心理学

『正しい恨みの晴らし方』|最高の復讐は……

こんにちは。清廉潔白、妬み嫉みを持たずに生きている……と思っていた あさよるです。「人を恨んで生きるなんてヤな人生ネー」「嫉妬なんて醜いなぁ」なんて他人事のように思いつつ、本書『正しい恨みの晴らし方』を手にしたのです。著者は脳科学者の中野信子さん。これまでも中野さんの本を数冊読み面白かったので、手に取りました。

「正しい恨みの晴らし方」、結論を先に言っちゃうと、

「優雅な生活が最高の復習である」―p.239

中野信子先生はこう結んでおられます。さてポイントは「何を以て〈優雅〉とするか」ということでしょう。本書ではその答えは示されません。ただ、多くの人が恨みを晴らすべく勤しんでいる取り組みは〈優雅〉とは言えないだろうと、本書にて示されています。だって「不毛」だから~。

恨みとはなんだ?

まず、「恨み」とはどんな状態を指すのでしょうか。本書ではこう定義されています。

恨みとは「思い出し怒りにとらわれた状態」もしくは、「怒りをもたらした出来事を反すうせざるをえない状態」とみなせます。 -p.16

怒りを何度も思い出し、そのたびに怒りに駆られる状態を「侵入思考」と呼ぶそうです。過去の出来事が、現在に侵入してきて怒りにかられるからです。同じことを繰り返し考えてしまい、あれこれ思いめぐらせてしまう状態を「反すう」と言い、精神的な健康を害することもあるそうです。これらが「恨み」です。

怒りが恨みに変わるには、相手が〈他者〉の〈何らかの意図〉でないといけません。物に躓いても、物を恨むことはありません。

もっと言えば、「正しくないことをされた」という被害者意識こそが恨みの源といえます。自分のプライドを酷く傷つけるようなことをしてきた相手に怒り、その怒りがなかなか収まらないとき、それを恨みと呼ぶのです。 -p.18

「正しくないことをされた」とは、不当なことをされた、侮辱された、不条理な扱いをされたことを、自分の中で整理できない。だから怒りが持続し、恨んでしまう……。

あるいは、自分ではどうにもならない状態に置かれたとき。近しい人が事件や事故に遭ったとき、加害者を恨まずにはおれません。リストラに合って、会社を恨んでも仕方がないけど、恨んでしまいます。

仕返しをしたい!

我々は傷つけられると、怒りを感じます。

アメリカの心理学者ジェームズ・アヴェリルは、「失われた自尊感情の回復」が怒りの目的であると述べています。プライドを傷つけられて怒るのですが、それを癒す道筋を照らすためにもまた、怒りが存在しているというわけです。
こうした考え方に沿うなら、恨みを感じた後にも、傷ついたプライドを回復させるような行動をとりやすくなるはずです。
その一つが「仕返し」です。相手にも自分と同じ傷を負わせ、自分と同じ苦しみを味わわせてやりたいと思うのです。

p.20

傷ついたプライドの回復のために「仕返し」が必要なのですな。

さらに「見返し」という言葉もあります。これは、自分を侮辱した相手に、立派になった自分の姿を見せ、見返したいという願望です。しかし、見返しはプライドを直接的に回復させないようで、見返しが成功することは少ない模様。

妬みと嫉妬

「妬み」と「嫉妬」というよく似た言葉があります。これらは、日本語でも英語でも意味が少し違います。

 妬み(envy)は、自分の持っていない何らかの好ましい価値のあるものを、自分以外の誰かが持っていて、それを自分も手に入れたいと願うとき、その相手に対して生じる不快な感情のこと。
嫉妬(jealousy)は、自分の持っている何らかの好ましい価値のあるものを、自分以外の誰かが持っておらず、それをその誰かが奪いにやって来るのではないかという可能性があるとき、その相手を排除したいと願う不快な感情のことです。
時には、これらがの2つの感情が混じって感じられることもあります。

p.74-75

整理すると、

  • 妬み→「ニンテンドースイッチを○○ちゃんが持ってる!ズルイ!私は持ってないのに!」
  • 嫉妬→「私の彼が△△ちゃんと親しくしてる!浮気か!」

妬みは、他の誰かだけ持っててズルイ! 嫉妬は、自分の持ってるモノや関係性を奪われるかも!? という状態です。

妬ましい!

リア充自慢を街中やfacebookで見かけて、内心「ケッ」とムカつく気持ちは「妬み」です。妬みはいろんなところで起こります。能力の差、容姿の差、お金や財産、地位や能力、コネなどなど。で、妬ましい相手の悪口を言ったり、足を引っ張ろうとします。

「羨ましい」という気持ちも、「妬み」と同じですが「ネガティブではない妬み」です。せめて、人を妬むにしても「羨ましい」にしておきたいものです。

「妬み」は、例えばイチローのように、自分とかけ離れた相手には感じません。自分と近い相手が、自分より好ましい状態にある時「妬ましい」と思います。

なので、お金持ちの有名人が死の直前、一般の女性と結婚し、その女性が女優やモデルのような超美人なら構いません。しかし、その女性が「普通の女性」だったとき、「妬み」が爆発します。事実もわからないのに「遺産目当てだ」なんてバッシングが始まります。しかもこのとき、「妬んでるんじゃない、遺産目当てのセコい女を懲らしめるんだ」と「正しい」「正義」のために見ず知らずの女性をこき下ろしはじめます。でも冷静に考えると、他人をバッシングしたところで、自分は何の得にもならないし、むしろ時間も労力もムダにしてしまうばかりだったり……。

「正しい」ほど怖いものはない

他人の不幸は蜜の味です。ゴシップ大好き!他人のあら捜ししたい。「メシウマ状態」を心待ちにしています、よね?ね?ね?

なぜ他人の不幸を見ると満足するか、というと、自分が辛いとき、自分と同じくらいか、自分より不幸な人と比べると、気持ちが楽になるそうです。心理学的にもこう考えられているそうです。

人は周りの人に同調する習性を持っていて、Twitterで情報共有されれると多くの人が同調し、またたくまに炎上します。「正しくない」と思われる投稿が大量RTされ、なんとなくバッシングしていい雰囲気が出来上がります。……ただ、あくまで見ず知らずの他人をつるし上げても、自分は何の得もないのです。原動力は「自分は正しく、相手が間違っている」から。「自分は正しい、相手が間違っている」と認識すると、我々はその相手を攻撃することを厭わなくなります。「いじめ」と同じように、わざわざ自分が止めに入らなくても……という同調圧力も働き、仲裁する人もいなくなります。

正義という麻薬

なんとなくムカつく人をつるし上げ、みんなで恨み、悪をやっつければ勧善懲悪めでたしめでたし。みんな「水戸黄門」「半沢直樹」が大好きなのです。スカーッとして気持ちいい!のです。

「正義」を考えるときのポイントは「ズルをした」から恨まれるのではなく、「ズルをしそう」な個体もフリーライダー予備軍とみなされ、排除の対象になることです。「ズルをしそう」と疑わしい人を探し回っている状態が今の社会かもしれません。

人を恨んで生きてましたm(__)m

あさよるは他人にあまり興味ないし「人を恨む」なんて疲れるだけのことしたくないわいと思っていました。しかし、本書の定義に従えば、あさよるは「人を恨みまくっている人間」になってしまいますw もともと関西弁で言うところの〈イラチ〉で、気が短い方なので、他人にイラつく瞬間はありました。しかも、時間が経っても怒りが収まらず、むしろどんどん「侮辱された」「ナメられた」と怒りが膨らんでゆく経験はよくありました。そうか、あれ、恨みなのかw

さて、冒頭で、本書では「優雅な生活が最高の復習である」と結論付けられていることを紹介しました。はてさて「優雅な生活」とはどんな状態でしょうか。

あさよるが考える「優雅な生活」とは、規則正しい生活をして、アイロンをかけたシャツを着る。ゆっくりと朝食を食べ、早朝に掃除をし、午前中に仕事をして、夕方には終業して、夕食の準備をして、8時にはお風呂に入って、9時には寝る。ふとんは乾燥機にかけてでフカフカ。

これが最高の復讐です。

関連本

『サイコパス』/中野信子

『サイコパス』|冷静で共感しない人たち

『脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体』/中野信子

『脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体』|誰もがドーパミン依存!?

『あなたの脳のしつけ方』/中野信子

『あなたの脳のしつけ方』|モテも運も努力も脳次第?

