消費者問題

『仕事は楽しいかね?』|くだらない失敗が、チャンスを呼ぶ

こんにちは。あさよるです。今日(2018/3/20)は久々に京都の美術館をハシゴして回ろうかと練っていましたが、天気予報が悪いのでやめ。春休みが始まるし、これはもう行かないパターンだなあ。春の京都なんて人が多すぎる。「こうしよう」と思ってても、思い通りにいかないものですねぇ。

今回手に取った『仕事は楽しいかね?』は、悪天候で足止めされた空港からお話が始まります。「こんなこともあるだろう」と分かっていながらも、イライラしちゃうシチュエーションです。そんなとき、たまたま出会った老人が、自分の生き方を変える人物だったら……。これを「ラッキーな物語」だと思う人もいれば「アンラッキーな話」に思う人もいるでしょう。だって、もしかしたら自分にも、主人公と同じように、千載一遇の出会いがあったかもしれないのに「見落としていたかもしれない」と気づいてしまうから……。

本書『仕事は楽しいかね?』は、お話ですから、一度逃したラッキーが、向こうから引き返して戻ってくるところから話は始まりまります。ありえないフィクションです。

老人からの金言集

本書『仕事は楽しいかね?』は、悪天候で足止めされた空港で出会った老人との対話形式で話が進んでゆきます。最初は老人を軽くあしらいますが、のちに彼が発明家・起業家として巨万の富を築いた人物だと知ります。

「あぁあ、名刺も渡さなかったし、そもそも嫌な印象を与えてしまった。」

こんなシーンから始まります。主人公は、目の前に現れたチャンスを、知らなかったとはいえ、棒に振ってしまったのでした。成功者のエッセンスを吸収できたかもしれないのに。

多くの場合は、これでおしまい。後から嘆いたところでチャンスが二度と振り向きません。しかし、これは物語ですから、再び老人は主人公の前に現れます。そして、あろうことか、成功者の金言を主人公の若者に残すのです。

失敗していい

本書『仕事は楽しいかね?』で老人が若者へ告げる金言は「失敗していい」「チャレンジを続けよ」「偶然のアイデアを探しなさい」という、至極当たり前のことを、実例を挙げて根気強く語り掛けます。多くの人は、そんなことわかっていても、実際に実行できずにいるのではないでしょうか。

成功者と呼ばれる人たちは、地道で地味な作業を真面目に繰り返してきただけであることが、本書を読んでいるとよくわかります。そして多くの場合、成功のきっかけは「偶然」で「くだらないきっかけ」だったりします。

コカ・コーラは、風邪薬を風邪もひいていないのに水に溶いて飲んでいる人を見て、マネをしてみた結果「さらに炭酸でシュワーっとすれば美味しいのでは」と思ったことです。あの有名なコカ・コーラのロゴマークは、伝票に商品名を書いた文字をそのまま使いました。ただの偶然の、くだらない思い付きの連続が、現在のコカ・コーラになったのです。

くだらないことの連続。その中に

くだらない、小さな思い付きの中に、偶然の組み合わせでアイデアが生まれます。大事なのは、偶然のアイデアを逃さないこと。それは、たまたま空港で出会った老人を会話をするくらい、偶然にチャンスが訪れます。そして多くの場合、準備不足でチャンスをみすみす逃します。

大事なのは、虎視眈々とチャンスを待ちながら、多くの偶然を生み出すかです。そのためには遊び感覚でどんどんやってみて、どんどん失敗して、どんどん偶然を増やしてゆくのです。いつか、素晴らしいアイデアがやってくるまで。そして、素晴らしいアイデアにふさわしい自分を用意しておかねばなりません。

アイデアは古いアイデアの中にある

この話では、新しく素晴らしいアイデアとは、古いアイデアの偶然の組み合わせの中で生まれるとされています。くだらない、目も当てられないようなアイデアでも、組み合わせ方次第で真新しいものに変身し得るのです。

だから、どんな些細でしょうもないアイデアでも、書き留めておけばよいのです。これが「失敗してもいい」という理由。失敗したアイデアも、後々「使える」瞬間がやってくるかもしれないから。

