デザイン

『仕掛学』|思わずやってしまう「良い仕掛け」をつくる

こんにちは。あさよるです。学生時代デザインを学んでいたんですが、社会人になってから新たに工学や生理学を学んだとき、これってデザインに必要な知識だったんだなあと気づきました。感覚的に仕事をするんじゃなく、意味があって、理由があって、言葉や図解で説明できることで、より頭の中がクリアになった気がします。

今日手に取った『仕掛学』は、デザインをやってる人ならよく見知っているデザインの成功例がたくさん紹介されています。しかし、本書はデザインからの視点ではなく、工学からのアプローチで「良い仕掛け」を紐解いてゆきます。

「仕掛学」とは

本書『仕掛学』では、「思わずしてしまう仕掛け」が多数集められ紹介されています。また、仕掛の分類がなされ、新たな仕掛けをつくる助けとなります。

「仕掛け」とはどのようなものなのか、例を挙げるとよくわります。例えば、

  • 男性用トイレに「的」をつけることで、汚れが防止される仕掛け
  • 子どものお片づけを促す仕掛けとしては、おもちゃ箱の上にバスケットゴールを設置して、ゴールにおもちゃを投げ入れると勝手に片づいてゆく仕掛け
  • エスカレーターより階段を使うように促す仕掛けでは、階段をピアノの鍵盤に見立て、白と黒の段を作り、踏むと音が鳴ります
  • ゴミ箱にゴミを入れると「ヒュー」っと物が落ちてゆく音が聞こえ、数秒後「ドーン」と地面へ落ちる仕掛け。「世界一深いゴミ箱」で動画検索してみてください。わざわざ周りのゴミを拾ってまで捨てに来る人がいたそうです

少しのアイデアを加えることで、人の行動を変えて、違う結果を引き出すデザインが「仕掛学」として紹介されているのです。

本書では「仕掛け」を3つの要素で定義しています。

本書では、問題解決につながる行動を誘うきっかけとなるもののうち、以下の3つの要件からなる「FAD要件」(それぞれの要件の英語の頭文字をつなげたもの)を全て満たすものを「仕掛け」と定義する。

・公平性(Fairness):誰も不利益を被らない。
・誘引性(Attractiveness):行動が誘われる。
・目的の二重性(Duality of purpose):仕掛ける側と仕掛けられる側の目的が異なる。

p.36-37

良い仕掛けと悪い仕掛けがあります。

「良い仕掛け」と「悪い仕掛け」の区別は簡単である。仕掛ける側と仕掛けられる側の双方の目的を知ったときに「素晴らしい、こりゃ一本取られた」と笑顔になるのが良い仕掛けであり、「だまされた、もう二度と引っかからないぞ」と不快にさせるのが悪い仕掛けである。

p.35

仕掛学では、良い仕掛けを目指します。ただし、良し悪しの境目は曖昧です。例えば商品の陳列を工夫して物を売る努力はどのお店でもなされていますが、消費者を騙して不利益を与えているわけではないし、不愉快にも感じません。

「仕掛け」の反応の強弱と、飽き

また、その仕掛けに対して、人の反応の強弱があります。それを使う人にって「得られる利便の大小」と「行動を変えるための手間・負担の大小」の兼ね合いで、仕掛けによって得られる結果が変わりません。

先の例ですと、トイレに的を作るのは、使う人の利便性は低いですが、行動する手間も小さい。階段をピアノにするアイデアは、使う人の負担の利便は小さく、負担もエレベーターを使うより大きい。

また、人々はそのうち仕掛けに飽きてしまいます。

「仕掛けもどき」に注意

地面に足跡を書くことで、人の行動を導く仕掛けはよく用いられます。しかし本書では、足跡の失敗例が紹介されていました。それは免許の更新で訪れた免許センターにて、足跡の位置で立って待つように指示されているのですが、みんなその足跡を踏みません。なぜなら、その足跡が紙に手書きされたもので、なとなく踏みつけるのに抵抗があったのかもしれません。

一見すると効果のある仕掛けのようでいて、仕掛けとして機能をしていない「仕掛けもどき」もあるので注意が必要です。

人工知能の研究から始まった

本書で「仕掛学」として取り上げられる事例は、デザインの勉強をした人なら馴染み深い例でしょう。本書の著者の松村真宏さんは人工知能の研究者であり、工学の視点から「仕掛け」が考察されています。

