50 技術、工学

『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』

ターミネーターの世界はやってくる?

というか、人工知能ってなんだ??

きっかけ

『人工知能は人間を超えるか』は、今話題の!ですね。

2015年3月に発表され、依然としてあちこちの読書系ブログさんや、読書メーターで話題になっているのを見て、あさよるも読みたいなぁ!と以前からチェックしていました(^^)/

まずは「人工知能」とは何か?

「人工知能とは」と初歩的な内容から紹介されており、あさよるのような不案内な人間には、『人工知能は人間を超えるか』の導入部分はありがたく、また興味深いものでした。

まず「人工知能」、まるで人間のような知能を持つコンピューターは、未だ登場していません。しかし、人間の脳が電気回路であり、電気信号により思考していることを考えると、同じく電気回路を用いるコンピューターが、知能を持たないということはありません。

人間が電気回路を使い、なんらかの「計算」をしている状態が「知能」なのであれば、それが再現できればコンピューターも知能を持つということですね。

鳥の羽ばたきと、飛行機

また、こんな例も紹介されていました。人類は鳥のように空を飛ぼうと、鳥と同じように羽を羽ばたかせた。しかし、実際に実現した「飛行機」は羽ばたかず、ジェットエンジンを使い、空気の上を滑空するものでした。「空を飛ぶ」を実現したとき、元のモデルになった鳥の羽ばたきとは全く違うものでした。

人工知能が実現するときも、このように起こるのかもしれません。

すなわち、人間の知能を再現しようと研究を始めたが、完成する人工知能は、人間の思考法とは違うけれども、別の方法で同じような知能が実現するかもしれないのです。

そう考えると……ますます人工知能って、どう思考するのか、どんな手順を踏み、「知能」を獲得するのか、好奇心が掻き立てられますね。

知識がないとやや難しいかも…

『人工知能は人間を超えるのか』はとても面白い本です。とってもオススメ。なのですが……。

どうやらAI、人工知能やコンピューターについて、最低限の知識は持っていないと、読み解いてゆくのは大変かもしれません。

これを書いている あさよる 自身が、とてもサッパリわからない分野であったので、人に聞いたり、調べながら読みました(^_^;)>

もちろん、少しネットで調べればヒットするものですから、手間はかかりますが、じっくり読めば問題ないでしょう。

文体も平易で読みやすい文章ですから、「ググればOK!」ってことで(^^)v

「ディープラーニング」でAIが進化する?

人工知能と聞くと、あさよるは人間と将棋を指すコンピューターを連想しました。コンピューターが勝ったとか、人間が勝ったとか、時折ニュースになりますからね。

現在、東大合格を目指す「東ロボくん」も日夜、着々と偏差値を上げ、日本中の大学の合格判定内に入ってきているそうです。一方で、「コンピューターって東大合格出来ないんだ~」「そういうの得意そうなのに~」と思いました(笑)。

よく思春期の頃、「私はコンピューターじゃないんだから、教科書通りにできないよ!」なんて思ったりしていましたが、実はコンピューターもできなかったんですね(苦笑)。というか、テキストの通り、先生の指示通り行動できるのは、「人間らしい」ことだったのかもしれないと思いましたw

ディープラーニング経験の数で勝負!

人工知能研究は、さまざまななアプローチがなされてきました。

問題に対し、最適の解を導き出そうとすると、すべての場合を考えねばならず時間がかかります。人間の場合、勘とか思いつきとか、「見たら分かる」とか、瞬時に判断できることが、すべての場合を考えるコンピューターにとっては、莫大な情報量なんです。

ですから、外れても良いから、手当たり次第チャレンジをして、「失敗する」という経験を積むことで、ハズレを引かない確率を上げてゆく方法があります。

また、人間にとってはひと目で分かる画像も、コンピューターにとっては見分けが難しい。写真に写っているネコを見分けるには、かなりの経験が必要です。さらに、ネコとライオンを見分けるとなると、至難の業。

ビッグデータを用い、たくさんの画像を処理し、ネコと、ネコじゃないものをどんどん判断し、たくさん失敗することでネコを見分ける精度を上げてゆく。このような方式を「ディープラーニング」と言うそうです。

本書『人工知能は人間を超えるのか』ではディープラーニングについてページを多く割かれていました。日本全国の天気の欠けた情報を与え、全国の天気予報の正解率を上げる話など、面白く読みました。

映画『ターミネーター』は実現しちゃうの!?

