チームで挑め!『君に友だちはいらない』

仲間を集めて、チームで戦う

リーダーシップを身に付けろ!

“友だちがいない話”が読みたかった

『君に友だちはいらない』。

このタイトルに惹かれて手に取りました。

以前、小谷野敦『友達がいないということ』という本を読みました。この本は、なかなか印象に残る本で、10代の若い世代の人が読むといいなぁと思いました。特に「友達がいない」若い人。

小谷野先生が、愚痴りながら、野次りながら、「俺も友達いないんだよ~」なんて小言を言いながら、「だけど、それって悪いもんでもないぜ」と言ってくれるような内容。教養高いっす。

そして『君に友だちはいらない』です。

これはまた“あの感じ”を再度体験できるかも!?と、内容もよく見ずに選びました。…先に言っておくと、全然思ってたのと違う内容でした(笑)。しかし、いい本!

一匹狼へのメッセージ

10代~20歳前後の人たちが読むと、ピッタリな本です。

あさよるは対象年齢から大きくハズレてはいますが(T_T)、パッと目の前のもやもやが晴れました。

「友だち」と「仲間」は違う

我々に「友だち」は要りません。必要なのは「仲間」です。

「え、「友だち」と「仲間」って同じじゃないの?」って思う人もいますよね。そう、これらは違うんです。

「仲間」は、あるプロジェクトのために集まったメンバーです。それぞれがミッションを遂げるために全力を尽くします。プロジェクトが終了すれば、仲間も解散です。

本書『君に友だちはいらない』では、黒澤明監督の『七人の侍』に喩えて表現していました。

「友だち」は「腐れ縁」なんて言うように、繋がりが切れずにズルズルと人間関係が続きます。そんな慣れ合いの関係ではなく、その時その時、最適なパートナーを選び、一緒にミッションをクリアする。

「友だち」よりも「仲間」を作りましょう!というものです。

「しがらみ」から飛び出そう!

縁が切れない「友だち」は「しがらみ」とも言います。

「しがらみ」は何につけてもついて回ります。それから逃れるには「一匹狼」になるしかありません。

一匹狼って、なにも「ひとりぼっち」になるわけじゃない。「仲間」を自分で集めればいいんです。

『君に友だちはいらない』では「仲間の作り方」「仲間の探し方」が紹介されています。居場所がないなら、自分で作ればいい。働きたい会社がないなら、自分で作っちゃえ!

もしかしたら「友だち」と仲良く一緒に過ごすことが「良いこと」だと育てられた人は、びっくりする話かもしれません。「友だち」の輪から抜けてもいいし、組織から自分で飛び出してもいいんです。

分厚くて字が多い本…(・・;)

10代~20歳前後の人にオススメ!なのですが、だからと言って簡単で読みやすい本でもありません。

そこそこの分厚さもありますし、多くのビジネス書のように大きな字で書かれているわけでもない。一見すると、話がアチコチに飛んでいるようにも感じるかもしれません。喩え話も、「『七人の侍』とか言われてもわかんないよ!」と思うかもしれませんね(笑)。

ですから、みんながみんな「面白い!」と感じるものではないかもしれません。

しかし、瀧本哲史さんの語り口は柔らかく、スルスルと一気に最後まで読み進められました。多少ひっかかりながらでも、まずはグングン読み進めてゆくといいのかも。

「仲間」ってカッコイイ!

あさよるも、「あさよるのすべきこと」がハッキリと見えるようになりました。

「あぁ。人間関係やだなぁ~」なんて思っていたのですが、「そうか!仲間を集めればいいのか!」と気づいたからです。すると、自分の目的が見えてきて、そのミッションに一緒に取り組んでくれる人と、一緒に頑張ろうと思いました。

もちろん、ミッションコンプリートした時には、ともに喜び合って、そして解散です。冷たいって思いますか?

仲間は解散して、それぞれ次のプロジェクトに着手するでしょう。お互いに、人としての成長を願いあっています。小マメに連絡は取らないけれども、もしかしたらもう会わないのかもしれないけれど、お互いにお互いの能力を「信じている」。

そういう関係って、カッコいい!

次世代の日本のリーダーへ

ありきたりな話ですが、いっぱい勉強しましょう。できるだけ偏差値の高い学校へ進学しましょう。みんなそう言います。だけど「なんで?」に答えてくれる大人はあまりいません。

なぜ勉強が必要なのか、なんで偏差値の高い大学がいいの?