デザインの視点と「仕掛学」との違いは、「良い仕掛け」「悪い仕掛け」と、「良いデザイン」「悪いデザイン」の違いを見ればわかりやすいかもしれません。「良い/悪い仕掛け」は利用する人にとって利便があるか否かで分けられます。一方で「良い/悪いデザイン」はデザインをした人が狙った通りに人を行動させられるかが問われます。似ているようで、本質的に少し違います。

なぜ人工知能の研究から「仕掛け」へ?

著者は人工知能の研究から、日常空間にあふれている仕掛を集めているうちに「仕掛学」が生まれたと紹介されています。コンピュータはどんなに高性能でも、今、目の前にある事象をデータ化できない限り、扱うことができません。人間はデータがなくても鳥のさえずりや道端の花に気づきます。

必要なのはデータでもコンピュータでもなく、生活空間の魅力を魅力に気づかせる「仕掛け」である。

仕掛けは見えているのに見えていない、聞こえているのに聞いていない生活空間の魅力に気づかせるための仕組みである。仕掛けによって計算機で扱える世界の外、つまり日常の生活空間を研究対象にできるようになる。

p.11

コンピュータは目の前の事象を扱えませんが、人間は目の前の事象に「仕掛け」によって気づく仕組みを持っています。工学の視点から世界を観察し、人間の認知と行動を促す例を集めているうちに、その「仕掛け」が応用可能だと気付いたと経緯をまとめておられます。この経緯もデザインとは異なっています。

デザイン・人間工学を知りたい人に

本書『仕掛学』では「仕掛け」が分類され、それぞれの特徴について記述されていて、デザイン出身の あさよるにとっては興味深いものです。デザイナーとして仕事をしている方にも工学出身もいるし、あさよるも個人的に工学や人間工学についての本を読んだり勉強すると、「そのデザインのどこが優れているのか」と考えるとっかかりになって良いのです。

感覚的にデザインをしている人にとっても、こうやって良いデザインを分類して、それぞれを系統だてて考えることで、すでにあるデザインを認識しやすくなるし、また新しいデザインを考えるときの助けになるでしょう。

また、「良い仕掛け」「悪い仕掛け」の定義も面白いと思いました。人工知能の研究から始まっていますから、「物を売る」とか「指示を間違えない」ことではなく、使用する人にって「利便があるか」が重要なんですね。

軽く面白く読める内容で、「仕掛学」の研究テーマに触れられます。

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『死んだらJ-POPが困る人、 CDジャケットデザイナー 木村 豊』|憧れの職業!

こんにちは。CDジャケットデザイナーになりたかった あさよるです。昔っから自分で勝手に好きなミュージシャンのCDジャケットを作ったり、既存のものを改造したりして あそんでいました。ロゴを作ったりね。

しかしながら〈CDジャケットデザイナー〉って肩書きの人がいるとは知らなかった! デザイナーの木村豊さんは多くのCDジャケットデザインを手がけておられて、確かに「死んだらどないなるんや!」と納得のお仕事をなさっています。あさよるも大好きなミュージシャンの、大好きなCDジャケットを作った方で、「あさよるの元ネタ」の一人かもしれないなぁ~しみじみ。

みなさんも、一度は見たことある木村豊さんのデザイン。音楽CDのオタク的な楽しみをドウゾ!

CDジャケットのデザインを語り尽くす!

本書『死んだらJ-POPが困る人、 CDジャケットデザイナー 木村 豊』は、みんなが知っている、いや1枚は持っているであろう音楽CDのジャケットデザインを数々手がけている木村豊のさんの、雑誌連載をまとめて再編集したものです。

