街歩き

『知られざる地下街』|地震、火災、水害…ヤバイ?安全?

『知られざる地下街』挿絵イラスト

こんにちは。あさよるです。あさよるはショッピングに商業ビルよりも地下街を利用する方が好きです。ビルは上ったり下りたり面倒ですが、地下街は横に伸びていることが多いし、多層になっていても知れていますからね。

通路としても地下街を利用しますが、地下街についてみんな多くを知らないのではないでしょうか。本書『知られざる地下街』は、タイトルからしてこれは読むしかない!

そういや、地下街ってなんだ?

本書『知られざる地下街』は、地下街の歴史や、地下街の仕組みなど、みんな知らない地下街の話題を扱います。地下街を利用する方は多いでしょう。近道に通り抜けたり、ショッピングしたり、雨や暑さ寒さを避けて地下街を通ることもあります。だけれども、地下街のコト、みなさんどれくらいご存知でしょうか?

地下街とは

この「地下街」とは、駅前の広場や通路、都市の公園などみなさんが公共で使う場所(公共用地)の地下にある、店舗と道路の合わさった施設のことをいいます。「地下街」と似た施設に、「準地下」や、「地下階」があります。「純地下街」は、店舗の部分は民間会社が持っている土地(民有地)で、通路部分が公共用地、という施設です。「地下階」は、店舗や通路とも民有地の地下にあるものです。

p.14-15

大阪の地下でいうと、ホワイティうめだや、なんなんタウン、あべちかなんかは「地下街」。店舗が民有地で通路が公共用地という「準地下」は、ヨドバシカメラ梅田の地下階は民有地だけど通路は公共地といったところでしょうか。通路も店舗も民有地の「地下階」は、梅田駅前の第1ビルから第4ビルの地下階ですね。日中は通路のように使ってますが、早朝や深夜はシャッターが閉まってて通れません>< なんばCITYの地下も「地下階」かな。

わたしたちはひと口に「地下街」と一まとめにしてますが、詳しく見ると区分が違うってことですね。

地下街が担っている役割

地下街は公共の施設です。ですから、地下街は公共的な役割を担っています。

①障害物や天候などに左右されない、安全で快適な歩行の環境を整えること
②買い物客が使いやすく回遊性の高い、賑わいのある環境をつくること
③錯綜する地上の道路交通を緩和させ、都市の景観向上に寄与すること
④地下街のある沿道の都市開発を促進し、地下街が接続する建物の価値向上を図ること
⑤地震や台風などの災害が発生した場合の一時避難機能(帰宅困難者など)を有すること

p.27

たしかに、あさよるの利用する地下街もすべての項目に当てはまっていると思います。近年では⑤の災害時の避難場所としての地下街が注目されているそうです。

日本の地下街まとめ!

本書では札幌から博多までの地下街が網羅的に紹介されています。あさよるは大阪に住んでいるので、関西の地下街しか馴染みがありませんが、どの地下街もそれぞれの地域で愛され利用されているんですね。それぞれ地下街のカラーというか、特色があるのも良いですね。

札幌の地下は、冬の積雪を避けるために発達しているそうです。名古屋は「地下街の街」だそうで、独特な雰囲気があるみたい。

というか「意外と地下街って少ないんだなあ」というのが あさよるの感想でした。東京23区内の地下街も16しかないそう。もっと、東京の地下はアリの巣のように街が張りめぐらされているのかと思っていました。一つ一つの規模が大きいのかなあ。ちなみに大阪の地下街は14だそうです。

地震、水害、火災時の地下街

地下街の話題で気になるのは「もしものとき」の対策です。災害や火災時に、地下街って危険なの!?

地震には強い?

