宗教

『はじまりが見える世界の神話』|美しいイラストとカオスのお話

こんにちは。あさよるです。あさよるは子どもの頃からオカルトやオーパーツの類の話が好きで、世界各地に残されている「物語」にワクワクしていました。今回読んだのは世界の神話集。子ども時代は神話もオカルトも同じもののように親しんでいましたが、大人になってからこうやって触れなおすと、そんな簡単な言葉で消費してしまうのはもったいない世界ですね。

本書『はじまりが見える世界の神話』は、世界に残されている神話のごくごくわずかな上澄みだけをテイスティングするような本です。ここから、神話の旅に出発しましょう。最初の一冊に。

世界のはじまりの絵本

『はじまりが見える世界の神話』は、世界中で語られる世界の始まりの神話がライトにまとめられた本です。美しいイラストがたっぷり掲載されていて、文章での解説はあくまで要約の要約くらい。だから神話について深く知りたい人には不向きな内容です。

本書の面白いのは、みんながよく知ってる日本の国生みの話や、エジプトの神話やギリシア神話、聖書の話だけではなく、パプアニューギニアの神話やアイヌの神話など、メジャーどころ以外のお話も掲載されているところでしょう。

北欧神話やケルト神話、中米のマヤや、インドの神話なんかは、話はうっすらと知っていたけれども、全然全貌は知りませんでした。

ただ、世界の始まりの神話を3ページほどで説明しきれるわけもなく、「ああ、もっと読みたい!」とかなり知識欲を刺激される仕様です。

イラストが美しい

表紙からもわかるように、本書内にはイラストレーターの阿部海太さんの美しいイラストがたくさん添えられています。パラパラと眺めているだけでうっとりと見入ってしまいます。

というか、本書は完全に神話のあらましよりも、阿部海太さんの絵が圧巻って感じ。

本って読んで知識や情報を得るだけじゃなく、コレクション要素や、インテリア要素ってあると思っています。

これは以前に読んだ「ヘヤカツ」こと『部屋を活かせば人生が変わる』でも「リビングの本棚はエンタメ」と紹介されており、あさよるもこれを採用しています。自分のための本棚と、お客様をもてなし会話の入り口としての本棚を用意しようって提案です。

そしてその「エンタメとして本棚」に『はじまりが見える世界の神話』はぴったりじゃないかと思います。

終末の本もあるのだろうか

本書は世界の始まりのお話がまとめられた本ですが、世界の終わりの話ってのも世界中にあるのでしょうか。世界三大宗教のイスラム教、仏教、キリスト教には終末思想がありますが、限られた世界でのお話なのかなぁ。へんなところに興味が飛び火してしまいました。

確かに、日本の神話も、イザナギとイザナミの国生みの話は有名だけど、未来の話って語られないのかなぁ。

あと個人的には、本書を読むとウズウズと絵が描きたくなりました^^

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池上彰『高校生からわかるイスラム世界』|今を知るには歴史が必要

池上彰先生のイスラムの授業

本書『高校生からわかるイスラム世界』は、テレビでおなじみの池上彰さんが、イスラム教やイスラムの歴史、イスラム世界にまつわる現在の国際問題までを解説するものです。「高校生からわかる」とあるように、10代の人向けで、社会科の教科書だけでは扱いきれていない話や「世界史」「現代社会」などと教科別ではなく、「イスラム世界」というテーマで話題が扱われます。教科を超えて、より広い視点で世界を眺めることができるでしょう。

日本にもイスラム教徒はいますが、あまり身近ではない存在の人も多いのではないでしょうか。あさよるも、キリスト教徒の人は知り合いにもいますが、イスラム教徒の人はいないんで、「知識としては知っているけど……」という存在だったりします。

しかし、世界的には、イスラム教徒の数はどんどん増えていて、近い将来、キリスト教徒の数を上回るそうです。また、アジアの国々でも、ヨーロッパでもイスラム教徒はたくさんいますから、日本が例外的な立地なのかもしれません。

で、池上彰さんといえば「わかりやすい解説」ですよね。もちろん本書『高校生からわかるイスラム世界』でも、やさしく話しかけるような文体で、とてもわかりやすい!

