サブカルチャー

『人狼村からの脱出』|パズルを解いて人狼を探せ!

『人狼村からの脱出』イメージ画像

こんにちは。読書ペースが落ちているあさよるです。理由は主に夏バテなんですが、さらに先週夢中になっていた『人狼村からの脱出』のせいかもしれません。

『人狼村からの脱出』は書籍の形態の「脱出ゲーム」です。脱出ゲームは、ネットでハマったことがある方も多いでしょう。ふと気がつくとどこかへ閉じ込められていて、部屋の中を操作しながらパズルを解き、その場所から脱出するゲーム。近年では「リアル脱出ゲーム」も人気で、実際に自分が動き回ってパズルを解きながらゴールを目指すものです。

本書『人狼村からの脱出』は、昼間は村人に化けて夜な夜な人を襲う「人狼」を見つけるゲームです。村人の中には、村人を人間か人狼かを見分けることができる「巫女」と、巫女のフリをしてウソを言う「狂人」が混じっています。

村の中を操作し、村人たちに聞き取りをしながら、人狼を探しましょう。

人狼が潜む村に閉じ込められた!

探偵のあなたは、ハリー・カシャッサと名乗る考古学者から手紙を受け取りました。その手紙によれば、とある村に昼間は人間の姿に化けた「人狼」が、夜な夜な村人を襲っているのです。その人狼を見つけ出すのがあなたに託された仕事です。

あなたが村に訪れると、たった一つ外界と繋がっている橋が落ちてしまい、謎の「怪人」による宝石の盗難が起こります。絡み合った事件と事件を解決しながら、あなたは人狼を見つけ出せるでしょうか。

物語の結末は、本書内にはありません。すべての謎が解けたら、指示通りにWEBサイトで答えを入力し、最後の場面に立ち会いましょう。

節ごとに指定された番号順に読んでいこう

『人狼村からの脱出』イメージ画像

本書はゲームブックなので、普通の本のようにページ順に読んでゆくものではありません。ストーリーが節ごとバラバラに分解されて並んでいるので、読み進めるためには本文の指示に従う必要があります。

短く分けられた節ごとに番号が振られており、その節の最後に、次に読むべき節の番号が指定されています。指示通りの番号を開いて読んでゆきましょう。

毎日新聞を読み、捜査に出かけよう

毎日、朝になると新聞が届きます。新聞には前日に村で起こった事件や出来事が報道されています。捜査のために新聞もしっかりと読みましょう。

『人狼村からの脱出』イメージ画像

本文の指示通りに本書を読み進め、重要な記録や手掛かりに出会うと、忘れないようしっかりと書き留めておきましょう。

もちろんゲームオーバーもある

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本書はゲームブックですから、もちろん間違った選択をするとゲームオーバーになってしまいます。謎を順番に解きながら、ピンチの時ほど冷静に選択肢を選びましょう。

古本注意!必要なアイテムが揃っているか確認しよう

『人狼村からの脱出』イメージ画像

本書にセットされているのは、

  • 本体の本
  • 捜査シート5枚
  • 地図
  • しおり

すべて揃っていないと捜査ができません。もし古本で本書を探す方は、アイテムが揃っているか確認しましょう。

DVD版もあるらしい

DVDを使った脱出ゲームらしく、みんなでプレイできるそう。どんな内容なのかすごく気になる……。

自力で謎が解けると……感動したw

本書はバラバラに並んだ節を、指示された番号通りに読み進めてゆくのですが、途中で村に隠された「謎」を解いてゆかねばなりません。この謎解きが本書の醍醐味。子ども騙しななぞなぞではなく、なかなか大人が悩んじゃう問題が多数!

で、これを時間をかけてウンウン唸って、自力で答えをひらめいたときが快感! この気持ちよさのためにも、是非ともネタバレ&ヒントなしで問題にチャレンジしてほしいです。

特に終盤の謎では、分かった瞬間、感動しちゃうような謎の連発ですごかった! この瞬間のためにもう絶対チャレンジしてほしい!

