池上彰

『池上彰の世界から見る平成史』|池上さんが解説し続けたニュースたち

『池上彰の世界から見る平成史』挿絵イラスト

こんにちは。あさよるです。あさよるは昭和の人なので、「前時代の古い人間だなあ……(遠い目)」なんて思いつつ生きておりましたが、来年、昭和はさらにもう一つ古い時代になってしまいます。この夏は平成最後の夏なんだなあ(遠い目)。思えばあさよるも、平成の荒波に呑まれ続けた半生でしたねえ……。

また、池上彰さんは平成史をテレビでわかりやすく解説し続けてきたとも言えますね。ここ30年の出来事を振り返るとともに、そういえばこのニュース池上さんの説明で聞いたな~なんて思いながら読了いたしました。

長ぁ~い「平成史」

本書『池上彰の世界から見る平成史』というタイトルでもっとも感慨深いのは「平成史」という言葉でしょう。2019年4月30日で平成が終わるということは、そうか、「平成」という時代が歴史になることなんですね。平成の前の時代、昭和は64年もありましたから、昭和と比べると平成は「短い」感じがしますが、今回改めて平成の国内外のニュースや災害の年表を見ると、いやいやとても「平成は短かった」とは言えません。

平成は、戦後高度成長期の絶頂から始まります。平成元年(1989年)12月は日経平均株価が最高値を記録します。そして翌年1990年(平成2年)3月、裁量規制が始まり、その後バブル経済が終わります。世界では第二次大戦後続いた冷戦が終わります。冷戦時代はアメリカとソ連の2チームに世界の国々が分かれ緊張状態が続いていましたが、今となれば冷戦終結によって世界の親分がいなくなったことで、世界中の混沌が始まる時代でもありました。

また、平成は大災害が相次いだ時代でもあります。1990年(平成2年)の雲仙普賢岳噴火、1993年(平成5年)の北海道南西沖地震が起こります。そして1995年(平成7年)の阪神大震災以降、日本国内の地震や火山活動が増え、2000年(平成12年)三宅島噴火、2004年(平成16年)新潟中越地震、2007年(平成19年)能登半島地震、新潟中越沖地震、そして2011年(平成23年)東日本大震災があり、その後も2014年(平成26年)御岳山噴火、2016年(平成28年)熊本地震と、地震・火山活動は続いています。平成は災害の時代でした。

また、世界がテロと対峙する時代でもありました。2001年(平成13年)の9.11テロ以来、世界中でテロが広がっています。日本でも1995年(平成7年)地下鉄サリン事件の無差別テロが起こります。オウム真理教はこの以前にも1994年(平成6年)「松本サリン事件」を起こしています。日本は昭和のころからテロが何度も起こっています。

池上彰さんが解説し続けたニュースたち

本書『池上彰の世界から見る平成史』は、池上彰さんがこれまで解説しされてきた世界のニュースでもあります。池上彰さんが出演されていたNHK「週刊こどもニュース」がスタートしたのは1994年(平成6年)です。池上彰さんが「お父さん」役で、子どもたちに一週間のニュースを教えるという番組でした。あさよるも東欧やイスラム世界について、池上彰さんの「お父さん」のわかりやすい解説を見ていた記憶があります。

平成30年ですから、平成生まれの先頭グループはもうアラサーです。平成の初めのころのニュースやブーム、文化について知らない人もたくさんいます。もうこうやって「平成史」を歴史として書籍で学ぶ世代もいるのです。

『池上彰の世界から見る平成史』挿絵イラスト

「昭和」の本をよく読んだなあ

そういえばあさよるも、古書店なんかで「昭和」を扱う本や雑誌をよく手に取って見ました。多くは平成になってから「昭和という時代」を振り返るもので、戦後から高度経済期へと何冊にもカラーグラビア満載で紹介されている雑誌をよく読んだけど、あれはなんの雑誌だったんだろう(「別冊太陽」かなあ)。家電や万博、新幹線など技術の進歩が紹介されているのが面白かった。

「一区切り」ごとに時代は変わる

昭和はまさに「激動の時代」だったけれども、こうやって「平成史」を一覧してみると平成もなかなかハードな展開だったのだなあ。日本経済・世界経済に翻弄されたり、一気にグローバルな時代が到来し、世界が小さくなった時代でもあります。

