美術

『画題で読み解く日本の絵画』を読んだよ

西洋絵画や日本画の画題の定番のイメージをコピックで描いたイラスト

西洋絵画や日本画の画題の定番のイメージをコピックで描いたイラスト

「おやくそく」の展開が好きです。
「定番」とか「十八番(おはこ)」にも近いかもしれません。
オチの見えている話を何度も何度も繰り返すような物語が好きです。
『ドラえもん』や『水戸黄門』なんかも「おやくそく」「定番」の繰り返しですね。

夢枕獏さんは自身の小説『陰陽師』を「大いなるマンネリ」と呼んでらして、その言葉もとても好きです。

「おやくそく」を知っていると楽しみが増える?

絵画を見ても「おやくそく」はあります。
大体、昔の西洋の絵画は聖書に描かれるシーンがモチーフで、天使やキリストや登場人物たちの表現に「おやくそく」があります。
着ている服や持っているアイテム、人物の身体的特徴などから、パッと絵を見ただけで聖書のどの場面の誰が何をしているシーンなのか分かるそうです。
ただ単に美しい絵を見るだけじゃなく、そこに何が描かれているのか分かるようになると、また一段と絵画を楽しめるのではないかなぁと思います。

日本の絵画にもある「おやくそく」

『画題で読み解く日本の絵画』を読みました。
こちらは、日本の絵画の「おやくそく」を簡単にイラスト付きでまとめてある本でした。
描かれている人物の服装や持ち物で、誰が描かれているのか分かります。

日本の絵画の場合は、中国の故事や、仏教に由来するものが多いようです。
日本の絵画をより深く理解するためには、そのあたりの知識も持っていると良さそうですね。

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『河鍋暁斎絵日記』を読んだよ

イラストを描くための様々な道具のイメージをコピックマーカーで描いたイラスト

イラストを描くための様々な道具のイメージをコピックマーカーで描いたイラスト

ブログ記事に添えているイラストを描くとき、ササッと描き始められるときと、うーんうーん唸りながら無理くり描き始めるときがあります。
アイデアが浮かばないこともあれば、頭にイメージは浮かんでいるのに、自分の画力が足りず絵に落とし込めないこともあります。
どちらも、自分の稚拙さが原因なので、今後改善されればいいのになぁと思います。

特に人物を描くのが苦手です。
これは、人体の構造がきちんと理解できていないためだと思っています。
上手く描けない理由に思い当たっているので、知識を深めなければなりませんが、未だ手付かずです。

『河鍋暁斎絵日記』を読んだよ

幕末期から明治にかけて活動していた河鍋暁斎(かわなべ きょうさい)という浮世絵師がいます。
浮世絵の平面的なイメージから飛び出した、とても躍動的で活き活きとした絵です。

その暁斎が、日々描き続けていた絵日記があります。
筆でサササッと走り書きをしているのですが、とてもコミカルに人物が誇張されており、ユニーク。
どの人もどことなく朗らかな表情で、ひょうきんな姿です。

デフォルメされ今にも動き出しそうな人物たち!

ちょんまげを結い着物を着て、江戸末期から明治初期の人々は現在の私達とは違った風貌をしていますが、暁斎の描いた人々の絵を見ていると、現在の私達と何ら変わらず、毎日ワイワイと喜んだり落ち込んだりしながら生きていたんだと感じます。

私も暁斎の爪の先くらいでも、絵が描けたら、毎日のブログ更新に悩まなくていいのになぁと思いました。

名人である河鍋暁斎ですらなのか、だからこそなのか。
毎日毎日、描き続けることが大切なのかもしれません。

しっかりと物を見て観察し、それを絵に描ける腕があれば、どんなに楽しいことでしょうか。
勢い良く、躊躇いなく描かれている河鍋暁斎の線に、ため息が出ます。

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『運慶と鎌倉仏像―霊験仏をめぐる旅』を読んだよ

地図のイメージをコピックマーカーで描いたイラスト

地図のイメージをコピックマーカーで描いたイラスト

歴史的史跡を訪問したり、歴史関連の本や資料を手に取ることが好きです。
しかし、なかなか人前で「歴史好きです」と名乗ることができません。

その理由はとても単純で、「歴史に詳しくないから」です。
「歴史が苦手です」と言ってもいいかもしれません。

歴史系の本を読むのは好きなのに、歴史が苦手…相反することのように思えるかもしれませんが、どちらにも当てはまっているのが私です。

歴史苦手の原因は地理にアリ?

なぜそんなことが起こるかというと、私が地理が苦手だからではないかと思います。
中学高校の授業でも地理は苦手で、今でも苦手意識が先に立ちます。

一応、日本の都道府県くらいは覚えては居ますが、県庁所在地はややあやふや。
大きな市や、有名な市町村でも、名前は聞いたことがあっても、どこにあるのか知らないことが多いのです。

恥ずかしながら私は長年、鎌倉市は九州にあるものだと思いこんでいました。
なぜだか分かりませんが、鎌倉幕府は九州に置かれたものだと思い込んでいたせいです。
この間違いに気付いたのは、二十歳前後になってからでした。

世間知らずが招くチンプンカンな土地勘?

