
結局「ビッグデータ」ってなんなのよ?
知ったかぶりから卒業しよう…(^_^;)
ビッグデータって役立つもの?悪いもの?
あさよるは「ビッグデータ」というと、東日本大震災後に放送されたNHK『震災ビッグデータ』という番組がとても印象的でした。大きな反響があったようで、本書『ビッグデータ入門』でも紹介されていました。
その影響もあってか「ビッグデータ」には、「人の役に立つもの」「便利なもの」という良いイメージが大きいです。
反対に、「ビッグデータ」に悪い印象を持っている人の話も耳にしますから、「実際のところどうなんだろう?」と気になっていました。
さて、そもそも「ビッグデータ」ってなんなんだろう?と思い、『ビッグデータ入門』を読み始めました。
確かにビッグデータには良い面もありますが、問題もたくさん抱えているようです。
ビッグデータには問題以上にチャンスがいっぱい?
「ビッグデータ」という言葉は、「巨大なデータ」という、真新しくもない言葉の組み合わせです。
この巨大なデータの登場は以前から予想されていました。
近年の目覚ましい情報技術の発達やインターネットの行動履歴の蓄積が、「ビッグデータ」を生み出しました。そして、その巨大データを解析できるコンピューターの環境整備が整いつつあることが、「ビッグデータ」が注目されるカギでしょう。
Yahoo!のトップページにはビッグデータに基づいた広告が表示され、Amazonにアクセスすると「この商品を買った人はこんな商品も買っています」と関連商品が表示されています。
あさよるは、YouTubeが好きなので、いつも関連動画に見たい動画が表示されています。その秘密を少しだけ知れた気がします。
ビッグデータ入門にぴったり!短くて的確な章立て
B6版の小さな書籍で、図解もたくさん織り交ぜて「ビッグデータ」をひも解きます。
ビッグデータの概要からはじまり、技術の紹介、データ解析の方法、そして現在実際に活用されている例。最後に、今後の展望まで語られます。
コンパクトながら、一通りの知識が網羅されています。
小さなトピックスやコラムも充実しており、ビッグデータの問題点や、失敗例も紹介されています。
ビッグデータを扱える人材が居ない!
これだけ持て囃されているビッグデータですが、ビッグデータを扱える人材は圧倒的に不足しているそうです。
ビッグデータ解析は外注されることが多く、自社で人材育成しようとする企業もありますが現状では難しいよう。
それどころか、ビッグデータを理解している人もまだ少なく、今からでも勉強をはじめる価値はありそうです。その場合、この『ビッグデータ入門』はあくまで入門書ですから、別の本が必要です。
ビッグデータを扱える環境づくりを!
ビッグデータが注目されることは、以前から予想されていました。
近年の情報機器の目覚ましい発達やインターネットの普及が、一気に巨大なデータを生み出したのです。
ビッグデータは巨大でなんぼ。そしてリアルタイムであることが大切です。
ですから、その情報量は膨大で、データを扱うデータベースが必要です。本書でもデータベースがいくつか紹介されていましたが、やっぱり巨大すぎるデータは扱いにくいようです。今後も、新しい技術が登場するだろうと予想されますね。
また、ビッグデータのデータベースの構築を外注もできるようです。ビッグデータは、データベースを構築するとことから外部委託され、自社内でひっそり扱われる“閉じた”データではないのです。
ビッグデータの問題点
しかし、ビッグデータにも問題点があります。
とにもかくにも「個人情報を集められて気持ち悪い!」と思いませんか?(と言いつつ、あさよるは実は、こういうの無頓着で気にならないタチです(^_^;))
JR東日本のSuicaの失敗
以前、JR東日本がSuicaのデータを外部に販売しましたが、クレームが多く1ヶ月で取りやめになりました。特にSuicaの場合は、元々きっぷの代わりの便利なICカードが、後からビッグデータとして収集されはじめました。ユーザーからすれば「聞いてないよ~」という話です。
JR東日本の失敗は、ユーザーへの説明不足です。なにもビッグデータとは冷徹なデジタルデータではなく、やはり人間が介しているデータです。ユーザーへの気配りが大切なのです。
ビッグデータに感じる「気持ち悪さ」も、ビッグデータについて知れば和らぐかもしれません。
テクノロジー、サイエンス、アート
ビッグデータ解析に必要はのは、データを処理し保存するテクノロジー。
与えられたデータから客観的にインサイトを見つけ出す科学的アプローチ。
そして、それらデータから新たな価値を生み出す目利き(=アート)。
この三つのステップが繰り返し紹介されていました。
ビッグデータを使いこなすには、最終的には独創性や、直感、価値の見極めです。これらは知識や経験がモノを言うことでしょう。
スモールデータの大切さ
現在、ビッグデータを専門に扱う人たちも、以前はスモールデータを扱っていました。スモールデータの時代から、もっと大きなデータがほしい!と皆が思いつつけていたことは、今手に入ったのです。
ですから、根本的にはビッグデータとは、スモールデータを大きくしたものです。スモールデータでの成功の積み重ねが、ビッグデータ解析に役立っているのです。
ビッグデータについて知ることで、スモールデータの役割も知れました。
今、ビッグデータを扱う環境にいなくても、スモールデータを正しく扱い、読み解く力を身につけようと思いました。
ビッグデータありきの社会。一読の価値アリ!
ビッグデータはすべての人へ関係のあることです。
すでにビッグデータを扱える環境にいる人もいるでしょうし、これからビッグデータを取り入れてゆく人もいるでしょう。
まずは「入門編」ということで、カラーで読みやすく、的確な解説の『ビッグデータ入門』は良い内容でした。もちろん、具体的なビッグデータの使い方については、別の書物が必要です。
さらに「ビッグデータってなんか気持ち悪い」と感じている人も、きちんと知識を得ることで対策を打てるでしょう。とは言え、ビッグデータには必ず自分の行動も集約されています。ですから、上手につき合う方法を見つける方が得策かもしれません。
良くも悪くも、すでにビッグデータなしで成り立たない社会に生きているのですから、一読の価値アリです。
関連記事
- 『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』|日本人の読解力がヤバイ!
- 『その情報、本当ですか?』|デマ拡散のネットとテレビ、どっち?
- 『トコトンやさしい人工知能の本』|目覚まし前にエアコンつけといて
- 『暗号が通貨になる「ビットコイン」のからくり』|仮想通貨は必然だった
- 『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』|人間100年の時代、求められるものは?