イスラム教は怖い?

本書の冒頭では、高校生の前で講義をする際、池上彰さんが生徒たちにイスラム教のイメージを訪ねた話題から始まります。生徒たちは「怖い」「暗い」「他の宗教より激しい」という答えだったそうです。高校生に限らず、大人たちも同じようなイメージを抱いている人は多いんじゃないでしょうか。

イスラム教について知識が乏しければ「自分の知らない存在」ですから、得体が知れなく「怖い」と感じてもおかしくないでしょう。その上に、ニュースではイスラム世界で起こっている紛争やテロの報道が続いています。そりゃあ「怖い」「暗い」「他の宗教より激しい」と思う人もいるでしょう。

しかし、イスラム教は世界三大宗教であり、ほとんどの圧倒的多数の人は「普通の人」なんだろうなぁと想像します。それは、日本人の中にも悪い奴も時々いますが、まぁ概ねほとんどの人は「普通の人」であるのと同じじゃないでしょうか(「普通の人」というのは「聖人君子なわけでもないけど、極悪人でもない」という感じで)。

まずは「得体の知れない存在」から「知っている存在」に変えることは、自力でできます。その入り口に本書『高校生からわかるイスラム世界』にいいんじゃないでしょうか。

10代へ世界の常識を

本書『高校生からわかるイスラム世界』で扱われる話題は、

  • イスラム教とは。コーランとは
  • ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の関係
  • イスラム教徒の戒律や習慣
  • イスラム「原理主義」とは
  • イスラム教を取り巻く国際問題(中東問題や、ユダヤ世界、エルサレム、湾岸戦争など)
  • イスラム世界のこれから

ざっとこんな感じ。

大人も、ややこしい話はわからないor忘れちゃってる部分があるでしょうから、「高校生からわかる」シリーズですが、本書は大人こそオススメだったりします。というか、「高校生からわかる」ってネーミングいいですね。昔は「サルでもわかる」とか、最近だと「中学生からの」みたいなタイトルの本が多いですが「高校生からわかる」というのは、サルでも中学生にもわからない、難しい話を扱っている感じがしますw

なんで歴史を学ぶのか?

夏休み中帰省していた親戚と「子どもの頃、なんで歴史なんか勉強しないといけないのかと思っていた」という話をしました。「大人になると義務教育で習ったことは知ってないといけないんだとわかった」という話です。

「歴史をなぜ学ぶのか」というのは、「お母さんはなぜ起こっているのか」という話と同じだろうと思います(笑)。お母さんは別に、今日、我が子が生まれて初めて部屋を散らかしっぱなしでゲームをしているから怒っているわけではないでしょう。たぶん、過去にも同じようなできごとが散見されていた結果として、今、怒っているんだろうと想像されます。

「今、なにかできごとが起こる」のは、過去になんらかの理由や原因が複数あって、それらが絡み合い、重なり合い、なにがなんだかわからなくなりながら、「今」がある。その瞬間瞬間はランダムに起こるできごとでしょうが、それらを振り返ると軌跡となっていて、それが「歴史」になっているんじゃないかと思っています。

現在の国際問題について知るには、モーゼやノアの時代の話題が飛び出すというのは、「歴史は必要なんだ」というのをよく表していますね。よく「歴史から学ぶ」という言い回しがありますが、あんまりそれは的確じゃなくって、「今を知るために、過去を知る」という感じじゃないかなぁと思います。

あと、世界の戦争や紛争のニュースは、キリスト教やユダヤ教の問題でもあるのに、イスラム教ばかり「怖い」と思われてしまうのは偏った話だなぁと思いました。

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池上彰さんの本

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『イチから知りたい! 聖書の本』|美術展のおともにkindle版を!