偶然の組み合わせから新しいアイデアが生まれる、アイデア発想法の定番と言えば『アイデアのヒント』をどうぞ。

チャンスは突拍子もなく現れ去ってゆく

あさよるも昔、みんなが知っている〈有名人〉とたまたま偶然同席したことがあって、その時にショックだったのは「ポートフォリオがないっ!」ということでした(苦笑)。当時あさよるはデザイン生で、ポートフォリオを持ち歩くよう指導されていたし、あさよるも「そんなの当然」と思ってたのです。なのにその時、ポートフォリオを持っていなかったんですね~。帰宅後、急いでポートフォリオを印刷してしばらく持っていましたが、近年長らくサボってますw 本書『仕事は楽しいかね?』を読みながら、上記のエピソードを思い出して、「ああ、ポートフォリオ作らないと(;’∀’)>ボリボリ」と反省しました。

「仕事は楽しいかね?」ってタイトルも沁みますねえ。「がんばってますっ」「この仕事がしたいですっ」って口では言ってるくせに、自分の仕事を紹介するポートフォリオすら持ってないって、そりゃ「ホントに仕事は楽しいの?」と聞きたくなります。本書の主人公も、老人に自己紹介として「そこそこ給料をもらっている」ことと、仕事のグチしか出てきませんでした。

チャンスというのは、ある日突然舞い降りてきます。そして、その瞬間に消えてなくなってしまいます。一瞬のチャンスを常に待ち構えていないと、捕まえることはできないんです。あさよるも経験から知っています。サボってましたが。反省しました(;’∀’)

関連記事

続きを読む

『あなたを天才にするスマートノート』|手取り足取りノート術

『あなたを天才にするスマートノート』挿絵イラスト

こんにちは。5行日記を書いている あさよるです。今日の出来事5行と、体温、起床/就寝時間、明日の予定をノートに毎日書きだします。振り返りと明日の段取りをメモすることで、安心して頭の中を空っぽにしてお布団に入れます。この5行日記の習慣はなんとなく10代の頃からあったのですが、岡田斗司夫さんの『あなたを天才にするスマートノート』を読んで、意識し始めた気がします。

また、ノートの見開きの右ページに頭の中にある発想を書く。反対の左ページには、右ページを反映させて、図解や要点のまとめ、面白いことなど、ノートの上で展開してゆきます。この〈スマートノート〉の左ページと右ページを使い分けるやり方も、しばらく実践していました(その内、オリジナルな使い方に変化していってしまいましたが……)

久々に『あなたを天才にするスマートノート』を読み返して、〈スマートノート〉の趣旨を再確認し、本書内で述べられているように「確かに、他のノート術とは違うなあ」と思う。何が違うって、「オモロイ人」になるためのノート術なのだ!

「面白い人」になるためのノート術

そう、本書『あなたを天才にするスマートノート』は、仕事の能率化とか、ライフログとか、体調管理とか、そんなノート術ではないのです。ズバリ!「面白い人」になるためのノート術なのです。ここでは〈面白い人〉が〈天才〉とされています。そして〈天才〉とは、以下のように定義付けられています。

  • 発想力
  • 表現力
  • 論理力

この3つの要素をすべて持っている人=天才

一つでも欠けては「天才」とは呼べません。2つを持っている人は著名人にたくさんいます。しかし、3つとも持っている人は滅多にいない。まさに「天才」です。

そして、「発想力」「表現力」「論理力」を持ち合わせている人物は、それは魅力的な人物に決まっています。魅力あふれる、面白みの溢れる人物に近づくためのツールとしての〈スマートノート〉なのです。

※本書内では〈面白い〉という言葉が「interesting」と「fun」の両方の意味で使われ混在していますが、このブログエントリーでは〈面白い〉を「interesting」の意味で使います。

『あなたを天才にするスマートノート』挿絵イラスト

ネタ帳としてのノート術

本書『あなたを天才にするスマートノート』で推奨されるノートの使い方はさながら「ネタ帳」です。岡田斗司夫さんは本書出版当時は大学で客員教授をなさっておられ、さらにニコ生放送でもご活躍です。毎度、聴衆を惹きつける「ネタ帳」として、ノートが使われています。

自分が「面白い」「気になる」「気がかり」な物事をノートの見開き右側のページに書き出します。一旦、頭の中のモヤモヤをノートに「見える化」し、そしてノートの左側のページで、ノート上で考えを展開してゆくのです。

ノートでネタを繰れ!