どの本に書いてあったのか忘れましたが、10年ごととか、何か区切りのいいところで時代を一まとめにすることで、人は過去を少しずつ俯瞰することができるようになるそうです。そして不思議なもので、その区切りに合わせて世情も変化していくんだそう。西暦なら10年刻み、100年刻みの変化もありますし、日本の元号のように、その国固有の区切りを持っている国もあります。

別にその区切りに合わせて我々は生きているわけではないけれど、のちの時代に振り返ってみると、時代ごとのカラーがあるのかもしれませんね。なるほど、昔の人たちがことあるごとに元号をコロコロと変えていたのも、それなりに理由があったのかもしれません。

これまで時代の波に呑まれるばかりだった時間を、俯瞰できるようになる日が来るのはなんだか不思議。

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『世界を変えた10冊の本』|世界の読むべき本をわかりやすく解説

こんにちは。読書本には目がない あさよるです。「読書本」って変な言葉ですが、本を読むための本って感じでしょうか。本書『世界を変えた10冊の本』もそのタイトル通り、10冊の世界を変えた本を池上彰さんが紹介するもの。どの本も世界的超有名本で、一度は目を通しておきたいものばかりです。

世界を変えた10冊ラインナップ

本書で紹介される10冊の本は以下。

  • 『アンネの日記』
  • 『聖書』
  • 『コーラン』
  • 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
  • 『資本論』
  • 『イスラーム原理主義の「道しるべ」』
  • 『沈黙の春』
  • 『種の起源』
  • 『雇用、利子および貨幣の一般理論』
  • 『資本主義と自由』

読んだことはなくってもタイトルくらいは知っている本ズラリ。ここではザッと簡単に紹介しておきます。

書影は『世界を変えた10冊』の出典として挙げられているものです。

『アンネの日記』

第二次世界大戦時、ユダヤ人として収容され亡くなったアンネ・フランクが書き残した日記。アラブ諸国を除く国際社会がイスラエルの味方をするのは『アンネの日記』があるからだ、と紹介されています。なるほど、彼女が生き生きと〈普通の少女〉であればあるほど、彼女の運命は信じがたく、ユダヤ人弾圧がいかに惨たらしいものであったのかと感じます。「世界を変えた本」のトップバッターに相応しいものです。

『聖書』

世界で最も読まれた書物『聖書』。

 中東に生まれたキリスト教が、やがてヨーロッパ世界に広がり、宣教師たちによってアフリカや南米にも拡大。ヨーロッパでの迫害から逃れたキリスト教徒は、アメリカに「神の国」を建設しようとしました。
一方、ヨーロッパのキリスト教徒たちは、「十字軍」によって中東遠征を繰り返し、イスラム教徒との対立を深めました。それは、キリスト教文明とイスラム文明の対立として、いまにつながってくる歴史です。

p.41-42

聖書の物語は今も多く引用されますし、今の世界を動かしています。

『コーラン』

ユダヤ教の経典『律法』をキリスト教徒は『旧約聖書』と呼び、新たに『新約聖書』を加え聖書にしました。さらにイスラム教はここに『コーラン』を加え経典にしました。イスラム教徒にとって『コーラン』が最も重要とされます。

日本ではイスラム教徒は少ないですし、文化や慣習がふしぎに見えるかもしれません。イスラムの行動規範や考え方等、池上彰さんが分かりやすく説明してくださるのは有難い。

『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

16世紀の宗教改革により、ローマ・カトリックからプロテスタントが生まれます。カトリックとプロテスタントでは経済活動において大きな違いがありました。

カトリックの教会の支配は穏やかで形式的なものだったが、プロテスタント支配は、「家庭内の私的な生活から職業的な公的な生のすべての領域にいたるまで、考えられるかぎりでもっとも広い範囲にわたって信徒の生活のすべてを規制するものであり、限りなく厄介で真剣な規律をともなうものだった」と指摘します。つまり、このプロテスタント支配によって、子どもたちは高度な教育を受けて社会の上層を目指すようにしつけられているのではないか、というわけです。

p.101

プロテスタント支配によって、資本主義の精神が登場するのです。19世紀半ばまで労働者は生活できるだけの収入があれば、それ以上働こうとしませんでした。それに対し、仕事のために人間は存在し、働くことは生きるために不可欠であるとの考えが「資本主義の精神」です。

