科学・テクノロジー

流行語『睡眠負債』|命を縮める「寝不足」が溜まってゆく……

『睡眠負債』挿絵イラスト

こんにちは。毎夜、暑さで寝苦しくって、寝不足気味な あさよるです。エアコンの温度設定が難しいですね(エアコンつけたまま寝るのが苦手)。生活リズムが崩れそうなので、意識的に運動の時間を固定しようと奮闘はじめました。こういうの、一回生活がズレはじめると元に戻すの大変よね。

特にこの夏、W杯観戦で睡眠不足な人も少なくないでしょう。まだ夏は始まったばかりなのに、すでに気が遠くなりそうに暑いんだけど……。みなさんも体調管理に気を配ってくださいね……ということで『睡眠負債』という本を手に取りました。どうやら「NHKスペシャル」で「睡眠負債」という特集があったらしく、2017年の流行語にも選ばれていたらしい……。ご存知でしたか?

眠りの借金が健康を損なう

タイトルの「睡眠負債」とは英語で「Sleep Dedt」と言い、睡眠研究者の間で注目されている問題だそうです。本書『睡眠負債』はその「Sleep Dedt」を扱ったNHK「Nスペ・睡眠負債」の放送内容からさらに取材を加え書籍化されたものです。2017年の第34回「新語・流行語大賞」でもトップテンに「睡眠負債」がノミネートされています(知らんかった!)。

(ちなみに2017年の新語・流行語大賞は、年間大賞「インスタ映え」「忖度」、トップテン「35億」「Jアラート」「睡眠負債」「ひふみん」「フェイクニュース」「プレミアムフライデー」「魔の2回生」「〇〇ファースト」、選考委員特別賞「9.98」「29連勝」です。「睡眠負債」以外は、知ってる言葉or説明を聞くとわかるけど「睡眠負債」は全く知らなかった)

まあつまり、「注目の言葉」ということみたいですね。

「睡眠負債」とは睡眠の借金。睡眠が足りないまま翌日に持ち越し、それが慢性化している人は少なくないと言います。現代人の病とも言えるようで、大人だけではなく成長期の子どもの睡眠時間も足りていないそう。子どもは大人と違って、8時間、9時間眠らなければならないのに、夜11時を過ぎてもまだ就寝していない子どもも増えてるんですって。

睡眠は生きるために必要な時間です。しかしわたしたちは睡眠を侮りすぎているのかもしれません。この睡眠負債は不可逆で、一度体に負債が定着してしまうと一生残ってしまうそうです。そんな話知らんかった! 知ると怖い話です。

ちなみに睡眠は「負債」を抱えることはあっても、貯金、つまり「寝溜め」はできません。これは他の睡眠の本でも共通して紹介されています。日頃寝不足だからといって、休日に寝溜め(寝坊)すると、逆に生活リズムが崩れてますます睡眠負債を抱えることもあるようです。

睡眠負債を抱えた状態は、注意力が低下し、酒酔い状態と変わりません。その状態で自動車を運転したり、出社しても業務がはかどらず、いいことがありません。それを受けて、企業も社員の睡眠の質の向上に注目し始めているそうです。不規則なシフト制の仕事や、夜勤のある業務では特に、睡眠の取り方に注意を払いたいですね。

現在は、睡眠不足と、認知症やがんの発症の関連性も認識され始めています。

夜更かしの〈おもちゃ〉はいっぱいある!

あさよるは恥ずかしながら、20代の頃慢性的に寝不足でした。「人間は寝ないと死ぬ」ということを知らなかったんですね~。マジで死ぬかと思った。言い訳としては、あさよるの周りの人たちがツワモノばかりで、夜も寝ずに働いて遊んでそれでもパワーが有り余っているような広告マンやデザイナーばかりの中にいたもんで、ついうっかり「自分もみんなと同じように生活しても大丈夫」と思い上がってしまいました。残念ながらあさよるは才能がなかったようで、毎日きっちり夜寝ないと体が持ちません。

で、自分に必要な睡眠時間を測ってみたところ、「7時間睡眠だと少ないかも」と思い至り「睡眠時間8時間を確保する」というプロジェクトを始めてみました。理想は、朝6時には活動が始められるような状態になってたいなぁと。午前中の日光の下がいちばん光が見やすいから、視力を使う作業は午前中に終わらせたいのだ(`・ω・´)> すると、逆算すると夜9時には就寝準備しておきたいのですが、なかなか9時までに業務を終わらせられない日が多くて四苦八苦中です……orz

睡眠負債を抱えてしまう人も、もちろん多忙であったり、勤務時間によって負債を抱えてしまわざるを得ない人も多いのでしょう。夜勤やシフト制で働く人がいないと、今の社会はなりたたないのです。一方で、もう一つの要因として「夜更かしのための誘惑」が多すぎるとも感じました。

夜中、お布団の中でYouTubeを見たり、ソシャゲをして時間が経ってしまうこともあります。SNSをチェックしている間に数時間すぎてしまったり、LINEなんかで友だちとトークして夜更かししてしまうこともあります。むしろ今の環境で「夜更かししない方がおかしい」ような気さえします。あさよるも、睡眠時間を確保したいときは、誰からの連絡も受け付けないようにして、寝ることに集中するようにしています。

SNSやネットニュースなんかも、単に「人とつながる」だけじゃなくて、心がかき乱されて「落ち着かない」「不安になる」「イライラする」なんてことも起こります。自分の心の安定をどうやって確保するのか、情報の取捨選択のみならず、オン/オフや、平穏を乱さないスキルも必要かもしれませんね。

よく寝るためにはお金がかかる

睡眠の質は、起きている間の過ごし方が影響します。また、子どもの睡眠負債は成長にも大きな影響が出るでしょうから、大問題だろうと思います。「大人と同じ時間だけ寝ているから大丈夫」と勘違いしてしまっていることもあるそうです。先にも述べたように、子どもは中学生でも8時間の睡眠が推奨されているそうで、大人よりも長い睡眠が必要です。

あさよるの妹が市街地で子育てをしているのですが、子育て事情を聞いていると「都会で子育てはお金がないと詰むな……」と感じます。妹の息子(あさよる甥)は平日毎日のように習い事をしているそうです。何をしているかというとサッカーや体操やスイミング。つまり、子どもが走り回れる場所がないから、習い事をさせて「全速力で走る」という活動をさせているそうなのです。土日はパパと自動車で公園へ行き、そこでサッカーをするそうです。あさよるは田舎で育ったので、みんな野山や田んぼで転げまわって遊んでいてそれが当たり前だったので、「子どもが走り回れない」となると、とても大変なことが起こっているんじゃないかと感じます。あさよるの育った町も、今は宅地開発が進んで、もう子どもだけで遊ばせるのは難しいかも。山や田畑も減っているし、勝手に遊んでもいい場所がありません。

子どもの「遊ぶ場所」が顕著なので例を挙げましたが、大人もまた、体を思いっきり動かせる場所が制限されているのかもしれません。昔はバーベキューや川遊びや花火ができる場所はたくさんありましたが(それが良かったのか悪かったのかわかりませんが)、今はすっかりなくなってしまいましたね。大人も、体を動かしたり、レジャーや遊びにお金を払い、契約しないと難しくなっているのかも。

気持ちよ~く、バタンキューで寝てしまうような活動のためには、お金がかかるというのは、難しい時代かも。

ログを取るのにハマる

『睡眠負債』挿絵イラスト

本書では、シフト制で夜勤のある人などに向けては、睡眠の記録を取るよう勧めておられました。

あさよるも簡単にですが、起床時間、睡眠時間や食事の時間、運動の時間などのログを取っています。これ、大変な気がするかもしれませんが、慣れるとログ取りが楽しくなってきます。ログを取ったからといって、なにか変わるワケじゃないんですけどね(;’∀’) 改善するためには別の取り組みが必要っぽいです。だけど、「あさよるは睡眠時間8時間は欲しいかも」という気づきも、ログを取るようになって感じるようになりました。一定の効果はあるのかも。

「睡眠負債」は重いです。認知症やがんのリスクが増し、命を縮めます。もし、良い時間を少しでも長く過ごしたいなら、睡眠の取り方、時間の過ごし方に目を向けるべきかもしれません。また、残念ながら睡眠負債は不可逆なものらしく、体の中に負債が溜まってゆくそうです。だから、対策するなら今日からするしかありません。2017年の流行語、今知れてよかったです。

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『やってはいけない食べ方』|今やってる健康・美容法でいいの?

『体を悪くする やってはいけない食べ方』挿絵イラスト

こんにちは。毎晩、日記に「食べすぎ」と書き続けている あさよるです。「夏バテ」してるんだけど、体重は増えてるという(;’∀’)> 『やってはいけない食べ方』は管理栄養士の望月理恵子さんによる、健康や美容の指南書です。しかも、みなさんが「良かれと思って」やっている食生活が、実は逆効果なのよ~! と呼びかけるものです。なんでも「加減」が大事なんですね。

個人的に、栄養学の勉強をおっかなびっくり少しだけやってみたのですが、あまりにも難しすぎてスゴスゴと逃げ出してきた身。栄養士さんってマジすごいと、尊敬の気持ちが高くなりました(`・ω・´)b

健康に気遣っている方なら、ちょろっと目次だけでもご覧くださいm(__)m

ダイエット、健康習慣の失敗

『やってはいけない食べ方』では、健康や美容に気づかっている人が陥りがちな失敗例が数多く登場します。それでなくても、ダイエットや健康法にはブームがあって、その時々みんなが夢中になって消費されるけれども、しばらくすると忘れ去られている……なんてこともよくあります。納豆がいいとか、ココアがいいだとか、青魚がいいだとか。

昨今、流行っているのは「主食抜きダイエット」や「炭水化物抜きダイエット」でしょうか。しかも、中年の男性の間で流行っているとかで、あさよるもランチを外食したとき、中年男性がご飯だけ残しているのを見かけたことがあります。コールドプレスジュースをいただいたこともあります。スムージーは野菜や果物をミキサーで砕いて混ぜ合わせたものですが、コールドプレスジュースは野菜や果物を高い圧力で「絞ったもの」とでも言えばいいのでしょうか。

野菜を積極的に食べるのはいいことかもしれませんが、生野菜ばっかりバリバリ食べているのも考え物です。なぜなら、野菜には灰汁やシュウ酸など、人間の体にとって良いものではない成分も含まれているからです。植物だって、なにも人間に食べられるために生まれてきたわけじゃなく、毒や棘などを持って武装しているのです。

そんな、健康や美容のブームを栄養士の立場でバッサリと正論を主張するのが本書『やってはいけない食べ方』です。別に過激なことを言っているわけでもなく、「それってあんまり意味ないよ」とか「やりすぎはよくない」とか微妙な〈加減〉のお話。

例えば今、グルテンフリーの食品が流行っていますが、本書によると小麦アレルギーやグルテンによる体調不良を起こしやすい人は控えるといいけれども、特に健康面で異常のない人はグルテンフリーでもあんまり意味ないですよ~と紹介されていました。そもそも、第一章一節からしてちょっとショック。それは「朝食は和食より洋食がいい」というものです。理由は「和食はどうしても醤油や味噌を使うと塩分を取りすぎてしまう」から。寝起きの内臓がまだ十分機能していない時間帯に、塩分の多い食事は控え「食パンと卵焼きとレタス。デザートにヨーグルトでも」と紹介されており「なるほど!」と納得。あさよるも朝食に味噌汁を飲んでいましたが、確かに味が濃いかも。

あと個人的に「朝食に果物を食べるとシミができやすい」という話は聞いたことがありましたが、ずっと「ホンマかいな」と疑っていました。しかし、本書でも取り上げられていて、柑橘類を食べるとメラニン細胞を刺激し、メラニンの分泌量を増やす働きがあるそうで、日に当たるとシミや赤み、かゆみをひきおこすことがあるそうです。マジだったのか!

『体を悪くする やってはいけない食べ方』挿絵イラスト

やりすぎ、やらなさすぎはNGってこと?