さて、まずは木村豊が手がけたCDジャケットの紹介から。一度は見たことがあるどころか、1枚くらい持ってると紹介したのも言い過ぎじゃないことがわかるはず。

『死んだらJ-POPが困る人、 CDジャケットデザイナー 木村 豊』イメージ

『死んだらJ-POPが困る人、 CDジャケットデザイナー 木村 豊』イメージ

『死んだらJ-POPが困る人、 CDジャケットデザイナー 木村 豊』イメージ

死んだらJ-POPが困る人、 CDジャケットデザイナー 木村 豊 | 江森 丈晃, MdN編集部 |本 | 通販 | Amazon

スピッツ、椎名林檎、東京事変、ユニコーン、木村カエラ、Superfly、ASIAN KUNG-FU GENERATION、スーパーカー、赤い公園、などなど。あさよるも、スピッツと椎名林檎ちゃんのCDはみんな持ってた。Superflyとアジカンも好きでCD持ってる~。

本書では、アーティスト別にジャケットデザインを語ったり、あるいはデザインの手法からのお話や、音楽CDのジャケットの位置づけや、ジャケットに隠された仕掛けや遊びについて言及していたり、読んでいてかなり楽しい。

スピッツのジャケットデザインでお馴染み

木村豊さんにとってスピッツのジャケットを手がけたことが大きいことだったそう。当時の“渋谷系”への眼差しだったり、時代感が反映されているんだなぁと、これは作った当人の話だからこその話ですね。

スピッツのCDジャケットの特徴は、めちゃオシャレ。で、なぜかスピッツメンバーが顔を出さず、いつも女の子が目印になっているところです。思わず飾っておきたくなるジャケットで、聞いて嬉しい見て嬉しいんですよね。音楽って形がなくて目に見えないものですから、それを商品として売り出すとき、目に見えて手に取れるCDジャケットが大きな役割を果たします。私たちはCDと、ジャケットを買っているわけですから。

初期の〈椎名林檎〉は木村豊がつくった?

椎名林檎ちゃんのジャケットの話が面白くて、デビュー時の椎名林檎ちゃんのエキセントリックな衣装やイメージは、どうやらジャケットの力が働いているそうです。「椎名林檎にガラスを割らせたい」木村豊さんと、「ナース服を着たい」椎名林檎女史の思惑が合わさってあの『本能』のジャケット&MVへ繋がったんだとか。『罪と罰』の眉を剃り落して目の周りを黒く塗りたくった姿や、『ギブス』の青白い照明の中包丁を握りしめる意味深なジャケットなどなど、椎名林檎ちゃんのイメージは木村豊さんのディレクションだったんだw ちなみに、林檎ちゃん的には「そんなイメージで売るつもりじゃなかった」という話はあちこちで目にしたことがあります。

意外とアナログ!

あさよる的に驚いたのは、パッと見て「合成?」「これどうなってんの?」と思う画像も、意外とアナログで作られているのを知ったこと。もちろん、ゴリゴリ合成で作っているものもあるんですよ。あくまで〈手段〉ですから、適材適所なんですけども、こんな有名デザイナーでも意外と手を使って作ってるんだなぁと、なんかよくわからない親近感をw

あ、親近感と言えば、木村豊さんのデザイン事務所「Central67」も紹介されていて、その事務所の雰囲気とかテイストも、「なんかリアル」でした。あさよるは今、自宅で仕事しているので、いつかあんな仕事場できるのかな~。んー、ないかなぁ~w

CDジャケット、作ったことある人に!

本書『死んだらJ-POPが困る人、 CDジャケットデザイナー 木村 豊』はぜひとも、これまでに自分でCDジャケットを作ったことある人すべてに読んでほしい。あの憧れの職業に就いている人がいるんですよ!

「そんなヤツおるんかーい!」と思われる方は、「そういう人がいる」ということを知っていただきたいw 他でもない あさよるは、10代の頃は勝手に好きなバンドのジャケット作ったりだとか、勝手に好きな曲ばかり集めた「自分ベスト」の選曲からパッケージまで手がけていましたw

特に、木村豊さんが手がけたスピッツの『フェイクファー』は、CDジャケットは隅から隅までとっても可愛い! これ、何度も何度も真似してコピーを作りました。

先日、大阪でSPITZEXPO2017が開催され初日に足を運びまして、まさしく『フェイクファー』の生原稿がデーンと展示してあって感激っ!(そのエリアは撮影NGだったので脳裏に焼き付けてきた)