人工知能と聞くと、映画『ターミネーター』を連想してしまいます。

『ターミネーター』の舞台は2029年。コンピューターが人工知能を持ち、反乱を起こします。人類は絶滅の危機に立たされます。『ターミネーター4』では、人工知能のコンピューターたちが支配する未来の様子も描かれ、とてもコワイ……。

ねぇ!人工知能ってコワイものじゃないんですか!?

著者・松尾豊さんのお答えはズバリ!「人工知能は人類を超えない」。

人間というのいうのは、知能だけの存在ではありません。「人間=知能+生命」なんです。そして、“生命であること”が人間を突き動かしています。生存のために、知能や本能を駆使し生き残ろうとするのです。

しかし、コンピューターには本能がない。もし、本能のようなプログラムが登場しても、生命を、肉体を持っていない。ここが、人間と人工知能の大きな違いなんです。

……ホットするような、ちょっとガッカリするような(苦笑)。

と言っても、人工知能の開発、まだまだ序の口っぽい!本書『人工知能は人間を超えるか』も、著書の考えが色濃く反映されているようなので、また違った方面からの研究、考えを持っている人の書籍も読んでみたく思いました。

とってもオススメ!

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『万年筆を極める』を読んだよ

はさみ、万年筆 憧れの文具

ブログに掲載するイラストは、スケッチブックにボールペンとコピックマーカーで描いています。使っている画材について、このブログでも今後、紹介してゆこうと考えています。

普段は、着彩には色鉛筆や水彩絵の具か、Photoshopを使います。
特に用がなくても画材店へ足を運ぶこともあり、画材や文具を一通りチェックします。自ずと画材や文具が増え、部屋の中を占領してゆきます。

片付けた結果、物をなくす&探す頻度が劇的に減る

昨年、2015年は片付けに明け暮れる年でした。
せっせと片付けをしていると、同じものがいくつもいくつも出てきました。最たるものはボールペン。一体、何十本廃棄したのでしょうか。良い物なら使うこともできますが、10本数百円でまとめ売りされていたものなど、書き味イマイチで放置してあるものも多数でした。

ボールペンがたくさんある弊害の一つは、インクが少なくなったペンと、新品のペンが混ざってしまい使いづらかったこと。ちゃんとその都度、分別すれば問題はないのですが、書物をしているときは、インクが薄くなっただけなので筆箱に戻し、違うペンを手に取っていました。
すると延々と書いてみる→インクが薄い→他のペンに変えるという面倒臭いことを繰り返すので、今となればストレスだったんだと思います。

ボールペンやシャープペンシルは、太さや色ごと書きやすい1本ずつ選び、あとは処分しました。
今、手に取るペンはみんな使いやすいものばなりなので、ストレスフリーです。

ボールペンを買い込んでしまう理由は、ペンを忘れたりなくす度に新たに買い足していたからでした。そのペンを1本にしてしまうと、なくした時に困ってしまうと心配でしたが、これは杞憂でした。
ペンが1本になると、意外とペンをなくさなくなりました。ひとつしかないので、大切にするようになったのです。これはいいやと、複数ストックがあるものの見直しを、今年はしてゆこうと思っています。

はさみを買い換えた

ペンをなくさなくなったので、“こだわりの1本”みたいなものを探してみるのも良いと思い始めました。私の場合は、文具は画材としても使うので、新たな文具を使うことは画材が増えることでもあります。

手始めに、はさみを買い換えました。歯がカーブした形のはさみは、近年開発された形状で、はさみ史上、重大な発明だと少し前にニュースで読んでいました。試したことがなかったので、興味津々です。

はさみは、筆箱用にコンパクトサイズをもう一つ欲しいです。

そしてペン!ついに万年筆を使う日が?

さて、ペンです。ペンといえば、やはり万年筆が欲しい。
これまでの私はなんでもなくしてしまっていたので、100円ボールペン以上の価格のペンを欲しいと思ったことがありませんでしたが、事情が変われば、良い物が欲しい。
しかし、何本も何本も買い集めるのは、片付けをした意味が薄れてしまいます。

しかし、万年筆初心者なので、まずは下調べから。

『万年筆を極める』は、ペン先の形状の違いや、それによる書き味の違い。万年筆のブランドと、その代表する商品を写真付きで紹介されているから勉強になります。価格帯も、超高級なものからお小遣いで手に入りそうなものまで。
そして、忘れてはならない、お手入れの方法。

