居心地の良い人間関係のために『雑談力が上がる話し方―30秒でうちとける会話のルール』

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「雑談力」があると、人に大切にされる?

悩み:世間話ができない……

「世間話が上手にできない」

そんな悩みを抱えていました。

世間話ごときで……と思われるかもしれませんが、要件だけの会話で済ませてしまうと、いつも人間関係がギスギスしてしまいます。家族との間でさえ、要件に、+ α の世間話するかしないかで、家庭内の雰囲気が全然違います。

世間話を避けるのは「面倒くさいから」という理由も大いにあるのですが(^_^;)、「どんな話をしていいのか分からない」といのも本音です。

そんなモヤモヤをずっと抱えているとき、 齋藤孝さんの『雑談力が上がる話し方』が Amazon のおすすめで紹介されていました。「雑談力」という言葉を見た瞬間、足りないのはこれだ!と思い、手にとりました。

「嫌われない」技術は幸福感を呼ぶ

要件のない雑談、いわゆる「ダベリ」なるものに苦手意識を抱いていました。

人間が何人か集まれば、どうしても誰かの悪口に華が咲いたり、仕事や組織への愚痴大会になってしまうと思っていたからです。ですから、「雑談」という言葉には、ネガティブな印象しかありませんでした。

そんな場に居合わせてしまったら大変です。なんとかして「話題」を生み出し、中身のある会話に仕立て直さないと、悪口や愚痴大会になってしまう!そう必死になっていました。

そんなことを数回繰り返していると、疲れ果て、人と話すこと自体が億劫になってしまいました。

「嫌われたくない!」と願うあまりの失敗談

昔々のことですが、ずっと「みんなから好かれたい」と願っていました。

しかし、そうは上手くいくはずなく、思春期の頃には「皆から好かれることは出来ないのだ」と悟りました。ですから、「嫌われないよう、最低限の関わりにしよう」と心に決めました。

それから数十年経ち、果たして「嫌われないようにする」というのは正解だったのかなぁ?と疑問に思います。それにどんな意味があったのでしょうか。

若き日の あさよる は、「嫌われない」ということと「関わらない」ということを、イコールで結んでいました。

しかし……人と、なるべく関わらないよう距離を置き続けても、ちょっとしたことですれ違ったり、トラブルは起こります。それが原因で嫌われてしまったり、避けられることは不本意ながらも起こってしまいました。

一方、人と関わらないのですから、「好かれる」「愛される」ことは絶対にありません。

これを続けていると、みるみる周りとの人間関係がギスギスし始め、自分自身の居心地も悪くなってしまったのです。

気が合わない=嫌い ではない

周囲の人達すべてから、手放しに「大好き!」と愛されるということは、絶対に有り得ません。

ですが、それは悪いことではないのです。

自分を好いてくれる人もいれば、避ける人も居る。人には「個性」があるのだから、当たり前のことです。気が合う人もいれば合わない人もいます。意見や考え方が違う人もいますし、ノリやテンポの違う人もいます。

それらは「自分とは違う」というだけです。

個性に多様性があることは、むしろ喜ばしいことです。その中で、たまたま反りが合わない人がいるのは、仕方がありません。

「気が合わない」「考えが違う」人と、「嫌いな人」というのは、違った話です。

スムーズな人間関係は「幸福感」を生む

人間社会には、たくさんの個性の違うの人がいます。気の合わない人もいれば、考え方の違う人もいます。

その人達と、無理に仲良くしたり、自分の考えを曲げてまで一緒にいる必要はありません。しかし、だからと言って「違う」ということを、嫌って遠ざけることも変な話です。

たまたまお互いの個性と個性の「相性」が良くなかっただけで、誰が悪いわけでもないからです。

わざわざ好かれる必要もないけれど、かと言って無意味に関係をギスギスさせる必要もありません。お互いにやり難いでしょうし、なにより、ピリピリした雰囲気の二人がいると、その周囲の人までイライラさせてしまいます。

