児童文学

『どんな絵本を読んできた?』|自分のお気に入り語りがはじまる

『どんな絵本を読んできた?』挿絵イラスト

こんにちは。みなさん思い出の絵本はありますか?  好きだった絵本は数ありますが、自分の原風景に近いのは『わたしのワンピース』かもな、なんて思うあさよるです。

『わたしのワンピース』とは、うさぎさんが白い布でワンピースを作ると、お花畑を通ると花柄に、草原を通ると草に、クルクルと模様が変わってゆきます。お裁縫好きだった あさよるにとって、お洋服を自分で作ることは『わたしのワンピース』のようにワクワクの連続でした。「ものをつくる」という興奮が溢れてくる絵本です。

さて、絵本を読んで育った人なら、それぞれ「絵本がたり」がおありでしょう。今日読んだ『どんな絵本を読んできた?』はまさしく、各方面の著名人たちが一冊の絵本を取り上げ、絵本にまつわる話をまとめたコラム集です。

一緒に共感して

本書『どんな絵本を読んできた?』では、絵本が大好きな57名の先輩たちが、56冊の絵本をそれぞれ取り上げます。1冊足りないのは理由があります。それは、翻訳家の柴田元幸さんが「どんな絵本も読んできてません」としているから。絵本を読んでこなかったけれども、絵本が大好きな先輩もいるんですね。

他の56名の絵本好きさんたちの一言コラムは、どれも一緒に「うんうん」と共感の嵐じゃないでしょうか。恐ろしい絵に怖い気持ちになったり、悲しくて一緒に胸がいっぱいになってしまったり。

絵本はストーリーも単純だったり、ページ数も文字数も少ないから、「絵本語り」をすることは自ずと「自分語り」をすることではないかと思います。子どもの読書は独特で、同じ本を何度も何度も飽きずに読んで、同じページを穴が開くほど眺めます。大人になってはなかなあそんな読書体験ができませんから、強烈です。

絵本選びの案内に

本書『どんな絵本を読んできた?』は、これから絵本を読みたい大人には、よい水先案内人となるでしょう~。子ども向けではないと思う、なんとなく。あくまで「大人の思い」が乗っかったラインナップだからです。そう、大人だって絵本を読んでも良いのです。子どものモーレツな鑑賞に堪えうる絵本ですから、大人が読んでも上質です。

ちなみに本書、絵本の本ですが、絵本の書影は小さくモノクロであるのみ。あくまで「絵本好き」の絵本語りがメイン。自分の思いをのせてもいいし、他人の絵本語りに乗っかるのも楽しいですね。

絵本を語りたくなる

『どんな絵本を読んできた?』挿絵イラスト

本書は薄くて文字数も少ない本なのに、なかなか読み終わらないのだ。なぜならば、ページをめくるたび、自分の思いが飛び出してくるから。思わず自分も絵本の話がしたくなるのです。

あさよるは、そうだなあ。意外とあさよるの好きな本は登場しなかった印象です。あさよるの好きだった絵本は先に挙げた『わたしのワンピース』と、『かばくん』『バーバパパのいえさがし』『しろくまちゃんのほっとけーき』『はじめてのおつかい』あたり? あとは『14ひきのひっこし』『どろんこハリー』んかも。「うさこちゃん」も多分に漏れず、好き。

あさよるは今、なるべく紙の本を手元に溜めないように細心の注意を払っているのですが、絵本は欲しいなあ。手元に欲しい。ちょっと自分ルールを破って、コレクションしようかしら。

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『新訳 メアリと魔女の花』|たった一夜の魔法もあるんだよ

こんにちは。話題を遅れて取り入れる あさよるです。見ましたか?『メアリと魔女の花』。あさよるはもちろんまだ見てませんw なんだか事態をよく呑み込めないまま公開が終わってしまいましたw

児童文学『小さな魔法のほうき』が『メアリと魔女の花』のタイトルでアニメ映画化された。アニメーションを手がけたのはスタジオジブリのOBたち、ということでおk? という程度の認識で、完全に乗り遅れてしまったーw

