『気が遠くなる未来の宇宙のはなし』|眠るまでに落ち着てね

こんにちは。宇宙の話が好きな あさよるです。子どもの頃は天体や宇宙を扱った本ばかり読んでいたのだ。本書『気が遠くなる未来の宇宙のはなし』は『眠れなくなる宇宙のはなし』の3作目。初代『眠れなくなる宇宙のはなし』は学生時代に何度も読みふけっていたことを思い出します。ワクワク!

どこから来たのか、何者か、どこへ行くのか

本書は、話題になった『眠れなくなる宇宙のはなし』『ますます眠れなくなる宇宙のはなし』に次ぐシリーズ3作目で、宇宙の未来の話題が取り扱われます。ゴーギャンの名画のタイトル「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」と同じく、3作を通じ「我々はどこから来たのか」「我々は何者なのか」「我々はどこへ行くのか」を扱ったことになります。

宇宙の話をするとき、そのスケールに気が遠くなります。「はじめに」でオリオン座の赤い一等星「ベテルギウス」がもうすぐ爆発するというニュースを見聞きなさったことはありますか? ベテルギウスが超新星爆発を起こすと、満月の100倍もの明るさを放ち、夜空を照らすと考えられています。それが「もうすぐ」見れるとは楽しみですね。っと、ここでいう「もうすぐ」とは「100万年以内」と考えられているそうです。……絶句!

あさよるも奈良時代の歴史に軽くハマってたときは、室町時代、戦国時代は新しい時代に感じたし、幕末や明治なんて昨日のことのように感じていましたが、いやぁ宇宙のスケールはすごすぎて、気が遠くなるw なんか、命とか死とか、自分の存在とか、あまりに取るに足りな過ぎて考えるのが失せるというかw

宇宙の話をしよう

宇宙の話って、すぐに「宇宙の始まり/終わり」の話に到達します。それは自らの個としての死を超えた、なんかもうデカすぎて考えられないほどの、超絶どうにもできない、神様すらも意味をなさないような世界です。

そういえば『ムーミン谷の彗星』では、夜空の彗星が地球に落ちると噂されムーミン谷の仲間たちは怯えています。そこでムーミンたちが山の上の天文台へ話して聞きに行くと、天文学者たちは巨大彗星を観察し狂喜乱舞します。巨大彗星が間近で観測できるのです。あさよるは子どものころから、この天文学者たちに心底憧れていましたw 自分の身の上や命なんか忘れて、没頭していたいと思ったのです。

宇宙の話をするって、「生き方」「生き様」の話なんじゃないかと思うんですよね~。」「ベテルギウスが爆発しようと何も私は変わらないぜ」ってカッコいいじゃまいか。宇宙の最後をイメージしながら、お風呂に入ると半身浴が捗りそうじゃないか。

とりあえずもちつけww

何千年何万年の月日とともに、空の恒星たちが移動して星座の模様が変わってしまう。太陽さえも磁場を変え、月はどんどん遠く離れてゆく。地表の大陸も移動し続け、世界地図の形も様変わりしてします。わたしたちの天の川銀河とアンドロメダ銀河が衝突するとき、我々の子孫はそれを目撃するのでしょうか。

すべてを飲み込むブラックホールはいずれどうなってしまうのか、この宇宙はこのまま膨張し続けるのか収縮を始めるのだろうか。なんか、別にこの人生に関係ない話だし、なんの腹の足しにもならないハズなのに、ものすごく人間らしく生きるために必要な好奇心のような気がしてしまう。

巨大すぎる宇宙に絶望と興奮を感じたまま、お布団には入れないので、ここで心落ちつくラインナップを紹介しておわりますw

まず、前田京子さんの『お風呂の愉しみ』は、お風呂への並々ならぬオタク的没頭を楽しめる名著です。お風呂アイテムや、お風呂の時間を、自分が自分流にコーディネートするのです。

続いて『すごいストレッチ』。こちらは説明不要。イラスト通りにストレッチすると体がホカホカ気持ち良い。

最後に、笑い飯哲夫による有難いブッダのお話を。

関連本

気が遠くなる未来の宇宙のはなし

目次情報

はじめに

第一夜 宇宙に終わりはあるのか

あなたは「宇宙の終わり」を目撃できる!
加速を続ける宇宙船の運命は?
未来へのタイムトラベルを実現する方法
恒星間宇宙船を本当に建造できる?
未来の宇宙の姿を知ることは何の役に立つのか
「我々はどこへ行くのか」を知るために

第二夜 地球と太陽の近未来

次の氷期の到来は近い? 遠い?
地球の軌道の変化と氷期・間氷期サイクルの関係
太陽の磁場に異変? 地球はミニ氷河期に向かう?
太陽表面での爆発が地球に磁気嵐をもたらす
スーパーフレア発生で世界規模の大停電に?
地磁気逆転現象の発見
地磁気がだんだん弱くなっている?
北極星は時代とともに別の星へ受け継がれていく
「恒なる星」もじつはそれぞれに動いていた
5万年後、10万年後の星座を見てみよう
天体衝突が現実のものと教えてくれたロシア隕石落下事件
恐竜絶滅を招くレベルの天体衝突は約1億年に1回
「スペースガード」活動の現在と将来
「科学的に未来を予測すること」の意味

第三夜 地球と太陽の遠い未来

地球の自転は少しずつ遅くなっている
自転が遅くなるにつれて地球から遠ざかる月
私たちの住む大地は離合集散をくり返してきた
大陸移動の証拠となった海底の「縞模様」
未来にできる超大陸はどんな姿?
地球から水が永遠に失われる日がやって来る
30億年後に「金星化」する地球
老年期を迎えた星は巨大化して赤く見える
赤色巨星となった太陽はいったん縮んで白く輝く天体になる
やがて宇宙の闇の中に消えていく太陽の最期