「雑談力」とは、人間関係を“いなす”力や、ちょっとしたクッションを作り出す力です。心をトゲトゲさせず、フワッと気の合わない人や考えの違う人とも、その場を包み込むのです。

トゲトゲがなくなり、フワフワに包まれた人間関係は、自分にとっての「幸福感」につながります。

プロのトーーク!は、しなくていい

『雑談力が上がる話し方』では、そのタイトルの通り「雑談力」を上げるためのノウハウが細かに紹介されています。

なにも雑談と言っても、プロの芸人さんのように話す必要はないのです。

人気番組「アメトーーク!」や「人志松本のすべらない話」のようなトーク番組も、芸人さんたちプロの「話芸」のなせるもの。素人が真似できるものではありません。

落語の「まくら」は参考になる

と言いつつ、参考にすることはできます。特に落語の「まくら」は絶好のお手本になります。

落語のネタは、落語家さんたちが代々語り継いできたお話で、決まったストーリーがあります。同じ落語の噺(はなし)を、複数の落語家さんたちが話すので、その人の個性や芸が光ります。

その落語には、必ず「まくら」がセットでくっついているのです。「まくら」とは、落語のネタに入る前、その日の天気の話や時事ネタなどを織り交ぜながら、ウダウダと雑談をしながら、お客さんの興味を引きます。しかし、さっきまで雑談していたハズなのに、いつの間にか落語のネタが始まっていたりするのです。

トーク番組も「まくら」をチェック

「アメトーーク!」や「すべらない話」のネタも同じですよね。最近あった話や、世間話のようにトークをはじめ、いつの間にか芸人さんのネタにすり替わっています。どこからネタでどこから「まくら」だったか分からないほど、巧妙にトークが手配されます。

芸人さんの「ネタ」の部分は真似できませんが、「まくら」でどんな内容が話されているかチェックしてみようと思いました。

「等身大の自分」を尊重してもらうために

日頃からのコミュニケーションは、人間関係の衝突を緩和します。

「人に嫌われたくない」という一心から、人と距離を置くよう試みましたが、結局裏目に出てしまいました。コミュニケーションを減らしてしまったせいで、お互いに「この人は誰?」「何を考えているの?」「良い人なの?悪い人なの?」と不信感ばかり募ってしまったせいだと思います。

反対に、お互いの弱みや、好き嫌いまで事前にわかっていれば、疑心暗鬼にならなくて済んだのでしょう。それに、人の好みや得意不得意など把握していれば、気遣いや配慮もできるのです。

同じように、自分の弱みや好き嫌い、得意不得意が相手に伝わっていれば、自分も気を使って貰えたり、大切にされるのです。

人から大切にされ愛されていると、自分の承認欲求も満たされ、自分に自信が持てます。

「雑談力」はその手助けになのです。

媚びや、モメ事から距離を置くために

もし「雑談力」を後天的に身につけることを、「人に媚びるみたいで嫌」と思うならば、そんな人ほどこの本を手にとって貰いたいです。

雑談力を身につけることと媚びることは全く違うことです。むしろ、誰に媚び諂いもせず、等身大の自分で渡り合ってゆくための下準備だと考えたほうが良いでしょう。

「人と必要以上に関わりたくない……」と、かつての あさよる と同じように考える人には、なおさらオススメします。

人と関わらないことと、人とコミュニケーションを取らないことは全く違います。人と不要なモメ事を起こさないことが、人と必要以上に関わらないことです。人間関係がこじれてしまうことは、実は人間関係が濃密だからに他なりません。

周囲の人と気持ちのいい距離感を保つために、「雑談力」が必要なのです。

雑談力が上がる話し方―30秒でうちとける会話のルール

目次情報

はじめに――「沈黙は怖い。でも雑談は苦手」な人が増えている

第1章 トークや会話術とは違う、雑談の5つのルール

01 雑談のルール①雑談は「中身がない」ことに意味がある
02 雑談のルール②雑談は「あいさつ+α」でできている
03 雑談のルール③雑談に「結論」はいらない
04 雑談のルール④雑談は、サクッと切り上げるもの
05 雑談のルール⑤訓練すれば誰でもうまくなる

