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『女の子は本当にピンクが好きなのか』|女らしい道を選んでゆくワケ

女の子はある年頃になるとピンクを欲し、ピンクまみれになってゆくらしい。そして、小学校へあがる頃になると、その反動で「ピンクは子どもっぽい色」と考えるようになり、ピンクから遠ざかり、水色が人気になる。小学高学年くらいになると、ピンクは再び好きな色に返り咲くが、同時に嫌いな色ランキングでも上位になる。そこから、ピンクへの愛憎は中年になる頃まで続くという。女性にとってピンクという色は、一筋縄ではいかない色なのだ。

本書では「ピンク」という色だけではなく、女性に付加されている「ピンク的な価値観」も含んで話は進む。女児に与えられる玩具は、ピンク的な思想に染まっている。レゴブロックの女の子向けのシリーズは、ピンクや明るい色で、スイーツやリゾート仕様だ。男の子のように冒険や科学者にはなれないの。

バービー人形は、実際の女性の体型よりも胸が大きく、ウエストと足首が細く、首と足が長い。それが、知らず知らずのうちに女性の意識に結び付いて、拒食症などの良からぬ影響を与えているのではないか。

ホワイトカラーやブルーカラーのように、本書では「ピンクカラー」という言葉が登場する。

ピンクカラーはおおまかに次のように分類される。

・サービス系…花屋、パン屋などの小売店の店員、ウエイトレス、キャビンアテンダント、バスガイドなど
・ケアワーク系…看護師、介護士、保育士、幼稚園教諭など
・美容系…美容師、ネイリスト、ヘアメイク、スタイリスト、アパレルなど
・アシスタント系…一般事務、受付、秘書、歯科衛生士、など
・語学系…通訳、翻訳、英会話教師、英文経理など
・人文系…司書、心理職、編集者、校正など

p.149

これらはリカちゃんのお友達があこがれる職業だという。多くの女性が希望する職種は、なり手が多いので低賃金になってしまう。そして、若い内は仕事があるが、年齢を経ると狭き門になってゆく。食いつめてしまいがちな職業でもあるということだ。

女性は幼いころから、ピンクカラーの職業を選択しがちな環境に置かれているし、受験や就職の頃に、そう指導されることもある(理系に進まず文系に進んだり)。

わたしも実は、工学部に進みたかったけれど、両親に反対され、結局、美術系の短大へ進んだ。ピンクな、そのまんまの進路を選んでしまった。学校で一番成績がいいと先生に褒められた時は、父親から「男の子に勝って嬉しいか」「女の癖に恥ずかしくないのか」と殴られた記憶がうずく。

本書を読んでいると、多かれ少なかれ、心が疼く女性は多いのではないだろうか。

わたしは、ピンクよりも緑色が好きだった。リカちゃん人形よりも恐竜が好きで、物理や科学の本を夢中で読んでいた。だから、「可愛くない」とか「男の子ならよかったのに」と言われ続けていた。もう30年以上前のはなしだ。2020年は、どんな社会に変わっているんだろう。

本書ではさらに、ピンクが好きな男の子にも言及される。世間の目は、「女の子らしくない女の子」よりも、「女の子のような男の子」へのほうが厳しい。男の子だって、ピンクが好きだっていいじゃないか。

この本、すべての人にあてはまる話題を扱っているからこそ、これ、とんでもなく深い話だぞ。

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『オタクはすでに死んでいる』|仲間探しの旅に出よう

わたしはとてもオタクっぽいと、自分でも思うし、たぶん周囲の人にもそう思われているだろう。だけど、わたしはアニメは見ないし、マンガも読まないし、ゲームもしないし、ネットもブログを書くくらいでどっぷり浸っているわけでもない。「いわゆるオタク」要素を持っていないのだ。だから、自称オタクの人と話をしても、まったく話が合わなかったりする。だけど、わたしは自他ともに「オタクっぽい」のだ。

このかみ合わなさの理由を、『オタクはすでに死んでいる』を通じて、少しわかった気がする。

本書によれば、ひらがなの「おたく」という名称は、周囲から勝手に名付けられた。しかも悪い意味で。それまではそれぞれの分野の「ファン」や「マニア」でしかなかったのが、「おたく」とまとめて呼ばれるようになったんだ。ここにはもちろん、アニメやマンガのファンもいれば、鉄道ファンやミリタリー好きもいる。それぞれ違った分野のファン/マニアたちをひっくるめて「おたく」とされたのだ。

