『いかにして問題をとくか・実践活用編』を読んだよ

「自分は心配症で、一日中スマホで何かを検索している」と友人が言いました。
その友人には、どちらかというと大らかでマイペースな印象を持っていたので、少し意外でした。

話を聞きながら私は、いくつかの不安や懸念事項があって、それを何度も何度も繰り返しグルグルと考え続けているのではないかなぁと思いました。
悩みのジャグリング状態ですね。

私もよく陥る状態で、傍目から見ると同じことばかり悩み続けていると分かるのですが、渦中に居ると、四六時中次から次へと不安や悩みが押し寄せ消耗しきってしまいます。どんどん追い詰められ、追い詰められるほど自分で自分の状態を客観視できる状態ではなくなってしまいます。

私の場合は、悩みのジャグリングから抜け出す方法として、紙に鉛筆で悩みを書き出してみます。なるべく細かく、気になっていること、不安なこと、既に調べたこと、分かっていることなど、書き出してゆきます。
すると案外、悩みは2つか3つしかなくって、更に、今の自分は何をすべきなのか考えると「このままでいい」と結論が出ることも多々あります。

意外と少ない?意外と多い?自分の直感や勘と、数学をプラスして

「書き出してみる」というのは何かにつけて重要なことです。「見える化」することで、違った目線が生まれます。
マインドマップや偏愛マップ、夢を書き出してみたり、なりたい自分像を手帳に書くのも、同じかもしれません。
手帳術の本を読むのが好きなのですが、これらも、いかに自分の考えや予定、時間、行動などを一目で見渡せるようにするか、が重要に思います。

言葉で書き表したものを、図にしてみると、更にスッキリと整理しやすくなってゆきます。
いくつかの選択肢が思いつくような状況なら、なおさら図は有効です。

『いかにして問題をとくか 実践活用編』では、小中高で習った数学を、実生活の中での活かし方、数学への落とし込み方が示されています。
実際に、数学の公式や記号は忘れてしまっていても、その考え方は有効です。
連絡網や人間関係の繋がりを図式にしてみるのは良いなぁと思いました。

AKB48のじゃんけん選抜で、上位8名を当てる確率が紹介されていました。
結論だけ紹介しますと、8兆7960億9302万2208分の1以上、687億1947万6736分の1以下の確率だそうです。トーナメントにシード枠があるので、確率に幅があります。
いずれにしても、途方もない数字です。

この数字を見て「物事を簡単に諦めるのはやめよう」と思いました。
「自分では、2、3やればできるだろう」とタカをくくっているけれども、成功する確率を計算するととんでもない確率だったということが往々にしてありそうです。

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Information

いかにして問題をとくか・実践活用編

  • 著者:芳沢 光雄
  • 発行所:丸善出版株式会社
  • 2012年4月20日

目次情報

  • 第1のステップ 「問題を理解すること」
  • 第2のステップ 「計画を立てること」
  • 第3のステップ 「計画を実行すること」
  • 第4のステップ 「ふり返ってみること」

著者略歴

芳沢 光雄(よしざわ・みつお)

1953年東京生まれ。東京理科大学理学部教授(理学研究科教授)を経て、現在、桜美林大学リベラルアーツ学群教授(同志社大学理工学部数理システム学科講師)。理学博士。日本数学会評議員、日本数学教育会理事、国家公務員採用Ⅰ種試験「判断・数的推理分野」専門委員も務めた。『新体系・高校数学の教科書(上・下)』『新体系・中学数学の教科書(上・下)』(ともに講談社ブルーバックス)、『数学で遊ぼう』(岩波ジュニア新書)、『置換群から学ぶ組合わせ構造』(日本評論社)など著書多数。

―芳沢光雄『いかにして問題をとくか・実践活用編』(丸善出版、2012)カバー

コメント

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