美術

『6歳から 親子ではじめる 書道教室』|身近にアートを^^

書道って、いちばん身近なアートなのかも?

お習字を習い始めるも、なかなか上達が見られない あさよるです(-_-;)>

これまでにも、書や書道、習字に関する本を数冊紹介しました。あさよるはてっきり「こういうものは手を動かしてナンボ!」と思っていましたが、意外と知識面も大事なんだなぁと知りました。

文字の成り立ちを知ったり、書の変遷に触れることで、なんだか筆を持ったときの気持ちが変わると言いますか……取り組む課題の理解度が、重要なのだなぁと思いました。

そして、今回紹介する『書道教室』で、やはり「書」や「文字」への理解が大事なんだ!と改めて確認できました。

字、キレイに書きたいよね!?

なんか、ほら。字がキレイだと「賢そう」に見られる法則ってあるじゃないっすか?クラスで一番字がキレイな子とか、完全にカシコキャラでしたよね!?

あさよるはね、そういうキャラとは程遠い生徒でしたよ……( ´Д`)=3 今も自分の字を人に見られるのは「恥ずかしいなぁ」なんて思っちゃいます。

サラッと美しい文字で、パパッと走り書きをしたメモを、サッと渡せる人になりたい(?)

習字、なにから始めればよいのやら

で、「さぁ習字をしよう」「久々に筆でも持ってみようか」と思っても、何から始めていいかわかんないんですよね。

「どんな道具を用意すればいいの?」「どんな教材を用意すればいいの?」って悩んでも、教えてくれる人はおらず……やっぱ書道教室へ通うのが手っ取り早いのでしょうか……。

確かに学校で習字の時間があった。だけど、学校で習うお習字って、エッセンシャル版というか、コンパクト版というか、そんなイメージ。

はてさて、大人になってから習字を始めるためには、なにから始めてよいのやら……。

悠人くんとお母さん(友子さん)の、書道はじめました

『親子ではじめる書道教室』は、その名の通り、小学生の悠人くんと、そのお母さん友子さんが卒啄(そつたく)先生の書道教室へ通いはじめる所からお話が始まります。

漢字の書き取りが嫌いな悠人くんを心配して、お母さんの友子さんが卒啄先生の元へ訪れ、二人で書道を習い始めます。「書」を通じて、文字への理解も深まってゆきます

子供向けと大人向けがいっぺんに!

『親子ではじめる書道教室』では、卒啄先生、悠人くん、お母さんの三人のセリフでページが進んでゆきます。時々、ネコの空ちゃんも参加。

本書『親子ではじめる書道教室』のすごいところは、書道を始めるのは“親子”だってことです。すなわち、「大人と子どもが一緒に書道を始める」んです。

ふたりとも初心者。右も左も分からない書道ですから、わからないことばっかり!

子どもの悠人くんは、子供らしい質問や疑問、好奇心を先生にぶつけます。お母さんの友子さんはもちろん、大人の質問や疑問、好奇心を先生にぶつけます。

卒啄先生は、子どもと大人、それぞれに適切なアドバイスや興味深い話をします。

どんな筆がいい?硯の使い方は?お手本ってなに?

悠人くんもお母さんも書道初心者ですから、まずは道具を揃えないといけません。また、道具の使い方も知っているようで知らない人も多いハズ。

どんな筆を選べばいい?筆ってどうやって下ろすの?硯の使い方、コレであってるの?

そして、書道のお手本って一体何?なんで大昔の人の字をマネするの?

素朴だけど、誰も教えてくれなかったギモンに卒啄先生が教えてくれます。しかも、子どもにも、大人にも。

あさよるは、硯の使い方が間違っていると知りガーン!Σ(゚д゚)!!!ちなみに、あさよるが間違っていたのは硯に水を入れる位置。これまで、硯の溝になっているところにボタボタッって水を入れてたよ……ホントは、平らなところに数滴落とすんだって……(みんな知ってました……?)

「書」というアートを身近に!

お習字って、小学校の授業でも習いましたし、習字教室に通った経験のある方も多いでしょう。

思えば、あさよるの習字の先生は、書家の先生でした。最も身近に存在するアーティストは、書道の先生ではないかと思います。

巷にアーティストがゴロゴロいるんだと思うと、すごいなぁ。

日本の義務教育を受けた方なら、筆を握って文字を書いたことがあるでしょうし、「書」というものを目にしたこともあるでしょう。

最も身近なアートを、更に身近に感じ、更に更にお習字始めちゃったら……どんな生活が待っているんでしょう~。

『親子ではじめる書道教室』は、その辺の「気になる所」を優しく&易しく教えてくれる一冊です。

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『ぼくの哲学』|世界で一番おいしいのはマクドナルド

こんにちは。アンディ・ウォーホルの『スーパースター』という映画が見たい あさよるです。レンタルは探してもなかったんですが、今見るとAmazonビデオで見れるようですね°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