現代のわたしたちはこの考えの上にいるんですね。

『資本論』

マルクスはかつて、資本主義がなぜ非人間的な経済体制になるかを説きました。マルクスの理論は、ロシア革命を引き起こし、やがて社会主義体制を採用する諸国が増大しました。マルクスの『資本論』は世界を変えたのです。
ところが、東西冷戦が終わり、ソ連の崩壊に代表されるように社会主義体制の限界が明らかになって以降、マルクスの主張はすっかり見捨てられてました。それが、リーマン・ショックをきっかけに、まるで預言者のように復活する。皮肉は話です。

p.123-124

労働量は藤堂の時間で測り、貨幣が資本になる。現在の我々が当たり前思っている体制も、新しい考え方なのですね。

『イスラーム原理主義の「道しるべ」』

『道標』は“オサマ・ビンラディンの教科書になった”ことから、世界を動かした10冊に選ばれています。

 イスラムこそが、健全な発展と進歩に欠かせない価値観を保有している。その理想が失われてしまったために、世界は墜落している。いまこそイスラムの理想に帰り、イスラムの原初を思い起こすことが必要だと主張します。(中略)

現代はイスラムの理想が失われてしまったのに、イスラム教徒たちは、自分たちの世界を「イスラームの世界」などと思いこんでいる。これを正さなければならない、というのです。となれば、イスラム世界の腐敗した体制を打倒することは「神の道」であり、正義の戦いである。つまり「ジハード」(聖戦)なのだ、ということになります。(中略)

世界中が無明社会だというのです。
無明社会は暗黒社会ですから、真のイスラム教徒は、無明社会をイスラム社会をイスラム社会にしなければならないのです。ここから、無明社会に対するジハードが必要だという理論が導き出されます。この対象として、日本も例外ではありません。(中略)

日本の私たちの信仰は、「邪神を祭るために、手のこんだ礼拝儀礼の体系を創案した」ものだというのです。彼が日本のことをどれだけ詳しく知っていたのか疑問ですが、彼によれば、日本もジハードの対象になってしまいます。

p.155.156.160

『道しるべ』に日本のことが書いてあるのは知りませんでした。日本はジハードの対象にならない保証はないということでしょうか。

『沈黙の春』

アメリカのペンシルバニア州に生まれたカーソンは、連邦政府の商務省漁業局で働きながらアメリカの雑誌「ニューヨーカー」に『沈黙の春』を連載し、単行本として出版されベストセラーになりました。

環境汚染という言葉がなかった時代、農薬により野鳥たちが死んでしまった例や、食物連鎖による毒物の蓄積メカニズムを広く世に知らしめたのが彼女だったのです。

現在では当たり前の環境問題も、当時はなにも知られていなかったところから、社会に浸透していったんですね。

『種の起源』

ガラパゴス諸島に上陸した経験から、生命の多様性への疑問を追求し1859年『種の起源』が世に登場します。当時は売れ行き上々だったそう。

彼の書は、「地球上の生き物は神が創造した」と信じるキリスト教徒からは批判を浴びましたが、多くの学者から支持され、その後の遺伝学、生物学の飛躍的な発展の基礎を築きました。

p.192

生物は神が創造したものか否か。現代でも議論になる事柄です。

『雇用、利子および貨幣の一般理論』

 景気が悪くなったら政府が公共事業などで支出を増やして経済を活性化させる。金利を下げて、企業の投資を活発化させる。
これらは、景気対策としての常識になっています。中学校の社会科で習う話です。しかし、かつては常識どころか、「とんでもない話」と考えられていたこともあります。それを世の中の常識にしてしまった本。それが、今回取り上げるジョン・メイナード・ケインズ『雇用、利子および貨幣の一般理論』という書物です。

p.213

1929年の世界恐慌の政府の対応を時代遅れだとし、ケインズは批判しました。本書では現代の日本社会が直面している問題を、ケインズがどう説いているのかが紹介されています。

『資本主義と自由』

フリードリヒマンは、自らの主張を一般に理解してもらうためのショック療法を用意しました。当時のアメリカで政府が行っていた事業のうち、「政府がやる理由はない」と考えた事業一四項目を列挙しているのです。(中略)

