駅構内の野良サインとあな吉手帳に欠かせないフセンのイメージをコピックで描いたイラスト

駅構内の野良サインとあな吉手帳に欠かせないフセンのイメージをコピックで描いたイラスト

日本人は識字率が高いとされています。民族に関係なく一定の割合で識字が困難な人がいるそうですが、日本語を話す日本人の中であまりそのような人は目立ちません。それは高い教育水準によるところが大きいでしょうが、日本語で使われている漢字仮名交じり文による影響もあるようです。
象形文字である漢字と、漢字を元にして作られた表音文字であるひらがなカタカナの複数の文字を使うので、どちらかが読めなくても、他の文字で意味を補って読むことができます。象形文字と表音文字では、脳の中で文字を認識している場所が違う、という話も聞いたことがあります。

識字率と関係あるのかないのか、「私たちは文字を書くのが大好きなんだなぁ」と感じることがあります。それが、街中に貼りまくられた注意書きや案内書きなどの、貼り紙です。もしかしたら、家の中まで貼り紙で溢れているかもしれません。
私も以前スーパーでアルバイトをしていた頃、せっせと手書きの注意書き案内書きを量産していました。責任逃れや説明逃れのために書いていたわけではなく、純粋に、お客様にスムーズにお買い物してもらいたい!オススメの商品を手にとって欲しい!と願って試行錯誤していました。面白いもので、貼り紙やP.O.P次第で、実際に人の流れや、売上が変わるのです。

主に駅構内や、道路に溢れかえった手作りの貼り紙を、一部で「野良サイン」と呼ばれています。デザイナーが企業や団体と作ったサインではなく、そこで働く人たちが自発的に作ったサインのことです。近年ではWordやExcelがあれば簡単に印刷できますし、更に丁寧にラミネートされて街に氾濫しています。
分かりやすく誘導するためにサインを書き足しているのにも関わらず、数が増えすぎてわけが分からなくなっている場面もよく出くわします。病院の待合室も、大切なお知らせを貼り紙してくれているのですが、貼り紙が溢れ、情報が氾濫しすぎて、もはや何の情報も汲み取れません。
情報の発し手と受け手の、すごく大きなすれ違い。私たちは、文字を書いて、文章を貼り出してしまう性分なんだろうなぁと面白く見ています。

誰もが文字を書けるんだなぁと実感するのが、今の季節。来年のスケジュール帳がずらりと並んだ書店へ足を踏み込んだ瞬間です。多くの人が手帳に、メモをしたり、予定を手帳に書き込むのでしょう。更に、手帳術を紹介した書籍も人気です。
スケジュール帳売り場の中でも、ほぼ日手帳は毎年、大きなスペースを割り当てられています。ほぼ日手帳とは、糸井重里が主催するWEBサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」がプロデュースしている手帳で、一日一ページと、書き込めるスペースが大きいのが特徴です。普通にスケジュールを書くのも構いませんが、個性的で趣向をこらしたイラストやコラージュなどを毎日楽しんでいる人も多数います。その使い方の多様性から、ガイドブックまで毎年登場しています。

手帳術と言えば、私は”あな吉手帳術”を取り入れて、A5サイズの6穴ルーズリーフの手帳を用意しました。さて、どのように使いこなすと良いものかと、思案中です。なんでもファイルしてゆくことを推奨されていたので、手元に置いておきたい情報はプリントアウトしてファイルに挟み込んでいますが……これまでペーパーレスを目指していたので、どうなることか分かりません。あな吉手帳術の特徴は、ビジネスシーンで活躍するフセンを活用し、主婦へスケジュール管理を紹介している点でしょう。カラフルでかわいいフセンやシールを使って、味ないビジネス手帳術を女性向けにアレンジされています。

更に、あな吉さんこと浅倉ユキさんが、『モヤモヤをキラキラに変える! あな吉さんのハッピーコラージュ手帳術』では、コラージュによるセルフカウンセリングも推奨されています。自分の漠然とした欲求や不満をあぶり出し、改善点を見つけ、スケジュールの中に落とし込み実行します。
その過程でも大切なのは、モヤモヤとした気持ちを言語化することです。言葉に落とし込むことで、形のなかった気持ちが目に見え、扱いやすくなり、更に踏み込んだ思考へと深く潜り込んでゆけるのです。

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