続きを読む

『パブロフの犬:実験でたどる心理学の歴史』|アヤシイ雰囲気にワクワクしちゃう

こんにちは。ナゾなもの、フシギなものに気が取られちゃう あさよるです。本書『パブロフの犬』もタイトルだけ見て「読んでみたい」と思いました。なぜかというと、あさよるは完全に〈シュレーディンガーの猫〉と勘違いしていたからでしたw 読み始めてしばらくするまで気づいていなかったw

パブロフの犬とは、ベルを鳴らしてからエサを犬に与えていると、ベルの音を聞くだけで犬はヨダレをたらすようになるアレ。梅干を見たら唾なアレ。心理学のお話です。人間の心理学だけでなく、動物に知能があるのか? 動物に心があるのか? 誰もがソボクに気になっちゃうことも、ちゃんと過去に実験がなされているんです。

……ちなみに、本書のシリーズで〈シュレーディンガーの猫〉もあるそうですw こっちもまた読みたいデス。

心理学の50の実験:心ってなんだ?

本書『パブロフの犬』は心理学の重要な50の実験を歴史順に並べたもので、心理学入門編であり、心理学の歴史がわかるという仕掛けになっています。

一番最初に紹介されるのはダーウィンの研究で、ミミズに知能があることが実験により発見されました。ミミズは自分で掘った穴に木の葉を引っぱり込んで蓋をします。しかも、穴に刺さっているのは先がとがった葉っぱが多いのです。ミミズは葉っぱの形が分かっているの?と、ダーウィンは子どもたちと一緒に観察を始めました。反対に言うと、この時代までミミズに知能があるとは思われてなかったってこと?

ネズミは道を覚えられるのか?や、タイトルにもなっているパブロフの犬の実験(犬にベルを鳴らしてからエサを与え続けると、ベルの音を聞いただけでヨダレを出す)。被験者を囚人と監視員に振り分けると、監視員たちが囚人を虐待し始めた実験。吊り橋効果やなど、有名な心理実験のあらましも紹介されています。

我々は〈自由な心〉を持っているように思えますが、それも環境や学習により書き換えられ、行動に変化をもたらします。それは無意識にも。つい「他の〈みんなの意見〉が正しい」と思い込み、目の前の一目瞭然の事実すら見えなくなってしまいます。どうやら、周りの人の考えに流されてしまうのは、勇気や根性の話ではなく、心理的に「自分がおかしい」「自分が間違っている」と思ってしまうからみたいなのです。

自分の心ってなんだろう。自分の意志ってなんだろう。みんながこう言ってる。みんなそうしている。これって、いったい何だろう?

オールカラーでイラストも賑やかに

本書は心理学の入門的一冊ですので、多くのトピックスは見開き2ページで収まる程度の長さがほとんどです。しかも、ポップなイラストが散りばめていて、なにやら禍々しい雰囲気がたまりません。

見開きページ例をご覧ください。

『パブロフの犬:実験でたどる心理学の歴史』見開きイメージ

パブロフの犬:実験でたどる心理学の歴史 (創元ビジュアル科学シリーズ1) | アダム・ハート=デイヴィス, 山崎 正浩 |本 | 通販 | Amazon

古い書物をひも解き、魔法の本を読んでいるかのような演出。見ているだけでワクワクしちゃいます。あさよるも、ヴィジュアルイメージがカッコよくて本書を手に取りました。

あさよる的には〈読みやすさ〉という点では白い紙に挿絵ナシの方が読みやすいと思います。しかしこの〈特別感〉は魅力的。知らない世界を誘ってくれるに相応しい雰囲気です。

中高生にオススメ!

本書『パブロフの犬』は好奇心と探究心にあふれる中高生に贈りたい一冊です。もちろん大人も読んでも面白いけれども、なんかこのアヤシイ空気感は、絶対年頃の人に合うと思うんですよ! というか、あさよるもその頃に本書を読みたかった!!

アヤシイ雰囲気も、考えるとコワイ実験やもっとコワイ結果の数々や、禍々しいイラストも、世界観がワクワクしちゃいます。

続きを読む

『美人は得をするか 「顔」学入門』|顔を変えるなら整形よりメイク?

こんにちは。「ジャケ買い」「パケ買い」という言葉がありますが、今回『美人は得をするか 「顔」学入門』は完全にタイトルに魅かれて手に取りましたねw 〈美人は得をするか〉なんてキャッチーすぎる問題だし、顔学って言葉も初耳&面白そう! そんな、ノリで読書するあさよるでした。

あさよるは、ブログやTwitter等でイラストのアイコンを使っているのですが、顔学的にはアイコンも大事なのかなぁ~なんて思い至り、冷や汗。

↓これ、女性にも見えるし男性にも見える感じにしたかったが……

まず「顔」とはなにかを知らなくては

本書『美人は得をするか 「顔」学入門』では、タイトルの通り「美人は得をするか」という誰もしもが一度はぶち当たる命題に触れているのですが、それを考えるためにはまず「顔」とは何かを考えなけばなりません。したがって、本書は「顔」とはなにかを掘り下げる内容がほとんどです。そして核心の「美人は得をするか」の回答はむっちゃ短いページしかありませんw

しかし「顔」とはなにかを知ってゆくと、「美人は得をするか」の答えも、納得できます。

人にとって、顔はコミュニケーションの道具です。多くの哺乳類は顔を毛で覆われていますから、表情がほとんど見えません。代わりに、毛を逆立てたり、牙をむいたり、腹を出したり、全身を使って仲間とコミュニケーションを取ります。顔に毛がないヒトやサルの一部に、表情を持つものがいます。これらは、顔の〈表情〉を使ってコミュニケーションを取っています。

人は、顔に敏感です。それは、表情によるコミュニケーションを取っているからです。ですから、表情を使うのが上手い人がコミュニケーション上手で、にこやかな人が他人から好かれる人です。人から好かれる人は、知らない人とも仲間になりやすく、得をしやすい人です。すなわち、得をするかどうかは、表情の使い方にあります。

……というのが結論です。しかし!本書は結論に至るまでの道順が超面白い! ヒトにとって「顔」という部分はむちゃくちゃ、べらぼうに特別なものらしい。しかも「目」がすごく重要っぽい。目の錯覚を紹介する図もあり、読んでいて飽きない。

顔は特別なものらしい

人にとって「顔」はとても重要なものらしいのです。

赤ちゃんはまだ視力がよくないので、人の顔がぼんやりとしか見えていません。しかし、ぼんやりとした像でも我々は「微笑み」を見分けることができます。そして、赤ちゃんは人の「目」に興味を示します。よく見慣れた「目」には親しんでおり、知らない「目」には怯えます。目を識別できるようになる頃に人見知りが始まるんだそうです。

顔の白黒写真を、ネガにすると誰だか分かりにくくなります。しかし、目だけポジにすると、判別できます。反対に、ポジの写真で目だけネガにしても、誰かわかりにくいままです。どうやら、目は周りの色と関係なく「目」(白目と黒目)だけで認識してるようですね。

人物の写真の目と口のパーツだけ切り出し上下さかさまにし、さらにその写真を上下さかさまにすると、あまり違和感なく感じます(目と口は上下そのままだから)。しかし、正しい位置で見ると目と口が逆転しているのでとても気味の悪い写真です。このような顔に関する目の錯覚も多数紹介されており、見ていて楽しいし、とても不思議です。また、心霊写真の正体も、この辺りにあるのではないか?と触れられていました。

顔が特別なのは、顔のパーツを移動させても気づかないということです。顔以外のものは何かが移動すると違和感を覚え、どこが違うのか言い当てられます。しかし、顔だけ、パーツが多少変わってもわからない。反対に言えば顔のパーツが変わっても同じに見えるということ。これは整形手術をしても誰か分かることや、子どもが成長して大人の顔になっても誰か判別できることに通じています。

特徴のない顔=美人

美人とは、平均的な顔の人です。平均的であるということは、よく見慣れた顔ということです。まさに〈均整の取れた〉顔ですね。しかし〈よくある顔〉ですから、初対面でもなかなか印象に残らない顔とも言えます。美人な人は、人に覚えてもらいにくい顔。あるいは「あの人は美人だったわね」と覚えられていても、「平均的な顔ね」と言われているのと同じなので、やっぱり「顔」を覚えられているワケではないらしい。

確かに、思い浮かべてみて下さい。「きれいだなぁ」って思う女優さんや、すてきなアイドルや、大好きな役者さんたちは、確かに美男美女だけども、特徴がある気がします。〈クリクリと大きな目〉だったり、〈つんと尖った鼻先〉だったり、〈優しそうに見える二重まぶた〉だったり……どれも「特徴」なんですよね。人と違うから目を引くし、印象に残るし、特別に思えます。