本書の内容を一つずつ紹介するのはムリなので、目次情報をご覧ください~(この記事の最後に目次情報を掲載しています)。

ここで取り上げられていることの多くは、健康や美容目的に「良かれと思ってやってた」のに、それが裏目に出ちゃってるんじゃない? というお話がほとんどです。例えば、本書では別に糖質制限ダイエットを否定しているわけではありませんが、極端にやりすぎちゃうと別の健康被害や不具合がありますよ、というスタンスです。ダイエットや美容のために食物繊維をたくさん食べることを否定はしませんが、極端に食物繊維過多の食事に偏ると、肌荒れや便秘の原因になる、と紹介されています。

つまり「極端なことをするな」というのが、全編通じて述べられていることじゃないかなぁと感じます。あるいは「〇〇を食べなければいい」とか「△△さえ食べればいい」とか、短絡的に考え行動するんじゃなくて、よく考えて下調べして、食事のコントロールを自分でしましょう、という話なのかもしれません。ああ、マジ正論。「これさえ飲めば」みたいな万能薬みたいなものは幻想なのだなぁ~。

栄養学はむずかしい!

本書を読んでて「献立を考えるのって難しい!」とつくづく感じたのは、こちらを立てればあちらが立たず、みたいな話が多いことです。例えば、果物を食べるのは良い効果もありますが、先に紹介したように食べる時間帯によっては良からぬ効果もあります。また、果物や野菜が、花粉症に反応してアレルギー症状が出ることもあるそうです。ダイエットは、健康管理の面でも必要で、生活習慣病としても必要です。だけど、ダイエットに精を出しすぎると、そのせいで生活習慣病のリスクが増えることもあります。

糖分を控えてたんぱく質を多くとろうと、肉をたくさん食べるようになり、結果的に油分を取りすぎて糖尿病リスクが増すこともあるそう。だけど、油は必ずしも悪者なわけではなく、上手に取ればダイエットの味方になる、という。……ややこしい!

あさよるはもう、こういう栄養学とか生理学とかめっちゃ嫌い&苦手の二重苦なのですよ……(´;ω;`) 栄養士ってマジで賢いよなぁ~とポカーン。

「いい塩梅」ができれば……

本書を超簡単に要約すれば「いい塩梅でやりなさい」ってことなんでしょう。だけど、その「塩梅」がわからないから困ったもんだ。子どもへの「食育」の大切さが叫ばれて久しいですが、親から子、祖父母から孫へ「食育」をするのはとても難しいんじゃないかと思います。だって、あさよるの祖父母は戦前生まれで、人生50年の時代の人たちです。今「人生100年時代」なんて言われるようになりましたが、それは「肉体を二倍も長持ちさせないといけない」ということ。あさよるの両親も、やっぱり50代を過ぎると高血圧やなんやらと健康診断で引っかかって通院をしています。両親が子ども時代に受けた「食育」は、人生50年対応だったのでしょう。そして、その子世代のあさよるは……。

やはり、親から子へ「食育」をするというのはムリがある話じゃないでしょうか。昔、親から教えられたことは、今の食環境や人生観とは合致しません。やっぱ、最新版に自力でアップデートし続けないといけないのかもね……。あ~、難しいなぁ( ノД`)

こういうのこそ、東洋医学の「中庸」ってのが大事なんでしょうね。難しいけど。

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『ネット依存・ゲーム依存がよくわかる本』|スマホ+ゲームはヤバイ

こんにちは。あさよるです。毎日ブログなんて書いてると、ある時に「あなたパソコンに依存してるじゃないのか」とあらぬ疑いをかけられたことから、本書『ネット依存・ゲーム依存がよくわかる本』を手に取った。。結論を先に言えば、本書を読む限りあさよるは依存ではないみたい。業務とブログ更新にパソコンを開くけど、それ以外はといえばYouTubeを見るくらいだし。ゲームはそもそもしないし。テレビもほぼ見ないから、意外とブルースクリーンを眺めている時間は少ないのかもしれない(YouTubeをどれだけ見てるかが問題ですな)。

しかし、あさよるが頑なにゲームをしない理由が「やめられないから」であり、スマホも持ちたくないのは「絶対ハマる」と確信しているからだ。一旦、自分をゲームやネットにいつでもアクセスできる環境に置けば、依存sてしまうのは目に見えているし、自力で抜け出せないとも思っている。だから、本書の内容は他人事じゃない。

スマホゲーム・ネット依存症

『ネット依存・ゲーム依存がよくわかる本』は、ネットやゲーム依存について簡単に誰でも読める内容にまとめられた本だ。この講談社の「健康ライブラリー」シリーズはあさよるもよく読む。精神疾患や、発達障害、不登校やひきこもりなど、治療や支援や知識が必要な人に向けられていて、「誰でも読める」が徹底されている。かといって内容が薄いわけでもないので勉強にもなる。

で、本書のテーマはネット依存、ゲーム依存。心当たりのある方も多いのではなかろうか。ということで、「Internet Gaming Disorder Test」というテストが紹介されている。これはWikipediaの「ゲーム依存症」の項でも「インターネットゲーム障害の基準案」として紹介されている。

他にも本書では「スマホ依存スケール」というのも紹介されている。

スマートフォン依存スケール(短縮版)

① スマホ使用のため、予定していた仕事や勉強ができない
② スマホ使用のため、(クラスで)課題に取りくんだり、仕事や勉強をしているときに、集中できない
③ スマホを使っていると、手首や首のうしろに痛みを感じる
④ スマホがないと我慢できなくなると思う
⑤ スマホを手にしていないと、イライラしたり、怒りっぽくなる
⑥ スマホを使っていないときでも、スマホのことを考えている
⑦ スマホが毎日の生活にひどく悪影響を及ぼしていても、スマホを使い続けると思う
⑧ TwitterやFacebookでほかの人とのやりとりを見逃さないために、スマホをたえずチェックする
⑨ (使う前に)意図していたよりもスマホを長時間使ってしまう
⑩ まわりの人が、自分に対してスマホを使いすぎていると言う

P.8

各項目5段階で評価する。「まったく違う」1点。「違う」2点。「どちらかというと、違う」3点。「どちらかというとその通り」4点。「その通り」5点。「まったくその通り」6点。全部で31点以上になった場合「スマホへの依存の疑いがある」と考える。

また、本書では「ネット依存・ゲーム依存の特徴」はアルコール依存症の特徴から転用されていて、アルコール依存症と同じ「依存症」であり、治療が必要なことがよくわかる。依存症は怖い。自力で何とかできるもんじゃないから、ちゃんと病院にかからないといけない。ちなみに、あさよるが依存症の恐怖を初めて知ったのは、吾妻ひでおの『失踪日記』だった。慢性的なうつとアルコール依存症から自殺をはかるも失敗し、そのまま失踪していた日々を綴ったもの。

あさよるは個人的に、10代のころ酒屋でバイトしてた経験もあり「アル中の人」は見知っていた。朝出勤すると、社員よりも先に店の前で待っているおっちゃんが数人いた。パッと見た感じは、ごく普通のおっちゃん(おじいちゃん)だ。誰もが条件が揃えば中毒になる。今はアルコールよりも刺激の強い娯楽はたくさんあるから、それ以外のものに依存してしまっている人はたくさんいるんだろう。

ある意味、スマホ依存、スマホゲーム依存はアルコール依存症より怖いかもしれない。その理由は、多くのアプリが「無料」で手に入るからだ(もちろんハマると課金をしはじめるかもしれないけれど)。無料だから、どんどんアプリをダウンロードして、ずっとゲームやSNSに没頭し続けてしまう。まだ、アルコールだったらお金を払わないと手に入らないし、なくなると買いに行く手間もある。人に依存してしまう人も、相手がいないと依存できない。だけどスマホでSNSやゲームに依存するのは、コストはかからないし、部屋の中で一人で完結してしまう。かなり怖いぞ!

ところでスマホって必要なの?

スマホのゲームに依存してしまった人の例では、まず「無料ゲームアプリで遊べるのはコスパがいい」と感じ、そしてどんどんハマってゆくと「時間を買っている」との感覚でゲームに課金をし始め、課金額が年数百万円に膨らみ、家族の大問題になった。この「コスパがいい」「時間を有効活用している」との感覚が、なんとも厄介な感だ。ハマってしまえば、自分は賢い選択をしてると錯覚してしまうそうだから。

ところで、多くの人にとって、スマホって絶対必要なのだろうか。職業柄、最新型のスマホをガシガシ使いこなす人もいるだろうが、多くの人にとってスマホって、あくまで「娯楽」の道具じゃないだろうか。もちろん、娯楽のために道具を買いそろえるのは悪いことではないが、あまりにもコストがかさみすぎたり、業務に支障が出るくらい趣味にハマりすぎるのは考えものだろう。

それにしても「スマホ」&「ゲーム」という組み合わせはヤバイ。

『ネット依存・ゲーム依存がよくわかる本』挿絵イラスト

どこでもできる、いつでもできるはヤバい

本書では子どもがスマホやゲームに依存してしまう例が数多く紹介されている。あさよるも子どもの頃からテレビゲームをやってた世代だから、子どもがゲームにのめり込んじゃうのはよくわかる。だけど昔のファミコンは本体をテレビに繋がなきゃいけないという、物理的な制限がかかっていた。しかし、今の一人に一台ゲーム機やスマホが配られている状態で、ゲーム依存、スマホ依存するなという方が無理な話だろうと思う。

なんかもっと根本的に、道具の使い方をよく考えないとヤバいんじゃないかと危機感を持った。繰り返すけれども「依存」というのは恐ろしいもので、一度「依存症」になったら自力でどうにかできることじゃない。「コスパ」や「効率」を考えるなら、そもそも「依存症にならない」ような環境を意識的に整えなきゃヤバいんじゃないだろうか。

突然、強制的にやめさせるのは逆効果

本書『ネット依存・ゲーム依存がよくわかる本』は、すでに依存症になっているor依存傾向にある人や、その家族に向けられたものだ。だから「依存症予防」ではなく「依存症になったらどうすべきか」が趣旨である。

依存症じゃないかと感じたら、まずは専門医にかかること。本書ではネット依存・ゲーム依存が相談できる全国の医療機関も紹介されている。本人はなかなか自分の依存症に気づかないことも多いから、家族が病院に相談することも少なくないらしい。

そして家族は、強制的にスマホやゲームを取り上げたり、遮断してしまうのは逆効果だそうだ。無理やりゲームやネット環境を取り上げると、余計に依存対象に対して執着が増してしまうらしい。にゲームやSNSでオンラインの友人と連絡が取れなくなったり、ポイントやランキングが下がってしまうと、自分のキャリアや人間関係を壊され、否定されたと感じるらしい。うん、わかる。だから、話をしながら段階的にゲームやネットの時間を減らしてゆくよう根気よく対応しなければならない。

ゲーム機でゲームする方が楽しい?