ノート上にキャラクターを設定し、キャラに会話させて発想を膨らましてゆく方法も紹介されていて、まるでノートを使って一人でネタを繰っているようです。実際、岡田斗司夫さんは人の前でお話をするお仕事をされているので、岡田さん流の「ネタの繰り方」なのでしょう。これ、師匠から弟子へ伝授される〈秘伝〉的な方法を、公開されてるって解釈でおk?

面白いのは、客観的な情報でさえも、ノートに書きだし、自分流に展開してゆくことです。客観を主体化してゆくと言いますか。自分が師匠に選んだ人のメルマガを〈写経〉したり、気になったことを書き出し、自分流に〈解釈〉してゆく過程がノートの左右のページでパッと見てわかるんですね。

「お金」ではなく「幸せ」を

さて、そもそもどうして 天才=〈面白い人〉を目指すのか。それは「より幸せに生きる」ための活動です。一般的なノート術の本では、仕事の能率化のものが主で、ビジネスに役立て、報酬を上げるような〈実用的な〉ノート術が一般的です。

しかし、本書『あなたを天才にするスマートノート』は、さながら「エンタメのためのノート術」と言っても良いでしょう。お金で換算される価値ではなく、お金を超える「エンタメ」あるいは「コンテンツ」としてのノート術なのです。まさに「オタキングのノート術」って感じです。

オタク的趣味のある方、エンタメ愛好家は、ビジネスのためのノート術が使いにくいなら「オタキングのノート術」を試してみても良いかもしれません。

ノート術得とくまでの7段階

本書『あなたを天才にするスマートノート』は読者に「ノートやメモを取る習慣のない人」を想定しています。ですから、最初からノート術の核心に触れるのではなく、徐々に少しずつ「ノートを取る習慣を身につける訓練」から始まります。これは、岡田斗司夫さんのレコーディングダイエットを流行させた大ヒット作『いつまでもデブと思うなよ』でも、徐々にハードルを上げてゆく方法が踏襲されています。

ノート術を会得するまでのステップは7つに分けられ、以下のような内容です。

  1. 5行日記をつける
  2. 行動採点する
  3. 論理訓練を始める
  4. 他人に見せて話をする
  5. 脳内リンクが生成される
  6. 知識から教養、見識へ
  7. 世に出る

次の見出しで、以上の7段階を簡単に説明します。

スマートノート術を体得する7段階

5行日記をつける

まずは第一段階。大学ノートとボールペンを入手し、「毎日ノートをつける」という習慣付けを行います。難しいことは考えず、今日一日あったことを5つ、ノートに書くだけです。ウソは書きません。で、書いたら忘れましょう。大丈夫、ノートに書いてあるから忘れても平気なのです。

行動採点する

毎日5行日記を書く習慣がついたなら、次のステップへ。5行日記に、0~5点までの点数をつけ採点しましょう。これは「0か100か」の思考から脱却するためです。世の中には、0と100の間のものがたくさんあります。思考停止せず、きちんと自分の尺度で、自分の言葉で評価する能力を身につけましょう。

論理訓練を始める

第3段階から、一気にレベルが上がります。ノートの見開き2ページを丸々使って、ダイナミックに思考する訓練が始まるのです。と、難しいことを考えてもしんどいだけなので、まずは「1日2ページ書く」という認識でOK。ノートの右ページにいつもと同じように5行日記を書くことから始めましょう。すると、あとの余白が気になり始め、ノートの大きさに合わせ思考も大きく広がってゆきます。