美人で有名な人って、ただ美人なだけじゃなくって、にこやかで親しみやすかったり、コミュニケーションに長けているからこそ、みんなが好きな「有名人」になっちゃうんです。ここでいう「有名人」は、町の店員さんだったり、名物女将さんとかね。

ここでふと、「存在感のない人」「目立たない人」って、美人なのかもしれない……! た、確かに、印象的な人って、いろんな意味で目立つ人だものね……( ノД`)

美容整形より化粧が効果的

先に、顔のパーツは多少動かしても「同じ顔」と認識してしまうという話をしました。だからもし「別人のように」なりたいと思うならば、顔学的には美容整形はあまり効果がありません。細部は変わるかもしれないけど、「別人のように」とはいかないからです。コンプレックスを持っていたりすると、細部ばっかりが気になってしまうものですが、ヒトは「人の顔」を認識するとき、細かいところは見ておらず、全体で人物を特定し、表情を読み取っているそうです。

一方で、目の錯覚を利用する化粧の方が、顔を変えるに効果的だと言います。あさよるもこれは納得でした。あさよるは絵を描くのが好きで、お化粧も好きなので、錯視を使えば、顔のパーツの位置や大きさを調節できるハズ!と思い、錯視について調べたことがありましたw

「顔」について知ることは、「自分とは何か」を考えることなんだなぁと思いました。自分の顔は自分ですし、新しい自分になるときなにが変わるのだろう、とかね。いろんな人と関わっていく間に、いろんな表情ができるようになるといいのになぁ。

続きを読む

『サイコパス』|冷静で共感しない人たち

こんにちは。人間関係が上手くいかない あさよるです。力の入れ具合が分からなくなるんですよね。人前に出ると緊張するし……。今回、『サイコパス』を読んで、あさよるはサイコパス的特徴が全くないんだなぁと、ホッとするような、凡人認定されたような、遠い目になりました。

以前に中野信子さんの著書を読んで面白かったので(紹介したタイトルを最後にまとめています)、2016年末に発刊された『サイコパス』も読んでみたいと思いました。本書は、メディアでも宣伝なさっていたのを見聞きし、気になっていました。

本書の最後には、あなたのサイコパスチェックもついていています。

定義がなされていない

まず本書『サイコパス』では、「サイコパス」とは何かと定義がなされていません。“サイコパス的特徴”を持つとされる人物の実例が紹介され、身の毛もよだつ残忍な犯罪(殺人)を顔色一つ変えず冷淡にやってのけます。彼らには能力が高い者もおり、警察の疑いを涼しい顔でやり過ごす度胸や、犯行がバレないような工夫がなされています。「サイコパス」のイメージ通りの様子が描写されます。

ただ、具体的な「サイコパス」の定義がなされていませんから、“イメージ”に留まります。

あさよる的には、定義され型にハマったものではなく、「サイコパス」という傾向や特徴を持っている人がいる、という解釈なのかな?と思います。

「サイコパス」の傾向や特徴

本書の中で紹介される「サイコパス」的特徴とは、こんな感じでしょうか。

他人に共感せず、冷淡である。これは人の目を気にせず、冷静に自分の損得で行動できるともいう。普通の人たちは、例え自分の損になると分かっていても、他人からの理不尽な扱いをされると腹を立て、自ら損を選択することがある。しかし、サイコパス的な人たちは、他人からの仕打ちに関係なく、自分の得な方を選ぶ。

残忍な行為を平然とやってのける人は、もともと心拍数が低く、心拍数が上がりにくい特徴がある。女性より男性の方が乱暴なことが多いのは、女性より男性の方が心拍数が低いからだという学者もいる。

サイコパスは男性に多いイメージがあるが、女性のサイコパスもいる。女性のサイコパスの場合は女性の「か弱さ」や「清純さ」でもって、男性を捕まえる場合がある。

また、普通の人から見ると、サイコパスは魅力的に見える場合が多い。口が上手く、堂々としており、常識を超えた発言をするため、知的に見える場合もある。

利口なサイコパスと、そうでないサイコパス

サイコパスの中にも、頭の良いものとそうでない者がいる。反社会的な行為に及んだとき、頭のよいサイコパスは警察に捕まらないように行動する。上手いことやるのだ。反対に、下手をするサイコパスが捕まったり、あるいは精神病院で治療を受けることになる。本書のような「サイコパス」を扱う資料に登場するサイコパスたちは、下手をしたサイコパスである。

上手いことやっている頭の良いサイコパスを集めることができないので、統計が取れない。頭のよいサイコパスだと思われる人物の代表はスティーブジョブズ。彼はサイコパス的言動が語り継がれている。

サイコパスたち全員が悪人であるのではなく、前人未到のチャレンジに冷静に挑める、人類の飛躍に欠かせない要素を持っている人たちでもある。

肉体的な違いはあるのか?

サイコパスとは、後天的な要因なのか、生まれながらの違いがあるのだろうか。

本書の著書・中野信子さんは脳科学者なので、サイコパスの脳に注目している。どうやら、サイコパス的な人物の脳には特徴が見られるようで、恐怖を感じにくく、共感をしにくい脳をしている。人の身体が傷つく痛々しい画像を見ても、冷静にいられるらしい。

また、多くの人は、人の目だけを見てその人の感情を想像するのは難しい。しかし、サイコパスは少ない情報でも相手の感情を言い当てる。彼らは共感はしないけれど、人の感情を外側から理解できる。それ故に、普通の人たちから見ると、サイコパスは魅力的だったり、愛嬌があるように見える。

共感しない脳を持ちチームの輪を乱す者は、人類の歴史の中では淘汰されてきたのではないか。しかし、革命家や独裁者など、人類の歴史の中にサイコパスはいたのではないか。

あなたの周りのサイコパス

はてさて、サイコパスの定義が分からないまま読み進めてきましたので、漠然として想像しにくいのですが、〈第5章 現代に生きるサイコパス〉を読むと「ああ、そういう人いるかもなぁw」と思えます。

例に挙げられているのが、「プレゼン能力だけ異常に高い人」。向いている職業に就けば、すごくイイ能力に思えます。肩書きが有効だと知っているサイコパスは、華麗な肩書きを名乗っている場合もあります。他人の心を揺さぶり、コントロールするのが上手いブラック企業の経営者、ママ友のボス。炎上ブロガーやオタサーの姫も名を連ねています。

詳しいことは個別に見ないとわからないんじゃないかと思うのですが、確かに「どうかしてる」「なんでそうなるの?」というような人や、コミュニティがあるのも分かります。

抽象的で、上手く話を掴めなかったorz

中野信子さんの新しい書籍で(2016年11月初版)楽しみにしていたのですが、想像以上に抽象的な話題が多く、著者の言わんとしていることを上手く掴めませんでした……難しい>< 少なくとも脳科学についてと、そして心理学についてある程度知っておかないと難しいのかも。

現在のサイコパスの実例は、少し身近に感じましたが、実例を想像すると嫌な気持ちになるので、辛かったですw

最後に、要するにサイコパスって、こういうことか?w

あさよるネットで紹介した中野信子さんの本

『あなたの脳のしつけ方』

『あなたの脳のしつけ方』|モテも運も努力も脳次第?

『脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体』

『脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体』|誰もがドーパミン依存!?

続きを読む

『メンタリズム 恋愛の絶対法則』|メンタリズムで恋も攻略できる?

こんにちは。メンタリストGaiGoさんに、軽くファンになりそうな あさよるです。きっかけは、当あさよるネットでDaiGoさんの書籍を紹介したことから始まります。中でも『人を操る禁断の文章術』は、使っております(^^♪

なんでアイツばっかり人気者?|『人を操る禁断の文章術』

で、メンタリストDaiGoさんってどんな人なの?とYouTubeチャンネルを見始めまして、結構砕けた雰囲気とか、若干オタク入ってる喋り方とか、親しみを感じましたw

そして、他の本を読んでみようと。前から気になっていた『メンタリズム 恋愛の絶対法則』という、恋愛本を手に取ったのでありました!恋愛もメンタリズムで攻略!?

自己分析から攻略法を!

まず、〈メンタリズム恋愛チェック〉から始めます。

  • 「あなた」はどんな人ですか?
  • 「あなたが求める相手」はどんな人ですか?