『カラー版 イチから知りたい! 聖書の本』挿絵イラスト

こんにちは。美術館へ行くのが趣味な あさよるです。西洋絵画の画題として、聖書のシーンが用いられていることが多いのです。美術館でも簡単に解説がなされていますが、それだけで聖書世界が理解できるワケではありません。かといって、聖書を通読するのも……というときのために、数々の聖書の解説書が出版されています。

本書『カラー版 イチから知りたい聖書の本』は全ページカラーで、イラストや地図、図が満載で、聖書の世界の手ほどきには打ってつけの本です。kindle版では199円とリーズナブル(2018年2月現在)。これ、いいよ!

聖書・大ダイジェスト!

本書はオールカラーの聖書のダイジェスト版です。序章で聖書にまつわる、聖書の内容や構成、聖書世界の説明がなされ、あとはひたすら「創世記」から「黙示録」まで突っ走ります。といっても、一つのトピックスが見開き2ページに収められていて、ページ面積の半分くらいはイラストや地図等で、かなり楽しい感じ。

間にコラムや豆知識的なコーナーがあったりとコンパクトだけど網羅的な内容です。

先に上げた、美術展を見に行くときは、kindle版をスマホに入れて、参照しながら観覧できれば便利。

情報量多すぎ!?

ダイジェスト、網羅的、図や地図、イラスト満載というのは、これは本書の良い特性なのですが、反対に言えば「情報量多すぎ!」「めまぐるしすぎる!」「話の展開についけてない!」なんてうれしい悲鳴が上がってしまいますw 例えば出エジプト記は、旧約聖書を代表する一大スペクタクルですが、モーセの出生から死まで8ページで終わるので、「ええっ!?いつの間に話が進んだ!?」ってな感じ。というか、出エジプト記は実際に聖書を読んでみてもあっという間に終わって「ええっ!?」となる。

あと、あくまで「聖書」の内容をダイジェスト的に紹介する解説書であって、キリスト教の思想や興りがメインではありません。なので、キリスト教世界について知りたいのであれば、他の本を当たりましょう。と言っても、やはり聖典の「聖書」は当たっておくべきであって、本書はオススメです。

あのお話の元ネタ、ここです。

『カラー版 イチから知りたい! 聖書の本』挿絵イラスト

出エジプトのみならず、アブラハムとイサクの話、大魚に食べられたヨナの話、ソドムとゴモラの話、十戒、受胎告知などなど、超有名シーンが目白押し。あのお話の元ネタはここにあるのです。

単に「聖書」っていうと多くの日本人にとっては直接的に関係のない話でしょうが、意外と間接的には聖書の物語を受容していたりしています。

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『世界を変えた10冊の本』|世界の読むべき本をわかりやすく解説

こんにちは。読書本には目がない あさよるです。「読書本」って変な言葉ですが、本を読むための本って感じでしょうか。本書『世界を変えた10冊の本』もそのタイトル通り、10冊の世界を変えた本を池上彰さんが紹介するもの。どの本も世界的超有名本で、一度は目を通しておきたいものばかりです。

世界を変えた10冊ラインナップ

本書で紹介される10冊の本は以下。

  • 『アンネの日記』
  • 『聖書』
  • 『コーラン』
  • 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
  • 『資本論』
  • 『イスラーム原理主義の「道しるべ」』
  • 『沈黙の春』
  • 『種の起源』
  • 『雇用、利子および貨幣の一般理論』
  • 『資本主義と自由』

読んだことはなくってもタイトルくらいは知っている本ズラリ。ここではザッと簡単に紹介しておきます。

書影は『世界を変えた10冊』の出典として挙げられているものです。

『アンネの日記』

第二次世界大戦時、ユダヤ人として収容され亡くなったアンネ・フランクが書き残した日記。アラブ諸国を除く国際社会がイスラエルの味方をするのは『アンネの日記』があるからだ、と紹介されています。なるほど、彼女が生き生きと〈普通の少女〉であればあるほど、彼女の運命は信じがたく、ユダヤ人弾圧がいかに惨たらしいものであったのかと感じます。「世界を変えた本」のトップバッターに相応しいものです。