ちなみに〈スマートノート〉術では、ノートは用途別に分けずに、1冊のノートにすべての情報を集約します。

他人に見せて話をする

頭の中の考えがノートに「見える化」され、さらにオリジナルな思考が展開するようになったら、いよいよノートに書き連ねた内容を他人に話をして聞かせましょう。ここで、ノートが別の使われ方をします。そう、ノートをホワイトボード代わりに「ノートに書きながら話す」というワザを繰り出しましょう。ノートの中に、他者の存在が入り込んでくるんです。胸熱。

脳内リンクが生成される

この段階まで来ると、同じことを何度もノートに書いたり、何度も同じことを考えたりしており、ある時ふと「わかった」という瞬間が訪れます。これは、何度も思考した結果です。この「分かった!」という快感と共に、考えをノートに数ページにも渡って書きまくってしまいましょう。この時のために、必要なのは「ムダ」なこと……正しく言うと、一見すると「ムダ」に思えることが、思考を重ねるうちに役割を果たすことがあるのです。「ムダ」を大事にしましょう。

知識から教養、見識へ

なんども思考を重ね、なんども人と話し合い、熟考を重ねた先にあるのは、「意見」や「仮説」です。頭の中の知識や考えのリンクが発達してゆくうちに「自分の考え」が生まれ、その結果「意見」を持ったり、「仮説」が立てられるようになります。さらにそこから「教養」を深め「見識」を得るためのノート術に発展してゆきます。

世に出る

そしていよいよ最終段階。自分の考え、自分の意見を持ち、教養を深めたなら、世に出ましょう。隠れていてはもったいない。あなたは既に〈天才〉なのです。

 せっかく「天才」になったんだから、デビューしましょうよ。
誰も知らないところで、1人で「天才」やってていはずないでしょ?

天才の特徴は「強い主体性」です。
それは「この世界に対する責任感」「関わろうとする意志」という意味です。
強い主体性、すなわち「この世のことで自分に関係ないことなんかない」という、途方もない自我は、あなたに告げるはずです。
力は得た。
じゃあ、なにをしようか? と。

お供しますよ。
スマートノートは、いつでもあなたの味方です。

p.245-246

凡人だからできること

本書『あなたを天才にするスマートノート』の序盤で、著者の岡田斗司夫さんがご自身が「凡庸である」ことを悟ったエピソードに触れられます。岡田斗司夫さんは自身が「読書家である」と自負していましたが、大学のSF研究会に参加すると、自分よりすごい人がたくさん集っており、とても勝ち目がないと悟ります。

「自分は優秀ではない」と知ったから、次は「じゃあ、どうやって彼らと渡り合おうか」と考えた結果が「ノートを取る」という手段でした。必死に議事録を取る岡田さんの姿を、周りの人たちはバカにしていましたが、次第と一目置かれるようになります。

優秀な人たちは頭がいいから、ノートを取らなくても忘れません。それ故に話し合いの中で〈目に見える証拠〉がないため〈水掛け論〉になることもあったのです。そんなとき、メモを取っている岡田斗司夫さんの出番です。誰がどんな話をしたか過去の記録が残っているのです。ノートの強みを知ったのです。

岡田斗司夫さんのノート術は「自分が凡庸だ」と悟り、それを打開すべく奮闘した経験から始まります。ですから、本書も、普通の、凡人が、天才になるためのノート術なのです。経緯を知ると、事細かに「ノートを取る習慣付け」から丁寧に解説される理由もわかります。

ムダな思考をいっぱいしよう

本書『あなたを天才にするスマートノート』の趣旨で、あさよるが共感したのは「ムダなこと」を大事にしていることです。

スマートノートの考え方は違います。
もっと「ムダ」を重視している。
効率よく「能力」を伸ばそうとはしていない。

(中略)

私たちの脳は工場ではない。原料である知識や情報を搬入して、常に刺激を与えれば一定のアウトプットが得られる、そんな工場製品ではないからです。(中略)