それぞれ20個、箇条書きで挙げましょう。20個、多いですよ。あさよるもさっそく、コピー用紙に20の項目を書き出してみました。

若干ピンボケしてるんですが、大したこと書いてないのでお許しを…(;´∀`)>

これね、ほんとに20挙げるの難しいんですよね。まず〈「あなた」が求めるのはどんな人〉から埋めてゆきました。最初に「メガネ」とか分けわからんことを書いてますが(メガネ男子好き)、後は結構ガチな条件が挙げられたんじゃなかろうか。

〈「あなた」はどんな人ですか?〉も難しいですね。自分のことって客観視できないや。

自己チェックの仕方

この20の項目は、順番に意味があります。

まず〈「あなた」はどんな人ですか?〉の1~10に書いたことは、誰もがわかる自分のこと。つまり「こういう風に見られたいな」と振る舞っていること。「偽りの自分」とも言えるそう。

11~15までが、自分の意識化された要求。深層心理、自分を表現する言葉。

そして16~20は、最後に絞りだした「無意識の欲求」「抑圧された悩み」だそう。自分の意識下にある本質を表します(確かに、“猫派”は本質である)。

11~20にネガティブな項目が多いなら、意識して明るい印象をを相手に与えないと、暗い人に思われてしまいます。16~20の深層心理で、自分を褒めることばかり書いている人は、もっと人から褒められたい願望があるのかもしれません。

こうやって〈自分を客観視〉することが重要です。恋愛はなおのこと、個人と個人の関わりですから、自分の言を知っておく必要があるんですね。

理想の相手チェック

〈「あなたの求める人」はどんな人?〉は、過去の恋愛、現在の恋愛と照らし合わせながら見てゆきます。理想の恋とこれまでの恋を振り返り、矛盾や一致/不一致があるか見ます。恋愛がうまくいかなかった人は、理想と大きくかけ離れているのかも。あるいは過去の恋愛に囚われている?

さらに、どの感覚に由来する項目が多いか数えます。ヴィジュアルに関することが多い?音や声に関する聴覚情報が多い?それとも、感覚的なもの(例:サラサラな髪、もちもちの肌、~な感じ)が多い?これで、自分がどの感覚情報を重視しているかわかります。

これは、「NLP」と呼ばれる表象体型です。あさよるネットでも、NLPに関する本を紹介しました。

NLPってなに?『脳と言葉を上手に使う NLPの教科書』

異性とコミュニケーション取れる前提

本書『メンタリズム 恋愛の絶対法則』は、前提として、異性間のコミュニケーションが普通に取れることが前提です。だから「気になる男子と話せない!」とか「女性に話しかけられない!」という人向けではありません。

さらに、過去に異性とつき合った経験のある人が、より想定された読者像なのかな?と想像します。まるで全く初心者への恋愛指南書ではなく、大人の社会人が、これまである程度、異性とも関わりながらやってきて、素敵で魅力的な異性にアプローチをするための本かなぁと思います。

なので、結構ガチといいますか、なんかリアルに「いけそう」な雰囲気がありますw

ネタとして恋愛本で面白かったのは、やっぱ水野愛也こと、水野敬也さんの本ですね。これはノリと勢いで突っ走る感じだったので、水野さんと比べると、メンタリストDaiGoさんのノウハウな、なんか生々しいw

『「美女と野獣」の野獣になる方法』|LOVE理論の文庫版

↓『「美女と野獣」の野獣になる方法』の単行本版です。テレビドラマ化され、kindle版もあるのはコッチ

『スパルタ婚活塾』|軽く見られたくない、けど重い女にもならない方法

成功のイメトレしてるみたい

本書『メンタリズム 恋愛の絶対法則』では、出会いから相手を“落とす”までの感をシミュレートしながら、会話や行動の意味をチェックしてゆきます。これが、まるで自分が他愛もない会話から相手の心をつかむまでのプロセスを一緒にシミュレーションしているようで面白かったです。

しかも、メンタリストDaiGoさんが指導しつつのシミュレーションなわけですから、心強い上に、何と言っても〈成功〉のパターンが知れるんです!何事も成功体験って必要ですから、こんな風に成功のイメトレができるのは、なんかGaiGoさんっぽいなぁと思いました(^^♪

まぁ、書いてあることは「セルフタッチせよ」とか「パーソナルスペースを意識せよ」とか、多くの恋愛本やネットでも語られることですが、それらをメンタリズムの観点から整理して語られてるのも、GaiGoさんだなぁと。

恋愛テクニックも「勝つための戦略」ってノリが好きでした(^^v

続きを読む

『嫌われる勇気』|やらないための“言い訳”を作ってた…だと?

こんにちは。人に嫌われたくない あさよるです。豆腐メンタルなんですよね~。傷つきたくないから、人と関わりたくないを地で行く人です。

さて『嫌われる勇気』です。タイトルからしてとんでもありませんね(;´Д`)

あさよるも以前『嫌われる勇気』を読んだことがあったのですが、また最近本のランキングで上がっているぽいので再読してみました。

ちなみに『嫌われる勇気』は、今年(2017年)にテレビドラマ化されていたそうですね。全然本のイメージとは違うので、どんな内容だったのかなぁ。

ああ!なんだか、感動した!

本書『嫌われる勇気』は、血気盛んな「青年」と「哲人」の二人の対話で物語が進みます。

 かつて1000年の都と謳われた古都のはずれに、世界はどこまでもシンプルであり、人は今日からでも幸せになれる、と説く哲学者が住んでいた。納得のいかない青年は、哲学者のもとを訪ね、その真意を問いただそうとしていた。悩み多き彼の目には、世界は矛盾に満ちた混沌としか映らず、ましてや幸福などありえなかった。

p.1

青年は家族との確執と、自らへの劣等感を抱えており、哲人の話に反発します。

哲人は言います。世界はシンプルであり、誰でも幸せになることができる。劣等感を感じるのは、過去の経験がそうさせるのではなく、現在の自分が自分のために劣等感を生み出しているだけだ、と。

引きこもりの男性は、過去の経験によってひきこもりに陥っているのではなく、外に出たくない理由として「ひきこもり」を生み出しているのです。

あさよるは、「花粉症だから仕事が手につかない」のではなく、「仕事に手につけたくないから、花粉症になっている」ということか!?どういうことだ!!

あさよるも“青年”と同じく、哲人の話は信じられません。だってまるで、“やらない言い訳”のために様々な事例が引き起こされているようじゃないか!!ほんとに苦しんでいる人だっているんだぞ!青年は苛立ちや怒りを哲人にぶつけ、論破し化けの皮を剝いでやろうと躍起。哲人との対話により、青年の抱える問題も浮き彫りになってゆきます。

「苦しみ」と「幸せ」は相反するものか

青年は自意識、劣等感、嫉妬など、自らの感情により苦しみの中にいます。

読了後、ふと あさよるは思うのです。苦しみの中にいることと、幸不幸は別の話ではないか。そう、どんな状況であろうとも幸福である人はいるでしょうし、また快楽の世界にいたといても不幸な人もいるのではないのか?自分が置かれている場所と、自分の幸不幸は直接的な関係がないのでしょう。

自分を満たすもの

他人の評価が気になってしかたがない人がいます。それは、自分の価値を他人に預けていることです。

アドラー心理学は、評価の基準を自分です。しかも「今」の自分。だから、他人の評価を気にして怒ったり、凹んだり、委縮して落ち込むこともありません。

そして、自分自身を満たすものは「他者貢献」。これだけです。他者貢献とは、自分が人の役に立って充実感を得ることです。くれぐれも、他人が喜ぶことを目的とするのではなく(それでは、評価の基準が他人になる)、あくまで自分が「他者貢献」し、人の役に立つことで、自分が満たされるのです。

「今」しか見ない!

アドラー心理学は「今」しか見ません。

過去のトラウマや、辛い経験から、今の状態が引き起こされたのではないのです。あくまで「今」自分は何かの目的のために振る舞います。

これって、辛い経験を持っている人を蔑ろにしてるんじゃないか!と思いませんか?でも違うんですね。「今」しかない、ということは、どんなに過去辛い思いをしても、「今」幸せになれるんです。

フロイト的な過去の経験が今の心理状態を生み出しているという考えは、過去にトラウマを持っている人は一生それを引きずって生きます。それはとても悲しい人生です。

しかし、アドラー心理学では、過去がどんなに辛くとも、「今」幸せになれます。例え過去に病気をしても、怪我をしても、体が不自由になっても、「今」幸せに生きれるんです。希望に満ち溢れた心理学なのです。

「気の持ちよう」ってことなのか!?

『嫌われる勇気』の作中で、青年は哲人に対し怒る怒る!

最後は哲人に言いくるめられ、納得したかのように帰ってゆくのですが、後日怒鳴り込んできたりします(苦笑)。血気盛んな青年を可愛らしくも感じるでしょうか。それとも、青年と同じように怒りを感じる人も少なくないのでは?

