オペレーションズ

『LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲』

FacebookのCOOでも、「女性である」ことにぶち当たるの!?

男の子は男の子の、女の子は女の子の

こんにちは、あさよるです。

あさよるネットで以前、『会社のルール』という本を紹介しました。

女性の社会進出にあたり、男性のルールを知り、それを利用してゆこうという指南書です。

小さい頃、男の子は男の子の遊びを、女の子は女の子の遊びを通し、社会の勉強をしました。子どもの遊びとは、大人の社会を反映していて、大人の真似事をすることで、社会を学びます。

あさよるは、この『会社のルール』を読んで、これまでにない視点を知りました。

女性が社会で働くことについて、もっと知りたいと思いました。

あれ?性差と社会的立場の差がごちゃごちゃに…

女性の社会進出。どんどん進んでいますが、あちこちで問題は転がっているようです。

幼いころ伝統的な「女の子らしく」なるよう育てられたのに、成人する頃にはすっかり社会が変わり、男女同じように就活に挑む。だけど、結婚を機に就業時間を短くしたり、出産と同時に専業主婦にジョブチェンジする女性もいる。

そして、それが良いモデルとして扱われている場面って、意外と多いような気もするのです。

あれ?そういえばなんで、結婚や出産に伴って仕事をセーブするのは女性なんだろう?男性だって、働き方に幅があっていいはずだし、女性の方が所得が多かったり、多忙な仕事もあるだろう。

一方で、出産や、出産直後の授乳など、女性にしかできないこともある。

社会の中で、性差ではなく「人」として振る舞うということはあたり前のことのはずなのに、なんで男女で違うんだろう?一方で、身体的特徴として存在する男性と女性の差。

社会の中の「人」として、生物としての「ヒト」として生きるために、「女性」というどうしていいか分からない壁が立ちはだかっています。

女性が気づかない女性のモンダイ

本書『LEAN IN』は、女性が直面している問題……いいえ、正確に言うと、女性が直面していることにに気付かない問題を取り上げています。

著者のシェリル・サンドバーグさんは、マッキンゼーや財務省補佐官、その後Google社を歴任し、現在はfacebookのCOOを務めます。

『LEAN IN』を読んで驚くべきは、アメリカで、シェリル・サンドバーグさんほど立場のある有能な人物でさえ「女性」であることに打ちのめされている!

彼女はハイスクールでももちろん成績はトップ。ですが、女性が男性より優秀であると、パーティーに誘ってもらえない。要は「モテない」と周りから心配され、サンドバーグさんも悩みます。

また、女性は男性よりも自信が持てないと統計結果に出ています。男性は自分の実力以上の仕事にトライすること厭いません。実力を過信することを恐れず、他者から高い評価を望みます。一方、女性は自信がないので、確実に実績を積み上げてゆかねばなりません。さらに、自分から売り込みをせず、ただ上司が自分を抜擢すまで待ち続けます。だけど、待っているとどんどん、自分から手を上げる男性にチャンスを奪われてゆく。

男性は夢見がち、女性は現実的なんて言いますが、こういうことを言ってるのかな?と思いました。

強い女性は、お好きでない?

周囲からの視線も、性差によって変わります。

自らチャンスをもぎ取り、人の上に立ちリーダーシップを発揮する男性は、頼もしい男性だと感じます。

しかし、これが女性なら、勝ち気で強欲で、気の強い女性だとみなされます。

結婚したら、出産したら、「どうやって両立する気?」

周囲からの揶揄は、結婚・出産とプライベートな事柄にまで飛んできます。

男性が結婚し子供を持っても誰も何も言わないのに、女性が結婚し子供を持つと「仕事と家庭の両立はどうするの?」「いつまで仕事を続けるの?」と質問が降り注ぎます。彼らに悪意はなく、純粋に心配や心遣いをしているだろうことが、問題をますますやっかいにさせます。