『聖書』

世界で最も読まれた書物『聖書』。

 中東に生まれたキリスト教が、やがてヨーロッパ世界に広がり、宣教師たちによってアフリカや南米にも拡大。ヨーロッパでの迫害から逃れたキリスト教徒は、アメリカに「神の国」を建設しようとしました。
一方、ヨーロッパのキリスト教徒たちは、「十字軍」によって中東遠征を繰り返し、イスラム教徒との対立を深めました。それは、キリスト教文明とイスラム文明の対立として、いまにつながってくる歴史です。

p.41-42

聖書の物語は今も多く引用されますし、今の世界を動かしています。

『コーラン』

ユダヤ教の経典『律法』をキリスト教徒は『旧約聖書』と呼び、新たに『新約聖書』を加え聖書にしました。さらにイスラム教はここに『コーラン』を加え経典にしました。イスラム教徒にとって『コーラン』が最も重要とされます。

日本ではイスラム教徒は少ないですし、文化や慣習がふしぎに見えるかもしれません。イスラムの行動規範や考え方等、池上彰さんが分かりやすく説明してくださるのは有難い。

『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

16世紀の宗教改革により、ローマ・カトリックからプロテスタントが生まれます。カトリックとプロテスタントでは経済活動において大きな違いがありました。

カトリックの教会の支配は穏やかで形式的なものだったが、プロテスタント支配は、「家庭内の私的な生活から職業的な公的な生のすべての領域にいたるまで、考えられるかぎりでもっとも広い範囲にわたって信徒の生活のすべてを規制するものであり、限りなく厄介で真剣な規律をともなうものだった」と指摘します。つまり、このプロテスタント支配によって、子どもたちは高度な教育を受けて社会の上層を目指すようにしつけられているのではないか、というわけです。

p.101

プロテスタント支配によって、資本主義の精神が登場するのです。19世紀半ばまで労働者は生活できるだけの収入があれば、それ以上働こうとしませんでした。それに対し、仕事のために人間は存在し、働くことは生きるために不可欠であるとの考えが「資本主義の精神」です。

現代のわたしたちはこの考えの上にいるんですね。

『資本論』

マルクスはかつて、資本主義がなぜ非人間的な経済体制になるかを説きました。マルクスの理論は、ロシア革命を引き起こし、やがて社会主義体制を採用する諸国が増大しました。マルクスの『資本論』は世界を変えたのです。
ところが、東西冷戦が終わり、ソ連の崩壊に代表されるように社会主義体制の限界が明らかになって以降、マルクスの主張はすっかり見捨てられてました。それが、リーマン・ショックをきっかけに、まるで預言者のように復活する。皮肉は話です。

p.123-124

労働量は藤堂の時間で測り、貨幣が資本になる。現在の我々が当たり前思っている体制も、新しい考え方なのですね。

『イスラーム原理主義の「道しるべ」』

『道標』は“オサマ・ビンラディンの教科書になった”ことから、世界を動かした10冊に選ばれています。

 イスラムこそが、健全な発展と進歩に欠かせない価値観を保有している。その理想が失われてしまったために、世界は墜落している。いまこそイスラムの理想に帰り、イスラムの原初を思い起こすことが必要だと主張します。(中略)

現代はイスラムの理想が失われてしまったのに、イスラム教徒たちは、自分たちの世界を「イスラームの世界」などと思いこんでいる。これを正さなければならない、というのです。となれば、イスラム世界の腐敗した体制を打倒することは「神の道」であり、正義の戦いである。つまり「ジハード」(聖戦)なのだ、ということになります。(中略)

世界中が無明社会だというのです。
無明社会は暗黒社会ですから、真のイスラム教徒は、無明社会をイスラム社会をイスラム社会にしなければならないのです。ここから、無明社会に対するジハードが必要だという理論が導き出されます。この対象として、日本も例外ではありません。(中略)