あさよるも混乱しながらページをめくり続けました。読了後は高揚感と同時に、どうしてよいのか分からないフラストレーションが残りました。

それは、自分が“振り下ろすために”振り上げた腕の存在に気づいてしまったのかもしれません。他人によって「腕を上げさせられた」と思っていたかったのに、やり場のない自分がいるような……。

この「心理学」とやら。どう扱えばいいのやら。「気の持ちよう」としておいてよいものか。しかし……

入れかえる“視点”を持っているコト

心理学をどう扱ってよいのやら分からないのですが、自分の見えている世界というのは、どう向き合うのかによって随分と様子を変えるようです。

アドラー心理学がどのような位置づけのものなのか分からないのですが、パチパチとチャンネルを変えて、視点を変えて今の自分を俯瞰できると随分良いだろうと感じました。

あさよるは、過去の経験が未来永劫影響を及ぼすという考え方よりも、「今」の自分が今の自分を作る方が、ずっと救いがあるし、希望を感じます。

ちょっと考えをパチッと変えるだけで、何もかもが違って見えるってオモロー!

「アドラー心理学」へ進もう

『嫌われる勇気』を読んで、もうちょと「アドラー心理学」について知ってみたいと思いました。そのためには心理学についても少しは勉強した方がよさそうです。正直、「心理学」、なんか胡散臭いなぁ~と心のどこかで思っているのも事実です(苦笑)。

その“怪しむ視線”は、あさよる自身が無知であることに由来しているのは間違いありません。ちょっとずつ、近づきたい^^

あさよるネットで紹介した「心理学」関連本

本当にわかる心理学

フシギなくらい見えてくる!本当にわかる 心理学

ジョハリの窓

『ジョハリの窓―人間関係がよくなる心の法則』を読んだよ

人生がときめく片づけの魔法

『人生がときめく片づけの魔法』を読んだよ

人生がときめく片づけの魔法2

『人生がときめく片づけの魔法2』を読んだよ

自分の小さな「箱」から脱出する方法

『自分の小さな「箱」から脱出する方法』|リーダシップと自己欺瞞。本音で生きろ!

2日で人生が変わる「箱」の法則

『2日で人生が変わる「箱」の法則』|ひっかきまわしているのは…自分!

人の2倍ほめる本

『人の2倍ほめる本』|「ほめる」もコミュニケーション

平気でうそをつく人たち

『平気でうそをつく人たち―虚偽と邪悪の心理学』

続きを読む

『「若作りうつ」社会』|いつまでも「愛され」「モテ」でいたい

こんにちは。放送中のドラマ『東京タラレバ娘』を見て、胸が痛い あさよるです。

主演の吉高由里子ちゃんも、榮倉奈々ちゃんも大島優子ちゃんも、むちゃくちゃかわいいのは言うまでもありませんが、劇中の三人は「ゼツミョーに超ウザッwww」とニヤニヤ見てたんですよ。なーんか痛々しいんですよねー。意識高い系っていううか~。

すると第一話の終盤、金髪のイケメソくんから「30過ぎて女の子じゃない」と言われて、ショックを受ける三人。そしてショックを受けるあさよる……

―( ̄∇ ̄;)→グサッ!!!

先日読んだ熊代亨さんの『「若作りうつ」社会』を思い出しました。彼女らは、女の子の世界から抜け出して、大人の女性になれるのでしょうか!?ドキドキ

年の取り方がわからない

『「若作りうつ」社会』の冒頭で、精神科医の著者・熊代亨さんの元へやってきた患者さんのエピソードから始まります。

Cさんは仕事と子育てをソツなくこなす女性で、合間には趣味も楽しみ、社内で尊敬を集める人でした。しかし、ある時から睡眠や食事がうまく取れなくなり、心療内科で「うつ病」と診断されました。

治療により病状は改善しましたが、彼女は納得しません。朝から晩までスケジュールが詰まった、エネルギッシュで充実した“元の生活”に戻られないからです。

「若い頃と同じように頑張りたい」と主張し、自身の加齢を受け入れることに抵抗を感じています。

「老いを受け入れられない」

アンチエイジングがトレンドの21世紀。多くの人が抱えている問題です。

世代が分断された社会

かつての日本社会は、良くも悪くも様々な世代が関わり合って生きていました。

監視し合い、古い風習や価値観に支配された生活であった一方で、生まれる人、老いる人、病気になる人、死ぬ人。人間のさまざまなステージの人々が一つのコミュニティに交じり合っていました。

現代は、地域社会や因習から解放された一方で、孤立した世帯は、他の世代と隔絶されてしまいました。

「年の取り方がわからない」とは、自分たちの先を行く人々を見失ってしまった世界です。

70代に差し掛かる団塊世代も、自らを「老人」とは感じていません。いつまでも若々しく、老いのない世界は夢のような世界ですが、残念ながら存在しない世界です。

現実と願望のギャップにより、じわじわと苦しむのが現在人なのかもしれません。

誰も何も言わなくなった

アンチエイジングは超人気です。テレビをつければ次から次へと健康食品のコマーシャルばかり。

何を口にするのも人の勝手ですが、それにしても、買う人がいるからテレビで宣伝してるんですよねぇ……。

と、「人の勝手」というのも、現在人が陥っている落とし穴になっています。

赤の他人である友人知人が、怪しいげなものにハマっていても「人それぞれだし」「人の自由だし」と積極的には口出ししません。

ムラ社会的な相互監視の世界から抜け出した我々は、気軽になった半面に、間違った方へ進もうとしても誰も引き留めてはくれなくなりました。自由と責任、両方を手に入れたんですね。

本書『「若返りうつ」社会』の「第二章 誰も何も言わなくなった」は静かにゾツとする話でした。

父親不在の社会

「年の取り方がわからない」社会は、「モテ」が力を持つ社会です。

小さな子どもは、一人で生きてゆけませんから、大人から「愛され」ることで生存率を確保できます。ここでいう「愛され」とは、容姿が優れていたり、コミュニケーション能力が高いことです。

簡単に言やぁ、かわいらしい、愛らしい子どもが可愛がられるという、身もふたもない話なんすが……(;´・ω・)

かつてのムラ社会では、多少コミュニケーション能力が低い子も「みんなの子ども」「社会の子ども」という認識がありましたから、なんとかやっていけました。

しかし、現在は個人と社会が遮断されていますから、生まれ持ったかわいらしさ(容姿)か、コミュニケーション能力がないと、かわいい子どもになれません。

いつまでも「愛され」たい

そして、年の取り方を忘れた社会は、大人たちもいつまで経っても子どもの世界にいます。容姿が優れ、コミュニケーション能力の高い「愛され」「モテ」こそが社会を生き抜く力なのです。

……なんか自分で書いてて冷や汗しか出ないんだけど(;’∀’)

で、自分の「愛され」「モテ」要素を受け入れてくれる「母性」を求めている。

一方で、現在は父性不在の社会でもあります。

戦後の経済成長とともに、父親は朝早くにはるばる遠くへ出勤し、夜遅くに帰宅する、家庭にいない人物になりました。子どもから見ると、父親が毎日なにをやっているのか分かりません。

「仕事をしている」「働いている」とは言っても、具体的に何をしているのか分かりません。実際に育て、養育してくれるのが母親ですから、母性が力を持つのも頷けます。

社会の構造が変わったことで、家庭内の形まで変わり続けています。そして、新しい社会像、家族像をなかなか描けず、終わらない子ども時代を過ごしているのが現代なのかもしれません。

……って、エヴァンゲリオンみたいな話やないか!

(「第三章 サブカルチャーと年の取り方」は、オタクと年を取れない我々のお話で、他人事とは思えません)

「老い」と「死」をどう受け入れる

「年の取り方がわからない」世界は、「老い」と「死」のない世界です。

しかし、実際に現実には我々人間は日々刻刻と年を取り、老い、死に近づいてます。観念世界と現実世界の隔たりこそが、苦しみや、居心地の悪さを生んでいるように思いました。

個人的な話ですが、あさよるの祖父母はみな早く他界していて「老人」というものを知りません。

街中で出会う高齢世代の人たちは、みなさんハツラツとしてらして、元気いっぱいで何度目かの青春を謳歌しているように見えます。または、まだまだ現役世代バリに働く人たちばかりです。

これから両親も老いてゆくのでしょうが、「老いた人」を側で見たことがありませんから、「老人」がどのようなものか、あさよるにはロールモデルがありません。それは、自分自身が老いてゆくイメージがないことです。

あさよるもまた、現在人の一員として自らの「老い」や「死」を持っていない一人なのでしょう。

続きを読む

『人の2倍ほめる本』|「ほめる」もコミュニケーション

こんにちは。人にほめられるのが苦手な あさよるです。

ほめてもらえるだけ嬉しいことなのでしょうか、素直に喜べないのが本音です。

「そんなんじゃないのに……」「私のこと、そんな風に思ってるんだ……」とネガティブに捉えてしまうのです(;´∀`)

一度、ほめる側の心理も知ってみたいなぁと、『人の2倍ほめる本』を手に取りました。

「ほめ方」のバリエーションがすごい

『人の2倍ほめる本』、タイトル通り人のほめ方がこれでもか!と紹介されています。

それは、「○○さんっていい人ですね」なんて普通の文言から、コンプレックスにあえて触れてからの~ほめ方とか、レベル高い!w

しかも、仕事でもプライベートでも、どんなシチュエーション、どんな相手にも使えるような、汎用性のあるものなんですよね。

バリエーションについては、下にある目次情報を参照していただけるとわかりやすいかと。

「ほめる」はコミュニケーションなんだ!