1 農産物の買い取り保証価格制度。
2 輸入関税または輸出制限。
3 農作物の作付け制限など。
4 家賃統制。物価・賃金統制。
5 最低賃金制度や価格上限統制。
6 銀行に対する詳細な規制など。
7 ラジオとテレビに対する規制。
8 現行の社会保障制度。
9 事業や職業に関する免許制度。
10 公営住宅、住宅建設の補助金。
11 平時の徴兵制。
12 国立公園。
13 営利目的の郵便事業の禁止。
14 公営の有料道路。

p.248-249

じっくり見て見ると「やめるとヤバイんじゃない?」と思う項目もありますが、彼よると大丈夫。というか逆に、国が制限をかけていることで貧しい人が苦しんだり、社会に不利益があると説いています。

未読本に色めき立ち、既読本に興味津々

池上彰さんが選ぶ「世界を変えた10冊の本」はいかがでしょう。あさよるは、タイトルは知っていても「読んだことない」とか「通読したことない」ものばっかりです。現代でも絶版になっていないどころか、流通している本ばかり。現在では電子書籍や、Kindle Unlimitedでも読めるっぽいのでありがたいです。読む本リストに加えておきますφ(..)メモメモ

「世界を変えた本」の中でも、現代のわたしたちの生活や常識そのものを作った本ばかりが紹介されていますから、興味がないわけがないラインナップです。

あさよる正直、この本「面白くなさそうだなぁ~」と思ってたのですが、嬉しい誤算で結構楽しく読めました。まだ読んだことない本は「読んでみよう」と色めきだち、既に読んだ本は「池上彰さんはどう紹介するんだろう」とwktk。

この手の本は他の人が紹介してもいいかもしれないけれども、内容的には「知っていて損ないぜ」って感じで、お馴染み池上彰さんの著者だし、人におすすめしやすい本だと思います。

あさよるネットで紹介した池上彰さんの本

『学び続ける力』/池上彰

『学び続ける力』を読んだよ

『伝える力』/池上彰

『伝える力』|子どもへニュースを伝える力

『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』/池上彰

『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』|社会、外交、世界を考える

『あした選挙へ行くまえに』/池上彰

『あした選挙へ行くまえに』|なにを投票するの?

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『あした選挙へ行くまえに』|なにを投票するの?

こんにちは。世間のトレンドについていけてない あさよるです。選挙ですよ!今さら感はありますが、ちょいと勉強くらいしておこうと、池上彰さんの『あした選挙へ行くまえに』を手に取りましたよ。

池上彰さんと言えば、開票速報芸が風物詩になりつつありますが、池上さんがどんな感じで「選挙」を語るのかも興味がありました。ちなみにに本書は「14歳の世渡り術」という河出書房新社のシリーズで、社会人が中学生に語りかけるような内容が多く、このシリーズが好きだったので、二重に期待!

ちなみに、小中高で習った社会科のおさらいをするような内容も多いので、大人にもオススメ。自分の知識の再確認にぴったりです。

「選挙へ行こう!」投票のススメ

本書『あした選挙へ行くまえに』の「おわりに」で、本書のねらいが紹介されています。

 この本で私は、「選挙は、あなたが払った税金の使い道を決める人を選ぶのだ」と書いてきました。
あなたが苦労して払った(納めた)大事なお金。ムダ遣いされては困ります。
お金を稼ぐのに苦労し、自分や家族がお金を使うときにはうるさく言うのに、税金の使い道には無関心。こんな人がいますね。これでは、せっかくのあなたのお金(税金)が、ムダ遣いされてしまいます。
税金を有効に使うためにも、投票に行き、税金を上手に大切に使ってくれる政治家を選ぼうではありませんか。

p.189-190

選挙制度や国会の話題はいつも、ネガティブで悪い話ばかりが飛び交います。そんなのをずっと聞いていると、「選挙なんかやってもムダじゃね?」とか「どうせ政治家なんて庶民のことなんて考えてないんだよ」なんて言いたくなります。それは、もちろん事実でもあるだろうし、民衆の感情を煽っている報道に疲れているコトもあるかもしれません。

「でもねでもね……」というのが、池上彰さんの『あした選挙へ行くまえに』です。確かに、日々政治家の不祥事のニュースなんて聞いてると嫌になっちゃいますが、「それでも選挙へ行こうよ」と呼び掛けているのです。

それは、なんだかんだいいつつも日本で暴動が起きないのも、社会保障が充実しているのも、政治の力だし、また日本の選挙制度は、権力を分散し、腐敗を招かないように苦心されているんですよ、と。んで、確かに今の政治のニュースって嫌んなっちゃうけど、それでも改善改善され続けてきて今があるという。これは、今後もっと良くなるために、我々も政治に参加しないとねというお話。

なんのための選挙?