マジでネットにネタバレがなく天晴れ

感心したのは、ネットで本書のネタバレサイト見事にない! 問題が解けなくて掲示板や質問サイトで質問している人がいるんですけれども、誰も答えを教えず、ヒントを出すのみ。そのヒントもあまり親切なヒントではなく、あくまで「自力で解いてみて!」って感じ。わかりみ! 絶対ヒントなしな方が楽しいから!

このパズルの難易度が絶妙で、子ども騙しな問題じゃないし、数人で集まってワイワイと謎解きしながらやっても面白いでしょうね。

あさよるの場合は、一人で没頭して時間を忘れて取り組んでしまいました。

ちなみに、ゲームクリアまで、のべ12時間くらいかかりました。最初の「1日目」はゲームの段取りがよく分かっておらず、必要以上に時間を使ってしまったので、手際よくやるともう少し時間は縮まるかも? ただ、面白いゲームなので、一気にやらずに、ゆっくり時間をかけてプレイしても良いかと思います。

リアル脱出ゲームってどうなんだろう

本書『人狼村からの脱出』を終えて、「リアル脱出ゲーム」って面白いのかな? と興味を持ち始めました。今まであまり興味なかったんですよ。「だって、ゲームって本気でやるから面白いのに、遊び半分でふざけてプレイする人がいたら興ざめしちゃうでしょ?」なんて思ってたんです。だけど『人狼村からの脱出』をやって、ネット上でネタバレしてる人がいなかったり、みんなパズルに夢中になっている人たちのやりとりを読んでると、「これ、リアル脱出ゲームって面白いのかも!?」と期待しました。

まぁ、グダグダ言ってずに、一度参加してみたらわかることですよね~。ってことで、近場で探してみます(^^)/

すごくどうでもいい感想

わたしたちは時間を過去から未来に向かって一方通行で進むものだと認識していますが、物理学的にはすべての状態が同時に存在していて、人間か勝手に過去→今→未来というベクトルがあるかのように感じているだけだ、とかいう話を聞いたことがありまして。その話にとても心救われたので、その考え方を自分にも採用しています(この情報の信憑性は補償しませんw)。

で、『人狼村からの脱出』を読んで、「“すべての状態が同時に存在していて、人間が勝手にベクトルを錯覚しているだけ”というのはこういうことか」となんか納得しました。本書では、節がバラバラに分解され、順番もめちゃくちゃに並んでいます。そんで、節の最後に「123へ進む」とか書いてある指示通りに、次は123節を読み、またその節の最後の指示に従って読み進めてゆくのです。

節がバラバラに並んでいても、自分が順番に読んでゆけば、一つの筋の通った物語として認識できます。しかし、順番バラバラのまま頭から読もうが、指示通り読もうが、最後のページから読んだとしても、情報量は変わらないんですよね。自分が勝手にストーリーとして認識するかどうかだけで。

お遊びのゲームブックを読んで「なるほど、こういうことか」と妙な納得をしてしまいましたw

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『ヘンな論文』|論文のテーマ探しは身近にある?

こんにちは。あさよるです。毎日暑くてダルいですから、サクッと軽く読める本がないかと、積読してた『ヘンな論文』に着手しました。ただこの本、軽く読めるちゃあ読めるんですが、内容は面白いのでじっくり読んでしまいましたw 世の中にはヘンな論文を書く人もいれば、ヘンな論文を読むのが好きな人もいて、さらに本にまとめちゃう人もいるんですね~。

身近なネタから論文ができる

本書『ヘンな論文』は、著者が「サンキュータツオ」さんというユニークなお名前なこともあり、てっきりヘンな論文を集めたネタ本なのかと思いきや、結構まじめに面白い本でした。