あさよるも、スマホゲームは「ポコパン」と「妖怪ウォッチツムツム」にドハマりして、人間やめる寸前だった。マジで「寝る間を惜しんで」状態で、なかなか人生かけてやり込んだんじゃないだろうか。で、ゲームにハマるのはいいんだけれども、ゲームをするのが苦しくて苦しくてたまらなくなってくるのよね。そりゃ寝てないし、食べる時間も惜しんでるんだから苦しいわ。で、「苦しいのにやめられない」という苦悩。これって立派な依存症じゃね? と今気づく(苦笑)。

で、命がけでプレイしてる割に、達成感がないんだわ、これがw ある時に「こんなに苦しみが続くのはもう嫌だ」と、アプリを削除して一命をとりとめたのであります。

そして「やっぱ無料のゲームより、お金出して買ったソフトのほうが面白いなあ」ということになった。あさよるは今、ゲーム機をDSライトしか持ってないから、DSのゲームをたまに思い出したころにプレイする程度。だけど、任天堂のゲームはやっぱ無料アプリのゲームよりずっとよくできてて面白いように感じる~。

って、そういえば昔、どうぶつの森にハマって、夜中の昆虫採集や釣りが忙しくて眠れない日々もあったなぁ。やっぱゲームは、依存しないようにやるのって難しいなぁ。

家族って大事なんだなぁ

10代の人がネット依存・ゲーム依存になるケースが多いらしいのだけど、30代でも依存症で受診する人が増えているそうで、本書も全年齢対象。

しかし、本書を通じて読んで感じ入ったのは「依存症の治療には家族の存在が大事なんだ」ということだ。本人が依存症に無自覚で、家族が異変を感じ受診をすすめる場合が多いそうだし、段階的に時間をかけて依存状態から脱却してゆくにも、家族の支えがあってこそなのだろう。これは、どんなに親密な人がいても、家族でなければなかなかここまで深く関わることは難しいのではないだろうか。

反対に言えば「孤立してしまう」というのは、誰からの支援も受けられないということでもある。その状態で、依存から抜け出すのはとてもできないのではないか。あさよるも独身だし、独り身でいるって、こんなところにリスクがあったのか……と呆然とした。誰にも何にも依存せず、自立して生きたいけれども、そうはいっても生きてれば上手くいかないこともあるだろうし、困ったなぁ。こうやって、前もって勉強しておく必要性を感じた。

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『雨はどのような一生を送るのか』|地底と天界には水が満ちていた

こんにちは。あさよるです。あさよるの幼いころの遊び道具は「水」でした。右のコップの水を左のコップに注ぎ、左のコップの水を右のコップに注ぎ、右のコップの水を左のコップへ注ぎ……と延々と同じことを飽きずに朝から晩までやっていました。夢中になっていたのは、水のねちゃ~っと吸いつくような粘度と、あと、水と水が混ざり合う瞬間を見たくて同じことを繰り返していたのを思い出します。今でも、川の水面をボンヤリ眺めていると時間を忘れます。こちらも、川の水が交じり合う瞬間とか、エネルギーがどう伝播してゆくのだろうとか、キラキラと輝く水面の形を記憶しようとしたり、移ろってゆくものから目が離せない感じ。

本書『水はどのような一生を送るのか』では、一番身近でふしぎな「水」の性質について解説するのもので、これまで科学者たちがどのように水の性質を考え、どのような実験が行われてきたのか知るものです。易しい文体で誰でも読める内容ですが、読み応えあって面白かったです(`・ω・´)b

小さな「ハテナ」を解明すること

『雨はどのような一生を送るのか』は「どうして雨は降るの?」「雲はなんで落ちてこないの?」なんてとっても素朴な疑問に答える内容です。しかもただ、知識としてトリビアを羅列するのではなく、雨が降る理由、雲が落ちてこない理由を、科学者たちはどのように考え、どんな実験がなされてきたのかが紹介されます。

例えば、雨はどうして降るのか。雨が降り、地表や海から蒸発した水分が再び空中へ蒸発し、上空で冷やされ雨となって降ってきて……とグルグルと循環しているのは自明の事実。水の循環の図式は誰もが一度は目にします。しかし、昔の人は海の水が蒸発して雨になるとは考えなかったんです。聖書に登場する〈ノアの箱舟〉のお話では、「大いなる深淵が裂け」「天の窓が開かれた」ことによって、地上が水で覆いつくされてしまいます。昔の人は、大地の下と天空の上は水が満ちていると考えていました。地面が裂けて地底の水が流れ込み、さらに天空が開いて水がなだれ込んできたと表現されています。

マジメに遊ばないとヤバイ

本書では、これまで科学者たちが試みた実験が紹介されています。実験器具の図を見ていると、結構単純で、小中学校の実験でやったようなものが多いのです。あさよるはてっきり、学校の実験で、簡易版というか、子どもにもできるよう簡略化されたものなのかと思ってましたが、意外にも簡単な装置を使って実験し、検証されてゆくんだと知りました。雲をつくる実験なんか学校でやった記憶がありますが、あれはそのまんまの実験だったのですね。

また、水が流れる様子や、地面に水が浸み込んでいく様子、海の水が蒸発する様子など、わたしたちは知識がなくてもなんとなく経験で見知っていることがあります。たとえば、海の水はペタペタしていて蒸発しにくいとか、砂利や石が重なった筒の中を水が進むとき、じわじわっと浸透してゆく、など、別に特別実験しなくても、なんとなく経験で知っています。

この「なんとなく経験で知っている」ってのが、とても大事なんですね。知識として、教科書の文言を暗記するのは辛いし難しいしすぐに忘れてしまうでしょう。体験に基づく記憶の方がずっと思い出しやすそうです。

勉強ってのは、机に向かってテキストを読むことじゃなく、野山や川や海で遊びまくる方がずっと効率がいいのかもしれません。遊びってマジメにやらなやなんですね。

『雨はどのような一生を送るのか』挿絵イラスト

世界は変わる

先ほど、昔の人は地底と天界には水が満たされていると考えていたと紹介しました。その世界観は現代では否定されています。だけど、今わたしたちが考えているこの世界の形も、これからの未来、どんどん変わっていくのでしょう。

あさよるは10代のころから化学がむっちゃ苦手で超大嫌いだったのですが、苦手&嫌いを少しでも克服しようと、ずっと避けて通ってきた化学の勉強を少し始めてみました。大嫌いな理由は、なんかとりとめもなく、ただひたすら暗記するしかないのが耐えられなかったのですが、改めて勉強すると、目から鱗と言いますか、「世界の捉え方が変わった!」という経験をしました。しばらくクラクラしておりました。

世界が変わる経験ってやめられないですよね。あさよるが生きている間に、あと何回くらい同じ経験ができるのでしょうか~。

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『知られざる地下街』|地震、火災、水害…ヤバイ?安全?

『知られざる地下街』挿絵イラスト

こんにちは。あさよるです。あさよるはショッピングに商業ビルよりも地下街を利用する方が好きです。ビルは上ったり下りたり面倒ですが、地下街は横に伸びていることが多いし、多層になっていても知れていますからね。

通路としても地下街を利用しますが、地下街についてみんな多くを知らないのではないでしょうか。本書『知られざる地下街』は、タイトルからしてこれは読むしかない!

そういや、地下街ってなんだ?

本書『知られざる地下街』は、地下街の歴史や、地下街の仕組みなど、みんな知らない地下街の話題を扱います。地下街を利用する方は多いでしょう。近道に通り抜けたり、ショッピングしたり、雨や暑さ寒さを避けて地下街を通ることもあります。だけれども、地下街のコト、みなさんどれくらいご存知でしょうか?

地下街とは

この「地下街」とは、駅前の広場や通路、都市の公園などみなさんが公共で使う場所(公共用地)の地下にある、店舗と道路の合わさった施設のことをいいます。「地下街」と似た施設に、「準地下」や、「地下階」があります。「純地下街」は、店舗の部分は民間会社が持っている土地(民有地)で、通路部分が公共用地、という施設です。「地下階」は、店舗や通路とも民有地の地下にあるものです。

p.14-15

大阪の地下でいうと、ホワイティうめだや、なんなんタウン、あべちかなんかは「地下街」。店舗が民有地で通路が公共用地という「準地下」は、ヨドバシカメラ梅田の地下階は民有地だけど通路は公共地といったところでしょうか。通路も店舗も民有地の「地下階」は、梅田駅前の第1ビルから第4ビルの地下階ですね。日中は通路のように使ってますが、早朝や深夜はシャッターが閉まってて通れません>< なんばCITYの地下も「地下階」かな。

わたしたちはひと口に「地下街」と一まとめにしてますが、詳しく見ると区分が違うってことですね。

地下街が担っている役割

地下街は公共の施設です。ですから、地下街は公共的な役割を担っています。

①障害物や天候などに左右されない、安全で快適な歩行の環境を整えること
②買い物客が使いやすく回遊性の高い、賑わいのある環境をつくること
③錯綜する地上の道路交通を緩和させ、都市の景観向上に寄与すること
④地下街のある沿道の都市開発を促進し、地下街が接続する建物の価値向上を図ること
⑤地震や台風などの災害が発生した場合の一時避難機能(帰宅困難者など)を有すること

p.27

たしかに、あさよるの利用する地下街もすべての項目に当てはまっていると思います。近年では⑤の災害時の避難場所としての地下街が注目されているそうです。

日本の地下街まとめ!

本書では札幌から博多までの地下街が網羅的に紹介されています。あさよるは大阪に住んでいるので、関西の地下街しか馴染みがありませんが、どの地下街もそれぞれの地域で愛され利用されているんですね。それぞれ地下街のカラーというか、特色があるのも良いですね。

札幌の地下は、冬の積雪を避けるために発達しているそうです。名古屋は「地下街の街」だそうで、独特な雰囲気があるみたい。

というか「意外と地下街って少ないんだなあ」というのが あさよるの感想でした。東京23区内の地下街も16しかないそう。もっと、東京の地下はアリの巣のように街が張りめぐらされているのかと思っていました。一つ一つの規模が大きいのかなあ。ちなみに大阪の地下街は14だそうです。

地震、水害、火災時の地下街

地下街の話題で気になるのは「もしものとき」の対策です。災害や火災時に、地下街って危険なの!?

地震には強い?

まず、地震には地下街は強いみたいです。都市部で震度6~7の大地震が襲ったのは、1995年の阪神大震災。神戸三ノ宮の地下街「さんちか」「デュオこうべ山の手」「メトロこうべ」が被災しますが、地上の大被害とは対照的に、地下の被害は少なく済んだそうです。部分的に柱にひび割れがあったくらいと紹介されています。

2011年の東日本大震災でも、地下街ではありませんが、仙台の地下鉄に被害がありましたが、小規模なものだったそうです。ただし、2016年の熊本大地震のように震度7の地震が2度続けて起こったとき、地下にどのような被害があるのかは警戒が必要でしょう。

また、東日本大震災では「帰宅困難者」が問題になりました。地下が地震に強いからといって、非常時に地下に人があつまる危険性にも触れられています。地下街や地下道の多くはターミナル駅に隣接しています。多くの人が一気に一所に押し寄せると、そこで将棋倒しになったり、二次被害が考えられます。

火災時はヤバイ?

地下での火災というと、2003年にあった韓国での地下鉄の火事を思い出されます。200人近い方が亡くなられ、地下の火災は恐ろしいと感じた人も多いでしょう。しかし、本書『知られざる地下街』では、事前に火災対策がなされているため、地上のビルでの火災よりも安全性は高いと紹介されています。

火災があった場合、火災の起こっている区画のシャッターを下ろして完全に火災を閉じ込めてしまうそうです。また、火災の煙は天井に溜まりますから、地下空間が一酸化炭素で満たされるまでには時間がかかります。すみやかに冷静に対処することで、地下から脱出する時間はあるそうです。

地上での火災はシャッターで完全に封じ込めることはできませんから、確かに考え方によっては地上より火災には強いのかもしれません。

水害はこわい?

近い将来、東南海地震が想定され、その際津浪が広く太平洋側に到来すると報道されています。あるいは、台風や大雨被害など、「水害」に地下街は弱そうに感じます……。

その辺も、地下街は対策が打たれているそうです。まず、地下に浸水させないように、地下への入り口に仕切りをして、水が流れ込まないようにすること。通気口は、地面よりも高い位置に設置すること。あるいは、通気口を手動or電動で蓋をできるようになっているそうです。物理的に「水を地下に入れない」対策がなされています。しかし一度、地下街に水が流れ込んでしまうと、地下から地上への脱出は難しい。水に逆らって階段を上ることは困難です。

あさよるも以前、地下にある駅の改札が完全に水没している現場に出くわしたことがあります。ゾッとして立ちすくんでしまいました……。

緊急の案内板は?