ウォーホルつながりで彼の著書を読んでみようと『ぼくの哲学』を手に取りました。アンディ・ウォーホルの自伝で、彼の愛、美、働くこと、時、死、経済、成功、芸術や、掃除や下着のこと、すなわち「生きること」諸々の〈哲学〉を、アンディ自身が残したものです。

アンディ・ウォーホル / スーパースター [DVD]

アンディ・ウォーホル / スーパースター [DVD]

  • 作者:アンディ・ウォーホル
  • 出版社:コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2005-09-02

現代のわたしたちの哲学

アンディは朝起きると電話をします。誰かと。自分は匿名のAとして、電話友達の匿名のBと話すのです。彼らの会話は他愛もないものです。匿名Aのアンディはニキビを気にして、Bは男の子とのデートのためにムダ毛を気にしています。

本書『ぼくの哲学』は、現代人の哲学なのかもしれません。わたしたちだって、朝起きてスマホを手に取ります。誰かにスタンプを押して、何かをツイートして、とりとめもない朝のコミュニケーションが始まります。ある子はメイクで二重を作る職人技を駆使し、ある人は髪型で小顔を作ります。

アンディは、世界で一番おいしいのはマクドナルドだといいます。そうかもしれません。だって、マクドナルドは貧乏な人が食べても、裕福な人が食べてもみんな同じ味の食べ物が出てくるお店です。お金や服装で味が変わることはありません。みんなおいしい。

アンディってどんな人なのでしょうか。アメリカで大成功したお金持ちですが、普通の暮らしをしているようにも読み取れます。ナイーブでデリケートな男性にも思えますが、強気で頼もしい人にも思えます。彼はスーパースターなの?なのにすごく平凡!アンディは新聞や雑誌の取材で、いつも違った発言をしていたそうです。だから彼のインタビューを読んでも、彼のシルエットは見えてこない!

そんな気まぐれで奔放な言動は彼のような〈特別な人〉だけの話……ではありません。そんなの今や誰もがスーパースターのように振る舞っています。あっちのアカウントで罵詈雑言を吐き、こっちのグループで見目のいい写真をアップし、あのタイムラインでは友人とつるんでいます。あっちこっちで違うこと言葉を使い、違う自分で、違った世界を見ています。

アンディ・ウォーホルの哲学は、今やだれもが共有している哲学なのかもしれません。どこまでもフラットで、嫉妬が渦巻き、平凡で、みんながスターで、みんな恋や見た目を気にしてる。

〈価値〉ってなんだろうか

ピカソは生涯で4千枚の絵を描いたと知り、アンディはそんなの1日で描けると言います。シルクスクリーンで大量に刷ればいいからね。実際には、1日じゃ無理だったみたいだけど。というか、やってみるからすごい。

シルクスクリーンなら名作がいくらでも作れます。だって1枚目が傑作だったら、他のみんなも傑作です。現実に我々は、映像やアニメーションや音楽やゲームや、複製可能な傑作をたくさん知っています。たった一つしかないから、貴重だから大切だった頃とは、違った貴重さをみんなが知っています。

値段が安いからって悪いものとは限らないことも知っています。もちろん高くていいものもあるよ。だけど、圧倒的多数の庶民が持っている良いものだってある。

余談ですが、あさよるが気に入って使っているクリニカの歯ブラシはまじ名品だから使ってみて。たった100円ちょっとで変わるから。サイズいろいろあるから選んでみてね。大量生産の名品だ。

価値って、「高いからいい」とか「貴重だからいい」じゃないんですね。アンディが〈ぼくの哲学〉を語るように、みんなが〈ぼくの哲学〉を持って生きている。もしかしたら「自分はこうだ」って自分で言えなきゃいけないから、難しい生き方なのかもしれないけど。

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『手帳スケッチ 出会ったモノ・ヒト・コトを絵で残すコツ』を読んだよ

関本紀美子『手帳スケッチ』書影

ライブ会場など、開演前に舞台のセットや楽器などをパパッとノートに走り描きすることがあります。
あとで思い出すためのフックになる資料ですので、細かく描く必要はありません。
専用の画材を使うでもなく、たまたま鞄に入っていたボールペンやメモ帳です。

『手帳スケッチ 出会ったモノ・ヒト・コト』を読んで、もうちょっと画材らしいノートやスケッチブック、ペンを携帯するのも悪く無いなぁと思いました。

しかし、スケッチは慣れるまで難しいものです。
その場でササッと描くには、頭の中で風景や対象を編集しながら、ペンを走らせます。コツが掴めるまで練習が必要ですね。
私も以前、スケッチをしました。