今さら予告編を見ています。ちなみにSEKAI NO OWARI のMVは公開時に見たな。

↑この映画の予告編にも出てくる本が、本書のデザインと同じなのね。

『メアリと魔女の花』あらすじ

『メアリと魔女の花』はこんなお話。

 夏休みに両親や兄弟と離れて、田舎の親戚の家にひとりで預けられた十歳の少女メアリは、年寄りしかいない家での生活に退屈しきっていた。それでもなんとかおもしろいことを探そうとしているうちに、小さな黒ネコ、ティブと出会い、ふしぎな力を持つ魔法の花「夜間飛行」とほうきを見つける。メアリはネコとほうき(魔女の話には付き物の三要素)に導かれるようにして、空を飛んで魔女のいるエンドア大学へ行き、やがて近所の少年ピーターとともに、思いもかけない大冒険に巻きこまれていく。

p.219-220

黒ネコと花とほうきを手に入れたメアリが、ほうきで空を飛びエンドア大学で魔法を学ぶことになる。しかし……というお話。黒ネコ、花、ほうきという「魔女モノ」の三種の神器と、ハリーポッターでもお馴染みの「魔法学校へ行く」という展開。ザ・魔法使いなお話。

こちらは映画『メアリと魔女の花』に伴い新訳で出版されたもののようですが、昔の『小さな魔法のほうき』をお読みになった方もおられるかも。

小学生から大人まで

本書は読んでみると小学校高学年以上が対象なのかな?という感じ。漢字にルビなし。お話自体はシンプルな筋書で、〈夏休みのたった一夜の大冒険〉という、何がどう転んでも胸がトキメク、子どもさんにも薦めやすい内容です。また、〈魔法使いモノ〉の定番の設定や道具が次々登場しますから、「一般教養としての魔法使いのお話」にもいいかもw 役に立たない知識ですが、そういう「お約束」をどれくらい知っているかって大事じゃないっすか。

映画を見た後に、「本でも読んでみない?」なんて持っていくのも良いやも。

で、大人のあさよるが読んでも楽しい。適度にドタバタ、適度にコミカル、適度にハラハラ。やっぱ魔法を使ったり魔法が解ける描写は胸がキュンとする。

風景や状況描写も丁寧で、土のにおいや湿った草原や、乾いた風が吹きぬける様子など、読んでいて気持ちよくなっちゃう。植物や動物の名前がたくさん登場したりね。

児童文学、イイネ!

当あさよるネットでは時折「児童文学ってイイネ!」という記事を書いております。これはあさよるネットの中の人が単に、思い出したように児童文学を読んでみては、「これは良いものだなぁ……」と唸っているだけなのですが。

過去にイイネ!と唸っていたのは『魔女の宅急便』と『精霊の守り人』でした。どちらも映像化されているのでご存知の方も多いでしょう。ぜひ原作でも読んでみてください。

『新装版 魔女の宅急便』(全6巻)|児童小説をあなどるなかれ!

『精霊の守り人』|守り人シリーズ第一作。謎、バトル、ファンタジー

あさよるは個人的に、読書ってジャンルをこだわらずにイロイロ雑多に読む方が、どんどん読書が楽しくなってゆくと思っているので、子ども時分に「児童文学ばっかり」になるのはオススメじゃないんです。だけど、あれもこれも色んな本や辞書や図鑑などなどを読む中で「児童文学も読む」のはgoodだと思います。こんなに名作もたくさんあるしね。

もちろん、大人も「大人向けの本ばっかり」じゃなくってたまには「子ども向け」「児童文学」を読んだっていいじゃないか!と、そういうスタンスで行こうと思いますw あまりたくさんを読んだことないので楽しみです。

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『精霊の守り人』|守り人シリーズ第一作。謎、バトル、ファンタジー