時が経ち、電車男や「萌え」の流行、クールジャパンの登場で、ネガティブな意味は払拭されて、カタカナの「オタク」が登場する。しかし、ここでオタク界で変化が起こる。「おたく」時代は、ジャンルの違うおたく同士、お互いに「おたくだから」と認めあっていたが、「オタク」は排他的になってしまった。例えば、アニメオタクは、アニメオタク以外は仲間とみなさない。同じ趣味、同じジャンルでなければ仲間ではなくなってしまった。つまり、「オタク」がバラバラに分かれてしまったのだ。だから、オタクを観測できなくなってしまったのだ。

著者の岡田斗司夫は、自らの「オタキング」という呼び名もやめる、とも書いている。それくらい、オタク界が見えなくなってしまったのだった。

ここまで書くと、わたしがオタクっぽいのに、いまいちオタクじゃない理由がわかる気がする。わたしはたぶん、昔のひらがなの「おたく」時代だったら間違いなく「おたく」なんだろう。だけど、カタカナのオタクっぽくないのだ。アニメも見ないし、ゲームもしないし、マンガも読まないし、アイドルのことも知らないし、わたしは「オタク」に排除されてしまうのだ。ああ、わたしの仲間よ、どこにいる。

わたしと同じようなオタクを見つけるためには、「ここにいるぜ」と発信し続けないといけないのかもしれない。同人誌でも作るか……。

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『必要なのはコスメではなくテクニック』|理屈と知識でメイクしよう

『必要なのはコスメではなくテクニック』

長井かおりさんの『必要なのはコスメではなくテクニック』は発売当初から書店で並んでいるのをよく見かけていて、読んでみたかった本だ。メイク本だから、「店先でチョチョッとエッセンスだけcheckすればいいか」とセコイ自分がそそのかしたが、そうはいかなかった。なぜなら、本書は文字ばかりの、理論の本だからだ。写真やイラストばかりの感覚的なものではないのです。

しかも、本書は誰にでも当てはまるようなメイクのメソッドが紹介されている。まずはなにより大事なスキンケアに多くのページを割き、ベーシックで毎日使える知識ばかりだ。

アイシャドウやリップの色味は、人によって似あう/似合わないがある。だけど本書では、アイシャドウは目のまわりに影を作り、ホリを深く見せ、顔を立体的に見せるアイテムとして紹介される。だから、影の色にふさわしいブラウンがアイシャドウのカラーだ。

チークも、流行を追うものではなく、血色をプラスし、若さを演出するための、基本のチークの入れ方が紹介される。アンパンマンのようにほっぺに丸く、ごくごく軽く入れるらしい。確かに、長井さんのほっぺと言えば、そんな印象がある。

本書は「理論」の本だと紹介したけれど、スキンケアからメイク、最後はヘアまでの手順がやさしい言葉で、短い章立てでページが進んでいくから、とても読みやすい。役にも立つし、プロのヘアメイクアップアーティストがどんなことを考え、気を付けているのかもわかる。誰が読んでも、明日からの朝の準備に一つはエッセンスを取り入れられる内容だ。

長井さんの本、他にも読みたい!

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『人生を救う 片づけ』|片づく習慣を再構築せよ

『人生を救う片づけ』は話題本みたいでよく見かけていたから、読みたかった。しかも片づけ本。当あさよるネットはこれまでにも片づけ本を多数紹介してきた。なんてったって、わたしが「片づけられない人」だからだ……(;^ω^)

片づけが苦手だからこそ、なるべく片づけの手間が少なくて、再現性の高い物の配置を徹底したい! あと、片づけのモチベーションを上げたい! 本書『人生を救う片づけ』は、どちらかというとモチベーションアップ系だったように思う。「こんな生活がしたい」と思えた。

片づけは「習慣」の再構築だ

『人生を救う片づけ』を読むと、片づけとは習慣を見直し、改善する行為なのだとわかる。なにも、物を見えない場所へ詰め込むことじゃない。

たとえば、ため込んでしまいがちな郵便物は、ポストから取り込んだらそのまま玄関で取捨選択してしまえばいい。そのために、玄関に郵便物をより分ける少しのスペースを用意する。すると、もうあのうんざりしてしまう紙の束を抱え込まなくて済むわけだ。