まず「ヘンな論文」が集められているのですが、どれも着眼点が「面白い論文」で、ものすごく気になる研究が集められています。第二章の“公園の斜面に座る「カップルの観察」”とかすごく気になります。有名な話では、京都の鴨川沿いに座って並ぶカップルが等間隔に並んでいるという話がありますが、あれを真面目に研究してみた論文です。カップルの隣にいる人との距離と時間帯により、抱き合ったり、手をつないだりと、カップルの密着度も変わるそうです。また、海沿いでは横にいる人との距離を気にしますが、斜面居座っているカップルは前後のグループとの距離を気にするそうです。「だからなんだ」という研究な気もしますが「ヒトの習性」として面白いですね。

女子高と共学では、女生徒の服装や行動が変わるという研究も、同じく「ヒトの習性」を垣間見れて興味深いものです。女子高では制服で登校してきてもすぐ体操服に着替えてしまい、髪形はショートカットが多く、化粧もしない人が多く、文化祭では被り物(馬とか大仏とか)が好まれます。しかし男女共学校では、制服を着替えず、髪が長い生徒が多く、化粧に興味がないと言いながらメイクしている生徒が増え、学際でも浴衣姿やメイド服が目立ちます。

元近鉄ファンの生態も、大阪府民の あさよるとしては興味深い。近鉄バファローズが解散し、オリックス・バファローズに吸収され、選手はオリックスと楽天に分配されました。その元近鉄ファンたちにアンケート調査し、生態を探るものです。ちなみに あさよるの周りでは今は楽天を応援してる人が多いですね。

“「コーヒーカップ」の音の科学”では、「コーヒーカップにインスタントコーヒーとお湯を入れて混ぜていると、カップに当たるスプーンの音がだんだん高くなっていく」と教え子から聞いたことで、研究が始まりました。この論文を書いたのは高校の物理教諭です。学術論文は大学の先生でなくても学会に所属していれば書くことができます。この研究では、インスタントコーヒー粉末と一緒にお湯の中に混ざっている空気が抜けていくと音が高くなっていくと結論付けています。しかし、先に同じ研究をし論文を発表している人が世界にいたため、この論文は発表されませんでした。

ネタはこう探す:論文の書き方、コツ

本書『ヘンな論文』は、ヘンな論文を茶化してる本ではなく、むしろ「研究テーマはこんなに身近に溢れてる」と好奇心掻き立てられるものです。おっぱいの揺れ方を真剣に研究していたり、ネコの癒しを研究している人もいる。大学の研究、論文っていうと、ものすごいメカメカしい最新メカに囲まれてビン底メガネをかけた研究者が哲学的なよくわからん話をしていたり、ザ・マッドサイエンティストが緑色の試験官を両手に持っているワケではないのです(なにそのイメージ)。

『ヘンな論文』で紹介される論文たちは、世間話の中でネタに上がるようなテーマばかりです。等間隔に並ぶカップル然り、ネコが宇宙のヒエラルキーの頂点に君臨していること然り、いわずもがなですよね(キッパリ)。で、それを実際に研究し、その結果を論文にまとめている人がいるってだけです。

もし卒論のテーマで悩んでいる人がいれば、本書『ヘンな論文』はオススメです。普段1mmたりとも考えてないようなテーマを掲げる必要はなく、身近なテーマに目を向けてみるきっかけになるでしょう。

大学進学を考えている中高生へ

論文ってなんだ? 大学の先生って何を研究してるんだ? と、これから大学進学を考える中高生にも『ヘンな論文』はなかなかワクワクする読書体験を与えてくれるんじゃないでしょうか。簡単ではありますが、論文とは何か、どうやって論文は書かれるのかも紹介されています。

