ。

昨日の記事で、かこさとしさんと福岡伸一さんの『ちっちゃな科学』を紹介しました。この『ちっちゃな科学』をきかっけに、かこさんの作品を読み返したいと思いました。

『ちっちゃな科学 – 好奇心がおおきくなる読書&教育論』|好奇心はどこから来るの?

かこさとしさんは絵本作家で、あさよるもかこさんの絵本を読んで育ちました。図書館の絵本コーナーにもぐりこんだ あさよるは『あさですよ よるですよ』というかこ作品に遭遇。

これは!あさよるのための本じゃないか!ww

嬉しくなっちゃった勢いで、かこさとしさんの〈代表作〉の一つである『だるまちゃんとてんぐちゃん』を熟読いたしました。

絵本って、読むのに少し〈コツ〉があるんじゃないかと思います。そのコツのようなものも、紹介できるといいなぁと考えています。

『だるまちゃんとてんぐちゃん』こんな話

お友達の〈ちいさい だるまちゃん〉と〈ちいさい てんぐちゃん〉、二人が一緒に遊んでいます。

だるまちゃんは、てんぐちゃんに興味津々。てんぐちゃんの持っている〈うちわ〉や履いている〈くつ〉、かぶっている〈ぼうし〉、そして、てんぐちゃんの長ーいお鼻が気になって、自分も欲しい!

だるまちゃんはお家へ買って、大きな〈だるまどん〉に「てんぐちゃんのようなうちわが欲しい」「ぼうしが欲しい」とお願いします。

だるまどんは、家中の履物やぼうし、せんす等を出してきてくれますが、ぴったり良いのがない!

そこで、だるまちゃんは思いつきます。窓の外に生えているヤツデの葉をせんすに見立てたり、まな板をげたに見立てます。てんぐちゃんと同じではないけど、工夫をしてオリジナルのいでたちになった だるまちゃん。てんぐちゃんもほめてくれます。

最後は、だるまちゃんはスズメを、てんぐちゃんはトンボを捕まえて、良かったね!

ズラリと並ぶ、せんす、ぼうし、げた、はな

『だるまちゃんとてんぐちゃん』の見どころは、だるまどんが家中から集めてくれたぼうし、せんす、くつ、お花がズラリと並んだ絵!

そう、「絵本」って、絵の本ですから、絵に描かれているものを楽しみましょう。

てんぐちゃんの被っている帽子を見て、だるまどんに「自分も帽子が欲しい」とねだります。だるまどんは、いろんな帽子をズラリ用意してくれます。シルクハットもあれば、サンタクロースのぼうしもありますし、ナポレオンが被ってそうな帽子や、唐傘が学生帽、中世の甲冑が被っている帽子、ベレー帽に烏帽子。みーんな「ぼうし」。

「ぼうし」って言っても、いろんな種類があるんだね!子どもと一緒に読むなら、一つずつ指さして、「これは何の帽子だろう」と話しながら読み進めると絶対楽しい!

もう一つ、お話の中の大きな〈しかけ〉は、だるまちゃんが「赤くて長い鼻が欲しい」と言ったのに、だるまどんは「赤くて長い〈花〉」を用意しちゃうところ。〈はな〉と同じ言葉だから、全然違うものを連想しちゃったんですね。

そう、この『だるまちゃんとてんぐちゃん』は、だるまちゃんとだるまどんのイメージの食い違いが面白いんです。

〈花〉と〈鼻〉の同じ音でも別のものとか、〈靴〉〈帽子〉と言っても色んな種類があることが、ズラッと一覧するのがおもしろい!

よーく一つずつ見て!

絵本は〈絵〉を見るべし!というのが、あさよるの絵本の読み方なのですが、よーくよーーく観察してみてください。

〈伏線〉が絵によってたくさん張られていることがわかります。

ヤツデ、おわん、まないたはどこにある?

てんぐちゃんの扇が欲しいだるまちゃん。しかし、お家にはちょうどいいのがありません。そこで だるまちゃんは植物のヤツデを扇に見たてます。

……ここで、一切文章による説明がありません。字しか読んでいないと唐突な展開。しかし……実は前のページに、ヤツデが描かれているんです。見逃していませんか?

てんぐちゃんの高下駄が欲しい だるまちゃん。いろんな靴を用意してもらうけど、いい靴がありません。そこで、だるまちゃんはまな板を下駄に見立てました。

……そう、たくさん靴が並んでいる中に、ちゃんとまな板が描かれています。

文言では説明されていませんが、絵によって説明されています。よーく絵を見て!

すずめととんぼはどうなるの?

最後、スズメとトンボを捕まえたお二人。ここでお話は「めでたしめでたし」……ではないんです!

さらに次のページ、本の奥付のページをまでちゃんと見て!

電車ごっこしている二人の頭の上を、スズメとトンボが飛んでいます。逃がしてあげたんですね。

さらにらさに、本をパタンと閉じると、裏表紙にはスズメとトンボが空を舞っています。

本は最後のページまで……ではなくって、本の奥付や裏表紙までよーく見て!本によっては、カバーを外してみたり、本の装丁の隅まで見てみると発見があるかも!