地下街の多くは、お店が立ち並び賑やかな街が続いています。ショッピングの際は、緊急用の案内板を確認しておくのが良いでしょう。さらに、緊急時には電子掲示板が、緊急用の表示に変わるよう用意されている例が紹介されていました。また、地下街を行きかう人は日本語が堪能とは限りません。電子掲示板は、多くの人への情報提供に役立つでしょう。

もし停電したら……

あさよるが『知られざる地下街』を読んで一番こわいと感じたのは、緊急時に「停電」してしまう可能性に思い至ったときでした。当たり前ですが、地下街は停電すれば真っ暗です。火災や水害の最中、停電してしまったらどうするんでしょう……。

本書では、蓄光できる案内の設置が紹介されていました。普段は見えませんが、辺りが暗くなると、しばらくの間光を放つ仕掛けです。

利用者としては、常に出口を意識して地下を利用すべきだと思いました。

地下街を歩くのは楽しい^^

『知られざる地下街』挿絵イラスト

地下のちょっと怖いシチュエーションの話をしましたが、それぞれの対応は考えられているようで、少し安心しました。だけど、繰り返しますが、利用者としても「非常口」の場所を意識するのは忘れちゃいかんとも改めて思いました。もちろんこれは地下に限らず、地上の建物でも同じだけど。

しかし、地下街ってなんかすごく楽しい空間ですよね。ただ通り抜けるだけのときも、お買い物をするときも、地上の路面を歩くよりも、地下を歩く方が好きです。

本書で日本中の地下街が紹介されているので、他の街の地下街も歩いてみたくなります。

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『生き物はどのように土にかえるのか』|死から命へ続いてく

『生き物はどのように土にかえるのか』挿絵イラスト

こんにちは。あさよるです。あさよるは子ども時代、ザリガニやカブトムシ、カナブン、カエルなんかの「虫」を飼っていました。時が来ると死んでしまって、お墓を作って埋めた経験もあります。子どもの頃から「生き物は死ぬと土になる」と知識として知ってはいましたが、実際にどのように土にかえってゆくのかを知りませんでした。……というか、正確には「見たことはある」けれども、あまり直視したくないものですので(色んな意味で)、薄っすらと遠目でしか見たことがないというのがホントのところ。

『生き物はどのように土にかえるのか』は、子どもの頃に知識として頭には入っていた事柄を、誰にでも分かるように易しく解説された良書です。本書が想定する読者は中学生以上。大人もぜひ読んで欲しいです。

生き物が食べられ分解され消えてゆくまで

本書では、生き物の「死後の世界」を紹介するものです。「生き物は死ぬと土にかえる」と言いますが、どうやって土へかえってゆくのか、どれくらいの時間をかけて土にかえるのか、知っている人は少ないでしょう。「死」は縁起の悪い話として、遠ざけて語られない節があります。しかし、生きるというのは死に向かうことですから、死と正面から向き合うことは生と向き合うことと同義でしょう。

本書は大きく3つの章からなっています。一つ目は動物が死んだあと、どのように分解され、土にかえってゆくのか。ゾウとクジラの死体が分化されてゆく過程が取り上げられます。二つ目は落ち葉が分解され土にかえってゆくまでの課程です。3つめは、「分解」に注目します。

動物の死体が腐って食べられ、分解されてゆく過程を扱っているので、「むごい」とか「グロい」と感じる人や案じる時もあるでしょうから、そのときのコンディションに合わせてどうぞ。だけど、動物は死んでも、その死体が次の命を産み繋ぎ、次々と命が数珠つなぎのように連なっている様子は、目の当たりにするととても感動します。日本では残念ながら(?)人は火葬されますが、それでも大気に熱となって放出され、それは他の生命に影響を及ぼすでしょう。自分もその大きな循環の一部なんだと知ると、なんだか安心できて、本書『生き物はどのように土にかえるのか』を読んでよかったと思いました。

壊れ、食べられ、腐り、なくなってゆく

生き物が死ぬと、まず細部が自ら酵素を出して壊れてゆくそうです。そうこうしている間に「分解者」がやってきます。地上で哺乳類が死ぬと、他の哺乳類や鳥類が肉を食べ、虫たちが集まります。この虫たちの仕事が重要で、虫が来ないようにネットの中に死体を入れておいても、なかなか分解が進まないそうです。身体はバラバラに持ち去られ、体液は地面へ染み込みます。氷に覆われた地域では、動物の亡骸を栄養に植物が生えます。

クジラの死後もダイナミックです。クジラの死体は一度体内で発生するガスにより浮上しますが、そのあとは海の底に沈みます。光も届かないような深海では、クジラの死体がコロニーのように、その周りに分解者が集まります。海底に栄養を届けるんですね。

植物は意外にも、腐るまで時間がかかるそうです。樹齢1000年の木材は、1000年使えるなんて言われることもあるそうです。

落ち葉が降り積もって「腐葉土」を作りますが、葉っぱが分解されるまでの期間は条件によって異なりますが、何十年とかかると紹介されています。

あらゆる生き物は壊れ、食べられ、分解され、いずれなくなってゆきます。その過程で他の生き物の栄養となり、次の命から命へとバトンタッチは見事です。

生き物の〈死〉には、すごく馴染みがある

『生き物はどのように土にかえるのか』挿絵イラスト

生き物の〈死〉は、とても身近に存在しています。哲学的なことを言っているのではなくて、食べ物はみんな動物の死体ですし、衣類も、家具・調度品にも生き物の死体が使われます。例えば「発酵食品」は、大豆や小麦粉を発酵させて(腐らせて)加工します。

「死」という言葉には暗く重たい印象がありますが、我々は日ごろから生き物の死をカラッと明るく、屈託なく扱っています。

自分が死ぬことを考えるととても恐ろしいことだと思いますが、すべての生き物は別の生き物を活かすための糧になるんだと知ると、自分の身体も、他の生き物の〈何か〉になればいいなあと、のほほんと考えられるようになりました。

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『AIとBIはいかに人間を変えるのか』|人類の新ステージ?

『AIとBIはいかに人間を変えるのか』挿絵イラスト

こんにちは。あさよるです。連休中に西洋音楽史の本を読みまして、「音楽」って普遍的で大昔から変わらないものだとばかり感じていましたが、今私たちが馴染んでいる「音楽」は意外と新しいものなんだと知りました。西洋ではかつて音楽は神様の世界のもので、禁欲的。今の私たちにとっては「全然楽しくない」感じです。ポピュラー音楽に至っては、20世紀、第一次大戦が終わってからのもの。もっと言えば、我々が慣れ親しんでいるのは「録音音楽」です。レコードとプレイヤーで楽しむことを「音楽」と呼ぶのは、歴史の中ではかなり特殊な環境です。

西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書)

今当たり前すぎて疑うこともない価値も、意外と新しいもので、歴史が浅いものってあるんですね。「不変」だと「信じていた」というのは、もう信仰です。「ああ、私は近代を信仰しているのか」と気づき愕然としました(;’∀’)

今回紹介するのは『AIとBIはいかに人間を変えるのか』という、これから訪れる「人類の新しいステージ」を考える内容の本です。現在、先進国は軒並み伸び悩み、成長できずにもがいています。景気対策を打っても国内の格差は広がるばかりで、国の中が貧しくなっています。現状を打破するためには、今の社会の形を根本から変える必要があるのではないか? そこで注目されているのがBI(ベーシックインカム)です。

また、AI・人工知能の技術的な進歩により、人間の働き方の変化が期待されています。また、男女同権により女性の社会進出も進んでいます。後進国だった国々は経済発展しています。インターネット網は地球を包み込み、インフラのない土地にも等しく知識や教育が行き渡っています。世界は変わっています。さて「人類の次のステージ」はどのようなものなのでしょうか。

AI、BIとは

AI・人工知能もBI(ベーシックインカム)も、どちらも近年よく見聞きする言葉です。AIとBIについて触れつつ、このAIとBIが合わさって、もたらされる「未来」を考えます。

AI・人工知能とは

まずAI・人工知能とは。1930年代コンピュータの登場した当時からAIの登場が構想されていました。しかし二度ののAIブームは合ったものの、AIの冬の時代も長く、順風満帆とは言えませんでした。2012年にGoogleが「ネコを判断できるAI」を開発し、一躍有名となりました。その頃から「ディープラーニング」によるAIの進歩が注目され、現在は第三次AIブームといったところでしょうか。

近年、AIが飛躍的に進歩したのは、ビッグデータが扱えるようになったことと、インターネットの普及により膨大な数の写真や映像、データがインターネットにアップロードされるようになったことが影響しています。

今後、AIの進歩により、人間の仕事がAIに取って代わられると話題です。一方で、AIの進歩によって新たに生まれる仕事もあるでしょう。今の子どもたちの半分以上は将来、今は存在していない職業に就くと考えられており、感覚的にもなっとくできます。

コンピュータが人間の仕事の多くを引き受けるなら、人間はより「人間らしい」活動に集中することができます。

BI(ベーシックインカム)とは

BI(ベーシックインカム)は、経済成長が軒並み頭打ちしている先進国の、現状打破策として注目されています。先進国では、かつてのような経済成長が起こらず、経済対策を打っても国内の貧富の差が拡大してしまうジレンマに陥ってます。

BIは「健康で文化的な最低限の生活を営む」ために国民全員に現金で与えられる基礎的(Basic)給付(Income)で、政治学では“生存権所得”とも言われている。このBIは、様々な社会保障制度を一元化できる上に、給付漏れが起こらず、受給者にも理解しやすいシンプルな制度であることが評価されている。

p.104

BI(ベーシックインカム)は実験的に導入される例も登場し、貧しい人たちが前向きに人生設計を考え、豊かに生きようとし始めるなど良い結果があり、期待されています。

BI(ベーシックインカム)の良いところは「シンプル」。本書では、全ての国民に月8万円を現金で給付することが想定されています。すると、年金制度や健康保険、生活保護などの社会保障が一元化され、ムダなコストも削減できます。なにより、ややこしい手続きが不要になることで、役人の数を減らすことができます。

財源として、まず国の社会保障をシンプル化することで浮いたお金を財源に回します。また税率を引き上げ、国の収益を増やします。本書では消費税を18%に引き上げても、毎月8万円ベーシックインカムを受け取る額の方が多く、貧しい世帯にもダメージはないと計算されています。

BI(ベーシックインカム)の導入を阻んでいるのは官僚たちです。ベーシックインカムが導入されると、社会保障に関わる官僚たちの仕事がなくなってしまいますから、「ベーシックインカム的」な制度は遠ざけられています。

より「人間らしい」活動を

AIの到来により、コンピュータが人間の代わりに働く未来では、人間は「より人間らしい」仕事に集中することができます。

またBI(ベーシックインカム)導入後の未来では、「死なないために働く」という労働から解放され、人々は「豊かに生きるために働く」ようになります。今、嫌々やりたくない仕事をしている人も、ベーシックインカムが導入されれば今の仕事にこだわる必要はなくなり、豊かに生きるための人生設計を考え始めるでしょう。それはつまり「より人間らしい」人生を生きようとすることです。

AIとBIの未来は「より人間らしい」世界がやってくると想定されます。これは、かつて農業革命や産業革命によって人類が「進化」したように、AIとBIが人類を「新たなステージ」へと導くものではないか?と考えられます。

『AIとBIはいかに人間を変えるのか』挿絵イラスト

「豊かに生きる」ことができますか?

はてさて、AIとBIの未来は明るい!みたいな感じがしますが、問題は命が保証され、お金も保証されたとき、ハッと気が付くのです。「豊かに生きる」ことってどんなこと? もしAIが面倒な仕事を引き受け、BIで最低限の生活の保障がなされているとして、あなたはどう生きますか?