日本の私たちの信仰は、「邪神を祭るために、手のこんだ礼拝儀礼の体系を創案した」ものだというのです。彼が日本のことをどれだけ詳しく知っていたのか疑問ですが、彼によれば、日本もジハードの対象になってしまいます。

p.155.156.160

『道しるべ』に日本のことが書いてあるのは知りませんでした。日本はジハードの対象にならない保証はないということでしょうか。

『沈黙の春』

アメリカのペンシルバニア州に生まれたカーソンは、連邦政府の商務省漁業局で働きながらアメリカの雑誌「ニューヨーカー」に『沈黙の春』を連載し、単行本として出版されベストセラーになりました。

環境汚染という言葉がなかった時代、農薬により野鳥たちが死んでしまった例や、食物連鎖による毒物の蓄積メカニズムを広く世に知らしめたのが彼女だったのです。

現在では当たり前の環境問題も、当時はなにも知られていなかったところから、社会に浸透していったんですね。

『種の起源』

ガラパゴス諸島に上陸した経験から、生命の多様性への疑問を追求し1859年『種の起源』が世に登場します。当時は売れ行き上々だったそう。

彼の書は、「地球上の生き物は神が創造した」と信じるキリスト教徒からは批判を浴びましたが、多くの学者から支持され、その後の遺伝学、生物学の飛躍的な発展の基礎を築きました。

p.192

生物は神が創造したものか否か。現代でも議論になる事柄です。

『雇用、利子および貨幣の一般理論』

 景気が悪くなったら政府が公共事業などで支出を増やして経済を活性化させる。金利を下げて、企業の投資を活発化させる。
これらは、景気対策としての常識になっています。中学校の社会科で習う話です。しかし、かつては常識どころか、「とんでもない話」と考えられていたこともあります。それを世の中の常識にしてしまった本。それが、今回取り上げるジョン・メイナード・ケインズ『雇用、利子および貨幣の一般理論』という書物です。

p.213

1929年の世界恐慌の政府の対応を時代遅れだとし、ケインズは批判しました。本書では現代の日本社会が直面している問題を、ケインズがどう説いているのかが紹介されています。

『資本主義と自由』

フリードリヒマンは、自らの主張を一般に理解してもらうためのショック療法を用意しました。当時のアメリカで政府が行っていた事業のうち、「政府がやる理由はない」と考えた事業一四項目を列挙しているのです。(中略)

1 農産物の買い取り保証価格制度。
2 輸入関税または輸出制限。
3 農作物の作付け制限など。
4 家賃統制。物価・賃金統制。
5 最低賃金制度や価格上限統制。
6 銀行に対する詳細な規制など。
7 ラジオとテレビに対する規制。
8 現行の社会保障制度。
9 事業や職業に関する免許制度。
10 公営住宅、住宅建設の補助金。
11 平時の徴兵制。
12 国立公園。
13 営利目的の郵便事業の禁止。
14 公営の有料道路。

p.248-249

じっくり見て見ると「やめるとヤバイんじゃない?」と思う項目もありますが、彼よると大丈夫。というか逆に、国が制限をかけていることで貧しい人が苦しんだり、社会に不利益があると説いています。

未読本に色めき立ち、既読本に興味津々

池上彰さんが選ぶ「世界を変えた10冊の本」はいかがでしょう。あさよるは、タイトルは知っていても「読んだことない」とか「通読したことない」ものばっかりです。現代でも絶版になっていないどころか、流通している本ばかり。現在では電子書籍や、Kindle Unlimitedでも読めるっぽいのでありがたいです。読む本リストに加えておきますφ(..)メモメモ

「世界を変えた本」の中でも、現代のわたしたちの生活や常識そのものを作った本ばかりが紹介されていますから、興味がないわけがないラインナップです。

あさよる正直、この本「面白くなさそうだなぁ~」と思ってたのですが、嬉しい誤算で結構楽しく読めました。まだ読んだことない本は「読んでみよう」と色めきだち、既に読んだ本は「池上彰さんはどう紹介するんだろう」とwktk。

この手の本は他の人が紹介してもいいかもしれないけれども、内容的には「知っていて損ないぜ」って感じで、お馴染み池上彰さんの著者だし、人におすすめしやすい本だと思います。

あさよるネットで紹介した池上彰さんの本

『学び続ける力』/池上彰

『学び続ける力』を読んだよ

『伝える力』/池上彰

『伝える力』|子どもへニュースを伝える力

『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』/池上彰

『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』|社会、外交、世界を考える

『あした選挙へ行くまえに』/池上彰

『あした選挙へ行くまえに』|なにを投票するの?