私たちにできることは「開墾」「日当たりと水はけの配慮」「日々の手入れ」「害虫の駆除」、そして「収穫」だけなのです。

なにかを思いついたり、アイデアや企画が脳内で生まれる。それは「収穫」です。収穫には準備期間として種まきや成長が必要で、急かすこともスケジュールを守らせることもできません。
でも、私たちは「良き農夫」となることができる。収穫物が少しでも大きく素晴らしいものになるためにできることがある。
それがスマートノートなのです。

p.168.172-174

自分の考え、自分の意見を持つって、気長な農作業なのですね。インプットすると定量アウトプットされるような工場製品ではなく、一見するとムダに思えるような作業や時間を使い、豊かな土壌を耕さねばなりません。しかもスケールは「人生」という、えらい壮大なスケール。

「ムダ」が必要というのも、変な話に聞こえますが、「何が必要で、何が不要なのか、やってみないと選別できない」とも言えます。結果的に「あれは役立ったな」「あれは蛇足だったな」と振り返られるだけで、始める前は未来が予見できません。だから、いっぱい、ムダな、いらないことをたくさん考えよう!

ただ「ノートをとる」って作業なのに、なかなか大きな話に行き着きます。もし、学校で板書を写すしか経験がない人がいたら『あなたを天才にするスマートノート』は、ノートの書き方、メモの取り方を、最初の第一歩から教えてくれます。

関連記事

岡田斗司夫さんの本

ノート術・メモ術の本

思考法の本

面白い人になるための本

続きを読む

『「やりがいのある仕事」という幻想』|お金のために働くでOK??

こんにちは。夏バテがひどいあさよるです。去年も夏はぐったりしてたんですが、こんなだったっけ……いつも徒歩で移動する距離を電車に乗ってしまうという(-_-;)

と、この暑い中、就活頑張ってらっしゃる学生さんたち、お疲れ様です。今回は、就活生の方も目を通してもらえると良さげな本をチョイスしました。といっても、そんじょそこらのビジネス書や、働き方を説く本とは違います。なんたってタイトルが『「やりがいのある仕事」という幻想』w

先に言っておきます、あたり前で露骨に本音の話をしているのですが、こんなこと教えてくれる本もなかなかなかろうかと思います。決して「優しい」感じではありませんが元大学助教の森博嗣さんの「親切」で「真摯」な内容が良いと思いました。

誰も言わないホントの話

本書『「やりがいのある仕事」という幻想』というタイトルからしてもう、アケスケで内容を物語っていて秀逸です。すなわち、「やりがいのある仕事」というのは幻想であるという話なのです。

なにより、本書が書かれた経緯からして、アケスケです。編集者から若者の就活や就活自殺をうけ“人生の目標”について森博嗣先生に書いてほしいと依頼を受けた。それに応えた。しかし、著者自身が大学の教官から作家になり、会社員の経験はない。多くの人とは違った経歴の持ち主である。それにしても、そもそも人それぞれ違っているし、職業もいろいろだ。そう思案しつつも、助教授として学生たちと接していたことと、やはり多くの人が幸せになるように願っている。そんな経緯で、本書は執筆された。

もう、本書はこの「まえがき」だけでも全てを言っている。人それぞれ違っているし、人は働くために生きているわけでもない。そして、職業に貴賤もない。「やりがいのある仕事」とは幻想なのである。

〈やりがい〉〈好き〉〈楽しい〉と〈お金を稼ぐ〉こと

本書を読んで改めて考えると「やりがいのある仕事」というのは変な話なんですね。もちろん、今の仕事にやりがいがある人もいるでしょう。「やりがいがある」ことが悪いと言っているわけではありません。不思議なのは「仕事にやりがいを感じなければならない」という強迫観念めいた考え方なのでしょう。もしかしたら今、「自分は仕事にやりがいを感じている」と思っている人も「そう思わなければならない」と思い込んでいるのかもしれません。

〈やりがい〉という言葉も、気になります。例えば「好きな仕事がしたい」とか「楽しい仕事がしたい」なんて言うと「仕事はそんな甘い物じゃない!」と言われてしまいそうですが、「やりがいのある仕事をしたい」或いは「仕事にやりがいを見出したい」と言うと、なんか収まりがいい。しかし、別に好きなことでお金を稼いでもいいし、仕事は楽しい方がいい。もっと言えば、「仕事しなくていいならしたくない」「お金があるなら働かない」って、なんか「言っちゃいけないこと」みたいな雰囲気。不思議ですね。

