こんにちは。あさよるです。このブログはまあまあ流行にも乗っかるブログなんですが(;’∀’) 未だに『サピエンス全史』は取り上げていまへん。その言い訳かなんやは、この記事の後半に……。正直、上下巻の2冊もまた読み返すのものな~というのが、本当の本音かもしれないけれど(;^ω^)
しかしその後、サピエンス全史的なタイトルや内容な本が目立ちます。『絶滅の人類史』もそんな中の一冊ですが、進化の考え方についてよく知れる本たったと思います。オモモー(`・ω・´)b
「進化」を知るために
『絶滅の人類史』は進化論についてよく知れる。わたしたちはつい「自然界は弱肉強食で、強いものが生き残る」と考えてしまいがちだ。だけど、それは違う。本書では「子孫をたくさん残したものが生き残る」と簡潔にまとめられている。どんなに強い生物でも、子孫が絶えてしまえば絶滅するし、一個体では弱くたって、よりたくさんの子孫を残し続ければ、生き残ることができる。
わたしたちホモ・サピエンスには、ほかのホモ属の仲間がいた。だけどみんないなくなってしまった。それはわたしたちが最も勝っていたとか、最も賢かったわけではなく、わたしたちが子孫をたくさん残し続けてきたからだ。
わたしたちには敵が現れても「闘う」「逃げる」「ようすを見る」のどれも選べない。わたしたちは闘うための牙も爪も持っていない。直立二足歩行をするわたしたちは、逃げ足がとても遅い。捕食者にあっという間に追いつかれてしまう。直立二足歩行のメリットは「立ち上がって遠くを見渡せること」だけれども、それだけ敵から見つかりやすいことでもある。隠れて様子を見るには不向きな設計だ。
わたしたちの生き残り策は、群れで行動することだった。群れは敵からも見つかりやすいが、集団で行動すれば、ある個体が襲われても群れが全滅することはない。そして、たくさん子どもを産んで育てる。ヒトは複数の子どもを同時に育てることができる。群れでありながら一夫一妻制をとり、より子孫をたくさん残せる社会が残った。

ホモ属は弱い動物だからこそ、どこでも生き、なんでも食べられられるものだけ生き残った。食べにくいものは消化に時間がかかるから、わたしたちはゴロゴロと暇な時間を過ごさなければならない。その暇な時間こそ、道具をつくったり、言語が発達する時間だったのかもしれない。「スクール」の語源であるギリシア語の「スコレー」は「暇」という意味だ。暇こそ知性に必要な時間だ。
そんな人類の歴史が『絶滅の人類史』では語られている。もちろん、証拠が不十分だったり、仮説でしかないことも多く、想像で補ったり、諸説あることも十分に説明がなされる。
また一見、因果関係があるように思えることも、ただの思い込みであることもある。そんな事例をたとえ話を駆使しながら丁寧に説明されている。「進化とは何か」を知るのに、よいガイドになるだろう。
仮説・諸説・わからないことばかり
『サピエンス全史』は一応読んだけれども、ブログでは取り上げていない。人から「どうだった?」と聞かれても「読まなくていいんじゃない」と答えている(;’∀’) 「『竜馬がゆく』か『坂の上の雲』でいいんじゃないの」というのが本音です<(_ _)> (だけど、やっぱヒットした本だから、その後それをイメージするようなタイトルや内容の本がたくさん出版されていて、わたしも数冊読んでいる。そろそろ『サピエンス全史』もブログで取り上げとかないと、記事が書きにくいなぁと思い始めている……)
なんで『サピエンス全史』はイマイチだったかというと、仮説や想像の域を出ないことを、断定口調で書いてあるからだ。断定的に書かれている方が読むのは気持ち良いが、科学的ではない。つまり、歴史小説なのだ。で、歴史小説として読むのなら、『竜馬がゆく』の方が断然楽しい(これは個人の感想デスw)。
だから、「気持ちのいい物語」を読みたい人にとっては、今回の『絶滅の人類史』は、歯切れが悪く読みにくいだろう。だって、諸説あることは諸説あるとし、仮説は仮説、想像の話は想像だと書いてあるから。つまり、なにも断定されていないのよね。ただ一つ、断定されているのは、結果、生き残ったのはわたしたちだった、ということ。付け加えると、わたしたちのDNAには、他のホモ属の遺伝情報も一部残っているということ。それくらい。
『サピエンス全史』のあとに出版された、これ系の本を数冊読んだけど、わたしが読んだ本はどれも、わからないことはわからないと書いてある本だった。本を一冊頑張って読んでも、結論が「わからない」というのは居心地が悪いけれど、そういうものだ。むしろ「わからないものはわからない」という人は親切だ。
太古のロマンか……
わたし自身、あまり「ロマン」を求めないタイプなんだけれども、こういう話はロマンしかないよね。この前、恐竜展に行って、恐竜の化石の数々を見てたんだけど、恐竜って、ロマンなのよ。そう痛感したのは、比較対象として現存する哺乳類の骨格標本を見たとき。思わず「哺乳類ってダセー」と思ったんだけど、よくよく考えてみると、哺乳類がダサいんじゃなくて、恐竜をやたらカッコよく復元しているのだw
それは、古生物の図鑑とか見てても同じだよね。「スゲー」「カッコええー」とときめくんだけど、そういう風に描いてあるのか……というようなことを、『リアルサイズ古生物図鑑』をパラパラ見ながら思う。うん、すてき。
古生物のサイズが実感できる! リアルサイズ古生物図鑑 古生代編
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