私の場合は、予算3千円までで手に入ればいいかなぁと思っていましたが、各ブランドでも十分その価格帯のラインナップがありそうです。

万年筆を極める

  • 監修者:赤堀正俊
  • 執筆・編集協力:(株)エディ・ワン
  • 発行所:株式会社 かんき出版
  • 2008年2月22日

目次情報

  • はじめに
  • Introduction いいね、こんなときに万年筆
  • Chapter 1 まず一本、自分だけの選び方
  • 見るほどに欲しくなる! 海外3大ブランドの輝き PART 1 モンブラン
  • Chapter 2 万年筆ライフを楽しむ作法と心得
  • 見るほどに欲しくなる! 海外3大ブランドの輝き PART 2 ペリカン
  • Chapter 3 愛する万年筆のかわいがり方
  • 見るほどに欲しくなる! 海外3大ブランドの輝き PART 3 パーカー
  • Chapter 4 「とびきりの1本」とめぐり逢う
  • 見るほどに欲しくなる! 国内3大ブランドの輝き PART 1~3 セーラー/パイロット/プラチナ
  • Column 1 国産万年筆の起源は江戸時代にあり?
  • Chapter 5 万年筆ライフを潤わせる「インクの色気」と「小物」
  • もう1本欲しくなる! 人気海外6ブランド PART 1~6 アウロラ/ウォーターマン/シェーファー/デルタ/ファーバーカステル/ビスコンティ
  • Column 2 インクには3つの種類がある

監修者紹介

赤堀 正俊(あかほり・まさとし)

◎――万年筆専門店の「書斎館」オーナー。1991年、南青山に「書斎館」をオープン。1994年には羽田空港に「Shosaikan」も出店する。ひとりでも多くの人に万年筆の魅力を伝えたいとの思いから、本業だけにとどまらず、万年筆の普及のために筆記具業界が共催している「Heart Line Project」にも精力的に取り組んでいる。

『トコトンやさしい水道管の本』|水道の歴史!種類!管理!修繕!

こんにちは。楽しみは後に取っておく方の あさよるです。本書『水道管の本』も、「あとで読もう」とずっと積んでいた本でした。この「今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい~」のシリーズを以前読んで面白かったので、これも楽しみだったのです。

本書『水道管の本』は、水道管に関するあらゆることが収録された本です。水道管の歴史、水道管の原理、水道管の素材、水道管の設計や修理、特殊な水道管、水道管のトラブルなどなど。各節は見開き2ページにイラスト付きで分かりやすく掲載されています。

町に見えない川がある!

水道の歴史は古く、エジプト王朝や古代バビロニア王朝でも水道の遺構が見つかっているそうです。本格的な水道は古代ローマのアッピア水道。エルサレムにあるヒゼキア王のトンネルが世界最古の水道トンネルです。日本じゃ小田原早良上水が最古の水道設備として記録されています。現存する最古の水道は熊本県の豪泉水道です。太閤下水は現在も使われています。

水道管に使われる素材も多種多様で、作り方と特性によって使い分けられているみたい。時代と共に使われなくなる素材もある。素材を聞いただけで設置された頃や目的までわかるのかな?〈利き水道管〉したいw

水道管が町中張り巡らされているようすを想像すると「我々は川の上に棲んでいる」とも言えるのではないだろうか。町には目に見えない川が流れ、流れ続けているのだ。

管理し続ける仕事

ローマ水道もローマ帝国の滅亡により破壊され荒廃してしまいました。水道管は管理し続けなければなりません。現在使われている水道は、日々誰かが管理し続けているということです。本書でも管理、点検、修繕の様子が紹介されているんですが、なんだか途方もない話で唖然!

人が入れない水道管もありますし、有毒ガスが発生していたり、低酸素状態の水道管もあります。危険を伴う仕事の上、気の遠くなるような地道な作業ばかり。鏡を使って地上の光を取り込んだり、車に乗せたライトやカメラで水道管内を点検するマシンがカッコいい。また、超音波やX線を使って水道管内を点検したり、ハイテクとローテクが入り乱れている感じがいい。

他人の仕事にアーダコーダ言えない

うちのご近所も水道工事でしばらるドカドカと賑やかで大きな車も出入りしていたんですが、「おお!この水道管を掘っていたのか!」と思うと、煩わしさは吹っ飛んで「カッケー!」と興奮してしまいました。他人様の仕事にゴチャゴチャ言っちゃあいけないっすな。何か必要があってやってるんだろうし。