まず、地震には地下街は強いみたいです。都市部で震度6~7の大地震が襲ったのは、1995年の阪神大震災。神戸三ノ宮の地下街「さんちか」「デュオこうべ山の手」「メトロこうべ」が被災しますが、地上の大被害とは対照的に、地下の被害は少なく済んだそうです。部分的に柱にひび割れがあったくらいと紹介されています。

2011年の東日本大震災でも、地下街ではありませんが、仙台の地下鉄に被害がありましたが、小規模なものだったそうです。ただし、2016年の熊本大地震のように震度7の地震が2度続けて起こったとき、地下にどのような被害があるのかは警戒が必要でしょう。

また、東日本大震災では「帰宅困難者」が問題になりました。地下が地震に強いからといって、非常時に地下に人があつまる危険性にも触れられています。地下街や地下道の多くはターミナル駅に隣接しています。多くの人が一気に一所に押し寄せると、そこで将棋倒しになったり、二次被害が考えられます。

火災時はヤバイ?

地下での火災というと、2003年にあった韓国での地下鉄の火事を思い出されます。200人近い方が亡くなられ、地下の火災は恐ろしいと感じた人も多いでしょう。しかし、本書『知られざる地下街』では、事前に火災対策がなされているため、地上のビルでの火災よりも安全性は高いと紹介されています。

火災があった場合、火災の起こっている区画のシャッターを下ろして完全に火災を閉じ込めてしまうそうです。また、火災の煙は天井に溜まりますから、地下空間が一酸化炭素で満たされるまでには時間がかかります。すみやかに冷静に対処することで、地下から脱出する時間はあるそうです。

地上での火災はシャッターで完全に封じ込めることはできませんから、確かに考え方によっては地上より火災には強いのかもしれません。

水害はこわい?

近い将来、東南海地震が想定され、その際津浪が広く太平洋側に到来すると報道されています。あるいは、台風や大雨被害など、「水害」に地下街は弱そうに感じます……。

その辺も、地下街は対策が打たれているそうです。まず、地下に浸水させないように、地下への入り口に仕切りをして、水が流れ込まないようにすること。通気口は、地面よりも高い位置に設置すること。あるいは、通気口を手動or電動で蓋をできるようになっているそうです。物理的に「水を地下に入れない」対策がなされています。しかし一度、地下街に水が流れ込んでしまうと、地下から地上への脱出は難しい。水に逆らって階段を上ることは困難です。

あさよるも以前、地下にある駅の改札が完全に水没している現場に出くわしたことがあります。ゾッとして立ちすくんでしまいました……。

緊急の案内板は?

地下街の多くは、お店が立ち並び賑やかな街が続いています。ショッピングの際は、緊急用の案内板を確認しておくのが良いでしょう。さらに、緊急時には電子掲示板が、緊急用の表示に変わるよう用意されている例が紹介されていました。また、地下街を行きかう人は日本語が堪能とは限りません。電子掲示板は、多くの人への情報提供に役立つでしょう。

もし停電したら……

あさよるが『知られざる地下街』を読んで一番こわいと感じたのは、緊急時に「停電」してしまう可能性に思い至ったときでした。当たり前ですが、地下街は停電すれば真っ暗です。火災や水害の最中、停電してしまったらどうするんでしょう……。

本書では、蓄光できる案内の設置が紹介されていました。普段は見えませんが、辺りが暗くなると、しばらくの間光を放つ仕掛けです。

利用者としては、常に出口を意識して地下を利用すべきだと思いました。

地下街を歩くのは楽しい^^

『知られざる地下街』挿絵イラスト

地下のちょっと怖いシチュエーションの話をしましたが、それぞれの対応は考えられているようで、少し安心しました。だけど、繰り返しますが、利用者としても「非常口」の場所を意識するのは忘れちゃいかんとも改めて思いました。もちろんこれは地下に限らず、地上の建物でも同じだけど。

しかし、地下街ってなんかすごく楽しい空間ですよね。ただ通り抜けるだけのときも、お買い物をするときも、地上の路面を歩くよりも、地下を歩く方が好きです。

本書で日本中の地下街が紹介されているので、他の街の地下街も歩いてみたくなります。

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『古地図で歩く大阪 ザ・ベスト10』|大阪の成長記録、見てみない?