今、「楽しむ」という言葉が乱用されているように感じます。スポーツ選手も、「試合を楽しみます」ってインタビューで答えていますし、学校の勉強も「楽しんで学ぶことが良いこと」のように語られます。プライベートな時間はまるで「楽しくないと生きている意味がない」くらいの勢いで、ライブやレジャーや、食事やショッピングなどの予定を詰め込んでいる人がたくさんいます。

みんな身づくろいも小奇麗で、清潔感のある爽やかな人ばかりになりましたね。

もしかしてすでに私たちの社会は「死なないように生きる」時代は終わり、「楽しく生きなければならない」という価値が到来しているのではないでしょうか。しかもそれは強迫観念的に執着して。AIとBIによって人類が新しいステージへ進んだなら、私たちは今以上に「豊かに生きる」ことこそが「人間らしさ」であり、「お金の価値ではない豊かさを生きなければならない」時代が到来するとも考えられます。

BIは単に「働かなくていい」「怠け者が増える」政策ではなくて、もしかして「結構キツい」時代が来るのかもしれません。今はほら、連休に海外旅行へ行ったInstagramドーン! 彼氏にプレゼント貰ったドヤァ。ママにバーキン買ってもらったFacebook投稿いいね! なんかをしてるだけで満足できるけど、「新しい時代」はそれじゃ豊かじゃない。「お金の豊かさじゃない豊かさ」をアピールできないといけない。

新しい時代は。「センス」とか「才能」とか「オシャレ」とか「ステキ」とか「可愛い」「美形」とか、そういう価値が重要になるんじゃないのかな? 「ダサイ奴」は生きにくい時代になってしまうのだ。はてさて、「ステキ」に生きられるように、生涯邁進し続けなければならない人生、〈楽勝〉な人と〈ムリゲー〉な人に、パッカリ分かれるんじゃないかしら。

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ハッカーにあなたは利用されている?『サイバー犯罪入門』

『サイバー犯罪入門』挿絵イラスト

こんにちは。あさよるです。あさよるは自宅のネットワークを構築したいのですが、よくわからなくて頭を悩ませております。接続が不安定なのも困っていますし、セキュリティが弱いので、なんとかしたいのですが、なにがなんやらなのです。ちゃんと勉強しなきゃなあということで、とりあえず簡単に読めそうな『サイバー犯罪入門』を手に取りました。

本書はサイバー犯罪について啓蒙する内容で、読了後、あさよるもしっかり啓蒙されて「ネットワークのセキュリティちゃんと設定しなきゃ!」と焦り始めています(苦笑)。内容も、多くの人に理解できる文章で書かれており、「すでにもう被害に遭ってるかもしれない」サイバー犯罪につて意識を高める良書でした。

まず、本書ではサイバー犯罪を行う人々を「ブラックハッカー」とし、「ハッカー」と呼ぶとき、この「ブラックハッカー」を指しています。ここでも本書に倣ってサイバー犯罪を行う「ハッカー」と呼ぶことにします。

まずはサイバー犯罪への意識を

本書『サイバー犯罪入門』は、サイバー犯罪への対策を講じるものではありません。なぜなら、そんなことをしてもあっという間に情報は古くなり、「使えない情報」になるからです。そこで、本書は「サイバー犯罪への意識を高める」ことが目的とされています。

まず知っておくべきは、誰もがサイバー犯罪の標的になりえること。そして、残念ながら今の日本はサイバー犯罪の対策はとても万全とは言えません。2020年の東京オリンピックに向けて、東京の街では公衆Wi-Fiの設置が急がれているようですが、それはサイバー犯罪を企てる人々にとっても都合のよい整備になるかもしれません。

わからないまま報道するマスコミ

サイバー犯罪がテレビや新聞のニュースになることもありますが、マスコミもサイバー犯罪について熟知しているとはいいがたく、よくわからないまま報道しているのが現状です。

 多くの報道内容を確認していくなかで、プレスリリースをインターネット翻訳しただけのような、どの角度から読んでも全く理解できない文章を多々見かけることとなった。用語が混同されていたり、製品名とプロトコルの名称が混同されていたり……というのが主な要因だと思われるが、残念なことに、大手報道機関の文章にも、そういった誤りが散見されたのである。
だが、これも仕方ないと言えなくもない。というのも、もはや、単に「ITに詳しいだけ」ではサイバー犯罪やセキュリティについて読み解き、説明をしていくことは難しい、というのが実情だからだ。

p.27

例として、自動車のハッキングについて理解するためには、

自動車に関する基礎的な知識、自動車のIT化に関する知識に加え、ハッキングに関する知識やネットワークに関する知識なども総合的に必要となる。そのため、いずれかの領域の専門家であったとしても、全体像を正確に理解することは容易ではない。(p.27-28)

その事件について理解すること自体に時間がかかり、またそれを一般に向けてわかりやすく説明することは難題です。報道がサイバー犯罪について正しく扱いきれていないのも納得です。

盗まれていも気づかない!?

本書では紹介されているサイバー犯罪の例が紹介されているのですが、印象的なのは被害者たちは「サイバー犯罪に巻き込まれていることに気づかない」とうことです。

預金残高が1億円以上ある銀行口座から、3%を上限にこっそり抜き取る手口が紹介されていました。

日本円換算でおよそ1億円以上の預金残高がある銀行口座から、最大で3%(1億円の預金残高がある場合、300万円)ずつを上限に、こっそりと抜き取ってしまうという方法を取った。しかも被害者のブラウザには「抜き取られる前の残高」が表示されるようにハッカーが細工した偽画面が表示されるため、すぐには被害に遭ったことに気付けない。

p.46

「3%だけ」というのが巧妙で、何かの拍子に少しだけ残高が減っていることに気付いたとしても、「何かの手数料を差し引かれたのか」程度にしか考えず、発覚に時間がかかります。

また、「マルウェア」と呼ばれる、不正にコンピュータやシステムをハッキングするためのソフトウエアが、自分のパソコンに侵入していたとしても、なかなかそれに気付かないそうです。また、ハッキングの対象はパソコンやスマホのみならず、冷蔵庫や自動車、街中の監視カメラがハッキングされているかもしれません。

サイバー犯罪において日本はとても魅力的

サイバー犯罪はもはやSF映画の世界のではなく、スパイ映画さながらのハッキングが日常で起こっています。ある人にとってはそれは寝耳に水のような話であり、別の人にとってはもはや常識かもしれません。サイバー犯罪に対してのリテラシーには人によってかなりの差があります。

残念ながら、日本は国も大企業もとてもサイバー犯罪への対策ができているとは言えません。ハッカーたちは強固なシステムを狙いません。彼らは、どこか〈弱い〉ところを探し当て、弱点を突いてシステムに侵入します。日本はサイバー犯罪への対策が広まっていないため、弱点だらけということです。

たとえ大企業が、自分たちの持っている情報を守ろうと強固なセキュリティを作っても、その企業へ出入りする下請け企業のどこかに弱点があれば、そこからハッカーがシステムに侵入することも十分考えられます。

映画のような、建物を爆破したり、自動車をハッキングし遠隔操作することも、フィクションではなくなります。

「わたしは狙われない」はない。その理由

『サイバー犯罪入門』挿絵イラスト

「ハッカーにとって日本は魅力的な市場である」と聞いても、「わたしのスマホorパソコンは大丈夫、だって大したデータが入ってないし」と考える人がいれば、それは間違いです。ハッカーは、あなたに興味がなくても、あなたの知り合いに興味があるかもしれません。あるいは、あなたの知り合いの知り合いの知り合いの……と、あなたを踏み台にして、他の人の情報を欲しがっていることがあります。

誰もが狙われる理由として「六次の隔たり(six Degrees Separation)」というものが紹介されていました。

「人は自分の知り合いを6人以上介すと、世界中の人々と間接的な知り合いになることができる」という仮説のことであり、知り合いの知り合いを6回たどれば世界中の人とつながることができるという。(中略)
試しに計算してみよう。
あなたの知り合い44人から、さらにそれぞれの知り合いの44人と言う具合にたどっていくことを数式に表すと「44人の6乗」となる。44人の6乗は、7,256,313,856人。すなわち世界の人口(国連による2013年の統計で約72億人)と同じくらいの人数がそこには存在することが分かる(ただしこの場合、理論上では、最初の44人と次の44人、そしてその先に繰り返している44人ずつはそれぞれが互いに重複してはならない)。
つまり、あなた自身が重要な情報を持っていなかったとしても、あなたの友人やそのまた友人を何人かたどってゆくことができれば、重要な情報を持った人物にたどり着ける可能性が極めて高いということだ。
もしあなたに情報的な「価値」がなかったとしても、あなたには「利用価値」があるのだ。

p.39-40

ハッカーはシステムの弱い部分から狙います。もしあなたが、サイバー犯罪へのリテラシーが極めて低いなら、ハッカーにとって「利用価値」があると判断されかねません。

正直、どうしていいかわからない……

本書『サイバー犯罪入門』を読んで、サイバー犯罪は他人事ではなく、自分も狙われるかもしれない……というか、すでに被害に遭っているのかもしれないと知り、冷や汗をかきました。何が恐ろしいって、「それを知ったところで、どう対策していいかわからない」というのが正直な感想だからです。

本書は先に述べたように、具体的な対策を指南するものではく、サイバー犯罪について啓蒙することが目的の本です。とても平易な表現を使い、多くの人が理解できる言葉や例を挙げながら、今、われわれが晒されているサイバー犯罪について紹介されています。セキュリティ、ハッキングについて右も左もわからない、全くの素人にとって、本書は良書でした。

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『図解でわかる 14歳から知っておきたいAI』|AI苦節60年…

『図解でわかる 14歳から知っておきたいAI』イメージ画像

こんにちは。あさよるです。近年、「AI」や「ディープラーニング」「人工知能」という言葉をよく見聞きしますが、正直なころ「それ、なに?」と何度も聞き返してしまう あさよるです。あさよるネットでも「AI」「ディープラーニング」「人工知能」を扱った書籍を紹介していますが、実はまだ頭の中で上手く整理されていなかったりする(;’∀’)>

ということで「14歳から」という、好奇心旺盛な中学生の夢が広がるようなAIの話が収録された『14歳から知っておきたいAI』を手に取りました。目次や索引も含めて全96ページの薄い本ですが、内容は濃い。

『図解でわかる 14歳から知っておきたいAI』イメージ画像

図解でわかる 14歳から知っておきたいAI | インフォビジュアル研究所 |本 | 通販 | Amazon

全ページカラーで、図解に多くの紙面が割かれています。本書のカラーの図解は、情報量が多く、読み込む面白さがあります。テキストと図解とを突き合わせて理解を深めましょう。学習の助けになるでしょう~。

あと30年でAIは人間を超える!?

本書『図解でわかる14歳から知っておきたいAI』は、その名の通り中学生以上なら誰でもわかるAIのお話。昔でいう「サルでもわかる」系でしょうか。

AIの歴史はまだ60年ほどのもので、90年代にはAIの冬の時代がありました。そして2000年代に入って「ディープラーニング」というコンピュータの学習方法が確立され、現在注目を集めています。そのAIは、あと30年もすれば人間の頭脳を超えると多くの知識人が予測しています。

さてこれは「もう30年で」なのか「まだ30年で」なのか微妙です。なぜなら、1965年アメリカの大学で科学者たちが「このままコンピュータのプログラム高度化すれば人間の頭脳を持つようなコンピュータが登場する!」と楽観的な予測をしたのですが、なかなか実現しない!

科学者は、人間の頭脳が持つ世界理解という無限の知識量の前に、茫然と立ち尽くすことになります。(p.9)

たとえば人間は、乳児でも「ねこ」を認識し、それが生き物で、どういうものなのか知り、猫についての概念を学んでゆきます。

同じことをコンピュータにさせたとします。「ねこ」という名称は記号化できても、それは実際の猫と関係ありません。コンピュータにネコという生物の概念をもたせるためには、生物としての猫に関するあらゆる属性を記憶させる必要があります。それは、この世界の全ての知識を与えることでもあります。そこには連綿とした知の網の目があり、枠(フレーム)がありません。それに対し、AIは枠名でしか処理できないため、これをAIの「フレーム問題」と呼ぶようになりました。人間なら乳児でも簡単にできることが、コンピュータには果てしなく困難であることを、AI研究者の名にちなんで「モラベックのパラドックス」とも呼び、現在にまで続くAI研究の難問として、いまだ解決していません。

p.8-9

1956年科学者たちの楽観的な空想から始まったAIの開発は、早々から暗礁に乗り上げます。AIの苦節60年の歴史を知り、これからのAIの展望を考えるのが、本書『14歳から知っておきたいAI』のテーマです。

AI苦節60年……冬の時代……

AIの歴史は順風満帆とは程遠いものです。「人間の知能を持たせるには道は長い……」判断され、まず、70年代にはコンピュータが得意な専門分野を伸ばそうと試みられました。それをエキスパートシステムと言います。コンピュータが得意なこと、それは「推論」と「計算」。

1980年代は、このエキスパートシステムの大ブームが起きます。全世界でエキスパートシステムを開発するベンチャー企業が誕生し、何千ものシステムが開発されました。事務計算、販売支援、建設管理、物流、天気予報、工場生産設備などなど、その応用も産業界全体に広がりました。
しかし、ここでも同じ問題が生じました。コンピュータはルール化された情報しか処理できないというAIの二度目のつまずきです。(中略)

人間の思考は、無数の例外の集積ともいえます。厳密なルールの外側に存在する多様な質問に、このシステムは有効な答えを返すことができません。産業界の期待が大きかった分、その失望も大きく、AI研究への反動も深刻なものでした。

p.10-11

コンピュータが産業業界での活躍を大きく期待されていたにも関わらず、人間のニーズに応えるコンピュータが思ったように作られず、失望されていしまいます。その後、1990年代はコンピュータの冬の時代を迎えます。1980年代後半から90年代にかけて、コンピュータ研究の実績をとにかく作ろうと、専門分野に徹して課題研究が始まります。このとき、画像認識、機械翻訳、ロボット工学、音声認識など、技術が進歩します。

