『第五の権力――Googleには見えている未来』|すでに始まった未来の話

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来るべき未来!…ではなく

すでに来ている「未来」。

なんかタイトルかっこ良よさ気!

『第五の権力』めっちゃカッコいいタイトルです(・∀・)

Amazonの人気ランキングで見つけた瞬間から、「これは読んでみたい!」と思わされました。もち、どんな中身なのかはノーチェックでw

そして、図書館で『第五の権力』を見つけて「ラッキー♪」と借りて帰ったのですが、なんと、想像していた内容とは違うわ、やたらとボリュームがたっぷりで、なかなか読破が大変な読書になったのでした…(・∀・;)>

誰にとっても情報こそに価値がある

Google会長エリック・シュミットが語る、インターネットが世界を包んだ世界。

デジタル技術により、わたしたちの健康が保障されるようになる。時間と共に、緩やかな目覚めを促し、血圧を測り体重を測り、体の寸法を測り、健康管理をしてくれる技術があったなら……。

それは『ドラえもん』に登場するような、夢物語の道具ではなく、現実に実現ができそうな未来に思えます。

反面、国家は国民の健康状態すべてのデータを集め、国民の健康状態から管理し、監視し始めるかもしれない。

そう、デジタル技術の普及、インターネットの普及は、光と影を抱えている。

通信技術の発達で、地球上のどこからでもインターネットにアクセスできるならば、紛争地帯からの実況や、国家が隠れて行っている行動を、市民が世界に向けて発信、訴えかけることができる。一方で、テロリストや反社会的グループの活動に、通信技術は欠かせないものになっている。

「戦争」も様変わりしています。国家と国家の戦争の時代から、国家がテロと戦う時代になった。実際に武力による攻撃よりも先に、サーバー攻撃が行われる。

実際に、国家のサーバーが攻撃を受け、犯人は別の国家だと噂になった。報復すべきだと訴える議員まで現れた。その事件は実際に武力による報復には至らなかったけれども、国家間の緊張感は増しただろう。ちなみに、実際に犯人がどこの誰なのかは結局分からずじまい。

迎えようとしている新しい時代

『第五の権力』は「未来の私たち」「アイデンティティ、報道、プライバシーの未来」「国家の未来」「革命の未来」「テロリズムの未来」「紛争と戦争の未来」「復興の未来」と7つの章を設け、一つずつ具体的なエピソード、実際に起こった出来事を交えて話が進みます。

日本国内にいる限り、テロや紛争、戦争、革命など、あまり意識せずに過ごしていますが、通信技術は整い、十分反社会的組織が活動しやすい状態にある、と考えることもできるのだと知りました。

また、現在貧しい地域や、情報網の発達していない地域ほど、ダイレクトにインターネットが普及してゆくんだそうです。日本の場合だと交通網や郵便網があり、電話が通り、携帯電話の基地局が全国に立ち、そしてインターネットが普及し、スマホが普及し…と段階を追って情報網が変化しましたが、これから情報網のインフラが起こる地位では、スマホやタブレットが突然導入されちゃうイメージでしょうか。

世界中がそうやって情報網で一つにつながった世界では、何が起こるのか恐ろしい気持ちと、ワクワクと待ち遠しい気持ちの極端な二つの気持ちが沸き起こります。

ボリューム大だけど、邦題はイメージ違い?

すでに起こっている「未来」

『第五の権力』と邦題がついていますが本来のタイトルは『The New Digital Age』。さらに日本語のサブタイトルは「Googleには見えてる未来」ですが、英語版は「Reshaping the Future of People, Nations and Business」です。タイトルが全然違うんですね。

あさよるは、日本語版の『第五の権力 Googleには見えている未来』というタイトルだけで選んだので、創造と中身がどえらく違って戸惑いましたw もっと、第五の権力としてGoogleが裏世界で猛威を振るっている実態とかそういう、トンデモ話ちっくなのがよかったな(オイ!)。

THE NEW DIGITAL AGE は、きたるべき未来の話ではありません。すでにもう、その時代は始まっているんです。

ですから、アンテナ感度の高い人は、この本の中で語られている実例は、すでに見聞きして知っているのではないでしょうか。そう、この本自体が新しい情報を提示するものでも、未来を予見するものでもなく、すでに起こった事柄が実例としてまとめられています。

もし、すでにTHE NEW DIGITAL AGE は動き出し、始まって世界を大きく動かしていることに気づいていないのなら、まずは現状を知るべきでしょう。

読むのが大変なボリューム…(-_-;)