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『コーランを知っていますか』|阿刀田先生とコーランの世界をのぞき見

こんにちは。コーランを知らない あさよるです。

以前、アラビア語の勉強をしようと教科書を用意し、その時にイスラムの文化にも初めて触れました(結局、アラビア語のアルファベットも読めないままなのですが…)。興味はあるものの、長く放置したままですね…(;’∀’)

本書、阿刀田高さんは『コーランを知っていますか』以外にも、同じようなシリーズを執筆なさっています。

などなど。どれもレビューを見ると好評っぽくて読んでみたいのですが、どうやら本書『コーランを知っていますか』に限っては、モヤモヤした感じの読了感。

なぜモヤッとしてしまうかというと、それはコーランの持っている性質に由来しているもののようですね。

阿刀田さんもコーランに戸惑い!?

著者の阿刀田高さんの講演を聞いたことがあります。古事記をテーマにしたシンポジウムで、作家さんだからこその内容でした。学術的な事実を述べるのではなく、古事記の欠けている物語を推理し、捕捉し、お話が展開されてゆくのが面白かったです。

先にも紹介したように、阿刀田高さんは「~を知っていますか」ってシリーズを刊行なさっていて、どれも口コミは悪くないのですが……『コーランを知っていますか』では、阿刀田高さんの戸惑いから話が始まります。

というのも、我々からすれば唐突に話が始まり、その後の内容にどう関係があるのかもわからないまま話が進んでしまうという……。

イスラム教の立ち位置も、ちょっと不思議。

例えば、イスラム教徒は多神教の信者とは結婚できません。日本人とは結婚できないってことですね。

だけど、同じ一神教のキリスト教やユダヤ教徒との婚姻は、教義的にOKなんだそうです。「一つの同じ神様を信じている」って解釈なんです。

キリスト教、ユダヤ教、イスラム教は三兄弟の宗教だと言われるのも少し納得しました。

コーランやイスラム教を知れるわけではない

『コーランを知っていますか』を読んでも、コーランの内容を知れるわけでも、イスラム教の全貌がつかめるものでもありません。悪しからず。

深く知れる内容ではありませんが、何の接点もない異宗教が、なんだか親しみやすい感じは受けました。それは阿刀田高さんというフィルターを通しているからこその感想でしょう。

コーランって、アラビア語でなけれなばらないと世界史の時間で習いました。神がアラビア語で話したんだから、そのまま書き記された書物でなければならないのです。

そもそも、日本語翻訳されたコーランはコーランではありませんし、日本語訳コーランを読んでさらに阿刀田高さんのフィルターで解釈されたものですがら、全く別物だと考えてもいいかもしれません。

その前提込み込みで『コーランを知っていますか』を読むと、エッセイとしてとても楽しい作品です。

一緒に「ナゾ」の異文化をのぞき見

『コーランを知っていますか』は、阿刀田高さんをガイドに異文化をちょこっとのぞき見するようで楽しく、ワクワクしました。

あさよるの周囲では、熱心な仏教徒やキリスト教徒の人はいますが、イスラム教徒の人はいません。この辺は、お住まいの地域や、職業等のコミュニティによって違うのでしょうが、あさよるには知らない世界でした。

コーランの内容は、生活の細々した取り決めにまで及んでいます。

聖典が社会の規範になっていることがよくわかりました。

社会が違えば常識が違う

あさよるは、イスラム教と縁がなかったと書きましたが、世界規模で見れば関係がないわけはありません。

なんてたって世界三大宗教の一つですし、この語学が苦手なあさよるでさえ「アラビア語の勉強しよっかな……」と思う程度に、イスラム世界が世界に影響をもたらしていることも感じています。