その答えは、『君に友だちはいらない』でわかります。別に誰も「有名大学の卒業生が欲しい」わけじゃない。みんな「優秀な人と仕事がしたい」んです。優秀でかつ、チームが必要としている人材です。

だから「優秀な人」になればいい。別に、人から雇われなくても、自分で会社を作ってもいい。

次世代のSONYやHONDAを創る、若い人へ向けた本です。

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君に友だちはいらない

  • 瀧本哲史
  • 講談社
  • 2013/11/13

目次情報

はじめに

第1章
秘密結社をつくれ

『七人の侍』という奇跡を成し遂げたチーム
天動説が消えたのはなぜか
世の中を変えるのは「世代交代」
青年の、小さなゲリラ的チームをつくれ
傍流の記者たちが成し遂げた報道の金字塔、「プロメテウスの罠」チーム
「脱ポチ宣言」
「最高の授業」を貧困地域の子どもたちに――バングラデシュの「ドラゴン桜」
世界でいちばん大切なものは「相棒」
なぜ私が仲間づくりについて書くのか
エンジェル投資は「人への投資」
私はまったく社交的ではなかった
やりたい仕事、属したい組織がなければ自らつくるしかない
今いる場所で「秘密結社」をつくれ
人が目的をもって集まればそれは秘密結社となる
秘密結社の代表格、フリーメイソン
「慶応は秘密結社」
『ワンピース』ルフィの幻影
本物の海賊の行動論理

第2章
本当の「よいチーム」とはなにか

マッキンゼーの「チームアプローチ」
『王様のレストラン』に見るチームアプローチ
SNSでつながることの無意味さ
ロックフェラーのブラックブック
つながりの「場」はここだ
肥満は伝染する
東京大学の合格上位校が決まっている理由
教養とは「自分と違う世界に生きている人と会話ができる」こと
学歴でなく「地頭」のよい人物に声をかけてみる
見晴らしがよい場所に行け
ブートキャンプで自分を鍛えろ
バイトで滑り込むのもひとつの手段
人間の「交差点」がイノベーションを生む
多彩なメンバーがいることがよいチームの必要条件
会社はなぜ存在するのか
弱いつながり――人脈が重ならないネットワーク
私の成功は、私のまわりの成功で決まる――ネットワークの効用
東日本大震災で生命の危機584人の透析患者を緊急輸送せよ
ネットワークの「棚卸し」

第3章
ビジョンをぶちあげろ、
ストーリーを語れ

成功するチームに必要な「冒険者=ヒーローの神話スキーム」
最初のビジョンは大きいほどよい
劉備玄徳は「一匹目のペンギン」
教育改革で日本を変えるTFJの取り組み
グーグル、アップル、ディズニーを抑えて人気第1位の就職先
ビジョン策定のポイント
「ぶちあげる」ことの持つ力

第4章
よき仲間との出会いのために

倒産寸前のタクシー会社・運転手の言葉に感動した
「ゲーム」が変われば「動き方」も変わる
アルマゲドン・メソッド
全員が未経験のなかで自分のポジションを見出す
クレーマーをも仲間に引き込む
味方につけると心強い「大部長」
「私は◯◯な人間です」ラベリングから仲間づくりははじまる
「業界軸」「会社軸」「競合軸」「自分軸」でラベリングする
共感をよぶストーリー
ロマンとソロバンはあるか
自己開示がもたらすもの
メガバンクに20年以上勤めた男の独白
社内に向いた目を外に向ける
大企業のなかで変革をおこすチーム
「なぜあなたと仕事をしたいのか」を明確に説明できるか
グーグルの採用方法
波紋が生じた岩波の書店の“採用条件”
ひとりの失敗が、即、全員の失敗
チームのなかでポジションを変える
勇者が「冒険」で出会うべき人々
チームの解散、またはメンバーを辞めさせられるとき

第5章
チームアプローチは
あなたと世界をどう変えるか

アメリカの強さの秘密
「いっしょに世界を変えないか」
バクチを厭わないアメリカの企業
非公式な組織に所属せよ
東京大学で始まる「Lobby」活動
ゲマインシャフトからゲゼルシャフトの社会へ
いじめがおこる社会の特性
カリスマから群雄へ
なぜナショナリストには貧しい人が多いのか
『三丁目の夕日』の世界に戻ってはいけない
世界から人々がやってくる国に
アジアでもっともリスクをとる国になろう
君に友だちはいらない。必要なのは……

瀧本 哲史(たきもと・てつふみ)

京都大学産官学連携本部イノベーション・マネジメント・サイエンス研究部門客員准教授。エンジェル投資家。東京大学法学部卒業。東京大学大学院法学政治学研究科助手を経て、マッキンゼー&カンパニーで、おもにエレクトロニクスメーカーの新規事業立ち上げ、投資プログラムの策定を行う。独立後は、「日本交通」の再建に携わり、エンジェル投資家として活動しながら、京都大学で教育、研究、産官学連携活動を行っている。全日本ディベート連盟代表理事、全国教室ディベート連盟事務局長。著書に『僕は君たちに武器を配りたい』(講談社・2012年ビジネス書大賞受賞)、『武器としての決断思考』(星海社新書)、『武器としての交渉思考』(同)などがある。twitter@ttakimoto

コメント

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