研究についてこんな説明もなされています。

 美しい夕景を見たとき、それを絵に描く人もいれば、文章に書く人もいるし、歌で感動を表現する人がいる。
しかし、そういう人たちのなかに、その景色の美しさの理由を知りたくて、色素を解析したり構図の配置を計算したり、空気と気温を計る人がいる。それが研究する、ということである。
だから、研究論文は、絵画や作家や歌手と並列の、アウトプットされた「表現」でもある。無粋だという人もいれば、最高にポエジーだという人もいるだろう。美しいものを配置する法則もまた美しい。数学者や物理学者に詩人が多いのはこういうことに由来するのではないかと思う。
研究は未来を予見する表現だ。
p.77-78

世界の心理を研究し、論文にまとめて書いて発表するのか、絵にかいたり音楽に乗せるのか、表現の仕方が違うだけでやってることは同じなんですね。自分も将来論文を書くかもや論文書きたいと思う人にオススメです。

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『もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら』|どんな顔していいかわからないの

こんにちは。混乱状態のあさよるです。何に混乱しているかって『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』を読んだせいですよ。本書は、ただのアホなネタ本のハズなんですよ。しかも出オチの。なのに、なんかこの本「スゴイ…」「見てしまったかもしれない」「アートかもしれない」と脳裏をよぎり、そのたび「違う」と打ち消すことでさらに混乱してゆく……これ、すごいかもしれない。

そう、それはキャンベルのスープ缶のように……w

『ぼくの哲学』|世界で一番おいしいのはマクドナルド

ぼくの哲学

ぼくの哲学

  • 作者:アンディ ウォーホル
  • 出版社:新潮社
  • 発売日: 1998-08-01

たぶん、想像したのであってる

本書『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』のタイトルを読んで「こんな感じかな?」と想像したのなら、たぶんだいたいあってるw 太宰にはじまり、村上春樹が焼きそばの作り方を書いたら、ドストエフスキーが、志賀直哉が、シェイクスピアが、グリム兄弟が書いたら……と延々続く。ただそれだけの本だw

初っ端から星野源が登場し、「アレッ」と思うと、小沢健二、尾崎豊、エレカシ宮本と続くだけではなく、ロッキンオンが焼きそばの作り方を書いたら、ポパイが、暮らしの手帖が書いたらと続く。文豪やないやんw

のみならず、ヒカキンとか、イケダハヤトとか、自己啓発本とか、利用者の声とか、文豪でもないし作家でもないし、明らかにネタ切れてるやんけー!ともう、目次を見ているだけで笑けてくるw

これはゲージュツかテツガクなのか?

で、読み始めるとですね、ニヤニヤが止まらない程度に「読書家なら一度は考えたころがありそうなネタ」であります。なのですが、読んでいる内にだんだんとなんだか胸がいっぱいになってくる。ちょっと待って……これどこまで続くの。無茶すんなよ……求人広告ってなによ……。

★誰でもできる簡単なお仕事です!★

1.カップ焼きそばの蓋を点線まで開ける
2.中に入っているかやくとソースを取り出す
3.沸騰したお湯を入れ、五分間待つ
4.湯切りをし、ソースをかけたら完成!

慣れたら簡単な作業なので、未経験でも問題ありません♪

◎自宅作業可
◎服装自由
◎髪型自由

最後まで作れた方には完成のお祝いとしてマヨネーズをプレゼント◎

p.112

こういうときどんな顔すればいいかわからないの……。

ページをめくるたびに混乱が大きくなり、ついにこのページにたどり着いてしまうのです。

もしカップ焼きそばの作り方を
ただそのまんま本に載せたら

p.176

・・・。こういうときどんなka…(以下略

ペヤング ソースやきそば
まるか食品

Big!

