『あの会社はこうして潰れた』|無倒産の時代だから知っておきたい

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こんにちは。たまには刺激的な本を読みたくなる あさよるです。『あの会社はこうして潰れた』……ショッキングなタイトルです。本書の冒頭では、近年は倒産する会社が減っていること、それ故に「今後再び倒産ラッシュが起こった時、対処できるのだろうか」と心配が述べられていたのが、余計にショッキングでした。

ネガティブな教訓を知ることに意味があるのだろうか?と思っていましたが、同じことがこれからも起こると思えば、その過程やその後の処理のされ方を知っておくのも悪くないのかもしれません。

こうして会社は潰れてゆく

本書『あの会社はこうして潰れた』では、主に中小企業が倒産してゆく様子がコンパクトにまとめめて紹介されています。みんなが名前を知っている会社もありますし、順風満帆のように見える会社が実は……という企業もあります。

近年ではリーマンショック、アベノミクスや東日本大震災など時代の変化の中で取り残され経営が破たんしてゆく様子や、不正が発覚し信用を失った会社。規模が大きくなったがために潰れてしまう会社もあります。

37の企業は、それぞれが経緯は異なりながらも、最後はありがちなパターンで破綻してゆく様子がわかります。

明日は我が身

本書『あの会社はこすいて潰れた』は〈明日は我が身〉であるというのが、リアルで恐ろしい所でもあります。経営者にとっては、「気をつけて!」「ありがちよ!」って警告になるでしょうし、企業に勤めている会社員にとっては「それヤバくない?」「そろそろじゃない!?」と、やっぱり警告になりうるのではないでしょうか。

どうやら、会社が潰れてゆくパターンがあるようです。そのパターンにハ陥ってないか?ってことですね。

そもそも本書は、著者は「無倒産時代」が長く続き「地銀の店長でさえ倒産を知らない場合が増えている」という現実に触れ、倒産がどういうものなのか、陥りやすいポイントや要因がまとめられています。

経営に係る人、それ以外の人も、誰もに関係のある話です。一つ一つが短いコラムっぽくもあり、読みやすく、ちょっとすきまの時間にどうぞ。

あの会社はこうして潰れた

あの会社はこうして潰れた (日経プレミアシリーズ)

あの会社はこうして潰れた (日経プレミアシリーズ)

  • 作者:帝国データバンク情報部藤森徹
  • 出版社:日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2017-04-11

目次情報

まえがき

第1章 構造変化に呑まれた企業はこうなる

スマホがとどめ 老舗ゲーセンのザ・サードプラネットが破綻
「大B反市」の京都きものプラザ 構造変化に沈む
アベノミクスの風吹かぬ中小建設会社、破綻の公式 岩本組
スカイマークを怒らせた旅行会社の暗転 ロータリーエアーサービス
アベノミクス逆風 円安破綻した回転すしネタのクリエイトワンフーズ
ビフテキのスエヒロ商事 東電依存が招いた不運
外資傘下とブランド分裂 マルマンプロダクツの迷走

第2章 老舗企業のたどった末路

4兄弟が別れた老舗・千鳥屋 東京の長男系、破綻の裏側
和菓子の駿河屋 破産した500年企業の不徳
老舗婦人靴卸のシンエイ 百貨店業界の商習慣に沈む
百年の老舗紙問屋加賀屋 社員不正に大甘対応で信頼を失う
column 新年最初の倒産取材は……

第3章 あの上場会社はこうして潰れた

船賃急落の大荒波に国内5位の第一中央汽船が沈む
石山 Gateway Holdings 企業再建請負人が不正会計
column 受付は全員黒のスーツに……

第4章 ベンチャー企業はどこでつまずいたか

日本ロジテック 新電力の旗手が陥った急成長のワナ
脱毛大手のジンコーポレーション 急成長から一転、私的整理へ
急成長ベンチャーみらい 植物工場で生育不良、資金が枯れる
元AKB48が広告塔のアパレル企業 ricori 背伸びの限界
節電でヒット商品に 過剰投資に陥り沈む ヒラカワコーポレーション
column 某駅前の雑居ビルに……

第5章 捨てられる会社、捨てられる社長

「ジュエリーマキ」の三貫 三たび破綻の真相
財テクに溺れた「金融通」社長 エドウインの迷走
白元が破綻 ハーバード大出身の四代目が落ちたワナ
時代に追い越され破綻 名楽器メーカー、ベスタクスのたそがれ
徳島屋 給食に異物が混入 弁当老舗、契約解除で行き詰まる
東大と取引のバイオ商社レノバサイエンス 市中金融にはまる別の顔
人気回転寿司チェーンの海王コーポレーション 回らなくなった経営

第6章 闇経済、不正、詐欺の舞台裏

ヴァンネット ワインブームの甘いワナ 投資ファンド運営会社が破産
厳しさ増す病院経営の裏側 レセプト債のオプティファクター
M&Aが招いた老舗メーカーの破綻 マッハ機器・ユタカ電機製作所を結ぶ点と線
カツオ11トン取られた 詐欺から会社を守る基本動作 A社
コメ偽装に手を染めた三瀧商事 その手口と末路

第7章 出版業界のタブーに迫る

中堅取次の栗田出版販売が倒産 債権者説明会は4時間超に
芳林堂書店 倒産の教訓 もたれ合いが共倒れを生む
「こびとづかん」を生んだ長崎出版 売上高16倍後の没落
破綻しても復活、ギャル雑誌「小悪魔ageha」

第8章 貴方もその倒産に巻き込まれる

2015年問題が直撃 千葉国際カントリークラブ破綻の深層
高齢者像でも閑古鳥、老人ホーム破綻の不思議 聖母の会福祉事業団
名医は名経営者にあらず 病院破綻の新淵 緑生会
Column 倒産の予兆を知る「目利き力」 手形は情報の宝庫

帝国データバンク情報部(ていこくでーたばんくじょうほうぶ)

1900年創業の民間信用調査会社。国内最大の企業情報データベースを保有。帝国データバンク情報部は、中小企業の倒産が相次いだ1964年、大蔵省銀行局からの倒産情報提供に応じるかたちで創設。情報誌「帝国ニュース」の発行、「全国企業倒産集計」などを発表している。

藤森 徹(ふじもり・とおる)

1963年生まれ。スポーツ用品メーカー勤務を経て92年帝国データバンク大阪支社入社。倒産を扱う「情報部」で25年間企業取材を行なう。大阪支社、福岡支店を経て東京支社情報部長を務めた。著書に『御社の寿命』(共著、中央公論社)。

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