最終章は、阿刀田高さんがが実際にサウジアラビアを訪れた経験が著されています。

そこで出会った人々は、有能な人物少なからずいるのですが、日本人とは行動規範が“違う”人たちです。日本人から見ると不思議に見えます。同じように、向こうから見れば、こっちが不思議なのでしょう。

“違う”文化を認めるというのは、言うのは簡単ですが、実際にどんな状態が異文化を認め合った世界なのだろうなぁと想像してみます。

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『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』|社会、外交、世界を考える

こんにちは。テレビで池上彰さんを見かけると、思わずお話を聞いてしまう あさよるです。

テレビでの池上彰さんしか知らないので、著書も読んでみたいなぁと『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』を手に取りました。

世界の宗教を通じて、信仰を考える

本書、『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』の冒頭、著者・池上彰さんが「宗教」の働きが定義されます。

 私は、宗教を考えることは、よく死ぬことだと思っています。宗教は「死のレッスン」と言った人もいます。つまり、どう死ぬかという予習なのです。
(中略)
死の予習をすることが、よりよく生きることにつながる。それが宗教を考える意味だと、私は思っています。

『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』p.66

「宗教を考えることは、よく死ぬこと」「死の予習をすることが、よりよく生きること」とあります。

宗教とは「死」を考えること。それは「生」を考えることでもある、というのです。

ですからタイトル『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』にある「宗教」とは「死がわかれば世界が見える」「生がわかえば世界が見える」という意味に解釈できますね。

じゃあ、ここでいう「世界」っていうのは、「現世」とか「この世」とかいう意味でしょうか。

誰のための本?

なんでタイトルにこだわっているかというと、この本、なかなか難解なんです。

一読すると、タイトルと、冒頭の文言、そしてその後に続く専門家との対談、それぞれがちぐはぐに感じるのです。

というか、あさよる、正直さっぱり意味が分かっておりませんw

タイトルも興味深いし、池上彰さんの冒頭の第一章は面白い。そして、対談の内容も悪くはない。しかし、3つの要素がどう関連しているんだろう??

対談の内容も、池上彰さんが各宗教者から“何かを聞き出そうとしている”感じがするんですが、何を聞き出したのかわかりませんでした><

最終章でも、結論として“何かを言おうとしている”と匂わせている感じがしますが、上手くくみ取れませんでした><

世界三大宗教+神道+科学

と言いつつ、やはり対談が何といっても興味惹かれます。

世界三大宗教である、仏教、キリスト教、イスラム教と、神道に詳しい識者との対談です。

「仏教」「キリスト教」等と一口に言っても、宗派もたくさんありますし、そもそもそれぞれ専門書がいくらでも書けるような内容です。

たった一冊の新書で、これだけ複数の要素を扱っているので、ライトな内容ではあります。

が、これだけディープなら十分じゃない!?と思います。

辞書引きながらとか、ワード検索しながら読まれる方も多いはず。注釈も特にないので、分かっている人にとっては基本的なことなのかな?とも思います。

さらに、宗教家だけでなく、最後に科学者である養老孟司さんが登場するのが、いいなと思いました。

宗教、信仰の話題を身近なものに

本書『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』この一冊を読んで、宗教の世界がわかるようにはなりません。

しかし、我々は「宗教」「信仰」の中にいます。

日本人には「無宗教」だと自称する人が多いですが、本書に登場する宗教家+科学者は、口をそろえて、日本人ほど信仰が深い人はいないと言います。

もう、私たちは信仰を意識しないくらい、息をするのと同じように信仰を持っているんです。

そして、信仰は行動規範となり、社会を形作っています。信仰を考えることが、今の日本の社会を考えることなのかもしれません。

『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』は、社会や政治、外交を考える上で、意識しておきたい「宗教」の話を、意識させられる本だと思います。

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『ブッダも笑う仏教のはなし』笑えて興味津々でオモロ!話の伏線スゴッ!