パーソナルコンピュータが登場し、CPUの性能向上、低価格化により、個人がコンピュータを所持できるようになりました。1995年インターネットと接続できるWindows95がリリースされ、インターネットの利用者が増えることで、より多くの情報をコンピュータ開発に使えるようになりました。

AIの研究者たちは、それぞれの現場でAIの推論ロジックの高度化を模索していました。彼らを導いたのは、アメリカの計算機科学者ジューディア・パールが提唱した確率論的AI推論ロジックでした。極めて大雑把にいえば、正しい結論に至るために論理的に思考するのではなく、確率的なグループ分けを繰り返し、その分類の課程で正解に最も確率的に近い結論に絞り込んでいこう、というものです。
このAIの推論ロジックは「機械学習」と呼ばれています。

p.12-13

ついに機械学習をするAIの登場します。医療、株式、銀行、音声認識、財務管理など、コンピュータは活躍しています。そして「ディープラーニング」の登場により、AIが再び社会の注目を集めます。人間の脳のネットワークが発見され、脳細胞のニューロンを模したネットワークをコンピュータでつくられました。

ディープラーニングの研究が促進される頃、爆発的にインターネット上にビッグデータが集積されはじめました。ついに2012年GoogleのAIがYouTubeの動画から「ネコ」の認識に成功します。2014年にはGoogleが独自開発した自動運転車が実用段階に入ります。2017年にはFacebookのAI同士が会話を始めました。

日本では静かにロボット革新が起こっていた

一方、日本では70年代から静かに変革が起こっていました。1970年代から、産業用ロボットとともに、人間型のヒューマノイドロボットの開発が進んでいたのです。日本では1980年代には、物作りロボットの最盛期を迎えます。2000年には二足歩行ができるロボットASIMOをHONDAが発表し世界を驚かせました。

それを受け欧米では、人間型の「二足歩行ロボットでは日本に敵わないだろう」と、別の道を模索され始めます。欧米ではソフトウェアの開発に重点が置かれました。こうして、日本の人間型ロボットと欧米のソフトウェアが合わさって、新しい技術の到来が待たれます。

ディープラーニングの研究はアメリカ発でした。これから日本が世界でどんな活躍をするのでしょうか。

鉄腕アトムとターミネーター

『図解でわかる 14歳から知っておきたいAI』イメージ画像

日本では人間の形をしたヒューマノイド型ロボットの研究がなされて。2000年HONDAが二足歩行ができるロボットASIMOを世界に発表します。ASIMOの開発はたった一言「アトムをつくれ」というものだったそうです。1986年に下半身のみの歩行ロボが完成し、1996年にやっと人間の形になります。そして2000年にASIMOが登場し、その後も精度は上がっています。しかし、ASIMOはAIロボットではありません。

日本ではASIMOのモデルにもなった手塚治虫『鉄腕アトム』を筆頭として、ロボットは人類の友だち、仲間として描かれます。藤子・F・不二雄『ドラえもん』もそうですね。しかし、欧米では「ロボットは敵」に描かれることが多かったっそうです。その典型が『ターミネーター』。ターミネーターは、未来の世界でロボットたちが人類をしようと反乱を起こし、過去の歴史改ざんのために送り込まれるのがアーノルド・シュワルツェネッガー演じる「T-800」なのです。ということで、欧米のロボットはメカが剥き出しでおどろおどろしい姿をしてることも多いのです。

日本と欧米の違いは、信仰の違いによってもたらされているのではないかと紹介されています。

アメリカの研究者が、危険な作業を行うロボットが開発なされますが、アメリカでは導入が進みませんでした。が、日本では大歓迎されます。この違いは何でしょうか。

 アメリカの人々が産業用ロボットに拒否感を露わにしたのは、欧米社会の規定にあるキリスト教の影響がありました。神を絶対の善とし、この世の全ては神に創られた被造物であり、人間は神との契約との中でこの地上の主人として、他の生物を管理する役割をもつ。このような世界観をもつ人々にとって、被造物である人間が、命に等しいものをつくことは最大の罪悪です。この世界観は、欧米社会に古くから、人間とロボットが敵対する物語を生み出しました。

p.36

古くはフランケンシュタイン、近年ではターミネーターが欧米のそれでした。人は、この世の主人としてロボットと戦う使命があると考えるのです。

一方で、東洋的な思想では、この宇宙には様々な命があり、それらに優劣はありません。命は等しく尊いので、ロボットも大切にされるのが、東洋的ロボットの描かれ方です。

西洋と東洋の思想の違いが、ロボットの姿かたちや役割まで変えているとは、面白いですね。

未来はこれから作られる

さて、人工知能、AIの技術の展望は明るいのでしょうか。あさよるの感想は「想像よりも難しそうだなあ」というものです。現在、人工知能が持て囃されていますが、流行はその内忘れ去られてしまうでしょう。しかし、一歩一歩着実に技術革新が起こっているのは事実です。

本書は『14歳から知っておきたいAI』とタイトル通り、10代の人が読んで、自分の進むべき道を知るきっかけになる本だと思います。コンピュータの技術は、意外過ぎるくらいに歴史は浅く、冬の時代も長く、実用化されたのは意外と最近。コンピュータがなかった時代、人々がどうやって生きていたのか知ることも、また未来を考えるヒントかもしれません。

以下余談ですが、あさよるが子どものころ、NINTENDOの初代ファミコンのその名も「ロボット」という玩具で遊んでいた記憶があるのですが、これはAIだったの? なんともレトロな風貌だなあw

これ!これ!アマゾンで売られてたwあさよるの初ロボット体験は、この任天堂のロボットでした。

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『できない脳ほど自信過剰』|「自称・嘘つき」は本当に嘘つく正直者

『できない脳ほど自信過剰』挿絵イラスト

こんにちは。あさよるです。池谷裕二さんの本が立て続けに面白かったので、またもや手に取ってしまいました。ちなみに、今まで読んだ中で一番面白かったのは『単純な脳、複雑な「私」』でした。

池谷裕二さんはヒトの脳の特徴や、人の行動・思考のクセについての本を複数出版されています。脳の話は、知れば知るほど不思議で、頭の中が「?」でいっぱいになってゆく面白さがたまりません。

今回手に取った『できない脳ほど自信過剰』は脳に関するコラム集で「ほうほう」と、「知らなかった!」と「やっぱりそうか!」の繰り返しの読書でした。

脳はやたら上から目線!?

本書『できない脳ほど自信過剰』は、ピリッと皮肉の効いたタイトルです。それは「能力が低い人ほど、自分の能力を客観的に判断できないから、自信過剰になりがち」というこの世の心理を端的に表してるからです—―(>_<→ グサッ

ドライバーに「あなたは車の運転が上手い方ですか」と質問すると、70%の人が「はい」と答えるそうです。20%の人が、自分を過剰に評価していることになります。こわいですね~……と、他人事のように言っておこう。サーセンサーセンm(__)m

これは、あなたの〈人が悪い〉わけではありません。ヒトの脳は、見えない相手、よくわからない相手を低く評価する〈クセ〉があるようです。

例えば「オーパーツ」という言葉があります。

オーパーツは、それらが発見された場所や時代とはまったくそぐわないと考えられる物品を指す。英語の「out-of-place artifacts」を略して「OOPARTS」とした語で、つまり「場違いな工芸品」という意味である。

オーパーツ – Wikipedia

オーパーツの代表であるナスカの地上絵は、航空技術が発達してから地上に絵が描かれていることが発見されました。航空機がなかった時代、古代人がこのような絵を描くことは不可能ですから、「宇宙人が描いたんだ」なんて話が登場します。……これ、現代人の「思い上がり」ですよね。「古代人は現代人よりも劣っているハズ」という先入観があって「劣等な古代人が高等なことができるわけがない」と考え、そこから「古代人にはムリだから、人知を超える存在が作ったんだ」→宇宙人、という発想に結びついてゆきます。しかし、古代人であれ、我々と同じホモサピエンスです。我々と同じことを古代人が考え、実行していてもおかしくありません。

また、人間以外の動物を低く見てしまうという傾向もあります。当然ですが、ヒトが得意なこともあれば、ネズミが得意なこともあり、哺乳類より虫のほうが長けていることもあります。なのに、ヒトは高等だと、つい考えています。

同じような話で、どうしても私たちは機械、ロボットを下に見てしまいます。ヒトの方が優秀であると思っているし、そうであって欲しいと願っているのかもしれません。

ヒトの脳は本来的に自信過剰にできていて、なかなか冷静に判断ができないようです。本書のタイトルは『できない脳ほど自信過剰』ですが、さながら「ヒトはやたらと上から目線だなあ」という感じ。

脳や人の行動に関するコラム集

紹介が遅れました。本書『できない脳ほど自信過剰』は、著者の池谷裕二さんが「週刊朝日」に連載されていたコラム集です。ですので、テーマは毎回違っていて、脳や人の行動に関するコラムが雑多に集まっている印象です。雑学や話のネタにどうぞ。

以下、あさよるが気になった、面白かった話を少し取り上げます。

  • 自己評価が伴わない

先に述べました、ヒトはどうやら自己評価が伴わない存在のようですw 〈自信過剰〉だけでなく、自己評価が低い人ほど、他人のユーモアに敏感だったりと、自己評価のできなさは〈自身過少〉にも働くようです。

面白いことに「自称ウソツキ」の人は、実際にウソツキだそうです。ということは、ウソツキほど正直者であるということ!?

  • 思い込みが強い

〈自信過剰〉と繋がりますが、ヒトの脳は思い込みが強いw 例えば、しつけは、厳しくするよりも、褒めて伸ばす方が効率的だそうです。しかし、やっぱり感覚的に「しかし厳しい方が効くんじゃないか」と思ってしまう自分もいます。

同じような話で〈我慢〉はするほど忍耐力が落ちてゆくという話に触れられています。たぶん、実際にそうなんだと思いますが、これもやはり体感としては「我慢した方が良いんじゃないか」と自分で思い込んでしまいそうです。

あと、ビジネス書にもよくありますが「おとり商品」に騙されてしまう話。松竹梅の3つの商品があった場合、買わせたいのは竹で、竹を買わすためのおとりとして松をメニューに加えると、みんなまんまと竹を買ってしまうというお話。これも、「自分でメニューを選んでいる」と思い込んでいるのに、実際には商売上手にノセられているのです。

  • 一目ぼれせよ!

恋愛結婚した夫婦より、お見合い結婚する方が離婚率が低いという話は聞いたことがあります。恋は盲目ですから、相手の欠点も見えなくなって結婚するのですが、恋が冷めてしまうと……というワケ。

しかし「一目ぼれ」で結婚するカップルは意外にも長続きするそうです。なんでも、「一目ぼれ」とは、その人の収入や職業、家柄や社会的な立場や、なにもかもを度外視して、パッと見て潜在的に「好印象」の相手だからです。次第に相手の欠点が見えてきても、そもそも「好印象」を抱いている相手だから、悪い部分には目をつぶることができるんだそう。これは意外。

  • 三途の川が!