私は旅行経験が少なく、あまり遠くへ足を運ぶこともなかったため、国内旅行事情もほとんどわかりません。
この、世間知らず的世界観が、地理の苦手意識を生んでいるのかな?と考えています。

なぜなら、自分で行ったことのある場所なら、どんな場所か自分の目で見て知っているので、本に書いてある情報とともに、かつての経験と相まって記憶されてゆきます。
私にとっては、ヴィジュアルの情報が重要なのでしょうか。
「見たことがある」か「見たことがない」かが、記憶や思考で大きな差を生んでいる気がします。

未だに鎌倉は未知の地

鎌倉に関するとんでもない勘違いも、自分が行ったことのない土地だったり、縁もゆかりもなにも持っていなかった理由もあったのかもしれません。
知識を増やすということは、特定の物事を知るだけでなく、それに関連する事項に一つでも多く「縁もゆかり」も作ってゆくことかもしれませんね。

鎌倉はアクセスもしやすい場所ですし、気候のいい時期に一度は訪れて見たく思います。
自分に縁が生まれれば、これまで以上に今後の歴史理解や、学習も有意義になるでしょう。

『運慶と鎌倉大仏』を読んだよ

『運慶と鎌倉仏像』では、有名な仏師・運慶作と言われる像を中心に、鎌倉時代に作られた像が紹介されています。

運慶といえば、私は奈良県・東大寺の金剛力士像を思い出します。
とてもダイナミックで、荒々しく力強い印象です。

この本で取り上げられている像たちも、鎌倉仏像のイメージである立体的にデフォルメされ、表情豊かな姿で、パラパラと見ているだけで眼福です。

お寺に安置されている像は、薄暗く厳かな雰囲気の中に静かにあるので、隅々まで見ることは難しいでしょう。
博物館や美術館で展示されているものは、細部まで見れるので、また違った印象です。

更に、写真に撮られたものは、肉眼では捉えられないような細かな造作まで発見できるので、肉眼では確認できなかった発見があります。

それぞれに特徴が違うので、様々な角度から鑑賞できると嬉しいですね。

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『「日本画」用具と描き方』を読んだよ

日本画で使う用具(筆、絵皿)をコピックマーカーを使って描いたイラスト

私は絵が描くのが好きで、図書館の芸術、美術の棚に必ず立ち寄ります。
先日は図書館で、『「日本画」用具と描き方』という本を見つけ、読みました。

「初級技法講座」とも表紙に書かれているので、全くの日本画初心者へ向けた、最低限必要な用具と使い方と、技法の紹介です。
筆の種類、紙の種類、岩絵の具や顔料の種類、それらを使った描き方の種類がよくまとまって紹介されていました。

未知の存在「日本画」

日本画は描いたことがありませんし、用具も触ったことすらありません。
全くの未知の世界です。
いちいち色の顔料をすりこぎで擦り、「膠(にかわ)」と呼ばれる接着剤の役割のものと混ぜあわせ、濃さを調節し、やっと紙の上に色が塗れます。
未経験だと、なんだか面倒くさそうだなぁと思ってしまいますね。

ですが、日本画独特の色彩や雰囲気は、この手間をかけてこそなんですね。

日本画で使う用具(筆、絵皿)をコピックマーカーを使って描いたイラスト

面を描く西洋、線を描く東洋

日本画を日本画たらしめているものはなんなのか。
本書でも冒頭で日本画の特徴に触れられています。

西洋では絵を面で描くのに対し、東洋では線を使って描きます。
例えば、同じリンゴを描くとき、リンゴの表面の色の濃淡や光や影、模様を描くことで、リンゴを表現するのが西洋の絵画です。
一方、リンゴの輪郭線を描きとるのが東洋的な手法です。
そのものらしい輪郭線だけを描き、リンゴの表面の影や凸凹は省略されます。
水墨画はその典型ですね。

日本画の日本画らしさは「余白」?