サンドバーグさんも同様に、結婚や子育てに関して、たくさんの質問を受け続けたそうです。

肉体的な違いもある

また、肉体的に「女性であること」の問題も起こります。

サンドバーグさんは妊娠中、悪阻がひどく大変な思いをなさったそうです。出産後は3か月間の産休を取りましたが、出産後次の日にはノートパソコンを開き仕事をしていたそうです。

しかし、産休を終え、職場へ向かおうとガレージを出るときには、子供と離れ離れになるのが寂しく感じもしたそう。その後、第二子も誕生し、二人の子育ては事前の想像を超えて大変なものだったそうで、思ってもみないトラブルも勃発します。

ただ、サンドバーグさんの夫デイブ・ゴールドバーグさんは子育てに積極的に参加し、サンドバーグさんを支えました。

医学や技術革新が、どう変える?

出産や子育ての問題は、医学や技術の進歩によって変わってゆく要素が大きいのではないかと気づきました。

例えば、「産休・育休 or 職場復帰」の二択ではなく、もっと他の選択肢があってもいいんじゃないか、例えば自宅で仕事をするとか。

年々進化してゆく紙オムツとか、すごい便利なアイテムも、従来の「お母さん」の仕事を変化させているでしょう。

かつてない社会の形?

性差による社会的差があるのは当然だという人もいます。

生物的に、男性と女性は違うのだと考える人もいるでしょう。

“女性”リーダーがリーダーになる日まで

世界を代表するリーダーであるシェリル・サンドバーグさんでさえ、自らの思い込みや、「女性だから」という理由で悩んでいました。

シェリル・サンドバーグさんは、決して「フェミニスト」になりたくてなった人ではなく、優秀なのに、優秀な男性と同じように振る舞えず、キャリアを詰めない女性たちを見てきました。

サンドバーグさん自身も、女性特有の自信のなさに苛まれていたと告白しています。

女性のリーダーになったことで、女性へ向けてのメッセージを発するべき立場になったのです。

これからの未来の女性のあるべき姿は、サンドバーグさんはじめ、女性のリーダーが牽引し、「発見」してゆくものなのかもしれません。

少なくとも、過去に存在した価値観とは違う、新たな社会の形を探しているのではないでしょうか。

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『「数字で考える」が簡単にできるようになる本』|データと論理を扱おう

こんにちは。細々と数学の勉強をしている あさよるです。今回、数学の本だと思って手の取ったのがコチラ『「数字で考える」が簡単にできるようになる本』でした。まず本書、数学の本ではありませんでしたw 「データを扱って論理的思考をしよう」というものです。ああでもしかし、あさよるも論理的に論述できるようになりたくて数学の復習をはじめたので(中高の数学の復習デス)、ある意味で本書は学校で習った論理、論述を、社会の中で使うための本ですね。

論理思考を身につける

本書『「数字で考える」が簡単にできるようになる本』は、論理的にものごとを考えるための指南書です。そのために、客観的なデータを扱えるようになりましょう。

また、総当たり的に考えるのではなく、仮説を立て、仮説から検証できる力が必要です。総当たりではいくら時間があっても足りませんからね。そのとき、仮説は立てますが、思い込みにハマり込んだり、またデータを持論の都合のいいように読み解いてしまわないよう、訓練が必要です。

上司と部下の間で考えが食い違ってしまうと、お互いに「相手が分かってない」と思ってしまいがちですが、見えている範囲が違うため、違った結論になっていることも多いとか。目に見える数字を見ながら話せるようになると良いですね。

「数字」苦手!って反応しちゃう人に

本書『「数字で考える」が簡単にできるようになる本』では、数字の扱い方を学びますが、難しい数式とか出てこないので大丈夫!w ただ、グラフはたくさん紹介されているのですが、これもきちんと解説なされているので恐れなくても大丈夫でしょう。イラストやパッと見て分かる資料です。