考えてみれば、「使ったものをもとの場所に戻す」という習慣があれば、そもそも部屋は散らかりにくい。その基本が身についているうえで、更に「元に戻しやすい収納法は?」と考えるべきだ。だから、順番で言えば習慣が先。

効率良く行動できるよう物を配置すれば、自ずとそうなる。というのが片づけの極意なのかもなぁなんてことも思う。テキパキやって、できた時間は自分や家族のための時間として有意義に使いたいものである。ふむ。

単純に、物の量を減らそうと思った

物の数が多いと、それらを管理するために大きな労力が必要だ。そして、やっぱりどこになにがあるのか把握しきれず、結局は物を大切にできていなくてヘコむのだ。少数精鋭で、自分にとってとっておきのものだけに囲まれて、とっておきを大切にして生きられたら、それは幸せってもんじゃないだろうか。

そんなことを考えて、もう単純に物の量を減らしたいと思った。今も自分なりにかなり厳選しているつもりだけれども、それでも物が多くて溢れかえってしまっているから。

サッパリと生きたいものだ。

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『月3万円ビジネス』|小さくたくさん儲けたら…幸せ・安心

『月3万円ビジネス』は以前からおすすめされていた。大きく儲かるビジネスに挑戦するとなると成功するような気がしないが、小さく月3万円くらいだったら自分もできそうな気がする。そして、月3万円儲かるような仕事を複数できるようになれば、それだけで食べていける日が来る。

大きなことにチャレンジするのは怖いけど、小さなことならできそうな気がする。すごく励まされる本だった。

大きく儲からないところにチャンスがある

『月3万円ビジネス』はタイトルの通り、毎月3万円儲かるような小さなビジネスを推奨するものだ。「小さく儲かる」ことがコンセプトなので、例えば毎月6万円儲かるならば、他の人と一緒に稼いで二人で折半しようと書かれている。

この「小さく稼ぐ」というのが大切なところ。なぜならば、大きく儲かる商売はすでにあるから。小さく稼ぐ……言い方を変えれば月3万円しか儲からないようなことは空白になっていて、伸びしろがたくさんあるということ。

それは例えば、既存の仕事がなかなかないような田舎でも、3万円のビジネスならば転がっているのかもしれない。その実例も本書では多数紹介されている。

小さな収入が複数集まれば

で、月3万円って、それで食べてけないじゃんとつっこみたいところだけど、それは大丈夫。例えば月3万円のビジネスを10個やれば、月30万円になる。一つだけのビジネスに集中するんじゃなくて、小さなビジネスを複数回してゆくのだ。

これはリスク回避にもなるのかななんて思ったり。だって、一つしか仕事がなかったら、そのたった一つの仕事が行き詰まったら、生活まで行き詰まってしまう。だけど、10のビジネスをやっているのならば、その内の一つが上手くいかなくなってもあと九つのビジネスがある。収集も3万円減るだけだから、苦しくてもなんとかなるような気がする。かなり精神的に楽……な気がする。

借金せずにビジネスを始める

サイドビジネスやWワークとしても、 月3万円ビジネスは魅力的だ。小さなビジネスだから、元手も不要or小さく始める。だから誰でも着手できるし、もし上手くいかなくても痛手も少ない。どんどん新しいことを始めるには、これくらいの気楽さがある方がいい。

なんだか、自分も始めてみたいのだ。

小さく愉しく稼ぐ

月3万円ビジネスはなにせ小さくしか儲からない。嫌な仕事、苦しい仕事で、しかも大して儲からないのは辛い。だから自ずと、楽しくて好きで、その上で3万円儲かるようなビジネスになる。

もし、楽しい仕事を10個やって、それで毎月30万円儲かるなら、それは幸福度にも繋がると思うのだ。

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『マーケット感覚を身につけよう』|売れるところで売ろう

ちきりんさんはTwitterでもちょこちょこチェックしていて、新刊が出る度気になっている(今回読んだ『マーケット感覚を身につけよう』は2015年の本だけど)。とっつきやすくて誰にでもわかるように話が展開されていく、読みやすい本だ。だけど、書いてある内容は毎度「なるほど」と納得。