絵本って、隅が面白い!

だるまちゃん&だるまどんにキュン!

絵本の読み方のコツは、「絵を読む」ことです。しかも、よ~く、隅々までじっくり見て!

子どもは同じ本を何度も何度も飽きずに読む子がいます(あさよるもそうです)。ですから、子ども向けの本は、数百、数千回読まれても飽きないような〈仕掛け〉がなされています。恐るべき回数を読みまくっても飽きない本が「良い絵本」じゃないかなぁと、あさよるは思います。

そして、『だるまちゃんとてんぐちゃん』も、何度読んでも面白い。しかも、子どもだけじゃなく、大人が読んでも面白い仕掛けが素晴らしい!

文章だけではなく「絵を見る」。これは、絵本を読みなれていないとザーッと流し読みしちゃうかも。「絵を読む」んです。

じっくり、〈仕掛け〉と〈伏線〉を探しながら読んでみてください^^

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『ちっちゃな科学 – 好奇心がおおきくなる読書&教育論』|好奇心はどこから来るの?

こんにちは。読書論や読書法的な本は気になる あさよるです。そんな本って、ブログを始めるまで特に気にならなかったのですが、毎日読書に関する記事を書くようになり、他の人の考えがめっちゃ気になります。

『ちっちゃな科学』は、内容をあまりチェックしないまま「読書論」ということで読み始めました。読んでみてビックリ!Σ(・ω・ノ)ノ!! あの「かこさとし」さんじゃないっすか!そして福岡伸一さんのコラム+対談集。すごい!

好奇心はどこから来る?

『生物と無生物のあいだ』『動的平衡』の福岡伸一さんは、昆虫の標本づくりに熱中し、幼虫を育て、顕微鏡で小さな世界を覗いた経験を、興奮と共に書き記しておられます。子どもの頃の興奮が、大人になっても冷めやらない。

なにも、好奇心が刺激される〈自然〉とは限られた場所にしかないわけではありません。小さな自然はその辺にあるものです。

小さな好奇心。それを受け止めるのは小さな科学。

子どもたちは科学に夢中です。お空のお星さまや、海の底や、植木鉢の裏っ側や、風がどこから吹いてくるんだろうとか、科学科学!

誰だって一度は〈科学の子〉だったはず!

そして〈科学の子〉の心にヒットしちゃうのが、かこさとしさんの絵本です。

子育て&教育に関わっている人ならぜひ

『ちっちゃな科学』は読書と教育論を扱う内容です。子育てや教育に係る方なら読んでおいてソンはナシ!ぜひぜひ!

……と言いたいところですが、あさよるは本書、結構難しかったです。一般向けの教育系の本ってこんなレベルなのだろうか!?あさよる、子育てはしてないのでそっち系、全然分からないです。

可愛らしい表紙で、軽い気持ちで読み始めたら激マジメじゃん!ってヤツですな(-“”-)

もちろん、著者の福田伸一さんと かこさとしさんの対談もたくさんで、楽しい内容です。

文系、理系、どっちも必要!

福田伸一さんと かこさとしさんの対談で印象的だったのは「文系」「理系」と生徒を分けちゃう弊害についてでした。現在、文系学科と理系学科を卒業した人たちはピシッと別れちゃっている。業界によって、文系が多い業界、理系が多い業界に偏りがあり、国や自治体の体質まで決めてしまっている。

本当は、文系だって理系の知識が必要だし、理系学科へ進んでも文系の勉強をすべきだ、という話。

だから、子どもの頃から「あなたは文系」「あなたは理系ね」なんて決める必要はないし、両方をごちゃごちゃに学んでもいいんですね。

子どもに伝えるには、まず大人が

繰り返しますが本書は読書&教育論を扱う内容ですから、読者の対象は〈大人〉。大人が子どもの好奇心を刺激し、満たすには、大人側も少なからず勉強しないといけないんだとメッセージを強く感じました。

子ども向けの科学の本は年々減っているそうですが、その理由は明確で、親が買わなくなったのです。子どもの理科離れは、親が理科離れを起こしているからだとも考えられます。

繰り返しますが、例え文系に進んでも、理系の知識は必要です。なのに、科学の子になる前に、科学や理科に触れずに勉強を強いられるのはツライね(;’∀’) 大人の側が子どもの「なぜ?」「なんで?」に程よく答えつつ、逆にこっちから好奇心を刺激しちゃえるくらいのパワーがあればいいなぁと感じた。それにしても、子育てや教育というのは、他者のために学ぶのね。こりゃ大変だなぁと思う。

あさよるネットで紹介した福岡伸一さんの著書

『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』

『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』|生命とは、流れのなかの淀み

『せいめいのはなし』

『せいめいのはなし』|「生命」をテーマのダベリはおもしろい

『子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?』

『子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?』ソボクなギモン

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