ただし、今は数字が苦手でも、これから数字やグラフを実践で扱えるようになりましょうという本ですので、じゃかじゃか登場するグラフには驚かないようにw

数字の見方、グラフの見方

そう、本書は数字やグラフの見方、扱い方がたくさん紹介されています。例えばパッと見て相関関係がありそうに思えてしまうグラフも、実は全然関係なかったりします。人は自分の都合の良いようにデータを見てしまう習性があるらしいので、人のクセや習性を知ることが、データを扱えることなんですね。

また、情報がないときは〈推論〉をして、仮説を立てます。推論するためにも、やはり自分の手持ちのデータや知識が必要なのです。

客観的なデータをもとに、資料の作り方まで網羅されているので、これからデータの理解をしたいと考えている新人や学生の方におすすめです。平易な文章で読みやすく構成されているので、肩ひじ張らずに読んでみて下さいw

あさよるネットで紹介した関連本

『地頭力を鍛える』/細谷功

『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』

『仮説思考』/内田和成

『仮説思考』|行動が結果を、結果が経験を

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『PLANNING HACKS!』|企画アイデア出しをハックする

こんにちは。こまこましたハック集が結構好きなあさよるです。ライフハックとかさ、見ちゃうよね~。で「それはないw」とか「どんな状況ww」とかヘラヘラとツッコむのが好きですw その割に、真に受けて実際に試してみちゃったりもして、ムキになって検証し始めちゃったりとかね。

と、ですので、この原尻淳一さんのHACKS!シリーズも好きです。装丁もおしゃれなのも、好きなポイントです。そばに置いておきたくなりますよね。

10年前の本だけど……今でも使える!

本書『PLANNING HACKS!』は2007年に発刊された本ですので、もう10年前の本なんですね。本書は10年経った2017年に読んでも、使える!本書は「企画ハック」を扱う本なのですが、中にはテクノロジーの進歩により古くなっているものも少なからずあります。10年前って、まだスマホが普及する前ですからね。今より回線が遅くて、動画をスイスイ見れなかった頃じゃない?ですが、本書は10年経っても大丈夫な内容でした。

手書きでメモしたり、書類を紙面で管理する習慣は、かなり減っているとはいえ、まだまだ残っています。便利なツールも登場していますが、それらと併用して「使える」ハック集です。

質と量!今あるヒントを集めよう

企画を作るための発想法が本書の内容です。

 気になる情報というのは、わたしの感覚だといきなり「無」から「有」になるというよりは、今ある気になるヒントのような情報をまず出して、その情報から掛け合わせる感覚なのです。つまり、「アイデアの二段階抽出法」。初めはアイデアの元となる情報を引き出し、その情報をみたうえで、組み合わせてアイデアを出していくというプロセスを踏みます。

p.63

アイデアの元になる情報がまずあり、それがプールされている状態から、その情報を組み合わせてアイデアにしてゆく。その一連の工程のハック集です。

メモを取りながら、メモとメモにハイパーリンクを貼ってゆく。まずは、黒と赤のボールペンで、グループインタビューのメモを取ってゆく。このとき、誰かの発言は黒のボールペンで書き、言葉同士に、赤色のボールペンで意味を与えていく。神の平面の上でも、ペンの色に意味を持たせ立体的にしてゆくんですね。

また、脳に刺激を与える場所として、ヴィレッジヴァンガードやタワーレコードはもちろん、トイザらスが挙がっていて、驚きました。確かに!すごく刺激的かもしれない!

会議の方法も、どんどん話を広げてゆく会議と、どんどん絞り込んでゆく会議があること。また、一人で閉ざされた会議をすることなど、バリエーションがあります。

過去に出した仮のアイデアも、どんどんストックしてゆくと、それもアイデアのプールになります。

もちろん、失敗もあります。失敗を人のせいにせずに、自分で引き受けることも、一つのハックです。また、うるさい上司を封じ込めるハックも紹介されているのがオモシロイw

企画書の書き方、パワポ資料のつくり方も実際に画像付きで紹介されているので、こういうのは面白いですね。

仕事を進める小さなハック

HACKS!シリーズはみんなそうでしたが、一つのでっかいハックじゃなくって、小さなハックが細々と紹介されているのが面白いんですよね。もちろん、ふだんからバリバリ企画作ってる方は、またそれぞれの“やり方”があるでしょうし、身近な人がやってることも知りたいなぁとも思いました。

本書、どう使うかは、みなさんの業務内容によると思うのですが、結構、読んでるだけで面白く「あさよるだったら こうするな」「今はそれはないでしょ」なんてツッコみながら読むのも楽しい。んで、読みながら「自分だったらこうだな」なんて考えているから、結構頭の中がイイ感じに回転し始めるんですよねw

元気ないときとか、エンジンを徐々にかけていきたいときに好し( ´∀`)bグッ!