市場を間違えば価値がなくなっちゃう

本書でなるほどと思ったのは、若くてイケメンで性格も良い男性が、結婚相談所に登録したところ、年収が低いためお見合いをしてもマッチングしないというお話。女性は年収でしか男性を見ていないというよりは、彼は市場を間違えている。どうしてもマッチングサイトやお見合いサイトなんかだと、年収や年齢というわかりやすい基準で篩い分けることになる。普通に出会えば、性格がよくていい人ならば、彼を選ぶ人もいるだろう。

市場を間違えてると、価値があるはずのものだって、価値がつかなくなってしまうのだ。

インターネットが市場を変えた

インターネットの登場で、市場が大きく変わっていることも忘れてはいけない。婚活の場合だと、昔ならお見合いで「嫌な人でないなら」良かったものが、婚活サイトで何百何千もの人の中から一人の人を選ぶとなるとどうしても「一番いい人」を選ぼうとしてしまう。もちろん、それが悪いことというわけはないし、社会は変わっているのだ。

就活だって、ネットでエントリーできるから、100社応募したなんていう猛者が現れる。ネット前の就活はそういうわけにはいかなかったらしい。だから、いわゆる「コネ」も大切だった。今は、ツテがなくても情報を集められるから、より多くの企業にエントリーできる。

わたしたちはもうすでにそれが当たり前になっていて、以前がどんなだったかも忘れちゃってるんじゃないだろうか。

どこで売るか

クオリティを上げたら売れるとか、安売りすれば売れるわけではない、というのが、本書を読んでよくわかった。良い物でも売れないものもあるし、高価でも売れているものもある。つまり、どんなものを売るかより、「どこで誰に売るか」がとっても大事なのだ。

マーケット感覚を身につけるとは、「安売りすれば売れる」「良いものなら売れる」という考えからまずは脱却して、「どこでなにが売れるか」「これから何が売れるか」考えることなのかも。

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『1分で大切なことを伝える技術』|端的にコミュニケーション

斎藤孝さんの本はつい読んでしまう。本書『1分で大切なことを伝える技術』も、内容もあまりチェックしないまま手に取ったのでありました。

1分で伝える。本書を読む前は、「せっかちな人が多いってことか?」なんて思っていたけれど、読了後は「手短に話を伝えられる力はとても大事だ」とえらく納得していたのです。

一分でコミュニケーション

本書『1分で大切なことを伝える技術』は、1分という限られた時間でプレゼンする大切さを解いている。特に訓練されていない人は、「5分で自分の考えを話してみて」と言われても、だいたいは制限時間をオーバーしてしまう。時間の感覚を常に意識して訓練し続けていないと、短時間で自分の考えを伝えるというのは難しいものだ。しかも本書では「1分」に考えをまとめるのだ。リアルに考えてみると、なかなか難問だろう。

一分というのは、ちょっと立ち話をしたり、相手を呼び止めて用件を伝えるような時間だ。その時間で「詳しいことはまた後日」なのか、同じ1分で「○○は△△で……」と伝えたい内容まで話せるのかで、コミュニケーションのスピードが格段に違う。

で、1分に考えをまとめる力って、会話だけではなく、たとえば「資料にまとめる」ことにも応用できるだろう。

「手短に話す」って、言葉で言うだけなら簡単で当たり前のことなんだけども、実際にできるようなになるならば、それはとても役立つし、大切な力なのだ。

褒める・叱る・励ます・謝る

もちろん1分で物事を伝える力は、仕事だけじゃなく私生活でも役立つ。コミュニケーションの存在しない場なんてないからね。

1分で手短に人を褒めたり励ませるならば、それは大きな信頼になるだろう。人を叱るのも難しいものだけど、1分で的確に叱れればモラハラの防止にもなるだろう。どうしても感情的になってしまいそうな場こそ、1分で伝える技術は必要なのかもしれない。

人に謝るときも、クドクドと長い話をしても、誰もいい思いをしない。やっぱりここでも的確な謝罪は大切だろう。

とうことで、コミュニケーション全般で「1分で伝える技術」は大切なのだ。

サッパリしてる方が濃密かも

わたし自身、人とのやりとりはなるべく端的な方がいいと思っている。ベタベタと長話をすれば親密になれるかと言えば、そうとは限らない。

それよりも、用件をパパっと伝えて、残りの時間はそれぞれの課題に思いっきり取り組んだ方が、お互いに良い時間を過ごせる。もちろん、人と一緒に過ごす時間だって、目の前のことに全力で集中した方が有意義だ。それはもちろん遊びも同じで、思いっきりのめり込んで遊んじゃった方が楽しいじゃない。