『人の2倍ほめる本』を読んで、「ほめる」ってコミュニケーションの一種何だなぁと実感しました。

「あなたを信じています」「あなたに好感を持ってます」「応援しています」などなど、ポジティブな感情を相手に持っていることを示す方法。

それが、ほめること。

しかも、サラッとスマートに好意や期待を伝える手段としての「ほめ」。めっちゃかっこいい!

もちろん逆に、媚びへつらったり、おべっちゃらを並べるのはダサいですよ。それは「ほめる」ではないのだなぁと思いました。

あくまで、本心を伝えるバリエーションの中に「ほめる」がある。心にもないことを言うのは「ほめる」じゃない(^^♪

「ほめられ下手」さんも参考に^^

あさよる、ほめるのが下手なタイプですが、ほめられるのも苦手です(;´∀`)

自分が絶対的に自信満々のことを褒められると「でしょ^^」と言えるのですが、そうでないことを褒められるとオドオドしてしまったり、反対にイラッとしてしまいます。

……はい、自分勝手です(-_-;)(-_-;)

あさよるには「ほめる」はコミュニケーションであるという視点が全く抜け落ちていました。自分の欲求ばっかりでした……。

『人の2倍ほめる本』を通じて、人をほめる側の考えや心理に触れ、「ほめる」という手段を通じて、何をなそうとしているのかを知りました。

「ほめる」と「ほめられる」は双方向なものなんです。

あさよるは、一方的な「ほめられたい」しかなかったので、「ほめる」も「ほめられる」も苦手なんだなぁと感じました。

読んでて気持ちがいい(^^♪

それにしても『人の2倍ほめる本』は、読んでいても非常に気持ちのいい本です。

あさよるが最近、気持ちが重くなる本を続けて読んでいたせいもありますw(※)

人を「ほめる」のも「ほめられる」のもポジティブなコミュニケーションだし、それを見ているだけでも、さわやか。

本の中の、例を見てるだけでいい気持ちになれるとは、「ほめる」パワーすごい。

(※) 最近読んで気が重くなった本w (興味深い本ですよ)

『他人を攻撃せずにはいられない人』|支配欲と全能感の共依存

『平気でうそをつく人たち―虚偽と邪悪の心理学』

続きを読む

『他人を攻撃せずにはいられない人』|支配欲と全能感の共依存

『他人を攻撃せずにはいられない人』なんともインパクトのあるタイトルです。

“他人を攻撃せずにはいられない人”は、自分の失敗や落ち度さえも、他人に責任転嫁し、攻撃のネタにする。

なにを言っても理屈にもならない理屈で、相手を責め、相手の自尊心や自信をそいでゆきます。

“他人を攻撃せずにはいられない人”のターゲットにされると、以下のようなことが起こります。

1 急に気力がなくなることがある
2 しばしば、罪悪感にさいなまれたり、不信感が募ったりする
3 突然、もうダメだと自信をなくすことがある
4 ときどき、エネルギーがなくなったように感じる
5 反論や反撃をしても、ムダだと思う
6 あの人は、何かにつけて私をけなすので、落ち込む
7 あの人の感情を動かしたり、考えを変えさせたりすることはできないと思う
8 あの人のやっていることは、言っていることと随分違うように感じる
9 あの人の言うことには、曖昧さがあり、どう受け止めたらいいのか困惑する
10 あの人がいると、心身の不調を感じることが多い
(中略)
その場合、一人で悩んでいないで、他の誰かに相談して、助言や助けを求めたほうがいい。自分自身が渦中にいると見えにくいことでも、外から第三者として観察している人にははっきり見えることがあるからである。

『他人を攻撃せずにはいられない人』p.61-62

さらに、職場に“他人を攻撃せずにはいられない人”がいると、職場の雰囲気が悪くなります。

揉め事や不和が増え、病気や事故が増加します。沈滞ムードが蔓延し、全員が疲弊してしまいます。

こんな状況では、どんどん売り上げや成績も落ちてゆきます。すると、“他人を攻撃せずにはいられない人”はその責任を更に他人に擦り付けます。

「お前が悪い」「お前が無能だから」と、更に煽り立てるのです。

するとますます雰囲気が悪くなり……と、負の連鎖が始まります。

待ちかまえるのは、破滅

“他人を攻撃せずにはいられない人”は、あることないこと難癖をつけて、人を糾弾し、委縮させ、思いのままに他人を動かそうとします。

嫌がらせを繰り返し、脅し、人を意のままに動かす「全能感」を感じています。他者を「支配」したい。

それは破滅的な欲求です。そんなこと繰り返していれば、人望を失い、優秀な人から去ってゆきます。待ちかまえているのは「破滅」。

しかし、「破滅」へ突き進もうとも、“他人を攻撃せずにはいられない”。その心理ってなんだ?

やられる側の「全能感」

“他人を攻撃せずにはいられない人”は、攻撃対象が決まっています。

ターゲットになる人は、おとなしく、「他者の欲求」を満たそうとする人です。人を満足させたい、人から評価されたい、認められたいとの願望につけ込まれるのです。

「他者の欲望」を満たそうとする傾向が強いのは、一体どんな人か?(中略)
1 愛情欲求が強く、相手を喜ばせたい、気に入られたいという願望が強い
2 承認欲求が強く、常に周囲から認められたいと望んでいる
3 依存欲求が強く、自立への不安を抱えている
4 不和や葛藤への恐怖が強く、対決や直面をできるだけ避けようとする
5 自分に自信がなく、なかなか断れない
6 いつも他人に合わせてしまうので、自分の意見を言うのは苦手である
7 自分が決め手責任を負うようなことになるよりも、他の誰かに決めてほしい

『他人を攻撃せずにはいられない人』p.161-162

自己の欲求を満たそうと“他人を攻撃せずにはいられない人”と、他者の欲求を満たしたい被害者が出会ったとき、攻撃はエスカレートし、破滅に至るまでやみません。

自己の欲求を満たしたい人 × 他者の欲求を満たしたい人 の間で、ギブアンドテイクが成り立ってしまうという悲惨な結果……。

「他者の欲求」を満たしたい人は、自分の影響力を過信しています。

人はそんなに大きな力は持っていません。たとえ自分ひとりが我慢しようと、誠心誠意接しようと、“他人を攻撃せずにはいられない人”の人間性を変えることなどできないのです。

なのに、不可能な幻想を持っている人物が、“他人を攻撃せずにはいられない人”にとって“良い鴨”になっている。

もちろん、「他者の欲求」は誰でも持っていて、持っていて当然のものです。大切なのは程度の問題。ですから尚更、見極めるのがややこしい。

起こっているのは「共依存」と同じ?

人を攻撃することで自己の欲求を満たす人。他者の欲求を満たすことで承認欲求が満たされる人。

二人が出会ってしまうと、共依存のような関係に陥ってしまいます。お互いにとって、相手が欲求を満たすために必要な相手になってしまうのです。

本書内でも、たとえ話として家庭内のDVや虐待に触れられていました。

アルコール中毒から抜け出せない人は、多くの場合、酒代を提供する出資者がいるそうです。

親や配偶者が、言われるがままにお金を出してしまうことで、ますます依存症から抜け出せない、負の連鎖が起こってしまうのです。

“他人を攻撃せずにはいられない人”も、ターゲットがそれを許すことで加速してしまいます。負の連鎖を断ち切ることが必要です。

他人を攻撃せずにいられない人に出会ったら

“他人を攻撃せずにはいられない人”からターゲットにされてしまったら、とにかく逃げる!

これしかない!

「話せばわかる」「我慢すればいい」「いつか認めてくれる」なんて、幻想でしかありません。誰も、他人の人間性を変えてしまえるような影響力なんて持っていないのです。逃げましょう。

しかし、「逃げる」という行為に後ろめたさを感じる人もいるかもしれません。それは“他人を攻撃せずにはいられない人”は、ターゲットの罪悪感を煽るのが上手いからです。

「あなたが逆らうから、夫婦仲が上手くいかないんだ」「お前の作った資料が悪いから失敗したんだ」

どんなことも他人のせいで、「お前が悪い」と責任転嫁をするのです。

そんなの難癖!きっぱりと毅然とした態度を取って構いません。

付け込ませない対策を!