この「トコトンやさしい」シリーズはお気に入りで、あさよるネットでも『トコトンやさしい染料・顔料の本』を紹介しました。こちらも、人の知恵の集大成を見ているようで良い本でした。本書の著者、高堂彰二さんも本シリーズで他にも本を書かれているようなので読んでみたいです。

「色」をとりまく人の知恵、すごい!『トコトンやさしい染料・顔料の本』

トコトンやさしい染料・顔料の本 (今日からモノ知りシリーズ)

トコトンやさしい染料・顔料の本 (今日からモノ知りシリーズ)

  • 作者:中澄 博行,福井 寛
  • 出版社:日刊工業新聞社
  • 発売日: 2016-02-09

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『「仮想通貨」の衝撃』|もうみんな使っている仮想通貨って何?

こんにちは。ビットコインが欲しい あさよるです。いや、目的がないんですけど、なんか話題になってると欲しくなるんですよね~w そして「仮想通貨」の話ってあちこちで見聞きしますが、そもそも「仮想通貨」ってなんののよ!?と本書『「仮想通貨」の衝撃』を手に取りました。

まず、〈通貨〉そのものがヴァーチャルなものだと改めて説明され衝撃w そして、すでに我々は「仮想通貨」を使いまくっている事実にも衝撃w  「仮想通貨」を考えるとき、通貨についてだけでなく、社会全体、世界全体の歴史まで視野に入れて考えてゆく様子は、読んでいるだけでワクワクしました。

通貨って、そもそもヴァーチャル!

あさよるはビットコインとか、近年話題になる仮想通貨の話題を扱った本だと思ってページを開いたので、出だしから予想外の内容でした。それは、我々はすでに仮想通貨を使っているし、通貨とはそもそもがヴァーチャルな存在だということを、改めて説明されたからです。あさよるも、Amazonギフト券をもらうこともあるし、人にAmazonギフト券をプレゼントすることもある。一昔前なら、図書券やビール券やデパートの金券をもらったりあげたりしていた。これら仮想通貨で、ある特定の枠の中でお金を同じように使えます。

本書ではFacebookのポイントが例に挙げられていました。Facebookはユーザーの個人情報から顔写真まで集めた上に、仮想通貨まで持っている。この仮想通貨が通常の通貨と違うところは、ユーザーからユーザーへ渡すことができないこと。すでに世界で数億人が使っている仮想通貨です。著書は長らくFacebookを使っていなかったけれども、どうしてもFacebookに登録しないとプレイできないゲームがあったため、やむなくユーザーになったとのこと。

そう、このゲームの世界で仮想通貨は大活躍しています。不思議なことに、ゲームの世界では砂漠のモンスターも通貨を持っていて、やっつけると通貨と薬を落として行ったりします。プレイヤーはゲーム内の仮想通貨を集めてゆくことで、ゲームの世界に熱中してゆくのです。面白いのは、何もお金をプレイヤーに与えなくてもゲーム自体は成立するところです。“どんどんお金が溜まってゆく”“報酬が増えてゆく”ことに夢中になってゆくのです。

金券やお買い物ポイント、ゲーム内の通貨など、すでに我々は仮想通貨を使っています。

そして、そもそも「お金」というのはヴァーチャルなものです。そう、お金ってただの金属の塊や紙切れなんです。そこに「価値」を見出しているのは、ヴァーチャルな価値であって、マテリアルそのものではありません。通貨とは、そもそもがヴァーチャルなのです。

単一通貨がいいの?複数の通貨がいいの?

通貨の種類はたくさんあります。日本では円が採用されています。世界で流通する通貨は、一つに統一した方が良いのか、それとも多様性がある方が良いのでしょうか。

世界では統一通貨の方がメリットが大きいと考えており、通貨の統一が試みられていました。その結果生まれたのが「ユーロ」です。通貨を両替する手続きや交渉の手間が省けます。ユーロも最初の三年間はヴァーチャルな、まるでゲームの通貨のような存在でした。実際に紙幣が作られ始めたのは3年後からでした。世界最先端の通貨なんですね。

一方で、複数の通貨が流通するメリットもあります。ある国はインフレが必要で、ある国ではデフレが必要なとき、通貨が違っていれば、それぞれの都合に合わせて流通する通貨の量を調節できます。これが統一通貨だと、どうしようもありません。

すでに仮想通貨を使っている?