ということで、「1分で大切なことを伝える技術」はどんなシーンでも、誰との間でも役立つし、必要な力だと思う。

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齋藤孝さんの本

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夢枕獏『陰陽師』

わたしが大好きすぎるシリーズが夢枕獏さんの『陰陽師』だ。最近定期的に新館も出ていて嬉しい限りである。久々に第一作目を読み返してみて、最近の巻とは雰囲気がかなり違っているんだなぁと再発見をした。

「陰陽師」シリーズの嬉しさは、いつも安倍晴明の屋敷の縁側で、晴明と源博雅がゆるゆると酒を飲んでいる。それだけで嬉しいのだ。そしていつもと同じように、困った妖の類の持ち込まれ、晴明と博雅が出かけてゆく。それだけのまんねりの物語だ。そうやって、二人がいつもと同じように、同じことを繰り返しているのがただ嬉しいのである。

と思っていたけれど、第一作目は、物語の世界観も丁寧に描写されていて、また登場人物たちも立体的に描き出されている。博雅のいい漢っぷりとかね。

平安時代は闇の時代であったとし、闇の中に人間も鬼も潜んでいたと書かれているが、その闇とは不思議とただただ恐ろしいだけのものではない。

ということで、ちょっくら過去作を順番に読み返してみたい。

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『正直、服はめんどくさいけれどおしゃれに見せたい』|not無難のテッパンコーデ

「花より団子」と言いますが、わたしの場合は花より虫やカエルを追っかける娘時代を過ごしたもので、おしゃれには縁のない人生を送ってきた。それが30代に差し掛かり「こりゃいかん」とおしゃれに関する本を読みかじるようになった。最近なんて、ファッション誌を読んでから服を買いに行くもんね。

だけど、生粋のおしゃれっ子なわけじゃないから、いついつでもおしゃれに頑張っていられるわけじゃない。面倒くさいときは面倒くさいんじゃい! というワガママな要求に応えてくれる本を発見した。『正直、服はめんどくさいけれどおしゃれに見せたい』は、手は抜きたいけどマンネリにはなりたくないワガママなおしゃれをサポートする。

シンプルがいいけど、無難はいやだ

『正直、服はめんどくさいけれどおしゃれに見せたい』では、忙しくてお金がなくてもおしゃれがしたい。シンプルで派手じゃない服で着回しもしやすい服がいい。だけど、無難にもならないおしゃれがいい。そんなワガママに答えるおしゃれを提案する。

本書はイラストとマンガ多めに交えながらだから誰でも読みやすいし、ビジュアルで一目でわかるからうれしい。

プチプラでも胸を張れるおしゃれ

おしゃれって、突き詰めれば奥の深すぎる方面の話なんだろうけど、フツーに楽しみたい程度の我々にとってはそこまで労力もお金も使っていられない。「程々に楽しみたい」のが本音じゃなかろうか。

本書はしかもプチプラコーデが基本なのも嬉しい。とっておきのアイテムも持っておきたいけど、毎月毎月お給料の何割も突っ込み続けるほど情熱があるわけでもない。

ただ、人前に出ても恥ずかしくない格好でかつ、自分にちょっと自信が持てる服装でいられたらいいな。そんな願いをかなえるのに、よいガイドラインになるだろう。

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働く女性が知っておくべき ビジネスファッションルール

ビジネスシーンでの服装の選び方を知りたいならこっち。女性が男性と同じように働くさい、意外と足を引っ張っているのは服装かも。

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『国宝の解剖図鑑』|ところで国宝って何?イラスト図鑑

国宝というとなんだかスゴそうな「箔」を感じるけれども、ところで国宝ってなんだろう。国宝はどうやって選ばれていて、どんなものが国宝に指定されているのだろうか。知っているようで知らない「国宝」のことをコンパクトに紹介するのが本書『国宝の解剖図鑑』だ。

本書『国宝の解剖図鑑』のポイントは充実のビジュアルだ。しかも写真ではなくイラストで解説されているから細かなとこまでよくわかる。写真は影になっている部分や細かな部分が潰れてしまったりするから、細部まで紹介するにはイラストが適している。個人的にわたしも絵を描く者として、「絵がめっちゃうまい」というのも注目だったw

さて、国宝というのはなんだろうか。本書によると

「重要文化財のうち、世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるもの」(p.8)