“他人を攻撃せずにはいられない人”、いますよね。そういう人。自分がその攻撃対象にさてはたまりません。

その対処法を知るために、まずは“他人を攻撃せずにはいられない人”の特徴と、そして彼らのターゲットになる人の思考を観察する必要があります。

そして、どうやら、彼らのあいだにはなんとも歪なギブアンドテイクが成り立ってしまうという、悲劇が起こっているようです。

しかも、その“芽”は誰もが持っています。「承認欲求」はみんなが持っているものですし、あるべきものです。

人の弱みに巧みに付け込む。“他人を攻撃せずにはいられない人”について、知っておくだけでも今後の対処法の幅が広がるように思います。

続きを読む

『平気でうそをつく人たち―虚偽と邪悪の心理学』

こんにちは。「読書っていいですよね(#^^#)」ってしみじみ言いたい あさよるですが、やっぱね、たまにね、嫌な気持ちになる読書ってのもありまして。

この『平気でうそをつく人たち』もその類だったなぁ、と。

本書が悪い本って訳ではなくって、自分の過去の嫌な記憶を呼び覚ますものでした。

それは自分自身に起こったこともあるし、仲の良かった友人や仲間が苦しむ、嫌な話でもあります。

自分のどうにもならない話。友人がどうもしようとしない苛立ち。「どこに持って言っていいかわからない気持ち」とでも言いましょうか。

こういう人いるよね~

本書『平気でうそとつく人たち』では、欺瞞に満ちたうそつき達が次々登場します。

長男が拳銃自殺で使った銃を、次男へクリスマスプレゼントする両親。

息子を追い詰め、パフォーマンスとして息子を精神科医に見せる親。うそをついているのは親なのに、うそを認めるくらいなら、息子を生まれながらの障害を負っていると主張する。

母親からプライバシーを奪われ、口を閉ざす娘。

性に奔放な女性が、自分のコピーとして娘も奔放に振る舞わせる母。そして、その母から離れられない娘。

自信のないだらしない夫と、夫からすべての自信を奪ってゆく妻。

すべての話はセンセーショナルな話題ですが、でも、そういう人っているよね……と感じます。

共依存している夫婦や親子、よその家族感の人間模様は理解しがたいものがあります。

目に見える暴力や窃盗等は起こらずとも、「あれ?なんか変だぞ?」とゾッとすることありませんか?

 邪悪な人間とは、こんな人である――

●どんな町にも住んでいる、ごく普通の人。
●自分には欠点がないと思い込んでいる。
●異常に意志が強い。
●罪悪感や自責の念に耐えることを絶対的に拒否する。
●他者をスケープゴートにして、責任を転嫁する。
●体面や世間体のためには人並み以上に努力する。
●他人に善人だと思われることを強く望む。

『平気でうそをつく人たち』カバー

話が、わかりにくっ!

精神科の開業医である著者が、自身の経験の具体例を紹介しつつ、話は進みます。

「ああ、こういうのあるよね~」とか「いや、さすがにこれはないやろ」と突っ込みながら、読むのは楽しいのですが……うーん。

アメリカの開業医である著者の話ですから、キリスト教の考えが話の前提としてあるんですね。

絶対的な「真理」が存在していて、人々はそこから外れた行いを繰り返している。欺瞞のためにうそをつく邪悪な人々。

邪悪で悪魔に魅入られた人々を、科学的にアプローチできないのかと模索がなされているようです。しかし……

“悪魔”に付け込まれた人々の、“悔い改め”は宗教者の仕事では?という素朴な疑問。

医学的アプローチと、心理学の話、そして信仰の話がごちゃごちゃと入り混じっており、ヒジョーにややこしい!

人情?欺瞞?悪魔?

平気でうそをつく人たちは、ナルシズムを守るためにうそをつきます。そのためには、我が子を病院送りにしたり、不道徳な行いに手を染めるまで追い詰めます。

中には、読んでいるだけで胸糞悪い話もあるものの、概ね、誰もが出合ったことのあるような話でもあります。

むしろ、自らの欺瞞のために他者を悪者にする行為は誰もがやっていることかもしれません。少なくとも あさよるは自分のためにうそをつくことがあったと思います。

ただ、厄介なのは、この手の人々(あさよる含む)は、うそをついていることに、本人が気づいていない。むしろ、自分のことを、正しい行いをする品行方正な人物だと信じている。

あるいは、可哀想な境遇に置かれているのが自分であって、悪いのは他者や社会だと思っている。そして、助かる気がない。

……こんな話、誰だってあると思いませんか?多かれ少なかれ。

一体だれが悪いんだ!?

『平気でうそをつく人たち』は悩ましい書物です。

一見、善人に見える人物の“悪”を見ぬき、科学的に悔い改めさせようという試み。それは一見、正しい行いに思えます。

本書内では、著書は根気強く辛抱強くクライアントに向き合います。

しかし、また著書だって不完全な人間である以上、自分のためのうそをつくでしょう、真理の名のもとに。

じゃあ、一体誰が悪なんだ!?

…「全員悪だ」というのがオチなのかなぁと思いつつ、日本人でかつ関西人である あさよる的には「人情ですなぁ」と言いたいところですが、いかがでしょう。

でもなー、ほんとにこんな話を見聞きすることがあるし、どうにもならないことが歯がゆく思う。アメリカでは一応でも、家族が精神科にかかるんだから、すごいなぁ。

続きを読む

『メンタリストDaiGoの心を強くする300の言葉』|自分を動かすメンタリズム

メンタリストDaiGoさんの本が読みやすくて面白かったので、再び同著者の本を手に取りました。

以前に読んだのは『人を操る禁断の文章術』。「メンタリスト」ってなんぞや?と思っていましたが、人を動かすテクニックが紹介されていて、オーソドックスな手法なのに、「見せ方」次第で面白くなるんだなぁと思いました。

“自分を”動かすテクニック!?

今回手に取った『メンタリストDaiGoの心を強くする300の言葉』は、読者である自分の心が動かされる内容。

と言っても、DaiGoさんがTwitterアカウントに投稿しておられる、前向きになれる言葉集です。ですから、Twitterをフォローするだけでも十分、前向きな言葉に触れられます。

他人を動かすメンタリズム……ではなかった(^_^;)

メンタリストDaiGoさんと言えば、やっぱりマジックのように人を操るメンタリズムを期待してしまいます。

でもね「人の心」っていうのは、自分の心も含まれるんですね。

自分の心、自分のモチベーションも思うがままに動かせればいいのになぁと思いました。

前向きなメッセージと猫^^

本書『メンタリストDaiGoの心を強くする300の言葉』では、GaiGoさんの前向きな300もの言葉とともに、随所随所に猫ちゃんの写真が挿入されています。

なぜ猫!?と思いつつ、猫に癒やされる(*´`*)

「元気の出る言葉集」みないな本はよくありますが、本書は若干趣が違う気がします……。なにせ言葉が300もあって多すぎだし、本も分厚い!

ちょっぴり不思議な本でした(^_^;)

続きを読む

『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』|幼いころ失った「愛着」が今も

「愛着障害」……そんな言葉をこの書籍で知りました。

ネットの口コミで見たこともありましたし、図書館でもチラチラッと目に入り以前から気になっておりました。

なんとなく感じる違和感、「愛着障害」かも?

愛着障害とは、幼いころの経験が関係しています。

幼児期、愛着を抱いていた対象を失ったり、引き裂かれる経験が、愛着障害を生むのです。

幼児期に強い愛着を持つ相手の代表は、自分の父母。特に、母親への愛着は格別です。

例えば、幼いころに母を亡くしたり、なんらかの理由で祖父母に育てられた経験。両親の離婚、病気や経済的理由で親子が引き裂かれることもあります。

もちろん、虐待やネグレクトを受けて育つ人もいます。

幼い頃、なんらかの理由で「愛着」を失った経験は、大人になっても影を落とすといいます。

その結果、他者との距離を必要以上に取る人や、反対に人との距離が近く依存傾向にある人。他人を信じられず、疑ってばかりだったり、自分がここにいることを確認するように窃盗など犯罪行為に手を伸ばす人もいます。

自分はどう?あの人は?

