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『極上の孤独』|「幸せ」も多様化している

ベストセラーになっている『極上の孤独』を読んでみた。本書は著者の下重暁子さんによる「孤独」をテーマにしたエッセイ。元アナウンサーで現作家。華やかな経歴をされている方だけれども、独身。現在、孤独=悪のような風潮が当たり前になりつつある世間に対して、真反対の世界観を提示してる。

わたしも一人でいるのが好きだし、孤独でいたいと思っている。だから本書のタイトルからして気に入った。

ポイントは、孤独を愛しているからと言って、孤立しているわけじゃない。下重さんだって、未練が残った恋をしたり、人恋しさや、LINEの既読/未読スルーに苛立ったりしておられる。孤独を好んでいても、人と人の関わりの中生きていて、その中でいろんな感情が沸き上がるのは当然だ。冷淡な心で生きているわけじゃない。

だけど、誰もかれも人と常に繋がれる時代になったからこそ、一人で気楽に、孤高に生きる生き方を選んだっていいじゃないか。それは、一般に言われるような淋しさに満ちた人生なわけじゃない。

多様な生き方をする人の中には、孤独に最期を迎える人もいるだろうし、一般で言われるような「幸せ」を持たずに生きる人もいるだろう。だけど、それが不幸せだとは限らない。自分の居心地の良いように生きればいいんだなぁと思う。

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『夢の燈影』|新選組短編集

久々に新選組小説。6つの話が収録された短編集。近藤、土方、沖田の超メジャーな主人公ではなく、他の隊士たちにスポットが当たっているので「新選組無名録」と副題がついているのかな。小松エメルさんはこのあと『総司の夢』『歳三の剣』と新選組モノの小説を出されております。こちらも順次読みます<(_ _)>

  • 今回の『夢の燈影』の一つの目のお話「信心」は、井上源三郎が主人公。鳥羽伏見の戦いの最中、銃弾に倒れた井上が、多摩時代からの思い出を思い出す。
  • 「夢告げ」は蟻通勘吾(ありどおし かんご)が主人公。蟻通の従兄弟で同じく新選組隊士だった七五三之進(しめのしん)が隊から行方をくらまし、間者だったのではないかと噂されている。その七五三之進が、蟻通の夢枕に立ち、何かを訴えてくる。
  • 「流れ木」は谷三十郎の弟で、近藤勇の養子になった周平のお話。
  • 「寄越人」は新選組の勘定方でもある酒井兵庫が主人公。隊の規律に背き切腹になった隊士の遺体の埋葬に立ち会うのが彼の仕事だ。
  • 「家路」は監察の山崎丞の話。伊東甲子太郎率いる御陵衛士を見張っていると、原田左之助の姿を見かける。
  • 「姿絵」は新政府軍に降伏するまで隊に居続けた中島登の物語。

文は平易で、歴史小説を読み慣れてない人にもとっつきやすいと思う。そして、新選組について知らない人も、楽しく読めるんじゃないだろうか。今回登場する彼らの顛末を知ると、もっと奥行きを感じるかも。

わたしは山崎丞の「家路」が好きかな。どの話も登場人物たちに人情味があって、相反する気持ちを抱えていたり、情があったりして、ハートウォーミングな雰囲気が共通してるのよね。わたしは、冷酷非道な新選組も大好きなんですが、こううキャラクターもいいかもしれませんなぁ。

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『心配学』|正しく心配するために

「〈安全〉よりも〈安心〉が欲しい」みたいな言い回しがあるように、不安な気持ちが続くのはつらい。大丈夫と安心していたいものだ。本書『心配学』は、災害やテロ、事件、事故など心配事を、正しく心配するためのガイドラインになる良書だ。

〈適切に心配する〉ために、本書をおすすめします(^^♪

本書『心配学』では、本当に心配すべきことと、そこまで心配しなくてもいい事柄が紹介される。例えば、航空機事故やテロに巻き込まれて命を落とす確率よりも、交通事故に遭う確率のほうが高い。BSE騒動や、原発事故、喫煙のリスク、ギャンブルなど、心配なことが幅広く扱われている。

さらに、単に著者の考えを読むだけではなく、本書『心配学』では、リスクを自分で計算する方法も紹介されている。そのために必要なデータも、今では手軽にネットで集めることができう。わたしたちは既に、必要な情報へのアクセスが可能な環境にあるのだ。だから、自分で情報を集めてサクッとリスクを計算してしまって、〈適切に心配する〉ことが大事だ。

テレビでは、視聴者の気を引いて飽きさせない話題として、ショックな話題が扱われがちだし、過激な意見も大きく紹介されがちだ。もちろん、マイノリティな意見も大切なもの。自分はどう考え、どう判断するのかを、なんとなくテレビの論調やその場の雰囲気で決めるのではなく、きちんと自分の頭で考えるための準備として本書『心配学』は役立つと思う。

新書で軽く読めるし、読みやすいよう親しみやすい文体で書かれているのも良い。おすすめ(`・ω・´)b

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『月3万円ビジネス』|小さくたくさん儲けたら…幸せ・安心