こんにちは。地図が(ちょっと)好きな あさよるです。なぜ(ちょっと)が付いているかというと、現在は地図好き活動を棚上げしているからです。小さなころから地図を作るのが好きで、学生時代にも何やら地図を作成していて、「こんな地図を作りたい」と理想を掲げつつ、リサーチを数年続けているうち、しばし停滞中なのです。

今回『古地図で歩く大阪 ザ・ベスト10』を見つけて、あさよるの地図好きスイッチが反応するものでした。大阪の街を扱っているので、大阪以外の方は楽しんでいただけるかわかりませんが(;’∀’)、地図や古地図が好き、地図を見ながら街を歩くのが好きな方、どうぞ!

古地図のたしなみ・大阪編

本書『古地図で歩く大阪』は、これから「古地図」などを嗜みたいを考えてらっしゃる方必見。同じ地域の地図を、時代の違う地図と比較してゆくことで、町の変遷を辿ります。本書で取り扱われている町は「大阪」。大阪の市街地周辺の地図を見比べて、大阪の町がどのように変化してきたのか〈地図〉という目で見える、手に取れるものでわかる、って、面白いですね。

本書は大きく3つの要素で構成されています。まず、大阪の街を取り上げ、古地図を見比べ、どのように街が広がっていったのかを比べて調べます。著者による街の歴史や由来、エピソードも交えながら進みます。そして、現在の地図を見て、実際に歩くべきルートや目印、行き先が記されます。更に、一口メモ的なコラムや、本物の古地図がどこで見れる&手に入るのかも紹介されています。図書館や書店、古書店等、大阪で手に入るところばかりです。

大阪に縁もゆかりもある人どうぞ(^^♪

本書の特徴は、大阪の街をよくご存じな方が読むと面白く、本を片手に街に出たくなることです。取り上げられる町は、梅田、中之島、御堂筋、ミナミ、天満、京橋、天王寺・阿倍野・住吉、十三、大正区、平野の10エリア。ね、いつも歩いている街のお話!

……そうなんです。本書『古地図で歩く大阪』は、大阪の街をよく知っている方は楽しい内容ですが、それ以外のエリアの方が楽しめる内容なのか?と言われると……ヒジョーに答えづらい。少なくとも「大阪入門編」ではなさそうですね(;’∀’) ある程度、現在の街を知っている方が読んで、再発見や再確認がある本だと思います。

ですので、ばっちりヒットする人の数は少ないのかな~と思いつつ、一応、大阪府民のあさよるは推しておきますm(_ _m) ちなみに、大阪の街をよくご存じの方は、知識や雑学としては知っている話も多いかも?本書の面白みは、大阪の街の物語を〈古地図〉を突き合わせて楽しむことでしょう。これ、なかなか面白いんです。

大阪って、新しい町なんだ!Σ(・ω・ノ)ノ!

あさよる的に面白かったのは、大阪の街は意外と新しいんだなぁということ。例えば、〈梅田〉の町は、江戸時代は町の外側で、墓地のある地域でした。そこへ、明治になって汽車が通り、梅田ステーションが登場します。駅ができたことで、町が広がりました。そして、梅田駅は時代とともに東北方向へ徐々に移動し、今の位置になりました。それに合わせて町も北へ東へ広がりました。ミナミの繁華街の中心〈難波〉も、もともと南海電鉄が〈難波駅〉を作ったことで、難波駅周辺が〈なんば〉と呼ばれ、街になりました。

現在の大阪の繁華街やビジネス街は、結構最近になってから発展した場所が多いんだなぁと知りました。大阪の街はもともと海だったところを埋め立てながら整備された街だと教わったことがありますが、その広がり方は近代に入ってから爆発的だったこと、そして現在の街は意外と昭和平成になってからの街が多いんだなぁと発見しました。

古代からの遺跡を内包しつつ、新しく広がっていく姿が、古地図を通してダイナミックに感じれたのが良かったです。

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