あさよるネットで紹介したHACK!シリーズ

『READING HACKS!』

『READING HACKS!』|いつでもアウトプットできる読書

『STUDY HACKS!』

『STUDY HACKS!』

『IDEA HACKS!』

『IDEA HACKS!』|楽しく働けないのは、なぜ?

『LIFE HACKS 勉強法』

HACKS!シリーズとは違いますが、名前も似ているし、中身も良かったので。

『LIFE HACKS 勉強法』|独学?通学?資格?理解?目標達成?好奇心?

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『現場力の教科書』遠藤功|現場のトラブルを改善せよ!

現場の声を、伝えること。

問題やトラブルを、把握すること。

「現場力」ってなに?

改善点を見つけること

現場力って、改善点を見つけることです。

現場では、問題点が目に見えて噴き出します。システムの不具合や、上手くいかないことを、現場の人は知っているんです。

その現場での問題をどうやって吸い上げるか。そして、どう問題を解消するのか。これによって、効率や収益にも大きな変化につながります。

『現場力の教科書』では、実際に現場力を見極め、改善に成功した企業の事例がたくさん紹介されています。

「失敗した人を責める」は逆効果

現場の問題を見つけるといっても、決してしてはいけないのは、失敗やミスを責め立てること。

失敗がバレると制裁が待っていると知ると、人は失敗を隠そうとします。現場の問題、都合の悪いことが隠蔽されていってしまうと、全体にとっても困った事態です。

現場力を高めるにはまず、きちんと現場で起こっていることを把握することです。それは、良いことも、悪いこととも。

言いにくいことや、失敗、ミス、不具合もすべて把握され、即、改善や修繕など、問題解決のために動き始める。

その土壌づくりが、現場力なのだなぁと思いました。

どんどん「改善文化」を回してゆく

「現場力」のことを、本書『現場力の教科書』では「改善文化」とも呼ばれていました。

問題発覚は、隠蔽すべき悪い事柄ではなく、きちんと問題解決に取り組むべき事柄です。問題が取り除かれた現場が、以前よりもずっと良いものになります。

それを繰り返し、どんどん「改善文化」を回してゆくことで、企業全体が成長してゆくのです。

大学の講義のような内容(の、コンパクト版)

『現場力』の教科書は、全15回の講義と補講という形式の章立てです。模擬的な大学の講義なんですね。

ですが、ページ数は多くないので、全15回の講義のコンパクト版といったところ。

コンパクト版なのでサクッと読みやすい反面、深い知識や、より専門的な内容を知りたい人には不向きです。

あくまで、「現場力」という考えを知るための、コンパクト版。ここを出発点に、より深い内容へ進んでゆきましょう。

起業の取り組み、具体例がオモシロイ

実際に、企業がどのような取り組みをしているのかもたくさん紹介されており、これだけでも面白かったです。

例えば、トヨタでは自動車の組み立て現場でトラブルがあれがすぐに、天井からぶら下がった紐を引くだけで、担当者が飛んでくる。どこでトラブルが起こっているか一目でわかるよう、「アンドン」という光で知らせるシステムが採用されています。

旭山動物園は、ユニークな展示が話題になり、今や北海道を代表する観光名所です。しかし、もともと旭山動物園は、廃園寸前にまで陥っていた動物園でした。しかし、飼育員を「飼育展示係」を呼び、その動物の持っているオモシロイ特性や、ユニークな姿を最も引き出せる「見せ方」を徹底しました。と言っても、経費は限られていますから、手作りで、発想の転換で「見せた」のです。