ビットコインのような現在話題になる仮想通貨の話を期待してページをめくり始めましたが、我々はすでに仮想通貨を使っているという事実を知りました。

しかも、仮想通貨はとても身近です。

通貨は、他者とお金と物やサービスと“交換”したときに、表に現れ課税対象になります。家の中に宝石が転がっていても課税されませんが、それを交換すると税がかかります。お金が動くと政府はそれを見つけます。しかし、仮想通貨は見つけにくい、あるいは見つけられません。通貨が統一される方がいいのか、複数存在する方がいいのかは微妙なところです。不思議なことに、ゲームコインはインフレを起こすことはあっても、デフレはほぼ起こらない。通貨と仮想通貨の間で、認識が違っているのでしょうか?

また、所持する通貨は増えていくと嬉しい。だから、ゲームでもどんどんお金を溜めてゆくのが気持ちよくって、もっとゲームがしたくなる。通貨って不思議なもので、その価値を集めることは何ともヒトにとって快感なようです。単に、「なんでも買える」「なんでもできる」から欲しいワケじゃないらしい。

仮想通貨がリアル世界に流れ込んでくるとき、世界に変化が起こるでしょう。Facebookのポイントも、他人と交換できる機能が加われば大きく変わるのかもしれません。一方で、現実の通貨と、仮想通貨では人々の扱いもちょっと違うっぽい?

「通貨とは何か」「仮想通貨とは何か」をじっくりと考えながら、バーチャルとリアルの関わりが面白い本でした。

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『トコトンやさしい人工知能の本』|目覚まし前にエアコンつけといて

こんにちは。Google Home が欲しい あさよるです。Amazon Echo のレビューと読み比べていて、 コンセプトの違いがあるっぽくて、あさよるの場合は今のところ Google Home が先に欲しいかな~。

音声入力の人工知能は、今は siri ちゃんに検索やアラームをセットしてもらうくらいですが、これから対応してくれることが増えると楽しいかも。「鍵持った?」とか「お風呂焚いといたよ」「今日仕事じゃないの?」とか気を利かせて欲しいですな。おっちょこちょいの あさよるは待望しております。

と、AIに夢を膨らませていますが、AI(Artificial Intelligence/人工知能)ってなんだ? というワケで『トコトンやささしい 人工知能の本』を手に取りました。この「トコトンやさしい」シリーズお気に入りです(^^♪

人工知能ってなんだ?

人工知能という言葉の定義はなく、その時代やその人によって違った使われ方をしています。概ね「コンピュータが人間のように賢い動作をする」ことを言いますが、時代によって「賢い」の基準も変わっています。昔は数式やパズルを解くだけで「すごい!」ってなもんでしたが、近年では「コンピュータが人の仕事を奪うかも!?」なんて言われてます。近年の人工知能ブームは、コンピュータのアルゴリズムでは難しいと言われていた人間の「直感」や「感覚的」なものが、克服されつつあるからです。

どうしてコンピュータが思考ができるかというと、「論理的思考」は数式で表すことが可能だからです。こんな記述もあります。

電子回路と似ているのが神経の回路です。脳では神経細胞同士が互いに結びついて信号を送り合い、その過程で「かつ」や「または」、「ではない」といった論理的な変換をしていきます。

p.14

機械、ロボットの歴史も簡単に。古代エジプト時代には、空気の熱膨張を利用した「自動ドア」「自動販売機」がありました。18世紀にエンジンの調速機構が登場し、19世紀には複雑な模様を折れる織機が登場します。20世紀にはレーダーによって敵の飛行機の位置が分かるようになりました。20世紀後半にには、コンピュータが計算機から思考する人工知能へと主題が変わりました。ロボットの歴史が古代エジプトから始まるのもビックリですが、人工知能の歴史は超浅いんですね。

1950年代が探索や推論といった人工知能の基本的なコンセプトを提示する時代だったとすれば、60年代は実際的な問題への応用をはじめた時代、さらに70年代はその成果を知識工学として確立させた時代と言えます。

p.20

人工知能の開発は順風満帆ではなく、80年代90年代は冬の時代だったそうです。「人工知能ができないこと」がクローズアップされた時代でもあります。研究が進まなくなったのは「データ不足」。しかし、この問題はインターネットの普及で解決します。インターネット上に無数の画像やデータがあるからです。