死の直前〈三途の川〉が見えるという話は、オカルトではなく、ホントらしい。といっても「川が見える」のか分からないけれども、瀕死の状態から一命を取り留めた人の中に、臨死体験をする人は多く、現実よりもリアルに感じるそうです。実際に死にゆくマウスの脳派を調べると、死の直前に独特な脳の変化が起こるそうです。

ここから、あさよるの余談ですが、日本人は臨死体験で川辺で大切な人を見るそうですが、文化が変わると見えるものが変わるそうです。「川のほとりで」というのは、日本人の心象風景なのでしょうか。関係ないけど、日本人の子どもは昔(今も?)「川で拾ってきた」というのが定番です。「コウノトリが」「キャベツ畑の」の日本版ですね。どうでもいい話だな。

  • 気合でどうもならないことがある

体内で水分が不足すると記憶力が下がるそうです。特に子どもは、学校に登校してきた時点で水分不足になっているそうで、テスト前に水分を取らすといいらしい。大人も、小まめに水分を取って体調管理を密にした方が、能率が良いってことでことですね。「気合」「根性」ではどうにもならないことがある。

あと、よく寝た方が学習効率が上がるとか、散歩がいいとか、「いわずもがな」な話ですが、脳科学的に見ても、はやりそうであるという裏取りができた気分。

ちょっと発見、ちょっと反省

『できない脳ほど自信過剰』挿絵イラスト

本書『できない脳ほど自信過剰』はコラム集ですから、ちっちゃな面白い小ネタが詰まっています。一節ずつ小さな発見と、ちょこっと自分に反省しつつ、自分のことを棚に上げて楽しめる、好奇心を刺激するエンタメ本ってとことでしょうか。

脳の働きや、ヒトの認知って、意外と自分の体感・実感とは齟齬があるようで、知れば知るほど不思議な世界です。また、ネズミの生態や、虫の能力を知ると、ヒトの脳を知ることは「生命とは」を考えることになるようです。なにもヒトだけが特別な存在ではないんですね。わかっちゃいるけど、つい「特別」な感じに考えてしまいます。

よく、数学的な確率と、実感としての確率が乖離する話があります。23人集まれば、50%の確立で同じ誕生日の人がいる、とか、やっぱ実感として信じがたい。ヒトは感覚的に選択すると、分が悪い選択をしてしまいます。「わたし、間違えるんで」と開き直って対策を考えた方がよさ気。

池谷裕二さんの本はどれも面白かったので、また違う本も読んでみたいです(^^♪

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『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』|大事なのはストレッチと深部体温

おはようございます。眠れぬ あさよるです……。あさよるは眠るのが下手です。最近、あんまり寝れないので睡眠導入剤を処方してもらいましたが、なんか逆に体がダルイし……。季節の変わり目で、そんな時なんでしょうか。上手く寝れないので、昼間もボーっとしてしまいがちです。これは、マジでなんとかしたいと、『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』を手に取りました。

本書の著者、白濱龍太郎さんは医師で、睡眠に関する治療や指導をなさっている方です。タイトルに「誰でも簡単に」とあるように、難しい医学的な話ではなく、誰でも実践できる事柄が易しく書かれています。大事なのは主に二つ。睡眠のためのストレッチ、そして「深部体温」のコントロール。

上手に寝るためのコツがどの本よりコンパクトにまとめられていて、今すべきこともわかりやすい睡眠本です。

「睡眠」に関する知識をライトに

当あさよるネットでも、これまで「睡眠」に関する書籍を紹介してきました。その中でも本書『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』は、かなりライトでまさに「誰でも簡単に」が相応しい一冊です。眠れぬ夜に、お布団の中でうんうん苦しむよりも、本書をサクっと参照して、眠るためのメソッドを仕入れるのが賢いやり方でしょう。

書籍の中にも、情報がどわーっと書かれていて勉強になる本もあれば、咄嗟に簡単に見返したい本もあります。本書は後者です。節ごとに大きな見出しで内容がズバリまとめられているのが素晴らしい。夜な夜な読み返しやすいです。

睡眠はストレッチと深部体温

まず、良い睡眠導入としてストレッチ! これまで読んだ睡眠の本の中で、ストレッチについてページが割かれている本はなかったかな。しかも、カラーページで、巻頭にイラスト付きででーんとあります。「睡眠」は回復のための活動ですから、活動前にストレッチが必要です。肩をほぐし、足首をほぐし副交感神経を高めます。

大事なのは深部体温。深部体温とは体の奥の体温のことで、深部体温が下がると眠たくなります。だから、活動中は深部体温を上げておいて、寝る前に下げる。睡眠術で湯船への入浴が推奨されるのも、深部体温を上げるためです。

昼寝や仮眠、帰宅時電車の中でうたた寝も、寝入ってしまうと深部体温が下がってしまうので、夜の睡眠導入の妨げになります。仮眠を取るときは、なるだけ「寝にくい」体制で脳を休め、本格的に寝ちゃわないように気をつけます。カフェインの使い方も面白く取り入れたい知識です。仮眠前にコーヒーを一杯飲みます。カフェインは興奮作用がありますが、体内に吸収されるまで30分ほど時間がかかります。コーヒーをぐっと飲んで、そのまま仮眠。30分程するとカフェインの作用でスッキリ目が覚めるというワケ。

活字を読むと眠くなっちゃう……

本書、kindleで読むのがオススメです。巻頭にまとめてカラーイラストが収録されていたり、電子書籍で読みやすい構成だと思います。あと、活字を読むと眠たくなっちゃう人にもオススメですw 何を隠そう、あさよるもリラックスした体勢で本を読むとウトウトと舟をこぎ始めるタイプですw

普段本を読まない人とか、本を読む気にもなれない眠れぬ夜にどうぞ。

それにしても睡眠は大事。寝ている間に成長ホルモンの分泌が期待されるという話を聞いたことがありますが、それだけじなゃい。日中の疲れを取り、体を回復させるにも睡眠は必要です。睡眠の質が昼間の活動にダイレクトに関わっています。

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『単純な脳、複雑な「私」』|心は身体の外にある!?

『単純な脳、複雑な「私」』挿絵イラスト

こんにちは。あさよるです。本を読む楽しみって、自分の中の常識が覆されるような事実に出会って、ワクワクする体験が待ち受けていることです。今日読んだ『単純な脳、複雑な「私」』も、自分の常識や概念が吹っ飛びました。本書の面白いところは、読む前より読了後の方が、頭の中が「???」でいっぱいになるところです。「私」とはなんだ? 自分の「意志」はどうなってるんだ? なんとなく感覚的に感じている「私」も「意志」も、科学的に見ると全く違っているだんて!

本書は高校生相手に脳についての授業をするという形式で構成されているのですが、聞き手の高校生たちは秀才ばかりだ。面白くてどんどん読み進められる内容ですが、ややこしい話の連続で、話についていくのは難儀をします。ナメてかからず、ドシッと構えて、そして好奇心全開にしてお読みください(^^)/

「私」はどこにいるの?

私とはなんだろう、心はどこにあるんだろうと考えたことは誰しもあるでしょう。「心は脳にあるんだ」と結論付ける人が多いだろうと予想しますが、どうも脳科学的には「心は脳にある」とは言えないみたいです。脳は、頭蓋骨に囲まれ閉ざされた空間にあります。脳は身体から入ってくる情報で、外部の情報を察知しています。脳が「自分」を認識するのは複雑です。脳が外部にアプローチを取り、外部から自分を俯瞰したときはじめて「自己」が認識されます。

 いったん脳から外に向かって表現して、それを観察して心の内側を理解するというのは、一見すると、ひどく面倒な手続きを踏んでいるように思えるよね。だって、自分の脳なんだから、いきなり脳の内部に、脳自身がアクセスすればいいのに、なぜ、こんな無駄と思える二度手間をわざわざ踏むのか……。
おそらく、進化の過程で、動物たちは他者の存在を意識できるようになった。そして次のステップでは、その他者の仕草や表情を観察することによって、その行動の根拠や理由を推測することができるようになった。他者の心の理解、これが社会性行動の種になっている。
しかし逆に、この他者モニターシステムを、「自分」に対しても使えば、今度は、自分の仕草や表情を観察することができるよね。すると、他者にたいしてやっていたときのように、自分の行動の理由を推測することができるようになる。これが重要なんだ。
僕は、こうした他者から自己へという観察の投影先の転換があって、はじめて自分に「心」があることに気づくようになったのではないかと想像している。

p.180-181

自分の外にあるものを観察している内に、自分を発見する。そして、自分の仕草や表情などの行動を観察していると、そこに「心」を見い出すのではないか、という想定ですね。

不思議なことに、我々は考えるよりも先に、脳は「身体が動いている状態」になって、それを観測し、「身体を動かそう」と意識するというのです。感覚的には意志があって行動に促されるように感じますが、順番が逆なのです。

同じように、行動をしてから、後から行動の理由を作り、つじつま合わせをしてしまいます。例えば、一瞬体が触れた異性に対して好意的に感じたとき、体が触れたのは一瞬ですから意識に上らず、「笑顔が素敵だ」なんてそれらしい理由をつけてしまいます。有名なのが「吊り橋効果」です。高い吊り橋の上で居るような、身体が緊張してドキドキする環境にあるとき、体は「なぜドキドキするのか」という理由を探します。そのとき、異性と一緒にいるのなら「恋をしているからドキドキするのだ」と解釈してしまうというもの。

身体的な感覚が脳に入力され、後からその理由付けが行われます。

脳を知るほどワカラナクナル……

本書『単純な脳、複雑な「私」』を読むと脳のことがよくわかる……とは真逆。脳の不思議な働きに触れて、ますます脳、ひいては「私」が一体何なのかわからなくなる読書でした。どうやら、脳は頭蓋骨の中に納まっていますが、「私」という存在は身体だけでなく、身体の外側にまで広がっているようです。

みなさんは幽体離脱を経験したことはおありでしょうか。実は、幽体離脱も脳に刺激を与えることで科学的に作り出せるそうです。あるいは、サッカー選手が試合中、サッカーフィールドを上から俯瞰したように全体を把握しているという話があります。プロサッカー選手とまではいかなくとも、似たような感覚なら思い当たるかもしれません。例えば夜中、誰もいないハズなのに背後に人の気配を感じて、自分が一歩踏み出すとその気配も一歩前進し、自分が腕を上げると気配も腕を上げ……って、コレ、自分の気配を自分が察知してしまっているのですが、「心」と「身体」が離れてしまっている例です。

どうも、「心」は「肉体」の中に宿っているとは限らないようです。

『単純な脳、複雑な「私」』挿絵イラスト

脳の仕組みは単純だが……

タイトル『単純な脳、複雑な「私」』とある通り、脳の仕組みを知ると、脳自体は外部からの刺激に反応して、単純な構造をしているようです。しかし「心」とか「私とは」と考えると、一気に複雑になります。「この世界は水槽の中に浮かんだ脳が見ているバーチャルな世界かも」という思考実験がありますが、あれを可能にするには、人為的に身体的刺激を与え、外部の情報を入力して初めて「自己」を認識するということ……なのか? ややこしくてワカラン。

よく生き物の構造を知って「生命スゴイ」モードになることがありますが、生物の構造にも結構ムダが多いそうです。人間の身体の仕組みもパーフェクトに効率化されているわけではなく、突貫工事的に手荒な部分もあるそう。だから、脳の仕組みもこれが完成形ってワケでもないし、欠陥もあって、思い違いや勘違いをたくさんします。

以前にあさよるネットでも紹介した『脳はバカ、腸はかしこい』でも、同じような記述がありました。脳はすぐに間違うし、勘違いして反応しちゃう。脳よりも腸の方がお仕事キッチリ堅実で、そして腸のコンディションが脳を動かしているという話です。

また「自由意志」という概念も否定されます。意志より先に身体が動く状態になるんですから、「自由意志」はありません。しかし「自由否定」はあります。動こうとする身体を意志により止めることができるのです。この話、夜食でカレーを食べてしまうより前に読んでおけばよかった……夜食にカレーはいかんでしょ。

ゆらぎが道を開く

あさよるが面白いと感じたのは「脳のゆらぎ」の話です。プロゴルファーが、同じ条件でボールを打っても、上手くボールが飛ぶ時と失敗するときがあります。それはなぜか。外部の条件が同じならば、脳に変化があるからです。脳の状態は常に揺らいでいて、同じ状態をキープできません。だから出力が違ってしまうのです。

脳の揺らぎは生物にとって有利に働きます。アリさんがエサを見つけて行列を作ってるとき、脳のゆらぎによって列をはみ出す個体が現れます。一見するとこんなヤツがいると群れにとって非効率な気がしますが、列を抜けるアリはフラフラと歩きまわり、エサへの最短ルートを発見するかもしれません。列から抜け出し他のルートを探し始める個体がいることは、結果的に群れに貢献します。同じようにパチンコを打っていて、突っ込んでるのになかなか出ない時、ふと「違う台へ移ってみよう」と思うのが脳のゆらぎだそうです。

「ゆらぎ」によって、別の選択肢を模索できるんですね。あさよるも、ゆらぎに従って行動しようと思いましたw

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『スタンフォード式 最高の睡眠』|充実した仕事・私生活のための

『スタンフォード式 最高の睡眠』挿絵イラスト

こんにちは。寝るのが下手な あさよるです。気を抜くとすぐに夜更かし生活に突入しちゃいます。一日の1/3もの時間、寝て過ごす私たち。それは「人生の1/3寝てる」という、途方もない話。寝るのが下手というのは、生きるのが下手なのかもしれない……。若い頃は寝なくても動けたけれども、最近「寝れない」がコンプレックスになりつつあります……。

あさよるネットでもこれまで睡眠に関する本は紹介してきました。あさよる自身も睡眠に対して意識も変わりつつあります。今回は『スタンフォード式 最高の睡眠』を手に取りました。著者はスタンフォード大学の「世界最高の睡眠研究所」の西野精治さん。日本人が日本国内向けに書かかれた書物です。

最初の90分間が勝負!