社員同士の距離を縮めることで、「現場力」を高めた企業もあります。毎週、全社員出席でバーベキューを開くのです。最初の内は、嫌がる社員もたくさん居ましたが、続けていくうちに社員同士にもメリットが実感できるようになってからは、進んで参加する人が増えたそうです。

どんな「現場力」が必要なのかは、その起業、組織によって違います。ですから、例はあくまで一例でしかないのですが……本当に、企業にとって必要なことって違うんだなぁというのを知れて、面白く思いました。

なにが必要か、どんな現場力が欲しいのか、ってことこそが、その組織の持っているものなんでしょうね。

自分の働き方、これからの仕事を考える

『現場力の教科書』で書かれていることって、企業や組織全体で考え、実践する内容です。

ですから、まさに現場で働く自分ひとりだけが、「現場力」を知ったところで、組織が変わるわけではありません。正直、多くの「現場」で働く人にとっては、読んでもどうにもならない本でしょう。

じゃあ、読んでも仕方がない?

いいえ、それでもやっぱり「現場」の持っている力について知る、考えるのは、とても意味のあることです。

それは、今現在の自分の仕事を考えること。自分の働き方を考えることです。そして将来の、これからの仕事、これからの働き方を考えることです。

もう、終身雇用を前提に考えている人もいないでしょうから、誰もが今後、数回の転職を想定しています。だから、自分の仕事、自分の働き方を常に考えておかねばなりません。

これから、新しく「仕事」に関することに触れたいなぁという人に『現場力の教科書』をおすすめします。

「現場」の力は絶大だし、みんなで問題や改善点をシェアしあう必要性を、大きく感じます。

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『仮説思考』|行動が結果を、結果が経験を

行動と結果を呼ぶ!

「仮説思考」を身につけよう

口コミで気になった『仮説思考』

読書メーターにて、お気に入り登録しているアカウントさんが、『仮説思考』を紹介してらっしゃいました。

『仮説思考』……タイトルだけで「仮説思考ってなに?」と好奇心くすぐられました。

レビューの口コミも上々なので、さっそく取り寄せて読み始めました。

「仮説思考」とは

「仮説思考」とは、先に予想を立て、その後、実験を始める思考スタイルです。

予想を立てるには、それなりに事前知識があることが前提です。

「するとどうなるのか」と予想が立てられるくらいの経験も必要です。

この「仮説思考」を身につけば、経験則や知識を踏まえながら、これまで以上にスピーディーに、深く思考することが必要です。

総当りは不可能。予想を立てて挑む

仮説を立てず、まず実験をし、その結果を元に思考する。この方法を選ぶ人が数多くいます。

しかし、なにをどう実際にやってみるのか、予想を立てられない限り、すべての可能性を探ってゆかねばなりません。理屈上「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」のは確かですが、物理的に不可能です。

ですから、予め「仮説」を立て、その結果何が得られるのか考えます。しっかりと「仮説」を立てた上で、実際に実験なり統計なりを取り始めます。

情報が足りなくても、間違ってしまっても

情報が少なくても、仮説思考は役に立ちます。足らない情報を補い全体のストーリーを「仮説」します。

この時、問題の解決策や戦略まで盛り込んで思考することにより、その後の手間がぐんと減ります。仮説を立てなければ、いちいち検証や反証を繰り返し、ロスが出ます。

また、あくまで「仮説」ですから、失敗をする、すなわち「間違える」こともあります。そんな時どうするか。「訂正する」それだけです。

そもそも、仮説思考をしていれば数週間も仮説が間違ったまま考えつづけることは稀で、もっと事前に修正や訂正に気づくそうです。

間違は必ず起こりますが、それでも、網羅的にすべての場合を見てゆく手間暇と比べると、ずっと無駄が少なくて済みます。

情報は集めるより、絞り込みが肝心

情報が多ければ、より正しい意思決定ができそうに思いますが、実際はそうはいかないんだそうです。

そうと言うのも、「情報が多ければ多いほうが良い」と思い込むと、際限なく情報を集めようとしてしまいます。すると、その集めた情報すべてを検討し、それぞれの答えを導き出します。

