『女子のための「手に職」図鑑』はずばりタイトルのまま、これから自分の仕事について考え始める10代の人や学生に向けた職業図鑑だ。「女子のための」と但し書きがついているのは、多くの女性が直面する産休・育休の取りやすさや、仕事復帰のしやすさ、子育てとの両立のしやすさなども加味されている図鑑だ。
あくまでその職業と、必要な資格や女性の働きやすさがまとめられている「図鑑」なので、その業種に就くことが簡単か否かは省かれている。たとえば、小説家やマンガ家などの作家業には、誰もが望めば就けるとは限らないだろう。
個人的に気になったのが、その業種に就くためのステップも紹介されているんだけれど、その界隈の専門学校や大学を出て→その業界に就いて……と書かれているのは、ちょっと違和感もあった。もちろん、医師免許をはじめ、国家資格や免許が絶対必要な業種もあるけれども、先に挙げた作家なんかは、あまりそこに当てはまらないだろう。わたしも一応、美術系の学校の出身で、イラストレーターやデザイナー、マンガ家になりたいと相談されることもあるけれども、正直別にデザイン系の学校を出る必要はないと思っている。それよりも「売り込み方」や「ツテ」や「コネ」を最大限に利用するために、その方法を教えてくれる人と接触した方が手っ取り早い。
そう、この『女子のための「手に職」図鑑』は、「ツテ」とか「コネ」についてはあまり触れられていない。一応は「その業種に就いて修業期間を経て独立」みたいなスケジュールは書かれてあったりするんだけど、なんで修業期間が大事なのかは説明されてないのね。この本が「図鑑」だから、そういう構成になっているんだろうけども、若い人に伝えたいことってそういうことじゃないのかなぁと思ったので、一応ここで触れておくw
わたしも今、入院中でヒマだから、なんか資格でも取ろうかなぁなんて思っていて、とても参考になる本だった。簿記くらいは取っておいてもいいだろう。インテリアコーディネーターの勉強してもいいかなぁとおもいつつ、行政書士でも目指そうかとか、いろいろ考えてなかなか面白い読書だった。
コラムが充実している
ちょこっとだけコラムが間に挟まれているんだけど、これがコンパクトだけど、要点を押さえた良いコラムだったと思う。
自分の進路がわかならいなら、ショッピングセンターを歩いていてみて、どのお店で立ち止まり、なにに興味を持ったのかを振り返ってみるとか、わたしも人へのアドバイスで使えそうな例だった。
また、不採用通知を受け取ったときは、とか、就職したものの「自分に合ってない」と思った時の対処法とか、リアルに直面するであろう問題の対処法が短くまとめられている。これも、わたしも読んでよかった。
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