2010年代には人工知能ブームが巻き起こります。

 第1の要因は、地道な研究の進展です。冬の時代でも研究は細々と続けられていて、1997年にはチェスで人間チャンピオンに勝つといった成果がありました。デジタルカメラが人の顔を認識できるようになったという進歩も驚異的です。
第2の要因は、インターネットが巨大なデータをもたらしたことです。機械学習を成功させるには、学習の手本となるデータの数が勝負です。SNSでの文章や写真、ネットショッピングの購買履歴、電車の乗車履歴など、多種多様で膨大かつ日常生活にまつわるデータが急に出現したのです。(中略)
第3の要因は、人工知能を必要とする巨大なネット企業の出現です。(中略)直接的な商業的価値を生み出すことが人工知能に期待されるようになりました。

p.24

人工知能の研究は、意外と人間くさい要因で発展しているんですね。人工知能の研究があり、そこにネットの普及、次いでネット巨大企業登場によって、研究が大きく進んだ。現在は商業的な人工知能に突き進んでいます。ここでは、個人情報の取り扱いという倫理的な問題も絡んできます。たとえ匿名であっても、購買傾向や発言の特徴から個人特定も可能ですから、ますますナイーブな問題もはらんでいます。

人工知能のネガティブな言説としては、「人工知能の台頭で人間の仕事が奪われてしまう」というものがありますが、その点は著者の辻井潤一さんは楽観的です。コンピュータができる仕事は人工知能に任せてしまえば、あいた手でより〈人間らしい仕事〉ができます。逆にいうと、現在は煩わしい作業に労力を奪われていますから、そこから解放されるのです。

人工知能について知る!

以上がだいたい第1章の内容です。

第2章は「人工知能を体感してみよう」という章で、人工知能がどのような方法で「思考」をするのかを、図解付きで簡単に解説したものです。人間にとっては子どもできる簡単な判断が、人工知能ではなかなか判別がつかないことも多いようです。例えば、犬と猫の写真を見せて、猫を選ぶということも。

第3章では「人工知能を支える基礎技術」として、人工知能が「思考」をするための「やり方」を紹介したものです。例えば、似ている者同士を分類したり、因果関係の確立ネットワークを組んだり、類似性を見つけ出したり、ネットワークの重要性を見つけ出したり、「傾向」を読んだり。こちらも、人間が思考するときにやっている事柄を、人工知能に当てはめています。

第4章はいよいよ「人工知能はどう応用されているのか?」です。ノイズ交じりのデータから隠れたニーズを見つけ出したり、例えば料理のレシピを読んでなんの料理か判断したり、画像を解析したり、健康管理を人工知能にお願いしたり。

第5章は「ディープラーニングはなにがすごいのか?」で、ディープラーニングの考え方が紹介されます。ディープラーニングは世界をどう変えるのか。もちろん、ディープラーニングの弊害もあるでしょう。このへんは、まだまだこれからの分野っぽいので楽しみです。

大人の事情な人工知能

人工知能の変遷や、現在の人工知能の使われ方を見ると、なんだかものすごく人間くさい。人の営みに寄り添っていると言えばそう。現在の商業的に特化している様子も、その時代その時代のニーズを反映していると思います。

また、人工知能の思考法を見てゆくことは、人間がどのように思考しているのか考えることでもありそうです。電子回路と、脳神経回路のつながり方が、具体的に似ているとは知りませんでした。

また、巷で語られるような「人工知能が人間を凌駕する」というようなターミネーターの世界は、今のところはまだ来てないみたい……? 著者の辻井潤一さんの考える人工知能は、人類を滅ぼす恐ろしいコンピュータ像ではなく、「人類の良き相棒」である人工知能であって、これかの技術の発展が楽しみです。

さて、いつになったら「ガスの元栓閉めた?」「お味噌汁温めといたよ」と、あさよるの世話をしてくれる人工知能が現れるのでしょうか。むしろガスは勝手に切れる仕様になって、味噌汁は人間が作り続けるのかもしれません。

あと、繰り返しの作業は人工知能に任すとして、「人間にしかできない人間らしい仕事」ってなんだろう? 意外とハートフルなほっこり系の話だったりする?

関連本

『人工知能は人間を超えるか』/松尾豊

『コンピュータが小説を書く日 』/佐藤理史

『人は感情によって進化した』/石川幹人

『トコトンやさしい染料・顔料の本』/中澄博行,福井寛

『トコトンやさしい水道管の本』/中澄博行,福井寛

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