あさよるは『第五の権力』を最初、図書館で借りたのですが、貸出期間の2週間では読めず、途中まで読んで泣く泣く返しに行きました(-_-;)

やや分厚目で、内容も濃い目ですので、読破にはやや時間がかかります。しかし、専門書ではないので、誰にでも読める内容です。

物々しい話題も多いので、一気に読んでしまうよりも、ちょっとずつ読み進めてゆくのがオススメです。

また、実際にSNSに親しんでいる方のほうが、より実感が持てるかもしれません。TwitterやLINE、Skypeで起こっていることですからね。

THE NEW DIGITAL AGE に生きるわたしたち

『第五の権力』で書かれている出来事は、実際に世界で起こっていることです。あるいは、世界で起ころうとしていることです。

それは、遠い異国の、自分とは関係のない人たちの話でしょうか?

グローバリゼーションが進む世界の中では、「対岸の火事」という言葉はなくなってしまうのかもしれません。というのも、世界の何処かで起こることは、なんの垣根もなく、日本社会でも起こりうるからです。

「江戸の日本橋より唐(から)、阿蘭陀(オランダ)まで境なしの水路なり」と残したのは、江戸時代の学者・林子平。日本橋と、中国もオランダも、隔てるもののない水路で繋がっていると言い、海防の重要性を説きました。

テロも紛争も、日本でもいずれ起こることでしょう。インターネットが発達した今、情報網に境はありません。

テロの道具として、インターネットはすでに使われています。一方で、インターネットによる恩恵も我々はたくさん受けています。もう、社会にとってなくてはならない、切り離せない存在になっているんです。

今どんなことが起こっているのか、すでに何が起こったのか。そして、これから何が待ち受けているのか。

来るべき未来を想像してみましょう^^

第五の権力――Googleには見えている未来

第五の権力---Googleには見えている未来

第五の権力—Googleには見えている未来

  • 作者:エリック・シュミット,ジャレッド・コーエン
  • 出版社:ダイヤモンド社
  • 発売日: 2014-02-21

目次情報

序章 自由な表情と自由な情報の流れを可能にする新しい力・インターネット

2025年、世界人口80億人ほとんどが、オンラインでつながる
誰もがつながる世界で、戦争や外交、革命はどう変わるのか
私たちが思い描く未来とは

第1章 未来の私たち

現実世界はより効率的に
ビジネスの変化とイノベーション
一変する「教育の機会」
思い出も休日も思いのまま
デジタル技術で健康になるのか
副作用リスクの少ない医薬品
私たちの「朝」が変わる
2つの世界に同時に暮らす

第2章 アイデンティティ、報道、プライバシーの未来

政府や宗教はどうなるのか
性教育よりも大切な教育
アイデンティティ盗難保険の誕生
ウィキリークス創設者の「戦い」
ウィキリークスは増殖する?
未来の世界の活動家
カオス請負人という困った存在
報道の危機――メディアは生き残れるか
「セレブ」が独自のメディアを立ち上げたなら
報道の自由を保障する暗号化技術
データの削除は可能か、不可能か
「人類最初の世代」の私たち
民主主義国家にとって頭痛の種
安価なモバイル機器がもたらすもの
破綻国家――コネクティビティが権力の真空地帯に何を及ぼすのか
70億人の市民が求める企業責任
プライバシーとセキュリティ・4つの対処戦略
つながった社会から市民を守るには
「グーグルグラス」で安心を身につける!?
通信技術が独裁政府に与える影響
カギを握るバイオメトリック情報
市民と国家、どちらの利益か
誰が市民をコントロールするのか

第3章 国家の未来

インターネットに国境が生まれる――インターネットのバルカン化
3つのフィルタリングモデル
第2、第3のフィルタリングモデル
同盟国によるウェブ「共同編集」
もしも「スンニ・ウェブ」が立ち上がったら
仮想世界にも、入国にはビザは必要か
イランの国営インターネット構想
「仮想多国間主義」の台頭
新しい協力関係と同盟の関係
仮想国家が生まれるとしたら
デジタル挑発とサイバー攻撃
国家にとって理想の武器
サイバー攻撃の真の狙い
中国によるグーグルへのサイバー攻撃の裏側
サイバー戦争の技術開発・投資と供給国
新興国における「サイバー軍備」
冷戦(Cold War)から、コード戦争(Wode War)へ
産業スパイ行為としてのサイバー攻撃
ネットワークが病気にかかったら
生物学的な防衛技術
「2つの世界」で頻発する戦争