まず、日本の選挙は明治以降かなり変わり続けています。そもそも、税金の使い道を決めるために政治家を選ぶので、税金をたくさん払っている男性に選挙権が与えられていました。1890(明治23)年、金額は15円、今の金額で数千万円の税金を納めた人です。貧乏人に選挙は無縁だったんですね(;’∀’) 1925(大正)年、25歳以上の男性全員に選挙権が与えられました。女性に選挙権が与えられたのは第二次大戦後のこと。年齢も20歳に引き下げられました。選挙権持っている人の変遷を見るだけでも、選挙制度がガラリと変わっているのがわかります。

日本では20歳になれば自動的に選挙権が与えられお家に選挙のお知らせが届きますが、アメリカでは選挙前に選挙権を自分で申し出ないと投票できないそうです。こんな些細なことでも国のかたちが違うのがわかりますね。「20歳になれば選挙権があって当たり前」ってことではないんですね。

選挙では代表者を選び、わたしたちが納めた税金の使い道を決め、不正がないか見張らせるための仕事があります。だから国会が予算案を決めるんですね。

例えば、義務教育の費用は税金が使われます。みんなが読み書きでき、誰もが計算をでき、仕事ができるのは、教育の力です。社会秩序にも関わる大事なお金です。社会保障の充実も同じです。病気になっても医療にかかれるし、歳をとれば年金があるから、貯蓄を溜め込まなくていいし、不安が払拭されます。防衛費も、安心安全にかかわること。これらのことを国会議員たちが大議論するのは当たり前のことです。

で、そのお金の使い道を決める代表者を決めるのが選挙!ってことね。

アメリカの選挙制度も見ておこう

本書『あした選挙へ行くまえに』の面白いのは、アメリカの選挙制度も詳しく解説されていることです。アメリカ経済は日本にも影響があることですし、アメリカの「国のかたち」を知っていてもソンはないっしょ。

まず、〈アメリカ大統領のなり方〉から始まるのも何やら楽しい。アメリカ大統領になるにはアメリカで生まれ、アメリカ国籍を持ち、14年以上アメリカ在住の35歳以上と決まっています。……ですので、あさよるは米大統領になる資格がありません。アメリカ生まれじゃないからです。しかし、例えばアメリカ人と結婚して、アメリカで出産をすれば、子どもはアメリカ生まれのアメリカ人なので、ひょっとすると大統領になるかもしれません。「そんなことあるの?」と思いますが、現にオバマ大統領は父親がケニア人、母親がアメリカ人です。もしかしたら、自分の子どもが大統領なんてことも……?w

いや、冗談ではなく、こう考えると自分はアメリカ人じゃなくても、関係のない話ではないという気がします。

アメリカ大統領になるためには、アメリカの選挙で勝たないといけないのですがアメリカの選挙はややこしい。これはアメリカ建国当時の伝統が守られているそうです。党内で候補者争いから始まり、予備選挙がありぃの、有権者登録をさせ、大統領選挙人と選び……とややこしい! 州ごとに違っているようで、わかりまへん。詳しくは本書で学んでくださいm(__)m

結論は「選挙へ行きましょう」

本書は「選挙は行っとこう」という結論です。まず「選挙権が与えられている」というのは当たり前ではなく、長い年月をかけて手に入れたことである点。納税しているんだから自分たちのお金の使い先を自分たちで決めようということ。今の政治や選挙制度を変更するならその代表者を選挙で選ぼう。

国会で教育や社会福祉、国防、外国人の選挙権などなど、喧々諤々の議論をしているのは、それが選挙で選ばれた代表者の仕事なんですね。あまりに見苦しい誹謗等は除外するとして、白熱した議論の中で突飛な発言や、極端な言葉が出るのは当然なのかもなと思いました。今度からそういう「議論のための発言」もあるだろうと仮定して国会中継を見てみます。

あさよるは結構「選挙って知らんがな~」「めんどいな~」と、消極的なタイプだったんですが、改めて選挙制度を知ると、「ほう、おもしろいなぁ」と能動的に選挙に参加したいと思いました。