だそうだ。2018年現在重要文化財の数が1万3千件を超えており、国宝の数は1110件。つまり重文の1割未満の数しかない。かなり希少な感じがする……。

わたしもいくつか国宝を見たことがあるけれども、国宝は「これは国宝だな」という雰囲気がある、と思っている。そんな気がしているだけとは言わないで。特に陶磁器なんかだと、展示の仕方も違っているのかもしれないけれども、「やっぱ国宝はちゃいまんなぁ」なんてわかったようなことを考えていたりする。照明とか違ったりするのかな。

ちなみに、国宝がいちばん多いのは東京都だけど、国宝の約半分は近畿にあるらしい。わたしも近畿に住んでいるのからなのか、本書に掲載されている国宝のうち、半分くらいは見たことがあるものだった。

これまであまり「国宝だから」と注目して物を見ることがなかったけれども、『国宝の解剖図鑑』を読んだからには、国宝巡りをしてみても楽しいかもなんて思ったり。

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『夢の燈影』|新選組短編集

久々に新選組小説。6つの話が収録された短編集。近藤、土方、沖田の超メジャーな主人公ではなく、他の隊士たちにスポットが当たっているので「新選組無名録」と副題がついているのかな。小松エメルさんはこのあと『総司の夢』『歳三の剣』と新選組モノの小説を出されております。こちらも順次読みます<(_ _)>

  • 今回の『夢の燈影』の一つの目のお話「信心」は、井上源三郎が主人公。鳥羽伏見の戦いの最中、銃弾に倒れた井上が、多摩時代からの思い出を思い出す。
  • 「夢告げ」は蟻通勘吾(ありどおし かんご)が主人公。蟻通の従兄弟で同じく新選組隊士だった七五三之進(しめのしん)が隊から行方をくらまし、間者だったのではないかと噂されている。その七五三之進が、蟻通の夢枕に立ち、何かを訴えてくる。
  • 「流れ木」は谷三十郎の弟で、近藤勇の養子になった周平のお話。
  • 「寄越人」は新選組の勘定方でもある酒井兵庫が主人公。隊の規律に背き切腹になった隊士の遺体の埋葬に立ち会うのが彼の仕事だ。
  • 「家路」は監察の山崎丞の話。伊東甲子太郎率いる御陵衛士を見張っていると、原田左之助の姿を見かける。
  • 「姿絵」は新政府軍に降伏するまで隊に居続けた中島登の物語。

文は平易で、歴史小説を読み慣れてない人にもとっつきやすいと思う。そして、新選組について知らない人も、楽しく読めるんじゃないだろうか。今回登場する彼らの顛末を知ると、もっと奥行きを感じるかも。

わたしは山崎丞の「家路」が好きかな。どの話も登場人物たちに人情味があって、相反する気持ちを抱えていたり、情があったりして、ハートウォーミングな雰囲気が共通してるのよね。わたしは、冷酷非道な新選組も大好きなんですが、こううキャラクターもいいかもしれませんなぁ。

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『極上の孤独』|「幸せ」も多様化している

ベストセラーになっている『極上の孤独』を読んでみた。本書は著者の下重暁子さんによる「孤独」をテーマにしたエッセイ。元アナウンサーで現作家。華やかな経歴をされている方だけれども、独身。現在、孤独=悪のような風潮が当たり前になりつつある世間に対して、真反対の世界観を提示してる。

わたしも一人でいるのが好きだし、孤独でいたいと思っている。だから本書のタイトルからして気に入った。

ポイントは、孤独を愛しているからと言って、孤立しているわけじゃない。下重さんだって、未練が残った恋をしたり、人恋しさや、LINEの既読/未読スルーに苛立ったりしておられる。孤独を好んでいても、人と人の関わりの中生きていて、その中でいろんな感情が沸き上がるのは当然だ。冷淡な心で生きているわけじゃない。

だけど、誰もかれも人と常に繋がれる時代になったからこそ、一人で気楽に、孤高に生きる生き方を選んだっていいじゃないか。それは、一般に言われるような淋しさに満ちた人生なわけじゃない。

多様な生き方をする人の中には、孤独に最期を迎える人もいるだろうし、一般で言われるような「幸せ」を持たずに生きる人もいるだろう。だけど、それが不幸せだとは限らない。自分の居心地の良いように生きればいいんだなぁと思う。

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