代わりに、撮影OKだった『醒めない』のジャケットに登場する〈モニャモニャ〉を載せときます(^^)/

スピッツエキスポ - SPITZEXPO2017 - モニャモニャ -醒めない↑ 興奮してピントがあってない

↓これも木村豊さんデザインのスピッツ『醒めない』

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明けましておめでとうございます

2016年 申年の年賀状とお年玉の写真

2016年 申年の年賀状とお年玉の写真

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年はこのブログを開設し、毎日更新する(平日)ことが目標でした。
最初は良かったのですが、段々と体力的に大変になり、体力づくりや生活習慣の改善に取り組み始めました。
ブログをはじめただけのつもりが、習慣や考え方など大きな変化がありました。
自分の思考や理解に偏りがあることにも気付きました。

もう暫く同じモードが続くんじゃないかなぁと予想します。

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『モヤモヤをキラキラに変える! あな吉さんのハッピーコラージュ手帳術』を読んだよ

駅構内の野良サインとあな吉手帳に欠かせないフセンのイメージをコピックで描いたイラスト

駅構内の野良サインとあな吉手帳に欠かせないフセンのイメージをコピックで描いたイラスト

日本人は識字率が高いとされています。民族に関係なく一定の割合で識字が困難な人がいるそうですが、日本語を話す日本人の中であまりそのような人は目立ちません。それは高い教育水準によるところが大きいでしょうが、日本語で使われている漢字仮名交じり文による影響もあるようです。
象形文字である漢字と、漢字を元にして作られた表音文字であるひらがなカタカナの複数の文字を使うので、どちらかが読めなくても、他の文字で意味を補って読むことができます。象形文字と表音文字では、脳の中で文字を認識している場所が違う、という話も聞いたことがあります。

識字率と関係あるのかないのか、「私たちは文字を書くのが大好きなんだなぁ」と感じることがあります。それが、街中に貼りまくられた注意書きや案内書きなどの、貼り紙です。もしかしたら、家の中まで貼り紙で溢れているかもしれません。
私も以前スーパーでアルバイトをしていた頃、せっせと手書きの注意書き案内書きを量産していました。責任逃れや説明逃れのために書いていたわけではなく、純粋に、お客様にスムーズにお買い物してもらいたい!オススメの商品を手にとって欲しい!と願って試行錯誤していました。面白いもので、貼り紙やP.O.P次第で、実際に人の流れや、売上が変わるのです。

主に駅構内や、道路に溢れかえった手作りの貼り紙を、一部で「野良サイン」と呼ばれています。デザイナーが企業や団体と作ったサインではなく、そこで働く人たちが自発的に作ったサインのことです。近年ではWordやExcelがあれば簡単に印刷できますし、更に丁寧にラミネートされて街に氾濫しています。
分かりやすく誘導するためにサインを書き足しているのにも関わらず、数が増えすぎてわけが分からなくなっている場面もよく出くわします。病院の待合室も、大切なお知らせを貼り紙してくれているのですが、貼り紙が溢れ、情報が氾濫しすぎて、もはや何の情報も汲み取れません。
情報の発し手と受け手の、すごく大きなすれ違い。私たちは、文字を書いて、文章を貼り出してしまう性分なんだろうなぁと面白く見ています。

誰もが文字を書けるんだなぁと実感するのが、今の季節。来年のスケジュール帳がずらりと並んだ書店へ足を踏み込んだ瞬間です。多くの人が手帳に、メモをしたり、予定を手帳に書き込むのでしょう。更に、手帳術を紹介した書籍も人気です。
スケジュール帳売り場の中でも、ほぼ日手帳は毎年、大きなスペースを割り当てられています。ほぼ日手帳とは、糸井重里が主催するWEBサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」がプロデュースしている手帳で、一日一ページと、書き込めるスペースが大きいのが特徴です。普通にスケジュールを書くのも構いませんが、個性的で趣向をこらしたイラストやコラージュなどを毎日楽しんでいる人も多数います。その使い方の多様性から、ガイドブックまで毎年登場しています。