こんにちは。寺院仏閣を見て回るのが好きなあさよるです。

といっても、近場のお寺や神社を回る程度のものですが……建物や小物の意匠を見て回っている感じです。すると「これは何だ?」「何に使うもの?」「なんて書いてるんだろう?」などなど、疑問や不思議に思うことがたくさん。

お寺や神社を見て回っているうちに、仏教や神社に関する本を読んだり、詳しい人の話を聞く機会が増えました。

以前、ラジオで笑い飯の哲夫さんが「仏教に関する本を書いた」というお話をなさっているのを聞き、読んでみたいなぁと思っていました。哲夫さんは、お寺から講演を依頼されることもあるんですって。

仏教のこと、あれ!?身近なのになんにも知らない!?

仏教のことって、知っているようで知らない分野です。

あさよるは子どものころ、祖母が毎日熱心に仏壇に参っているのを見て育ちました。信心深いおばあちゃんで、他の家族が仏壇に参らないからと、代わりに家族全員分のお経をあげてくれていましたw

「お経」っていうのも、何を書いているかもわかりません。やっぱり良いことを書いてあるのでしょうか。

うちは浄土真宗だったハズなのに、おばあちゃんは真言宗のお経を使っていた気がします。この「宗派」っていろいろ聞くけど、何が違うんだろう?

そもそも仏教って釈迦の教えなんだよね?それと、お経って何の関係があるの?

仏教や仏に関することって、身近にあるけれど、ほとんど何も知らない人って多いのではないでしょうか。

我々はシャポシャポのカレーである

『ブッダも笑う仏教のはなし』は、笑い飯の哲夫さんが著者だけあって、最初から最後まで「オモロイ」本です。ユーモアあふれ、興味深い「オモロイ」です。

さらに、すごく構成が緻密で、びっくりしました。さすが漫才のネタを作る人だなぁということなのでしょうが、きちんと前フリが、後々回収されてゆきます。

最初は、「ブッダ」または「仏」または「ガウタマ・シッダールタ」について。出自や出家に至る経緯。そして悟りを開くまでの経緯。

ブッダの弟子たちの紹介と、経典の話などなど、知っているようで知らない話が整理され紹介されます。

あさよるは手塚治虫の『ブッダ』を読んだ程度の知識でしたが、とてもよくわかりました。

さらに話は仏教の教えにも触れられます。『諸行無常』とか『色即是空』『全は個、個は全』など、聞いたことはあるけれども、よくわからない話。

哲夫さんはそれをカレーライスに例えておられて、めっちゃわかりやすい!

カレーライスの中に、あらゆるすべての物がシャポシャポに溶け込んでいます。動物も植物も、無機質な物もです。それを、おたまですくい上げる。それが「私」です。しかし、そのおたまには、穴が開いていて、時間と共にカレーはカレー鍋へ戻ってしまいます。

それが「生」であり「死」である。「輪廻転生」とは違う考えです。

さらに、欲しいものが手に入らなくても、悔しがったり悲しまなくても構わない。なぜなら、みんな同じカレーだからです。欲しくてたまらない物も、自分も同じカレーを別のおたまですくっただけなんですね。

ブッダの悟った「生と死」がわかると、「お葬式」や「墓参り」「仏壇へ参る」意味も違って見えてきます。ブッダは生も死も同じだと言っているのですから、死んだ人へ「形が変わっただけだから大丈夫ですよ~」と話しかけているのです。

知れば知るほどオモシロイ!

緻密な構成に舌を巻く!分かりやすくオモロイ!

『ブッダも笑う仏教のはなし』は、最初から最後まで緻密に話の展開が用意されており、ほんと舌を巻きました。

ユーモアの部分も、不真面目なお笑い要素かと思いきや、後になって話の本筋に合流されて、ゾワッと鳥肌が立つよう!

文章も、とても厳密に言葉が使われ、論理的ですから、じっくり読めばとても読みやすい本です。ですが、飛ばし飛ばし読むと、話が分からなくなるだろうと思われるので、時間のある時に腰を落ち着けて読むととても良い本です。

ブッダという人物、仏教の起こり、宗教行事・習慣など、扱われている内容は幅広い。ですが、かみ砕いた表現で説明し、かつユーモアあふれオモシロイ。すごい!

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