[調理方法]
①フタを(A)から(B)の線まではがし、ソース、かやく、ふりかけ・スパイスを取り出します。②かやくめんの上にあけ、熱湯を内側の線まで注ぎ、フタをします。3分後、(C)の湯切り口を矢印の方向にゆっくりはがします。④カップの「☆」の部分2ヶ所をしっかり持ち、ゆっくり傾けながら湯切り口よりお湯をすてます。⑤フタをすべてはがし、ソースをよく混ぜ合わせ、ふりかけ・スパイスをかけてお召し上がりください。
お湯の目安量 480ml

p.176

おわかりいただけるだろうか。ただ、〈文豪がカップ焼きそばの作り方を書いたら〉というネタ本を読んでいただけなのだ。しかしだ、唐突に、カップ焼きそばの作り方が始まるではないか。え、自分で何言ってるのかわかんない。

混乱の極みのまま読み進めると、ペヤング、UFO、一平ちゃん、俺の塩、etc…と続く。「サッポロ一番 オタフクソース焼きそば」って食べたことないなぁ。「ニュータッチ 仙台牛タン風味塩焼きそば」は存在すら知らなかった。って!最後!最後!

エーワン 焼きそば ミックスフード味 カップ(ベトナム)

(ベトナム)って!ww もう焼きそばのネタも切れとるやないか!

心と時間に余裕のある時に読みましょうw

本書、オススメか否かと聞かれると「時と場合による~」と答えます。もしあなたが子育て中なら、本書を読むより子どもと遊んでるほうがずっといいかもしれませんw きっと、洗濯物を畳む方がより有用な活動でしょうw

しかしまぁ、今すぐやるべき仕事もなくて、心にゆとりがあって、読む本がないなぁというこきは、この本をドウゾ!お気に召すかわわかりませんが、あさよるは好きですw大好きです。

ちなみに、紙の書籍で買うと、裏表紙が「もし手塚治虫が太宰治を描いたら…を田中圭一が描いたら」の絵で、全裸のおねいさんがポロリしてるイラストなので、ブックカバーつけてもらうのをオススメしますw

最後に。めっちゃカップ焼きそば食べたい。

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『「若作りうつ」社会』|いつまでも「愛され」「モテ」でいたい

こんにちは。放送中のドラマ『東京タラレバ娘』を見て、胸が痛い あさよるです。

主演の吉高由里子ちゃんも、榮倉奈々ちゃんも大島優子ちゃんも、むちゃくちゃかわいいのは言うまでもありませんが、劇中の三人は「ゼツミョーに超ウザッwww」とニヤニヤ見てたんですよ。なーんか痛々しいんですよねー。意識高い系っていううか~。

すると第一話の終盤、金髪のイケメソくんから「30過ぎて女の子じゃない」と言われて、ショックを受ける三人。そしてショックを受けるあさよる……

―( ̄∇ ̄;)→グサッ!!!

先日読んだ熊代亨さんの『「若作りうつ」社会』を思い出しました。彼女らは、女の子の世界から抜け出して、大人の女性になれるのでしょうか!?ドキドキ

年の取り方がわからない

『「若作りうつ」社会』の冒頭で、精神科医の著者・熊代亨さんの元へやってきた患者さんのエピソードから始まります。

Cさんは仕事と子育てをソツなくこなす女性で、合間には趣味も楽しみ、社内で尊敬を集める人でした。しかし、ある時から睡眠や食事がうまく取れなくなり、心療内科で「うつ病」と診断されました。

治療により病状は改善しましたが、彼女は納得しません。朝から晩までスケジュールが詰まった、エネルギッシュで充実した“元の生活”に戻られないからです。

「若い頃と同じように頑張りたい」と主張し、自身の加齢を受け入れることに抵抗を感じています。

「老いを受け入れられない」

アンチエイジングがトレンドの21世紀。多くの人が抱えている問題です。

世代が分断された社会

かつての日本社会は、良くも悪くも様々な世代が関わり合って生きていました。

監視し合い、古い風習や価値観に支配された生活であった一方で、生まれる人、老いる人、病気になる人、死ぬ人。人間のさまざまなステージの人々が一つのコミュニティに交じり合っていました。