こんにちは。今年は小説をしっかり読みたい あさよるです。

10代~20代半ばくらいまで、物語しか読まない人だったのですが、読まなくなっちゃうと、流行や話題の本にも疎くなってしまいました。

テレビで、綾瀬はるかちゃん主演のドラマ『精霊の守り人』の宣伝をよく見ていて、なんかカッコいい雰囲気に惹かれていました。

児童文学が原作だと知り、さっそく読み始めたのでありました。

あらすじ

老練な女用心棒バルサは、新ヨゴ皇国の二ノ妃から皇子チャグムを託される。精霊の卵を宿した息子を疎み、父帝が差し向けてくる刺客や、異界の魔物から幼いチャグムを守るため、バルサは身体を張って戦い続ける。建国神話の秘密、先住民の伝承など文化人類学者らしい緻密な世界構築が評判を呼び、数多くの受賞歴を誇るロングセラーがついに文庫化。痛快で新しい冒険シリーズが今始まる。

精霊の守り人 (新潮文庫) | 上橋 菜穂子 |本 | 通販 | Amazon

「精霊の卵」を体内に宿された皇子チャグムは、皇帝が自らの威厳を守るため、幼い命を狙われます。

短槍使いのバルサは、チャグムの母の命令でを、チャグムを命がけで逃がします。

精霊の卵とはなんなのか?

一国の建国神話や、地域の伝承を集めていくうちに、卵の正体、そしてチャグムの運命が暗示されてゆきます。

児童小説なの?

『精霊の守り人』は、1996年に発表された児童小説です。

…といっても、これ、子ども向けなの?とびっくりしてしまいました。

著者の上橋菜穂子さんは文化人類学者でもあられます。そのせいなのか物語中の民話や伝承、そして物語世界に生きる人々の風俗も、なんだか本当にそんな世界が存在するようです。

そして、「謎」。

チャグムが持つ不思議な力は、物語冒頭から示されますが、些細なものです。しかし、お話が進むごとに、その描写に意味があることに気づきます。

チャグムの体内にあるという「卵」。その卵を抱えて守っているチャグムこそ「精霊の守り人」です。

その精霊とは、どうやら水の精らしいのですが……。水の精を狙うモノや、皇帝からの刺客が入り乱れ!

バトル要素、謎解き要素、魅力的なファンタジー世界、力強いキャラクターたち!

入り組んだスト―リーに、えええ!?これが児童文学なの!?大人でも十分面白いんですけど!

オモロー!

運命に翻弄され、運命と生きる人びと

あさよるが、『精霊の守り人』っていいなぁと感じたのは、登場人物たちが、それぞれの運命のなかできちんと地に足をつけて生きていることです。

皇子の身分から一転、逃亡生活が始まったチャグム。

幼いころに父を亡くし、短槍術を使い用心棒をしているバルサ。

物語の主役である二人も、抗えない運命に翻弄されながらも、それでもしっかりと立っている。

運命に逆らうでもなく、運命を受け入れるでもない。

荒波の中で、しっかり生きる人びとの描かれ方が、すごくいいなぁと思いました。

シリーズ全10作なんだって

NHKのドラマにつられて読み始めたのですが、すごく面白い本に出会ってしまったー!

あさよるはこの『精霊の守り人』を全然知りませんで、「守り人シリーズ」なるものがあるようです。

本書『精霊の守り人』一冊でも完結しているのですが、この語、バルサとチャグムの物語は続くそうです。

ちなみに、バルサが主人公の作品は「守り人」、チャグムが主人公の作品は「旅人」です(と、wikiにあったw)。それら併せて「守り人シリーズ」と呼ばれ、全10作。

プラス、短編集が2作。

読みたいっ!!ヽ(=´▽`=)ノ

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コリコの町の人々と関わり、悩み、成長する『魔女の宅急便2 キキと新しい魔法』

角野栄子『魔女の宅急便2 キキと新しい魔法』書影

「働く」ことは、誰にだって同じことなのかもしれません。14歳の魔女、キキも同じです。

魔女の修行のためにコリコの町へやってきたキキも、宅急便をはじめて2年目です。お届け物を請け負って、町の人に喜んでもらっています。キキの貢献で、魔女への悪いイメージも払拭されつつあります。

しかし、キキの仕事は順風満帆ではありませんでした。「町の人に喜んでもらいたい」と始めた仕事なのに、不意に「黒い手紙」を運んでしまったからです。結局は勘違いだったのですが、キキが運んでいる物は、人の良心ばかりではないのかもしれません。

キキは悩み戸惑います。自分の仕事について、魔女について、自分の持っている魔法について。

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