森博嗣さんは、「やりがいのある仕事」を否定するわけじゃないけど、仕事をお金を稼ぐ手段としてもいいじゃないとおっしゃいます。そして、その仕事に上も下もない。職業に貴賤はない。みんな口ではそう言います。だけどなんとなく「カッコいい職業」「みんなの憧れ」があるのって、これも不思議な話。

「羨ましがられたい」「スゴイって言われたい」「認められたい」

職業に貴賤はないと言いながら、なんとなく良い職業とそうでない職業がある気がする。多くの方は、内心「カッコいい職業」「憧れの職業」「羨ましい職業」なんてあるんじゃないでしょうか。そして「それに比べ自分の仕事は」あるいは「あの人の仕事は」と何かと比べている気がしませんでしょうか。

結局のところ、他人が羨ましがるような仕事がしたいとか、みんなが憧れる職業に就きたいとかって願望がどこかにある。そして、上手いこと他者が羨ましがる仕事に就けなくても、「自分はこの仕事にやりがいがある」と言いたい。本当は、やりがいなんてなくても構わないのに、「やりがいがあるんだ」「好きなんだ」って言い切りたい。だって、「やりがいのある仕事」に就いている人もまた、羨ましい対象だから。

他人の評価を踏襲して生きることに重きを置くと、「結婚しないといけない」「子どもを持たなきゃいけない」という考えにも繋がっていく。要するに「幸せな結婚をする人は羨ましい」「子どもに囲まれて生きるのは憧れられる」。もちろん、自分の意志でそれを望む人を反対しているわけではない。ただ、なんとなく「みんながそういうから」と、トレンドに乗り遅れないよう取り組んでいる人もいるのでしょう。

自分の〈やること〉をやる

長々と書きましたが、『「やりがいのある仕事」という幻想』で述べられている考えは、みんなの憧れや羨望に乗っかる必要はないこと。別に「お金が欲しくて働いている」でもいいじゃん。それよりも、自分の価値観ややるべきことに取り組むべきだ。すなわち、働いてお金を儲けて、自分のすべきことをやる。で、好きなことややりたいことって、既にやってるでしょ?

自分の考えるというのは、仕事だけでなく、結婚や家族も同じ。もちろん、結婚制度を否定しているわけじゃない。だけど、なんとなく焦って「やらなきゃ」「決めなきゃ」と思わなくてもいいじゃん。子どもも同じですね。もし、「子どもができると羨ましがられる」「憧れられるママになりたい」と、周りの人から「認められる」ための活動は、やめてもいいんじゃない?という提案ですね。

他人から「認められるため」の就活ではなく、自分が「生きるため」の就活をしよう。本書『「やりがいのある仕事」という幻想』では、包み隠さない本音を暴くのですが、森先生は親切だなぁとも思いました。誰も言わない誰も教えてくれないことを、わざわざ文字にして提示してくれるんですから。

就活で絶好調な方はそのままがんばるとして、ちょっと「どうなるのかな」「このままでいいのかな」と感じている学生さんは、ちょろっと立ち読みでもしてみてください。「なんじゃこりゃ」と本を元に戻してもいいし、少しだけ、みんな分かってるけど口にしない本音を知りたくなったら、どうぞ。

続きを読む

『20代で伸びる人、沈む人』|将来のリーダーはスタート時点から違う?

こんにちは。リーダシップを持ちたいあさよるです。ピシッと人前でも、デキる感じを醸せたらと願っています。……現実はほど遠いのですが(;’∀’)>

『20代で伸びる人、沈む人』は、リーダシップのカテゴリで話題になっているのを見つけたので、さっそくチェックです。著者の千田琢哉さんの著書は、あさよるネットでも数冊紹介していて、読みやすかったので、今回も期待!