せっかくみんな義務を果たしてるんだし(国民の三大義務は教育、勤労、納税{消費税含む})、せっかく権利もあるんだから選挙は行っといてもイイよねって呼びかけですね。

あさよるネットで紹介した池上彰さんの本

『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』/池上彰

『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』|社会、外交、世界を考える

『伝える力』/池上彰

『伝える力』|子どもへニュースを伝える力

『学び続ける力』/池上彰

『学び続ける力』を読んだよ

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『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』|社会、外交、世界を考える

こんにちは。テレビで池上彰さんを見かけると、思わずお話を聞いてしまう あさよるです。

テレビでの池上彰さんしか知らないので、著書も読んでみたいなぁと『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』を手に取りました。

世界の宗教を通じて、信仰を考える

本書、『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』の冒頭、著者・池上彰さんが「宗教」の働きが定義されます。

 私は、宗教を考えることは、よく死ぬことだと思っています。宗教は「死のレッスン」と言った人もいます。つまり、どう死ぬかという予習なのです。
(中略)
死の予習をすることが、よりよく生きることにつながる。それが宗教を考える意味だと、私は思っています。

『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』p.66

「宗教を考えることは、よく死ぬこと」「死の予習をすることが、よりよく生きること」とあります。

宗教とは「死」を考えること。それは「生」を考えることでもある、というのです。

ですからタイトル『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』にある「宗教」とは「死がわかれば世界が見える」「生がわかえば世界が見える」という意味に解釈できますね。

じゃあ、ここでいう「世界」っていうのは、「現世」とか「この世」とかいう意味でしょうか。

誰のための本?

なんでタイトルにこだわっているかというと、この本、なかなか難解なんです。

一読すると、タイトルと、冒頭の文言、そしてその後に続く専門家との対談、それぞれがちぐはぐに感じるのです。

というか、あさよる、正直さっぱり意味が分かっておりませんw

タイトルも興味深いし、池上彰さんの冒頭の第一章は面白い。そして、対談の内容も悪くはない。しかし、3つの要素がどう関連しているんだろう??

対談の内容も、池上彰さんが各宗教者から“何かを聞き出そうとしている”感じがするんですが、何を聞き出したのかわかりませんでした><

最終章でも、結論として“何かを言おうとしている”と匂わせている感じがしますが、上手くくみ取れませんでした><

世界三大宗教+神道+科学

と言いつつ、やはり対談が何といっても興味惹かれます。

世界三大宗教である、仏教、キリスト教、イスラム教と、神道に詳しい識者との対談です。

「仏教」「キリスト教」等と一口に言っても、宗派もたくさんありますし、そもそもそれぞれ専門書がいくらでも書けるような内容です。

たった一冊の新書で、これだけ複数の要素を扱っているので、ライトな内容ではあります。

が、これだけディープなら十分じゃない!?と思います。

辞書引きながらとか、ワード検索しながら読まれる方も多いはず。注釈も特にないので、分かっている人にとっては基本的なことなのかな?とも思います。

さらに、宗教家だけでなく、最後に科学者である養老孟司さんが登場するのが、いいなと思いました。

宗教、信仰の話題を身近なものに

本書『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』この一冊を読んで、宗教の世界がわかるようにはなりません。

しかし、我々は「宗教」「信仰」の中にいます。

日本人には「無宗教」だと自称する人が多いですが、本書に登場する宗教家+科学者は、口をそろえて、日本人ほど信仰が深い人はいないと言います。

もう、私たちは信仰を意識しないくらい、息をするのと同じように信仰を持っているんです。

そして、信仰は行動規範となり、社会を形作っています。信仰を考えることが、今の日本の社会を考えることなのかもしれません。

『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』は、社会や政治、外交を考える上で、意識しておきたい「宗教」の話を、意識させられる本だと思います。

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【2016年のまとめ】 今年人気だった記事ベスト20!その2

 

本年紹介した書籍の中から、アクセス数の多かったベスト20をまとめました。

結構いろんなジャンルに渡って、いい感じにバラけたベスト20になって嬉しいです。本日2日目。ベスト10の紹介です。

あさよる的に「この本がべすと10に入るんだ!」と意外なものが多数で面白いです。

今年はたくさん本を読んだつもりでしたが、結構内容まで覚えているもので、インプット(読書)+アウトプット(ブログ)っていいかも!と思いました。

 

本年もごらんくださったみなさん、ありがとうございます。

良いお年を~!