中国では、絵の上手下手で評価し、評価をした人が絵の空白に落款を押すそうです。
日本画では、そんなことは起こりえません。
日本画では空白になっている「余白」も絵の一部と考えるので、無闇に手を加えられないのです。

「余白」に意味がある。
これが、日本画の日本画らしいところなのかもしれません。

目に見えない輪郭線

ところで、絵を描く時、まるで“ぬりえ”の絵のように、輪郭線をくっきりと引いた絵を描こうとしてしまいませんか?
何気なしに線を使い、物を描こうとしていますが、考えてみれば、なかなか興味深いことを我々はしています。

リンゴでも玉ねぎでも、ペットの生き物でも自分の掌でも、なんでも構いません。
よくよく観察してみてください。

色や光と影、凸凹や質感がありますね。
ですが、輪郭線なんてものはありません。

存在しない物でイメージする

目には見えないはずの輪郭線なのに、私達はその線を見れば、何が描かれているのか判断できます。
存在しないものを使って、実在するものをイメージする。
線で描かれた絵を見て理解するって、なかなかフクザツなことをしているのかもしれません。

存在しない物をさらにデフォルメする

「線で描く」と言えば、私は真っ先にマンガの絵を思い浮かべます。
マンガで描かれる絵は、デフォルメされ、本来の姿とは全く違うフォルムをしているものもたくさんあります。

存在しない“輪郭線”で描いた上、更にそれをデフォルメし、本来のフォルムとは似ても似つかないはずなのに、何が描かれているのか分かる。
マンガの場合はそれが、小さなコマが連なり、物語を紡いでるんですから、とんでもなく難しいことをしているように思えますね。

それを、すんなりと理解できている私達の頭のなかはどうなっているんでしょう。
興味がつきません。

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『イメージを読む―美術史入門』を読んだよ

ゴッホの絵を見るために美術館へ行った思い出のイメージをコピックマーカーを使って描いたイラスト

高校生の頃、初めて一人で隣の県にある美術館へ行きました。

隣の県と言えど、当時はそんなに遠くまで一人で出かけたことは初めてでした。
自分の意志で、どこかへ出かけるのも初めてだったかもしれません。

初体験は大冒険

当時の私にとっては大冒険です。
JRを乗り継ぎ乗り継ぎ、事前に調べたメモを握りしめ、不安とワクワクの入り混じった気持ちでした。
高校生にしては幼かったのかもしれませんね。

なぜ美術館へ行こうと思い立ったのかは、今や覚えていません。
たまたまポスターなのか、CMだったのか、特別展の宣伝を見て「行かねばらならい」と思い立ったのでしょう。

ゴッホの絵を見るために美術館へ行った思い出のイメージをコピックマーカーを使って描いたイラスト

特別展の目玉はゴッホのヒマワリの絵でした。
当時の私は、なにせ世間が狭い。
「この機会を逃してしまうと、ゴッホの絵を見るためにヨーロッパまで行かないといけない!」
「ヨーロッパへ行くことに比べれば、美術館までの電車代はガマンしないと!」
当時の私はお金を持っておらず、電車代ですら大金でした。

筆跡まで見える!

美術館へ行くのも初めてですが、他人の描いた絵をしげしげと鑑賞するのも初めての経験でした。
額装され、展示された作品に触れた最初の経験です。

油絵は、間近で見ると筆の跡が生々しく残っています。
作者が描いた筆跡に感動し、「この絵をどうやって描いたのか」と気になりました。

美術館に手紙!?

ゴッホの有名な作品が多数展示されていました。
驚いたのは、絵画だけでなく、ゴッホとゴッホの弟がやりとりした手紙が展示されていたことです。
美術館って絵を飾るところだと思っていたのに、不思議でした。

『イメージに読む-美術史入門』では、初心者に向けて全4回の美術史の講義する体で書かれた内容でした。
美術史は、作品が描かれた時代それぞれの思想や常識、科学、社会情勢などが絡みあう複合的な知識で読み解いてゆくものだと解説がありました。

切り口が増えることは、視野が広がること

高校生の頃の私は、絵画そのものの迫力に驚き、感動しました。
あれから時間が過ぎ、今の私が同じ絵を見ても、また思うことは異なるのでしょう。

生きた年月だけ、経験も知っていることも増えただろうし、考え方もうんと変わりました。
高校生の頃よりは、いろんな切り口から一つの絵を鑑賞できるようになったかもしれません。

それは、これからもっと様々な経験をして、もっと違ったものの見方が増えるだろうと期待が持てます。

何も知らず、少し足を伸ばして美術館へ行くことすら大冒険だった高校生の私。
あの頃よりも、今のほうがずっとのびのびと、広い世界で生きている気がします。
同じように、これからの自分が更に大きな世界で生きれるように、絵画や美術を通じても、新しい考え方を学ぼうと思いました。

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『ゼロからの陶芸入門』を読んだよ

親戚が陶芸の工房を持っていて、たまに遊びに行きます。更にたまに気が向いた時、土を触らせてもらうこともあります。

土の感触が気持ちがよくって面白いのです。

しかし、その土をこね「何か」を作ろうとすると、どうにも上手くいきません。お茶碗一つ、お皿一つ作るのも、練習と経験を積み重ねないといけないようです。

陶芸が気軽に楽しめる環境にありながら、あまり手を出す気になれません。

どうやら陶芸って、とてつもなく手間と暇がかかるものみたいなのです。

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