『月3万円ビジネス』は以前からおすすめされていた。大きく儲かるビジネスに挑戦するとなると成功するような気がしないが、小さく月3万円くらいだったら自分もできそうな気がする。そして、月3万円儲かるような仕事を複数できるようになれば、それだけで食べていける日が来る。

大きなことにチャレンジするのは怖いけど、小さなことならできそうな気がする。すごく励まされる本だった。

大きく儲からないところにチャンスがある

『月3万円ビジネス』はタイトルの通り、毎月3万円儲かるような小さなビジネスを推奨するものだ。「小さく儲かる」ことがコンセプトなので、例えば毎月6万円儲かるならば、他の人と一緒に稼いで二人で折半しようと書かれている。

この「小さく稼ぐ」というのが大切なところ。なぜならば、大きく儲かる商売はすでにあるから。小さく稼ぐ……言い方を変えれば月3万円しか儲からないようなことは空白になっていて、伸びしろがたくさんあるということ。

それは例えば、既存の仕事がなかなかないような田舎でも、3万円のビジネスならば転がっているのかもしれない。その実例も本書では多数紹介されている。

小さな収入が複数集まれば

で、月3万円って、それで食べてけないじゃんとつっこみたいところだけど、それは大丈夫。例えば月3万円のビジネスを10個やれば、月30万円になる。一つだけのビジネスに集中するんじゃなくて、小さなビジネスを複数回してゆくのだ。

これはリスク回避にもなるのかななんて思ったり。だって、一つしか仕事がなかったら、そのたった一つの仕事が行き詰まったら、生活まで行き詰まってしまう。だけど、10のビジネスをやっているのならば、その内の一つが上手くいかなくなってもあと九つのビジネスがある。収集も3万円減るだけだから、苦しくてもなんとかなるような気がする。かなり精神的に楽……な気がする。

借金せずにビジネスを始める

サイドビジネスやWワークとしても、 月3万円ビジネスは魅力的だ。小さなビジネスだから、元手も不要or小さく始める。だから誰でも着手できるし、もし上手くいかなくても痛手も少ない。どんどん新しいことを始めるには、これくらいの気楽さがある方がいい。

なんだか、自分も始めてみたいのだ。

小さく愉しく稼ぐ

月3万円ビジネスはなにせ小さくしか儲からない。嫌な仕事、苦しい仕事で、しかも大して儲からないのは辛い。だから自ずと、楽しくて好きで、その上で3万円儲かるようなビジネスになる。

もし、楽しい仕事を10個やって、それで毎月30万円儲かるなら、それは幸福度にも繋がると思うのだ。

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『マーケット感覚を身につけよう』|売れるところで売ろう

ちきりんさんはTwitterでもちょこちょこチェックしていて、新刊が出る度気になっている(今回読んだ『マーケット感覚を身につけよう』は2015年の本だけど)。とっつきやすくて誰にでもわかるように話が展開されていく、読みやすい本だ。だけど、書いてある内容は毎度「なるほど」と納得。

市場を間違えば価値がなくなっちゃう

本書でなるほどと思ったのは、若くてイケメンで性格も良い男性が、結婚相談所に登録したところ、年収が低いためお見合いをしてもマッチングしないというお話。女性は年収でしか男性を見ていないというよりは、彼は市場を間違えている。どうしてもマッチングサイトやお見合いサイトなんかだと、年収や年齢というわかりやすい基準で篩い分けることになる。普通に出会えば、性格がよくていい人ならば、彼を選ぶ人もいるだろう。

市場を間違えてると、価値があるはずのものだって、価値がつかなくなってしまうのだ。

インターネットが市場を変えた

インターネットの登場で、市場が大きく変わっていることも忘れてはいけない。婚活の場合だと、昔ならお見合いで「嫌な人でないなら」良かったものが、婚活サイトで何百何千もの人の中から一人の人を選ぶとなるとどうしても「一番いい人」を選ぼうとしてしまう。もちろん、それが悪いことというわけはないし、社会は変わっているのだ。

就活だって、ネットでエントリーできるから、100社応募したなんていう猛者が現れる。ネット前の就活はそういうわけにはいかなかったらしい。だから、いわゆる「コネ」も大切だった。今は、ツテがなくても情報を集められるから、より多くの企業にエントリーできる。

わたしたちはもうすでにそれが当たり前になっていて、以前がどんなだったかも忘れちゃってるんじゃないだろうか。

どこで売るか

クオリティを上げたら売れるとか、安売りすれば売れるわけではない、というのが、本書を読んでよくわかった。良い物でも売れないものもあるし、高価でも売れているものもある。つまり、どんなものを売るかより、「どこで誰に売るか」がとっても大事なのだ。

マーケット感覚を身につけるとは、「安売りすれば売れる」「良いものなら売れる」という考えからまずは脱却して、「どこでなにが売れるか」「これから何が売れるか」考えることなのかも。

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