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池上彰『学び続ける力』を読んだよ

池上彰『学び続ける力』書影

読書、あるいは勉強というものは、実は役に立たない事のほうが多いです。現に私たちは小学校を6年、中学校に3年間も義務教育を受けているのに、社会生活で実際に使う知識はわずかです。その後、高校へ進学する人が殆どで、さらに大学や専門学校へ進む人たちもいます。
はたして、学んだことのどれだけが「役に立っている」のでしょうか。

最近、内堀基光『「ひと学」への招待―人類の文化と自然』という本を読んでいました。「ひと」に関する物事を紹介する内容なのですが、一口に「ひと」と言っても様々な切り口が有ります。動物としてのヒト、社会の中の人、感情を持つ人、言葉を操る人、など「人間に関することすべて」ですから、内容もそれはそれは幅広い。
それでも、語り尽くせない「ひと」の一面を知れる、良書でした(が、内容が濃すぎて大変だった)。

そしてこの本は、読んでも多分「役に立つ」本ではないでしょう。別に、人類学のことなんて知らなくても生きてゆけますし、これを読んだからってお給料が増えるわけでもありません。時間の無駄だと言われてしまえば、その通りだと思います。

しかし、私はこの本を読んで良かったと思っています。
「私って一体なんだろう」と抱え続ける問いへ、考える指針のようなものがチラリと見えた気がしました。そして、私が持っている「一人ぼっちで寂しい」という気持ちも、少しだけ「置き場」を見いだせた気がしました。
だけど、あくまでも、問いの答えが載っているわけでもないし、寂しさがなくなったわけではありません。ですので、即効性もなければ、一生そのままでしょう。

池上彰『学び続ける力』の中で、こう書かれていました。

本を読むということは、言ってみれば、ザルで水を汲むのに似ているということだな、と自分なりに解釈しました。
読んだそのときは、なるほどと感心するけれども、すぐに水(知識)はザルの目の隙間からこぼれてしまいます。つまり、忘れてしまうのです。でも、大量に本を読んでいれば、ザルでも大量に水を汲んでいれば、少しは水がたまります。読書の役割とはそういうものかもしれないと思いました。

―池上彰『学び続ける力』(講談社,2013)p.149

悲しいかな私たちはどんな知識や経験もどんどん忘れてゆきます。少なくとも私は、常に頭を動かし続けないとあっと言う間に何もかも忘れてしまいます。忘れないように必死にノートにメモを取っているのですが、すべてを書き写すことは決してできず、みるみる身体から消えてなくなってゆきます。

それがとても悔しくて、とても残念でたまりませんでしたが、池上さんの仰るように「ザルで水を汲んでいるのだ」と思えば「じゃあ仕方ないよなぁ」と思えます。そして必死の形相でザルで水を汲んでいる姿を想像すると、とても滑稽です。なんだか愛すべき人情じゃないかと思いました。これからもどんどん、ザルで水を汲むのみです。

最初に、勉強の殆どは役に立たないと書きましたが、私は違う意味では、勉強の全ては役に立つとも考えています。相反することのようですが、「役に立つ」とはどういうことか。「役に立たない」とは何かによって変わるのです。
今日勉強しても、明日の仕事を早く終わらせたり、来月の給料をアップさせるなど、短期的な役には立たないことがほとんどでしょう。しかし、長期的に「豊かに生きる」とか「人を喜ばせる」とか「幸せを感じる」とか、人生をかけた、一生の仕事には、何かしらかの影響があるように考えています。
まさに、何十年もザルで水を汲みつづけたら、そこそこの量になるのではないでしょうか。

そんな一見ムダな、今すぐに役に立たないけれども、あったらいいものを「教養」と呼ぶのでしょう。なので、「教養のある人」というのは、余計なことばっかりしている人です。余計なことばかりするから、大変非効率な人物でしょう。
しかし「余計な」「非効率な」「役に立たない」ことって、とても楽しい。
ゲームをしたり、絵を書いたり、歌ったり、部屋に花を飾ったり、どれも無駄なことです。だけども、それこそ人間らしい「ひと」の営みではないでしょうか。

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