現代は、地域社会や因習から解放された一方で、孤立した世帯は、他の世代と隔絶されてしまいました。

「年の取り方がわからない」とは、自分たちの先を行く人々を見失ってしまった世界です。

70代に差し掛かる団塊世代も、自らを「老人」とは感じていません。いつまでも若々しく、老いのない世界は夢のような世界ですが、残念ながら存在しない世界です。

現実と願望のギャップにより、じわじわと苦しむのが現在人なのかもしれません。

誰も何も言わなくなった

アンチエイジングは超人気です。テレビをつければ次から次へと健康食品のコマーシャルばかり。

何を口にするのも人の勝手ですが、それにしても、買う人がいるからテレビで宣伝してるんですよねぇ……。

と、「人の勝手」というのも、現在人が陥っている落とし穴になっています。

赤の他人である友人知人が、怪しいげなものにハマっていても「人それぞれだし」「人の自由だし」と積極的には口出ししません。

ムラ社会的な相互監視の世界から抜け出した我々は、気軽になった半面に、間違った方へ進もうとしても誰も引き留めてはくれなくなりました。自由と責任、両方を手に入れたんですね。

本書『「若返りうつ」社会』の「第二章 誰も何も言わなくなった」は静かにゾツとする話でした。

父親不在の社会

「年の取り方がわからない」社会は、「モテ」が力を持つ社会です。

小さな子どもは、一人で生きてゆけませんから、大人から「愛され」ることで生存率を確保できます。ここでいう「愛され」とは、容姿が優れていたり、コミュニケーション能力が高いことです。

簡単に言やぁ、かわいらしい、愛らしい子どもが可愛がられるという、身もふたもない話なんすが……(;´・ω・)

かつてのムラ社会では、多少コミュニケーション能力が低い子も「みんなの子ども」「社会の子ども」という認識がありましたから、なんとかやっていけました。

しかし、現在は個人と社会が遮断されていますから、生まれ持ったかわいらしさ(容姿)か、コミュニケーション能力がないと、かわいい子どもになれません。

いつまでも「愛され」たい

そして、年の取り方を忘れた社会は、大人たちもいつまで経っても子どもの世界にいます。容姿が優れ、コミュニケーション能力の高い「愛され」「モテ」こそが社会を生き抜く力なのです。

……なんか自分で書いてて冷や汗しか出ないんだけど(;’∀’)

で、自分の「愛され」「モテ」要素を受け入れてくれる「母性」を求めている。

一方で、現在は父性不在の社会でもあります。

戦後の経済成長とともに、父親は朝早くにはるばる遠くへ出勤し、夜遅くに帰宅する、家庭にいない人物になりました。子どもから見ると、父親が毎日なにをやっているのか分かりません。

「仕事をしている」「働いている」とは言っても、具体的に何をしているのか分かりません。実際に育て、養育してくれるのが母親ですから、母性が力を持つのも頷けます。

社会の構造が変わったことで、家庭内の形まで変わり続けています。そして、新しい社会像、家族像をなかなか描けず、終わらない子ども時代を過ごしているのが現代なのかもしれません。

……って、エヴァンゲリオンみたいな話やないか!

(「第三章 サブカルチャーと年の取り方」は、オタクと年を取れない我々のお話で、他人事とは思えません)

「老い」と「死」をどう受け入れる

「年の取り方がわからない」世界は、「老い」と「死」のない世界です。

しかし、実際に現実には我々人間は日々刻刻と年を取り、老い、死に近づいてます。観念世界と現実世界の隔たりこそが、苦しみや、居心地の悪さを生んでいるように思いました。

個人的な話ですが、あさよるの祖父母はみな早く他界していて「老人」というものを知りません。

街中で出会う高齢世代の人たちは、みなさんハツラツとしてらして、元気いっぱいで何度目かの青春を謳歌しているように見えます。または、まだまだ現役世代バリに働く人たちばかりです。

これから両親も老いてゆくのでしょうが、「老いた人」を側で見たことがありませんから、「老人」がどのようなものか、あさよるにはロールモデルがありません。それは、自分自身が老いてゆくイメージがないことです。