手帳術と言えば、私は”あな吉手帳術”を取り入れて、A5サイズの6穴ルーズリーフの手帳を用意しました。さて、どのように使いこなすと良いものかと、思案中です。なんでもファイルしてゆくことを推奨されていたので、手元に置いておきたい情報はプリントアウトしてファイルに挟み込んでいますが……これまでペーパーレスを目指していたので、どうなることか分かりません。あな吉手帳術の特徴は、ビジネスシーンで活躍するフセンを活用し、主婦へスケジュール管理を紹介している点でしょう。カラフルでかわいいフセンやシールを使って、味ないビジネス手帳術を女性向けにアレンジされています。

更に、あな吉さんこと浅倉ユキさんが、『モヤモヤをキラキラに変える! あな吉さんのハッピーコラージュ手帳術』では、コラージュによるセルフカウンセリングも推奨されています。自分の漠然とした欲求や不満をあぶり出し、改善点を見つけ、スケジュールの中に落とし込み実行します。
その過程でも大切なのは、モヤモヤとした気持ちを言語化することです。言葉に落とし込むことで、形のなかった気持ちが目に見え、扱いやすくなり、更に踏み込んだ思考へと深く潜り込んでゆけるのです。

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『知の編集術』を読んだよ

そろそろ新年を迎える用意も始めないといけません。もう、大掃除のコツや豆知識について書かれたブログ記事を目にしました。おせち料理も、昔ながらに手作りをするお宅もあれば、デパートやお店で手配するお宅も増えていますね。
おせち料理のメニューには、いわれがあります。「マメに働く」と黒マメ。子孫繁栄に数の子。栗きんとんは、金色の見た目が財産を表します。縁起がよいとされるものは、言葉遊びや見立てが使われいることも多数です。

中国では縁起ものとして、魚の図案が使わてている絵や工芸品などよく目にします。中国語で「年年有余」と言う、お金がたくさんある、お金持ち、という意味の縁起の良い言葉です。この最後の「余」が、「魚」と同じ読みらしく、「年年有魚」と言い換えられ、魚が縁起の良いものとされています。

さて、「マメに働く」も「年年有魚」も、ダジャレです。「◯◯は△△に通ずる」とか「ダブルミーニング」とか言うとちょっとカッコいいですが、ダジャレです。私は幼いころより、ダジャレ=オヤジギャク=サムイ という方程式で長い間認識していたため、「おめで鯛」とか「試験にカツ」とか“ダジャレ系縁起アイテム”を嫌っていました。

ダジャレ問題に直面しなければならなくなったのは、広告デザインスタジオで仕事をしていた頃でした。仕事中、スタッフ間で交わされる会話は、ダジャレをはじめ、連想ゲームやしりとりなどの言葉遊びでした。ダジャレ方程式が発動し、「サムイ!サムイ!」と嫌がっていたのは少しの間。一度、ダジャレが思いつきはじめると、どんどんダジャレが思いつくようになります。頭の蓋がパカーンと開いて、頭の中の知識や言葉がこぼれ出すような感覚です。

ダジャレに必要なのは、語彙数です。知識です。それらを手に入れるために必要なものは、経験です。体いっぱい使って手に入れた経験は、頭の中で記憶され、たぷたぷと知識となって溜まってゆきます。松岡正剛『知の編集術』では「編集」とはなにかを説き、あらゆるものが編集されている事例を挙げながら、「編集稽古」通し、編集力を高められます。これはダジャレ力を上げる「ダジャレ稽古」でもあります。あるいは、文脈を知ること、ミームを受け取ること、創作をすることです。それは、生きる力なのかもしれません。そして著者によるとそれらは、ごっこ遊び、見立て遊び、宝さがし、言葉遊びなど「遊び」の中に潜んでいます。

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『川がつくった川、人がつくった川』を読んだよ

山の中の岩場にある川の風景を、コピックで描いたイラスト

先日、「気象について」の本とともに、「川について」書かれた本を図書館で借りました。毎日小学生新聞で連載されていたシリーズで、誰が読んでもわかるよう、よく噛み砕かれた内容でした。

自然のままの河川ではなく、人の手が入った河川についての取り組みや問題点が示されています。

「水」そのものの特性を考えることで、水が稀有な存在だと知り、その水がもたらす環境への影響まで語られます。本書でも、水害についても取り上げられており、決して「自然のままの川」を良しとはしていません。人がどう手を加え、管理すべきなのかと考えさせられます。

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