第四夜 天の川銀河と宇宙のはるかな未来

地球は天の川銀河の中心から2万6100後年の場所にいる
銀河の腕に出入りすることで地球の気候が変動する?
天の川銀河は「お供」のミニ銀河を連れている?
天の川銀河を含む局所銀河群の銀河たち
2つの銀河が合体して超巨大銀河「ミルコメダ」が誕生?
太陽系は新たな銀河の「辺境」に飛ばされる?
赤くて暗い星が多く輝く超巨大銀河
「スーパー銀河」同士は合体しないで離れていく
ほかのスーパー銀河の遠ざかる速度が光速を超える
ビッグバンの証拠が失われる?
恒星が燃え尽きたスーパー銀河は暗黒の世界になる
超巨大ブラックホールがさらに成長を続けて巨大化する
非常に安定した粒子である陽子も壊れてしまう
核子の崩壊で冷えた星が再び熱を持つ
核子崩壊を検証する装置「スーパーカミオカンデ」
ブラックホールが粒子を放つことがある?
ブラックホールが大爆発して消滅する?

第五夜 縮んで1点に潰れてしまう宇宙の未来

宇宙の未来には2つの可能性がある
スーパー銀河同士が近づいて衝突・合体する
宇宙が収縮して温度がどんどん上昇する
宇宙全体がブラックホールに飲み込まれる?
ビッグクランチで宇宙は「無」に帰るのか
物質があると周囲の空間が曲がる
重力は「空間の曲がり」が引き起こす現象
宇宙膨張の3つのタイプ
実際の宇宙の曲率はどうなっている?
宇宙には正体不明の物質やエネルギーが大量に存在する
宇宙の加速膨張が発見される
宇宙は「第2のインフレーション」を起こしていた?
暗黒エネルギーの性質が左右する宇宙の未来
暗黒エネルギーの密度がどんどん増えるとどうなる?
暗黒エネルギーの謎から革新的な物理理論が誕生する?
暗黒エネルギーの正体に迫る「すみれ計画」

第六夜 子ども宇宙・孫宇宙が生まれる未来

宇宙が「生まれ変わる」ことはあるのか
収縮する宇宙はビッグクランチを避けられない?
インフレーションによって新たな宇宙が生み出される
人工的にインフレーションを起こして子ども宇宙を作る
「マルチバース」を予言するブレーン宇宙モデル
膜宇宙同士が永遠に衝突をくり返す?
マルチバースと「人間原理」
人間原理の安易な適応は「物理学の放棄」
自らを「デザイン」して人類は進化していく?
1万年前の「古い心」を自分で進化させられるか
知的生命とは「生きる意味」を考える存在

未来予想

①1500年後:地球は再び「氷期」に入る?
②数千年以内:スーパーフレアで地球規模の大停電が発生する?
③2000年後:地磁気が消滅して太陽風が直接吹きつける?
④1万2000年後:こと座の1等星ベガが北極星になる?
⑤10万年後:北斗七星の柄が折れ、しし座の顔が長くなる?
⑥3500万年後:地球に直径10キロの超巨大な小惑星が衝突する?
⑦1億8000万年後:地球の1日が25時間になる
⑧2億年後:地球に再び「超大陸」が出現する?
⑨10億年後:太陽の光度が増して、地球の海が蒸発する
⑩50憶年後:太陽が赤色巨星になり、金星軌道まで膨れ上がる?
⑪61億1000万年後:太陽が白色矮星になり、ゆっくりと冷えていく?
⑫2億年後:地球が天の川銀河の次の「腕」に入る?
⑬10億年後:天の川銀河が大小マゼラン雲を吸収する
⑭30億年後:天の川銀河とアンドロメダ銀河が衝突・合体する
⑮1000億年後:ほかの「スーパー銀河」が観測不能になる?
⑯100兆年後:すべての恒星が燃え尽きる?
⑰10の34乗年以降:宇宙からの「物質」が姿を消す?
⑱10の100乗年後:ブラックホールがすべて蒸発する?
⑲862億年後:宇宙の膨張が止まり、収縮に転じる?
⑳1862億年後:宇宙は再び1点に潰れて終わりを迎える?
㉑???年後:銀河が引き裂かれ、原子さえもバラバラになる?
㉒1861年後:新たな「子ども宇宙」が誕生する?
㉓???年後:膜宇宙同士が衝突して再びビッグバンが起こる?
㉔数億年後:人類は天の川銀河を超えて宇宙全域で活動している?

佐藤 勝彦(さとう・かつひこ)

1945年、香川県生まれ。京都大学大学院理学研究科物理専攻博士課程集修了。現在、大学共同利用機関法人自然科学研究機構長、東京大学名誉教授、明星大学理工学部客員教授。理学博士。専攻は宇宙論・宇宙物理学。「インフレーション理論」をアメリカのグースと独立に提唱、国際天文学連合宇宙論委員会委員長を務めるなど、その功績は世界的に広く知られる。1989年井上学術賞、1990年仁科記念賞受賞。2002年紫綬褒章受章。2010年日本学士院賞受賞。著・訳書に『宇宙論入門――誕生から未来へ』(岩波新書)、『ホーキング、宇宙と人間を語る』(訳、エクスナレッジ)、『インフレーション宇宙論』(講談社ブルーバックス)、『眠れなくなる宇宙のはなし』『ますます眠れなくなる宇宙のはなし』(ともに宝島社)など多数。

コメント

  1. […] 『気が遠くなる未来の宇宙のはなし』|眠るまでに落ち着てね […]

タイトルとURLをコピーしました