「愛着障害」によって引き起こされる症状を並べてみると、自分自身に当てはまる特徴があるようにも思います。あるいは、身近な友人知人の特徴に重なる部分もあります。

中高生になってから、学習に力が入らず成績がガクンと下がってしまう人。パートナーを信じられず、態度や言葉を重ねても満たされず愛情を感じられない。あるいは、他人に依存してしまったり、浮気を繰り返してしまったり。

本書『愛着障害』では、傾向や症状の具体例がたくさん紹介されています。心当たりがある人もたくさんいらっしゃるでしょう。

「愛着障害」詳しく知りたいなら……

本書『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』では、「愛着障害」にまつわる周辺の話が中心です。

医学的根拠や、具体的な事例、治療例などは端折られています。ですから、もっと踏み込んだ内容を知りたい方は、他の本にあたりましょう。

本書はあくまで、「愛着障害」という症状があること、それは世代を超えて起こること、「愛着障害」を負っている人は身近にいるであろうこと(もしかしたら自分がそうかも)が提示されています。

これまであまり知られていない事柄ですから、「愛着障害という考え方がある」ということを知るためのものです。この本を読むことで、自分の抱えている問題や、生き難さの理由の一端を感じられるかもしれません。

(これはご自身の経験によるでしょうから、「読んでみてください」としか言えない(^_^;))

身近な人の「異変」に気づいたなら

自分の経験だけではなく、身近な人の異変や、違和感の理解にも繋がるかもしれません。

コミュニケーションがうまく取れず孤立している人や、疑い深く心をひらいてくれない人。他者に依存してしまいトラブルになる人や、身近にも「愛着障害」を抱えているのではないか?と思う相手がいます。

もちろん、「愛着障害」を抱えている人の中には、自分の過去の辛い経験をカミングアウトする人もいますが、中には過去を直視することを避けヘラヘラと冗談を飛ばしたり、あるいは薄情に見えるような人もいます。

パッと見て「愛着障害」には見えなくても、実は問題を抱えている人のコト、ちょっとだけ知れるような気がします。

『愛着障害』を最初の第一歩に

本書『愛着障害』は、愛着障害を知るための、最初の一歩になる本です。

解決法や治療法、具体的な事例などは、端折られている印象です。自分が「愛着障害」に当てはまっていると感じたなら、症状によっては専門医の門を叩くことも必要でしょう。また、軽い症状であっても、改善策を知りたいなら、他の本を探さないといけません。

ですから、本書『愛着障害』は、最初の一冊目なのです。

まずは、本書を読んで、自分の幼少期の経験や、現在抱えている問題などと照らし合わせてみましょう。

そして、「愛着障害」を持っていても、その特性を利用して成功した偉人たちも紹介されています。彼らの生涯に触れることも、大きな励みになります。

続きを読む

素直で正直な聞き上手は得をする?|『人を動かす 新装版』

こんにちは。対人トラブルとは言わないけれど、人とのすれ違いに悩む あさよるです。

人の心をつかむテクニックや、人を動かす方法を紹介している書籍はたくさんあります。あさよるネットでも紹介してきました。

しかし、それらを一発で実践するのは難しい……シチュエーションも毎回違いますし、場数を踏んでゆくしかないのでしょう。そしてね、忘れたころにまた指南書を読み返して、また読み返して……と続けています(;’∀’)

今回は、ビジネス書、自己啓発本の定番の『人を動かす』を手に取りました。あさよる的には、なかなか気に入りました^^

80年間読み継がれる定番本

D・カーネギー『人を動かす』の原題『How to Win Friends and Influence People』、1937年に発表され、その後80年もの間読み継がれる「名著」です。

書かれている内容はシンプルなものの、シンプルな故にハッとします。

本書内の各項目のまとめを作ってみました^^

人を動かす三原則

  • 人を動かす原則① 批判も非難もしない。苦情も言わない。
  • 人を動かす原則② 率直で、誠実な評価を与える。
  • 人を動かす原則③ 強い欲求を起こさせる。

人に好かれる六原則

  • 人に好かれる原則① 誠実な関心を寄せる。
  • 人に好かれる原則② 笑顔で接する。
  • 人に好かれる原則③ 名前は、当人にとって、もっとも快い、もっともたいせつなひびきを持つことばであることを忘れない。
  • 人に好かれる原則④ 聞き手に回る。
  • 人に好かれる原則⑤ 相手の関心を見ぬいて話題にする。
  • 人に好かれる原則⑥ 重要感を与える――誠意をこめて。

人を説得する十二原則

  • 人を説得する原則① 議論に勝つ唯一の方法として議論を避ける。
  • 人を説得する原則② 相手の意見に敬意を払い、誤りを指摘しない。
  • 人を説得する原則③ 自分の誤りをただちにこころよく認める。
  • 人を説得する原則④ おだやかに話す。
  • 人を説得する原則⑤ 相手が即座に“イエス”と答える問題を選ぶ。
  • 人を説得する原則⑥ 相手にしゃべらせる。
  • 人を説得する原則⑦ 相手に思いつかせる。
  • 人を説得する原則⑧ 人の身になる。
  • 人を説得する原則⑨ 相手の考えや希望に対して同情を持つ。
  • 人を説得する原則⑩ 人の美しい心情に呼びかける。
  • 人を説得する原則⑪ 演出を考える。
  • 人を説得する原則⑫ 対抗意識を刺激する。

人を変える九原則

  • 人を変える原則① まずほめる。
  • 人を変える原則② 遠まわしに注意を与える。
  • 人を変える原則③ まず自分の誤りを話したあと相手に注意する。
  • 人を変える原則④ 命令をせず、意見を求める。
  • 人を変える原則⑤ 顔をたてる。
  • 人を変える原則⑥ わずかなことでも惜しみなく心からほめる。
  • 人を変える原則⑦ 期待をかける。
  • 人を変える原則⑧ 激励して、能力に自信を持たせる。
  • 人を変える原則⑨ 喜んで協力させる。

幸福な家庭をつくる七原則

  • 幸福な家庭をつくる原則① 口やかましくいわない。
  • 幸福な家庭をつくる原則② 長所を認める。
  • 幸福な家庭をつくる原則③ あら探しをしない。
  • 幸福な家庭をつくる原則④ ほめる。
  • 幸福な家庭をつくる原則⑤ ささやかな心づくしを怠らない。
  • 幸福な家庭をつくる原則⑥ 礼儀を守る。

最後の「幸福な家庭をつくる原則」は付録で掲載されていたもののまとめです。

どの人を動かす原則もとても単純だし、よく見聞きすることも多数です。

全体を見渡すと、実直で素直で、礼儀正しい人物像が浮かんできます。しかも、押しが強いわけでもなく、前に出るタイプでもない。静かにじっと人の話を聞き、思慮深く言葉を一つ一つ選ぶ人物。なんとなく、寡黙だけど愛嬌のある人を連想します。

人を動かすにはまず人の話をよく聞く。そして、相手を認め、相手に敬意を払いつつしっかりと意思を伝える。

根気よく人の話を聞くことって難しいことです。自分と意見の対立する人間を認めることも、なかなか思うようにできません。本書『人を動かす』で紹介される原則は、それが基本的でシンプルであるがゆえに、自分の実力・能力と真正面から向き合わなければならないと感じました。

定番本の宿命……「ほかの本にも書いてある」

さて、『人を動かす』はビジネス書や自己啓発本の定番書です。しかも、発表から長い年月が流れている……ということは、『人を動かす』に書かれている内容は、たくさんの書籍でも引用され、紹介され、触れられています。

あさよるも、D・カーネギー氏の『人を動かす』を読んだのは初めてでしたが、いくつもの本で『人を動かす』が引用、紹介されていましたので、存在は知っていました。

そして、『人を動かす』の内容も、たくさんの本で触れられていますから、ビジネス書や自己啓発本をたくさん読まれている方には、よく見知った内容です。

「同じ内容、他の本でも読んだし……」となる方も多いでしょう。これはもう、名作や定番本の宿命ですね……。

あさよるの場合、元ネタ読みたくなっちゃう性なので、手に取れてよかったです。

定番・名著は押さえとくべき?

はてさて、「この本オススメ?」と聞かれたらどう答えようかと考えました。

『人を動かす』では数々の実例を交えて「人を動かす原則」が紹介されます。この実例が、約80年前のアメリカでの例なんです。ですから、現在の日本で生きる あさよるにとっては、物語を読んでいるように感じました。

ですから最近、日本人が書いた本の方が、ずっと実例が身近でしょう~。

あと、もっとページ数も文字数も少なく、もっと短時間で読める本も、探せばあるんじゃないかなぁと思います。

現在刊行されている書籍でも引用されてますし、それでも十分かもしれません。それを承知の上、「やっぱ元ネタ知りたいよね!」「定番は押さえておきたい」って人には、間違いなくオススメです。

続きを読む