すると、そのすべての答えを、反証し、見極めが必要になる。すると、そのために新たな情報を探さなければならない。

要は、キリがないんですね(^_^;)>

総当りで問題に挑むのは、コンピューターが将棋を指すやり方に似ています。一方、人間の名人ほど、経験に基づく直感を駆使して指します。

仮説思考を鍛えることは、将棋の名人のような思考を鍛えてゆくことなんです。

「とりあえずやる」ポテンシャルが必要

問題は、「じゃあ、今日から仮説思考やってみよう~」と思い立っても、今すぐに始められないことです。

仮説思考は、事前の知識や経験の積み重ねによって得られるものですから、一朝一夕にはどうにもならないんですね(^_^;)

なので最初のうちは「とりあえずやる」という、ポテンシャルによって思考し続けるしかありません。とても不安に感じますが、我々は生きてきた年数分、必ず経験を積んできています。

大企業の戦略を紹介されても……と尻込みしちゃう?

『仮説思考』では、たくさんの企業の実例が紹介されています。

「具体的でわかりやすい!」と納得しやすい反面、あまりにも大きな会社の大規模な市場実験などが紹介されていて、「ええ~っ、これ、参考になる…かしら?」

と、おっかなびっくりになってしまった(苦笑)。

自分の扱う業務や問題に、どう落としこむかは、コツが必要かも(・・;)

賢い人は、体を動かす

仮説思考を使うと、次は行動に移します。実際に実験をしてみたり、統計データを集めたりと、体を動かすのです。

的確なデータを集めてゆけるので、次々に新しい仮説思考に取り組むことができます。

それに、仮説が立ったら、それを検証しないでいられないですよね。どんどん経験値が上がってゆくと、次の仮説を立てるに役立ちます。

そうやって、仮説思考を立てられる人って、経験値もどんどんたまり、次の思考を促し……と正のスパイラルですね。

行動力を生み出す思考を知る

「仮説思考」について知ったことによって、行動力の源を知れました。

行動力があると言っても、無闇矢鱈と行動しても仕方がありません。予想を立て、狙いを定めて行動するからこそ、意味があります。

行動力のある人って、事前に仮説を立てられる人、ということです。

優秀さって、知識量や思考力だけでなく、行動力も伴うものですから、その秘密を知れた気がします。

よい「仮説」を立てるために

直感、勘をみがく

仮説思考を繰り返してゆくと、「直感」や「勘」と呼ばれるものが磨かれます。

経験値や知識が高まり、仮説思考が身に付くと、自ずと直感、勘がはたらきます。これらは、「思いつき」や「行き当たりばったり」とは違います。

将棋の名人の指し方は、まさにそれですよね。数えきれないほどある選択肢の中から、瞬時に次の手を考える。一瞬ですべての場合を考えているのではなく、「勘」や「直感」を働かせ絞り込みながら考えるんだそうです。

これらは、知識と経験値の積み重ねにより実現するってことは、誰でも実現可能ってこと!?ちょっと楽しみになってきました。

失敗から経験を学ぶ

仮説思考では、失敗でさえもムダにはなりません。

失敗すれば、仮説の何がダメだったのか検証することができます。これは、一通り大掛かりな実験を終えてから、失敗してしまった場合と大きく違います。

仮説思考の場合、誤りが見つかればその都度軌道修正をしてゆくのも特徴です。「仮説」があるので、それをブラッシュアップしてゆくのです。

そして、失敗そのものも、経験として蓄積されてゆきます。これは、次の仮説思考を働かせる時に役立つ糧です。

ありとあらゆる経験、体験、知識、ノウハウが、「仮説思考」の役に立ち、また「仮説思考」によりそれらがブラッシュアップされるって、すごく楽しみだなぁと思います。

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