2022年読んで面白かった本

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はじめて訪れてくださった方。

2022年もありがとうございました。

来年もよろしくお願いいたします。

あまり更新せず放ったらかしでしたが……。

今年読んで面白かった本を10作集めてみました!

順不同です。

児童書多めですが、おすすめなので、一度お手に取ってみてください!

『土偶を読む』/竹倉史人

昨年(2021年)のみうらじゅん賞を受賞されていたのをきっかけに読み始めたのです。

プチ土偶ブームを巻き起こしました。

さっそく博物館で遮光器土偶のマグネットを買ってきて、我が家の冷蔵庫に貼り付けました。

土偶って、女性の形をかたどっていて、豊穣を祈ったものだとか言うじゃない?

でもさ、それって違くね?

と、考古学の常識に真っ向から挑んだ本書。

反論とともに楽しめる。

浪漫!

↓記事も書いてます。読んでね。

[書評]批判?トンデモ?話題『土偶を読む』

『斑鳩に眠る二人の貴公子 藤ノ木古墳』/前園実知雄

奈良県斑鳩町にある藤ノ木古墳をご存じだろうか。

発掘された当初は、とても話題になったそう。

というのも、古墳の中にある石棺は未盗掘で、中には豪華な副葬品がたくさん眠っていたから。

そして、その石棺には二人の男性の被葬者が。

発掘時の様子はとてもワクワクする浪漫。

そして、二人の被葬者が誰なのか、日本書紀の記述から推理する。

とても読みやすい文体で、誰が読んでも胸アツな良書!

↓記事も書いてます。読んでね。

藤ノ木古墳の呪い? 二人の埋葬者は誰?

『利休の黒 美の思想史』/尼ヶ﨑彬

2022年は千利休の生誕500年の年でした。

京都国立博物館にて「茶の湯」展に足を運んだのをきっかけに、利休に関する本も数冊読みました。

本書は、タイトルは『利休の黒』だけど、利休に限らず、日本文化の美意識の変遷を扱っています。

中でもおもしろかったのが、「本歌取り」の話でした。

本歌取りにもルールがあって、パクりとは違うのです。

話題豊富で読み応えあり。

『昔話は残酷か グリム昔話をめぐって』/野村泫

昔話って、よくよく読むと残酷な描写にギョッとしてしまうことがあります。

たとえば「おおかみと七ひきのこやぎ」では、こやぎを食べたおおかみのお腹をハサミでチョキチョキ切り、中に石を詰め、井戸に落として「おおかみが死んだ!おおかみが死んだ!」とみんなで喜びます。

グリム童話では、昔実際にあった残酷な刑などが描写されていて、読んでいてドン引きらしい。

そういう物語って、子どもたちに読んで聞かせていいのかな? 本書は役立つでしょう。

不安な気持ちが子どもたちを成長させたり、物語よりも実写社会の方が残酷だったりするものだから……。

↓あさよるネットの絵本部が実はあったりします。そちらの記事もあわせてどうぞ。

残酷な昔話・怖い絵本、読み聞かせていい?

『「たま」という船に乗っていた さよなら人類編』/石川浩司、原田高夕己

マンガです。

昔流行った「たま」というバンドを覚えているでしょうか。

何を隠そうこのわたし、たまが大好きなのだ。

そして、そのたまの物語が、マンガ化されたというじゃないか。

それは読むっきゃないでしょう。

たまのパーカッションの石川浩司さんの自伝が元になっており、それをマンガ家の原田高夕己さんが更に肉付けをし、多角的に描いています。

東京のアングラ周辺の雰囲気とか、ちょっと垣間見れるような気がします。

『船乗りクプクプの冒険』/北杜夫

以下、児童書です。

北杜夫さんの児童書。

異世界転生ものの先駆け。

小学生のタローが、気づくと作家キタ・モリオの書いた物語の中に入り込んでしまう。

物語から奪取するため、キタ・モリオを探し、航海を始める。

文章が軽快で美しく、気持ちいい。

わたしは異世界転生ものを初めて読んだもので、いかんせんショックが大きかった。

『ふたりはともだち』/アーノルド・ローベル

小学校の教科書に、がまくんとかえるくんの「おてがみ」が掲載されていた。

とても良い話。

よく覚えている。

さらに、英語の勉強で本書を原書で読んだこともある。

どの話も面白い。

がまくんとかえるくんの、二人の友情や慈しみの気持ちは、掛け替えがなく、その気持ちがあふれ出てきて、胸がいっぱいになる。

彼らのような「ともだち」に憧れと、少しの羨ましさを感じてしまう。

『みけねえちゃんにいうてみな』/村上しいこ

村上しいこさんは、今人気の児童書をたくさん書いている作家さんだ。

「みけねえちゃん」は日本語をし、二足歩行をする三毛猫。

シリーズで現在4冊刊行されていて、話のテーマは「今」っぽい。

人間は生きているといろいろ悩みを抱えている。

くだらないことから、重大なことまで。

みけねえちゃんに相談してみなよ。

『パンプキン! 模擬原爆の夏』/令丈ヒロ子

令丈ヒロ子さんも人気の児童文学作家で、アニメ化もされた『若おかみは小学生!』の作者というとわかる人もいるかも。

「パンプキン」というのは、第二次大戦中に米軍が使用した爆弾。

原爆と同じ大きさ、同じ重さで、「模擬原爆」として、実際に日本の町に落とされた。

わたしは模擬原爆というものを本書を通して知った。

物語では、小学生の女の子が自分の町にも模擬原爆が落とされたことを知り、戸惑い怒りながら、知識を深めてゆく。

戦争にはお互いに言い分があることなども織り交ぜながら、善悪だけでは語れない事実に迫ってゆく。

『箱舟に8時集合!』/ウルリヒ・フーブ

3羽のペンギンのもとへ、忙しなくハトがやってくる。

なんでも、もうすぐ神さまが大洪水を起こすらしい。

つきましては、ここにノアの箱舟の乗船チケットが2枚。

だけど、ペンギンは3羽いる。

……どうやって乗り込もうか?

登場するのは、ペンギン3羽とハト1羽。

ナンセンスな問答が、なにやら信仰とはなにか? を考えずにはいられない本質的なものへすり替わってゆく……。

が、終始ドタバタコメディで、結構好きでした。

おすすめ。

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