恋に奥手だったり、非モテ、だめんず好きだったり、恋愛に難のある女性は本書『運命の恋をかなえるスタンダール』を読んでから作戦を練り直しましょう。

こんにちは。あさよるです。テレビやニュースに触れると気が重くなってしまうので、気楽に読める本はないかなあと『運命の恋をかなえるスタンダール』を手にしました。

著者は『夢をかなえるゾウ』の水野敬也さん。水野さんは『LOVE理論』や『スパルタ婚活塾』など恋愛本もたくさん書かれていて、しかもみんなコミカルで面白い。ということで、本書も期待してページをめくるのでありました。

本の中からこんにちは。『恋愛論』恋愛の大家・スタンダール

本書『運命の恋をかなえるスタンダール』は小説です。一人の垢抜けない女性が気になる男性との恋を実らせるための物語仕立てになっています。小説としても楽しめるし、恋愛本としても、自己啓発本としても読めるつくりになっているのが面白いところ。このへんは『夢をかなえるゾウ』と同じですね。

あらすじ

ざっとあらすじ。過去にトラウマを抱える主人公は、勤め先である図書館で、利用者の男性に思いを寄せています。しかし、トラウマから他人と良好な人間関係を築けない主人公は、もちろん気になる男性に声をかけることすらできません。人とのコミュニケーションを避け、本を読むことで、本の世界に逃げ込むのです。

そんなある日、突然自宅の蔵書である『恋愛論』の中から、モクモクと著者のスタンダールを名乗る人物が現れます。彼に言われるがまま自分磨きを始め、恋について学び、恋愛を成就させるべく奮闘の日々が始まるのでした。

さて、主人公はトラウマやつらい過去の出来事を乗り越え、意中の男性と結ばれることはできるのでしょうか。

その過程を小説で追いながら、スタンダールの名著『恋愛論』の内容に触れながら、現代の恋愛成就のためのアドバイスが次々と繰り出されてゆきます。

惚れるな!惚れられろ!

本書『運命の恋をかなえるスタンダール』の結論を大雑把に言っちゃえば、「惚れるな!惚れられろ!」です。

意中の男性への想いを募らせ、好意を相手に伝えるのはブー! 間違い。相手から想われ好意を寄せられて、相手から告白をさせるのです。そのために、自分の弱点を底上げし、魅力的な女性になるのです。

繰り返しますが、目的を間違えてはいけません。自分の好意を伝えるために自分磨きをするのではなく、相手に好意を寄せられるために魅力的になるのです。

「結晶作用」を起こさせるには

恋心が膨らんでゆく状態を、スタンダールは「結晶作用」と名付け、本書では重要なワードとして何度も登場します。「結晶作用」とは、

「ザルツブルクの塩坑では、冬、葉を落として木の枝を廃坑の奥深くに投げ込む。二、三か月して取り出してみると、輝かしい結晶でおおわれている。一番細い枝ですら、眩く揺れてきらめく無数のダイヤモンドで飾られているように見える。そのとき、もうもとの木の枝はどこにも存在しない」
そして、スタンダールは顔を上げ、私を見つめて言った。
「確かに、今の君はマリウスにとって、単なる細い木の枝に見えているかもしれない。しかし結晶作用の働きをふんだんに使うことで、ダイヤモンドのような輝きに見せることが可能なのだ」

水野敬也『運命の恋をかなえるスタンダール』

引用中の“君のマリウス”とは、主人公が思いを寄せている男性。この時点で名前も知らないので、こう呼ばれています。

つまり「結晶作用」とは、なんでもないものでも、その作用が加わることでダイヤモンドみ見える力ってこと。日本のことわざでいうところの「あばたもエクボ」みたいな感じでしょうか。恋は盲目とはよく言ったもので、自分はちっぽけな小枝であったとしても、恋をさせちゃえばダイヤモンドのように見られてしまうということ。

さらにこの「結晶作用」は

人は自分の価値観で好きになるよりむしろ、周囲から認められてる人に結晶作用を起こしやすいのだ

水野敬也『運命の恋をかなえるスタンダール』

と語られています。これ、わかりますよね。単に自分の好みだけではなく、「自慢したくなる彼女」「友達が羨ましがる彼」「同僚よりも素敵な恋人」により惹かれてしまいます。

つまり「周囲の評判になる」ことが、相手に結晶作用を起こさせる近道なのです。しかし、そのためには「誰よりも美人」である必要はありません。なぜなら、結晶作用は小枝でもダイヤモンドに見えてしまうから。“意中の彼にとっての”ダイヤモンドになればよいのです。

そのために本書で主人公が取り組むのは「悪女」になることでした。

「悪女」になる

「悪女だけが持つ武器。それは――『期待と不安を与えるコミュニケーション』だ」

水野敬也『運命の恋をかなえるスタンダール』

これだけ言われてもわかりませんよね。八百屋で売られているトマトを例に話は続きます。

見た目も悪くなく、値段も手頃なトマトを買ったとき、八百屋のお兄ちゃんが「よっしゃぁ! このトマト売れたぁ!」と大喜びし始めたら、悪いトマトを買ってしまったんじゃないかと不安になりますよね。

それよりも、トマトを買おうとしたとき、「すみません、そのトマト予約が入ってるんです。代わりに別のものを…」と言われたほうが、ますますそのトマトを手に入れたいと思ってしまいます。そして、交渉の末にそのトマトを手に入れたら、喜びは格別です。……もとはただのトマトだったとしても。

恋愛も同じ。もし食事に誘われたとしても「よっしゃあ!」と大層に喜んだならば、相手は「あれ? もしかして良くない相手を選んじゃったのかな」と思わせてしまいます。そこで「悪女」のコミュニケーション術です。

「悪女! それは、男に対して『この女は手に入りそうだ』という期待と同時に『いや、手に入らないかもしれない』という不安も与えることで、『この女は手に入れる価値がある』と思わせ、虜にしていく存在なのだ。」

水野敬也『運命の恋をかなえるスタンダール』

そして、その「悪女」のコミュニケーションの第一歩として、「悪」に「戯れ」と書いて「悪戯(いたずら)」を仕掛けるよう指南されるのです。

実際に主人公は男性に膝カックンをしたり、驚かせようとしたり、思い切って悪戯を仕掛け、予想を裏切り、真面目なようで奔放にも振る舞い、彼を翻弄し、魅力を増してゆくのでした。

自信を持つ・新しい自分へ

主人公の女性は、過去のトラウマから目立つことを極度に嫌い、自分の容姿にも全く頓着せず、垢抜けない容貌をしていました。しかし、今回の恋をきっかけに、メイクを学び、おしゃれを学び、大胆なイメチェンを図ります。

もともと誰もが長所を持っています。彼女の場合は、現実逃避の先として読書に没頭していたおかげで、たっぷりの知識と知性を持っていました。これが彼女にとっての強みとなります。

その強みを更に活かすために、欠点の底上げを試みます。これが容姿のイメチェンでした。

自分の欠点・短所を補い、底上げすることで、自分の長所に自信が持てるようになります。そして、その自信こそが、恋に果敢にチャレンジすることに繋がり、相手に「結晶作用」をもたらす要因にもなるのです。

「自分の短所を底上げしよう」というのが、本書のメッセージでしょう。そして、「結晶作用」「悪女」「悪戯」をキーワードに、HOW TOを知ることで、恋の成就確率を上げてゆきます。

くすぶった恋心を持っていたり、「なんでわたしは持てないの!?」と思うなら、本書『運命の恋をかなえるスタンダール』を手にしてみてください。運命の恋のヒントがあるはずです。

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