睡眠で肝心なのは、睡眠導入して最初のノンレム睡眠。最初のノンレム睡眠の質が、その後の睡眠の質を決めるんです。いかに深いノンレム睡眠に導入できるかが勝負。そのためには、寝る前の習慣だけでなく、覚醒時の習慣が関わってきます。

そう、睡眠の質は覚醒時の質であり、その覚醒時の質は睡眠の質なのです。「上手く眠れない」「睡眠が足りない」のをなんとかしようとすると、長い時間が必要です。「週末に寝たら治る」とか、軽い問題ではないモヨウ……。

また、「睡眠は90分単位で取ると良い」という話がありますが、今の睡眠研究的には否定されているようです。確かにレム睡眠とノンレム睡眠のリズムはありますが、人によって異なるので「90分」というのは間違いらしい。自分のリズムを見つけるのが大事なんですね。

覚醒を制せよ!

日本では睡眠に満足している人が少なく、日本人は「睡眠偏差値」が低いそうです。一方でアメリカでは睡眠に関する科学的な研究が進むとともに、睡眠の重要性が認知され、社会的なリーダーシップが必要な人や、意識の高い人たちは「睡眠の質」にまで気を配るようになっています。睡眠の質が覚醒時の質を決めるのですから、「睡眠にこだわる」のは当然ですし、睡眠に無頓着であることは、覚醒時のパフォーマンスに無頓着とも言えます。

日本でも、プロ野球球団に睡眠についてアポをとっても、はじめは門前払いだったそうです。しかし、睡眠の重要性について説明すると、納得され受け入れられた経緯があるそうです。日本でも、プロフェッショナルな世界では、理にかなっていれば受け入れられる土壌はあるようです。

もし、自分が今のパフォーマンスに納得していないなら、覚醒時の調整のみならず、「寝る」「休む」スキルこそアップさせるべきなのかもしれません。そのためにはまず、正しい知識を。

巷にあふれている睡眠に関するメソッドは、古い知識であることが多いようです。90分サイクルの話もそうですし、「ブルーライトを見ると睡眠を阻害する」というのも、厳密には「睡眠前にテレビやスマホを操作して“興奮してしまう”」ことが、良質な睡眠を妨げているそうです。

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本書『スタンフォード式最高の睡眠』は睡眠に関する考え方や、実生活と睡眠の関わりについて重きが置かれている印象。具体的な睡眠導入方法については、別の書籍を当たる方がわかりやすいでしょう。

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『スタンフォード式 最高の睡眠』挿絵イラスト

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『宇宙用語図鑑』|恒星、惑星、衛星、矮星……図鑑を熟読!

『宇宙用語図鑑』挿絵イラスト

こんにちは。月蝕見ましたか? 意外と天体ショーの話題に乗り切れない あさよるです。昔から星や宇宙のことが好きで、天体ショーもチェックしていましたが、SNSの普及でみんながショーの話題で持ちきりになると、「ふーん、興味ないし」とアマノジャクなことを申しております。強がりです。

さて、『宇宙用語図鑑』という分厚い本を見つけました。タイトルもなんだかお堅い感じ。中身も難しい宇宙や物理の話を扱っているのですが……これがまた、むちゃライトに楽しく上手いことまとめられていて、とても面白い本でした。「図鑑を熟読」しましょう。

分厚いけどカンタン!

本書『宇宙用語図鑑』は、その名の通り〈宇宙〉に関係する用語が紹介される辞書のような本なのですが、イラスト満載で簡単にわかりやすく〈図解〉されている〈図鑑〉なのです。文章少な目、目で見てビジュアルで理解する楽しい内容です。

サンプルがAmazonで紹介されていました↓。

『宇宙用語図鑑』挿絵サンプル

宇宙用語図鑑 | 二間瀬敏史, 中村俊宏, 徳丸ゆう |本 | 通販 | Amazon

ね、文字すくな目でイラスト多め。例えば、〈宇宙〉に興味のあるお子さんがいたら、本書はとても役立つでしょう。お子さんはどんどん新しい知識を仕入れてきて、いろんな用語を発するはずです。そんなとき、本書『宇宙用語図鑑』を取り出して、索引から引けばよいのです。

あさよるも天体や宇宙が好きな子どもでしたから、一人で勝手に読みかじって「宇宙のはなし」を大人に話したもんですが、聞かされる方はそんな話興味ないってなもんでね。そのとき、『宇宙用語図鑑』があれば、もうちょっと建設的な話になったかもしれません。

時折ニュースやSNSでも天体ショーが話題になります。月蝕だとか流星群だとか。

宇宙・天体・物理学用語、わかる?

『宇宙用語図鑑』の1章はこんな節からはじまります。

  • 「恒星」
  • 「惑星」
  • 「衛星」
  • 「矮星」
  • 「巨星」
  • 「超新星」
  • 「中性子星」

さて、これらの〈星〉の意味の違いわかりますか?

  • 「恒星」→自ら光を放っている星
  • 「惑星」→恒星の周りを周る星、温度が低く光らない
  • 「衛星」→惑星の周りを周る星
  • 「矮星」→「小さい星」という意味。赤色矮星、褐色矮星、白色矮星など種類がある
  • 「巨星」→直径が太陽の10倍~100倍もある巨大で明るい星
  • 「超新星」→重い星の最後に大爆発を起こすこと
  • 「中性子星」→小さくて重い高密度の星

こんな感じで、見たこと聞いたことはあるけど、意味は……なんだったっけ~?というド忘れにも効きます。

子どもゴコロを取り戻すべく「図鑑を熟読」しましょう。

『宇宙用語図鑑』挿絵イラスト

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『なぜ蚊は人を襲うのか』|蚊と人と病原体の攻防戦

『なぜ蚊は人を襲うのか』挿絵イラスト

こんにちは。冬のうちに体力をつけたい あさよるです。冬は代謝が上がっているから、筋トレするにはもってこいなのよ。夏は体もバテてるから、それまでにシェイプアップしたいのです。夏の準備は冬のうちから始まっているワケですが、夏の「虫」問題もなんとかしたい。田舎に住んでるもので、窓に寄ってくる虫の対策に毎年悩まされています。ということで、今回は「蚊」。

以前、ゴキブリ退治の本を読みましたが(名著)、蚊は不快だけれども「かゆみ」以外の実害がないし殺虫剤でなんとかなるので優先度が下でした。しかし今日『なぜ蚊は人を襲うのか』を読んで、蚊の恐ろしさと、神秘と、そして「かゆみ」の重大さを知りました。蚊は怖い!

地球どこでも蚊が待っている

本書のタイトル『なぜ蚊は人を襲うのか』という問いの答えは「繁殖するため」ということは、皆さんもご存じのとおりです。動物の血をすう蚊は、産卵前のメスだけです。動物の血液をたっぷりと吸い、そのたんぱく源で卵を産みます。

そのメスの蚊にも「好み」があるようで、人の血を好むものや、動物や家畜が好きなものもいるそうです。日本の都市部に住んでいる蚊たちは、人間をエサにしていますから、散歩中の犬と一緒にいても人がターゲットにされやすいのだそうです。反対に、農村部へ行くと犬の方がよく刺されるなんてこともあるそうな。

日本の蚊は寒くなるといなくなりますが、極寒の地でも平気な蚊もいるそうです。熱と二酸化炭素を大量に吐き出す飛行機を蚊は生き物と間違えて寄ってくるそうで、飛行場の水たまりでは蚊が発生しやすく、しかもこの蚊!飛行機の車輪かなんかにくっついて、上空の極寒の環境でもへっちゃらで、遠くへ移動してしまうんだそうです。また、蚊は冬眠をして越冬もできるので、想像以上に手ごわい相手なのです。

蚊が害虫で困った存在なのは、「かゆい」という事実もさることながら、病気を媒体する恐ろしい存在であるからです。

蚊と伝染病

2014年、東京でテング熱を発症した患者が話題になりました。日本でもテング熱の患者は毎年いますが、彼らは旅行先でテング熱にかかり、気づかずに帰国し発症する例しかありませんでした。しかし、この患者は直近に旅行歴がなく、国内でテング熱に感染したのです。その後、同じ病原体に由来すると考えられる患者が兵庫県で確認され、再度話題となりました。東京で発生したテング熱が、兵庫県まで広がっていたのです。

蚊がマラリアを媒体していると知られるようになったのは1880年のことで、意外と最近。それまでは「悪い気」が伝わるなど、オカルトチックなことが信じられていました。それまでも、ボウフラが繁殖する水たまりをなくすとマラリアが減ると認識されていた地域もあったそうですが、具体的に病原体が蚊の体内から発見されたのでした。

日本でも『堤中納言物語』の「虫愛ずる姫」のお話の中で、も「蝶の鱗粉に触るとマラリアになる」と読める箇所があります。また、平清盛はマラリアで亡くなったと考えられているそうです。『源氏物語』でも高熱に見舞われる描写があったり、西郷隆盛の最期も、蚊の媒体によりフィラリア症を発症しており、逃げることができず自害に至ったと考えられています。歴史を動かす「蚊」の力。恐ろしい。

「かゆい」から逃れられる

現在でもマラリアによる死亡率は減少していますが、死亡者数は増えているそうです。感染する人の数が増えているということなんですね。

どうやら、日本で住んでいるわたしたちと、マラリアが蔓延するアフリカでは環境が違うようです。日本人は、蚊に咬まれるのを極度に嫌がり、蚊帳を張り、蚊取り線香を焚き、殺虫剤や虫よけスプレーを念入りに使います。それはただただ「刺されるとかゆい」からです。「かゆみ」という不快感から逃れるために最大限の対策をしているんですね。

蚊に刺された「かゆみ」の原因はアレルギーです。蚊の唾液をアレルゲンと認識し、かゆみを感じます。しかし、蚊に刺されまくると、蚊の唾液専門の抗体が生まれ、かゆみを感じなくなるそうです。アフリカの民家で寝ていると、1晩になんと200箇所も蚊に刺されるそうなのですが、かゆみを感じないから対処が後回しになってしまいます。

蚊は生き残るために人の血を吸い、人は生き残るためにアレルギー反応を起こして蚊から逃れます。しかし、あまりの大群で蚊に血を吸われると、かゆみを感じなくなり、蚊に血を吸われてもへっちゃらに……蚊は恐ろしいのです。

巷の都市伝説で「O型は蚊に刺されやすい」という話がありますが、これも科学的に「その通り」「いや、ちがう」と論争が絶えないそうです。もし、本当にO型が蚊に刺されやすいなら、人類の進化となんらかの関係していると考えられます。ヒトは蚊がたくさんいるアフリカを離れ、蚊のいなかった寒冷地へと移動していったのですから。

『なぜ蚊は人を襲うのか』挿絵イラスト

蚊もいろいろおりまして

蚊といっても種類がたくさんいるそうです。あさよるは「ヤブ蚊」と「イエ蚊」しか知りませんでしたが、田んぼの真ん中でブヲォォっと柱を作っているのも蚊の仲間だそうです。血を吸わないので、他の虫かと思っていました。

また「蚊に血くらいくれてやるけど、痒くするなよ」と怒っておりましたが、「かゆい」という不快感は人類の生き残り策なんですね。やはり蚊は遠ざける方法を苦心した方がよさそうです。最も有効なのは、水たまりにボウフラを沸かせないことです。正攻法です。

血吸い蚊でも、好みがあるという話は面白いですね。蚊の生態についても紹介されていて、知らないことばかりでした。蚊のメスは、たった一回だけオスと交尾すると何度も卵を産めるそうです。だからオスもチャンスが1度しかありません。また、交尾前のメスは動物の血に興味もないそうですが、交尾を1度すると俄然動物の血を欲するようになるそうです。どこのメンヘラ女子か!

すごく近くにいる生き物なのに、「蚊」のことなんにも知りませんでした。

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