第2章 これで気まずくならない!雑談の基本マナー

06 目の前の相手の、「見えているところ」をほめる
07 「内容」よりも「行為」に意味がある
08 「いや」「しかし」はNG。まずは肯定・同意から
09 口下手でもできる、相手の話に「質問」で切り返す術
10 雑談のベストバランスは、相手8対自分2
11 「で、何の話をしてたんだっけ?」が理想形
12 切り返しは、相手の言葉の中にある
13 雑談にオチはいらない。『すべらない話』でなくていい
14 机とコーヒーカップがあるだけで、一気に話しやすくなる
15 一問一答は拒絶と同じ。「一問二答以上」が返しのルール
16 ベストタイムはすれ違いざまの30秒
17 「自意識」「プライド」のハードルを下げると、ラクになる
18 日常生活のトラブルは、絶好の雑談チャンス
19 悪口は、笑い話か芸能ネタにすり替える

第3章 すぐにできる、雑談の鍛え方&ネタの仕入れ方

20 相手との「具体的なフック(共通点)」をひとつ見つける
21 あの人にはこの話題。『偏愛マップ』で鉄板ネタを把握
22 今が旬のリアルタイムな話題は、仕入れたらすぐに使う
23 日々の疑問は、そのまま雑談ネタになる
24 雑談の練習相手に最適なのは、赤ちゃん、ワンちゃん、オバちゃん
25 困ったら「アメちゃん」。自分のコミュニケーションツールを持つ
26 「誰々が言ってた話」も、有効なネタになる
27 タクシーは雑談ネタの仕入れと練習ができる、最高の場所
28 1ネタ知って10ネタ広げる、具体的な方法
29 年代別“鉄板キーワード”をチェック

第4章 ビジネスに使える雑談力

30 面接の雑談で、柔軟性と切り替え能力が試される
31 ニュートラルな人は雑談がうまい
32 組織での評価も人望も、つまるところムダ話ができる人かどうか
33 企画会議は飲み会のように、飲み会は企画会議のように
34 「私語禁止」より「ながら雑談」
35 「また行きたい」と思わせるのは、料理よりも雑談のうまい店
36 社長の仕事は雑談と決断
37 雑談力はビジネスのセーフティネットになる

第5章 人、マンガ、テレビ。あらゆる達人からテクを学ぼう

38 『課長バカ一代』に学ぶ、バカ話の心地よいテンポ
39 国分太一に学ぶ、「覚えている」能力――顔は忘れても、雑談は忘れない
40 大阪人に学ぶ、リアクション雑談術
41 落語に学ぶ、つかみと本題の切り替えテク
42 イチローのヒットを支える、グリフィーのくすぐり

第6章 雑談力は雑草力。厳しい時代を「生きる力」そのもの

43 雑談で、つながりを確認する
44 私たちの中にある、「甘え上手」を取り戻す
45 人は誰もが、本当は話したがり屋
46 大人は若者のムダ話を聞きたがっている
47 知らぬ間に私たちは、雑談に影響されている
48 集中力を高めるために、あえて雑談タイムを入れる
49 雑談でデトックス。雑談でガス抜き
50 日本人の共感力を活かして英会話力アップ――雑談相づちイングリッシュ

おわりに――雑談力は、生きることそのもの

齋藤 孝(さいとう・たかし)

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大大学院教育学研究科学校教育学専攻博士課程等を経て、現在、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。
著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社)をはじめ、『1分で大事なことを伝える技術』(PHP新書)、『地アタマを鍛える知的勉強法』(講談社現代新書)、『「読む・書く・話す」を一瞬でモノにする技術』(大和書房)、『コメント力』(ちくま文庫)、『座右のゲーテ』(光文社新書)、『齋藤孝のアイデア革命』、『売れる!ネーミング発想塾』(いずれもダイヤモンド社)など多数。

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