興福寺・五重塔のスケッチ、油性ペン

もっと端折って要素を減らし、勢いのあるものにしたかったのですが……惨敗といったところ。力づくで、塔に見える程度には持ってこれたのは◎。
奈良県、興福寺の五重塔を描いたのですが、分かりますでしょうか……。

もっとデフォルメしたイラストの方が、初心者にはとっつきやすいでしょう。

ボールペンで描くイラストのアイデア本も、たくさん書店でも並んでいますね。中でもこの、坂本奈緒さんの著書は私も参考にしていました。
メモに小さなイラストを添えたり、手紙や手帳を彩ったりと、生活がちょっぴり華やぐアイデアが詰まっています。
こちらの場合は、道具も赤・青・黒のよくある3色ボールペンがあれがすぐ始められるのも魅力です。

今では、美味しそうなご飯や、きれいな風景を見つけては、スマホでパシャリ。それをSNSでシェアすることもよくありますよね。
そんな時、ちょっと一手間加えて、ササッとイラストにしてみても楽しいですね。

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『「美しい」ってなんだろう? 美術のすすめ』を読んだよ

学ぶことと、マネすること

「マネる」と「学ぶ」。どちらも同じ「まねぶ」という言葉から生まれたと言われています。
マネをすることと学ぶことは、もともとは同じものなのです。

私たちは日本語を読んだり書いたりします。学校で国語の勉強をしたからですが、そもそも小学1年生になるまでに、みんな日本語で会話ができるようになっていますよね。
生まれてから小学校に上がるまでの間にも、お父さんお母さん、おじいさんやおばあさん、お兄さんお姉さんや、親戚や友達、地域の大人たちと関わることで、言葉を覚えてゆくのです。

赤ちゃんはモノマネの天才!?

当たり前ですが、生まれたばかりの赤ちゃんは言葉が喋れません。
赤ちゃんはママをはじめ、周りの人たちと向き合って、お互いに「あー」とか「うー」とか、マネをしあって遊びます。「MMMMM(ムムムムム)言語」というそうです。
更に、赤ちゃんのしぐさや表情をマネすると赤ちゃんが喜びますし、私たちがペロッと舌を出したり、「あー」と口を開けたりすると、赤ちゃんもマネしてくれます。
赤ちゃんと言葉ではお喋りはできないけれども、一緒に遊ぶことができるんです。

そして、赤ちゃんは遊びながら、少しずつ言葉を覚えてゆきます。マネをして、遊びの中で学びとってゆくんですね。
そう、学ぶことって「遊び」でもあるんです。

私は今、英語の勉強をしているのですが、なかなか上達しません。一つ覚えると一つ忘れてしまって、いやになってしまいます。
しかし「マネる」ことを考えると、私は英語をマネする回数が少ないのかもしれないと気付きました。できれば、英語がペラペラのアメリカ人と一緒に遊びながらマネができれば良いのですが、そうは上手くいきません。
自分の力で、たくさん英語の会話をマネするチャンスを作らないといけませんね。どんな方法があるのでしょうか。

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『スケッチは3分』|メモ感覚で絵を描こう

山田雅夫さんのスケッチ論は「工学」からの切り口だ。アートやデザインから絵を描いている人にとっては刺激的だ。

山田雅夫さんといえば「15分スケッチ」のシリーズの著者だ。わたしも何冊か読んだ。本書はもっと短い、3分間でスケッチを完成させる。日記のように身近な記録を残すのにも最適な時間の長さだろう。メモ帳にちょちょっとメモを取るように、目に映った景色や人物、物も記録に残そう。

3分という短時間でのスケッチだから、細部まで精密に書き込むことが目的ではない。「そのものらしさ」の印象と、質感や雰囲気、気配なんかをササッと描いてゆく。このとき、写真には写りにくいデティールも、目視にて確認し、描いてゆく。記録として写真を撮るのは便利だけど(今はみんな高性能なスマホカメラを常に持ち歩いているし)、微妙や質感の違いや、細かな細工などは写真に収めにくい。カメラでは撮れない情報も、絵なら盛り込めるのだ。

本書『スケッチは3分』は、新書でさらっと描いてある本だけれど、前提となっている知識は膨大だ。本書を本当に読み解いてゆくには、結構勉強しないといけないんじゃないだろうか。ということで、絵を描き始めた初心者さんから、ベテランさんまで、それぞれのレベルに合わせて読み込める良い本だと思う。

あと、「写真に撮れば、絵なんて描く必要ないじゃん」と考えている人にも読んで欲しい。意外にも写真というのは、目で見えている像とは全く違うものが写っているものだ。そして、絵で描いた方が「そのものらしさ」を描きとれることもある。どっちが優れているわけでもなく、どちらも使いこなせるのが理想的だろう。

新書で軽く読める、だけど深く考えさせられる。そしてそれ以上に、すごく絵を描きたくなる! 良書でした(`・ω・´)b

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