第4章 革命の未来

つながった社会では、革命は増えるのか
デジタル社会における、リーダーの条件
暴走する部外者と幅広い支持者
世界を動かす「狂気のコンセンサス」
「信頼」が先か「指示」が先か
市民の期待と政権交代後のギャップ
「仮想弾圧」と「封じ込め」
バーチャルな「ガス抜き」の場
「政治的ノイズ」をどう見分ける?
「アラブの春」はもう起こらない
10年間で10億近くが新たにつながる中国
未来の革命が私たちにもたらすもの

第5章 テロリズムの未来

誰もがテロリストになれる時代
サイバーテロ攻撃のシナリオ
テロリストのメディアマーケティング
意味をなさない「投獄」
「テロリストハッカー」の台頭
サイバーテロリスト養成キャンプ
アメリカ政府との協力関係
未来のテロリストにとっての生命線
携帯のバッテリーは抜いたか
ビッグデータ――包括的で統合的な情報システム
プライバシーを守る戦い
デジタルコンテンツの将来
オンラインでの人心獲得作戦
最高のソリューションはあるのか

第6章 紛争と戦争の未来

大虐殺は減り、嫌がらせが増える
仮想世界から締め出される人たち
SNSを駆使した「草の根マーケティング戦争」
マーケティングと諜報活動
偽情報解明の唯一の解決策
コネクティビティが未来の紛争にもたらす2つの影響
「データの永続性」がもたらすメリット
自動化される戦争
パルスで意思疎通を行う兵士
軍のイノベーションを阻むもの
小型化、低価格化、高性能化が進む無人機
新しい時代の紛争解決
ロボットと無人航空機で様変わりする戦争
「戦争の自動化」の脆弱性
ロボットは人間の兵士にとって代われるか
新しい形の「軍事介入」

第7章 復興の未来

復興のプロトタイプ
真っ白なカンバスからの復興――イラクとアフガニスタンの場合
2010年のハイチとアラブ――大規模「修復」という名の復興
誰が復興の担い手になるのか
バックアップとして機能する「仮装政府」機関
未来の亡命政府と政治亡命者
急増する「すぐに貢献できる」人たち
マーケティング競争にさらされる「社会貢献」
NGOバブルの崩壊
被災者と被害者の新しい役割
復興がもたらすイノベーション
「兵器の紛失」への解決策
銃をとりあげスマートフォンを渡せ
公平かつ迅速な裁判が実現するために

終論 私たちの結論

訳者あとがき

エリック・シュミット [Eric Schmidt]

Google会長。1955年生まれ。2001年から2011年までGoogleの最高経営責任者(CEO)を務め、創設者のサーゲイ・ブリン、ラリー・ペイジとともにGoogleの技術や経営戦略を総括してきた。Google入社以前は、ノベルの会長兼CEOやサン・マイクロシステムズの最高技術責任者(CTO)を務めていた。それ以前は、ゼロックス Palo Alto Research Center (PARC)で研究員を務め、 bell Laboratories やザイログに勤務していた。プリンストン大学で電気工学学士、カリフォルニア大学バークレー校でコンピューター サイエンスの博士号を取得している。2006年には、全米工学アカデミーの会員に選出され、2007年には、アメリカ芸術科学アカデミーのフェローに就任。新アメリカ財団の理事長会会長のほか、2008年からはプリンストン高等研究所の理事も務めている。

ジャレッド・コーエン [Jared Cohen]

GoogleのシンクタンクGoogle Ideas創設者兼ディレクター。1981年生まれ。史上最年少の24歳で米国国務省の政策企画部スタッフに採用され、2006年から2010年までコンドリーザ・ライス、ヒラリー・クリントン両国務長官の政策アドバイザーを務めていた。現在は米国外交問題評議会の非常勤シニア・フェローを務め、国家テロ対策センター所長諮問委員会のメンバーでもある。著者は、『Children of Jihad』『One Hundred Days of Silence』など(いずれも未邦訳)。2013年には、雑誌TIMEによって「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。

櫻井 祐子(さくらい・ゆうこ)

[訳者]

幼少期よりヨーロッパやオーストラリアなど、10年以上を海外で過ごす。雙葉学園、京都大学経済学部経済学科卒。大手都市銀行在籍中にオックスフォード大学で経営・哲学修士訳書は、『選択の科学』(文藝春秋)、『イノベーション・オブ・ライフ』(翔泳社)、『100年予測』『エッセンシャル版マイケル・ポーターの競争戦略』(早川書房)、『劣化国家』(東洋経済新報社)など多数。

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