あさよるもまた、現在人の一員として自らの「老い」や「死」を持っていない一人なのでしょう。

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統計・平均・偏差……ってなに?|『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』

こんにちは。テレビを見ているとモヤモヤする あさよるです。

情報バラエティって言うんでしょうか。ミヤネさんとかメグミさんとかやってるヤツね。ああいうの、見るともなしに見ていると、あることないこと言ってます。

図解やグラフや地図やイラストを使って「わかりやすく」説明しているみたいですが、「それ、違くない!?」と内心ツッコんでしまうときがあります。

「バラエティ」だからOKって解釈なんでしょうが、モヤッとします。

「統計」「平均」「偏差」……それってなんだ?

モヤッとの正体は、相関関係や因果関係と関係あるのかもしれません。

『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』では統計データの見方、扱い方を説明します。しかも、統計とか、グラフとか、数字が苦手だ!と豪語する方、どうぞ。

計算式もなくって、「理屈」の部分を言葉で紹介します。だから、数学ギライの方も読めますよ。

「統計」「平均」「偏差」などなど、聞いたことあるけど……むしろよく聞くけど……なんだ!?

新聞やニュースの読み方も、世間話の質も、ゲームも遊びにも、役立つ統計、グラフのお話です。

数字は少なく「統計」を知りたい

『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』はタイトルに“思考力”とあるように、考え方を言葉で説明する内容です。

ですから、実際の計算方法やグラフの作り方など、数学、統計学的に使えるようになるものではありません。

実際に、手を動かし頭を動かし、統計学を学びたい方は他の書籍を。

あくまで、数字やグラフは嫌い!だけど、知識として「統計」の扱い方を知っておきたい人へ。

出版年がやや古め?改訂版の文庫もある

あとね、2009年出版の本ですので、ちと例が古い?

サブタイトルに「小泉改革は格差を拡大したのか?」とあるところから、なんとなくわかりますねw 今だったら「アベノミクスは~」とかになるんでしょうか。

で、2013年に出版された文庫版もあるようです。Amazonの説明文を見ると全面改訂と書いてあるので、これから読まれる方はこっちの方がいいのかも。

それって関係ある?その話ホント?

具体的に「例」を挙げ、さまざまなグラフや統計データを見ながら相関関係を見てゆきます。

例えば、「若者の読書離れ」ってホント?

あるグラフを見ると、若い人ほど本を読まなくなっているように見えます。それを、携帯電話やネットの普及が原因だと見る人がいます。だけど本当?

子どもの読書量のグラフを見ると、昔より今の子どもの方が本をよく読んでいます。学校での読書の習慣づけが功を奏しているよう。

グラフをさまざま見てゆくと、読書離れを起こしているのは「大学生」です。昔の大学生はたくさん本を読みましたが、現代の大学生は本を一冊も読まない学生も増えているようです。なぜか?

ポイントは「大学進学率」。一時期「大学全入時代」なんて言われたように、かつて大学へ進学しなかった層まで大学進学するようになりました。

大学生率が上がり、結果、本を読まない人まで大学生になった。これが「若者の読書離れ」の正体と、本書では結論づけています。

ネットや携帯電話の普及とは、相関関係はない、ということです。

統計から、何を読むか?

ほかに、小泉政権は成功したのか?という命題も、さまざまなグラフを見ながら検証してゆきます。

ホームレスの数は減ったように感じますが、それは「目に見える場所」からホームレスを追い払ったからです。また「ネット難民」という存在も注目されましたが、彼らは新しいホームレスの形なのかもしれません。

ワーキングプアという、これまでにない、新しい概念を、どのように統計の中から見い出せばよいのでしょうか。

グラフは数値の集まりです。そこから何を読み取るのかが重要なんですね。統計って面白いと感じました。これから、もっと勉強したいと思います(・∀・)

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