これから伸びる人の特徴

本書『20代で伸びる人、沈む人』では、30代、40代とどんどん伸びてゆく人の特徴が紹介されています。出世レースでは、「後から頑張ろう」はありません。「20代の内はゆっくりしといて、40代になったら頑張ろう」は起こらない。あくまで、40代、50代で活躍している人たちは、若い頃から走り続けていると言います。

考えてみれば「そりゃそうだな」と納得。

あさよるは、ゆっくり30代をやっている方ですがw、ぜひこれから「いっちょやったろか!」という若い方は、一読してもいいんじゃないかな。

言いなり、都合の良い人が良いわけじゃない?

ざっくりと7つの「伸びる人」「沈む人」の特徴が挙げられています。

  • 仕事のしかた
  • 勉強のしかた
  • 上司との付き合いかた
  • 後輩との付き合いかた
  • 同期とのつき合いかた
  • 顧客とのつき合いかた
  • お金の使いかた

一覧してみると、仕事や勉強、お金の話はあるにせよ、やはり「対人関係」に如実に表れてるものなのかもとドキリ。目指しているもの、見ているものが20代の頃から「伸びる人」「沈む人」には違いがあるように感じました。

意外でもあり納得したのは、「従順であること」はあまり意味がなさそうなところ。上司やお客様にもなぁなぁにならず、言うべきことは言う。それで反感を買うこともあるし、だからこそ信頼もされる。ダメなのは、相手に合わせて調子のいいこと言っちゃうタイプなのかもな……反省。

後輩や同期とのつき合いかたも、あさよるにはない要素すぎて冷や汗しか出ない。ウザがられる先輩ではなく、慕われて後輩から追いかけられる先輩になる。同期の中で抜きんでていても、パッとしない同期ともフランクに付き合い続ける。

そして、最後は自分が成功することによって、人は離れていゆく。自分のステージが変わるたびに周りの人間関係まで変化してゆくのです。これは、楽しみな気がしますね。どんな世界へ行けるのか。

客観的データがあるわけではない

あさよるがこれまでに読んだ他の千田琢哉さんの本もそうでしたが、客観的データを示しながらの話題ではありません。特にデータも示されていないので、肌感覚や経験則でのお話なのかと思います。それに説得力を感じるかどうかはあなた次第……という世界でしょうか。

あさよるは結構「経験則」って大事だと思っているので、本書の内容も「そういうもんなんだろう」と思ったのですが、苦手な人は苦手かも。

ちょっとした言葉、行動の積み重ね

ここで語られる「伸びる人」「沈む人」の差は、ほんのちょっとしたこと。上司の陰口を言う/言わないとか、上司を尊敬する/敵視するとか、あたり前っちゃああたり前の数々です。残念な会社に就職しちゃったら残念ですが、そうでないのに勝手に周りを敵視して沈んで行っちゃうのももったいない話。じっくりと今の自分を俯瞰するのにもいいのかな?

あさよるはもう30代ですので、本書は最初っから読者として想定されていないのですが、かつての自分を思い出しつつ読みました。上司を顧客と思い、後輩をファンにさせ、同期とフランクにつきあう自分……そうなれる素地は皆無ではなかっただろうけど、自分はそう“しなかった”なぁ、勿体ないことしたんだなぁと、やや落ち込んだw

中身については目次を見るだけでもイメージできるかと思います。この記事の最後の目次情報を載せますので、ご覧あれ。

元気が出る?げんなりしちゃう?

本書を読んで、元気が出て「明日も頑張ろう!」とガッツが湧いてくる人もいるでしょう。反対に、嫌な気持ちになってゲンナリしてしまう人もいるかも。リアル20代の方なら尚更です。

あさよるは「こういう風に振る舞えばいいんだな!」って勉強になった半面、「自分はガッツリ〈沈む人〉だった……」と衝撃を受け、ちょっと落ち込みました^^

パワーが湧く人、励まされる人、しょんぼりする人、イラッとする人。読む人によって色が変わる本じゃないかと思います。それは面白いことです。

あさよるネットで紹介した千田琢哉さんの本

『仕事は好かれた分だけ、お金になる。』

『仕事は好かれた分だけ、お金になる。』|誰だって好きな人と仕事がしたい

『読書をお金に換える技術』

「本なんか読んでも腹の足しにもならない」へのアンサー|『読書をお金に換える技術』

続きを読む