地理、紀行

『14歳からのパレスチナ問題』|「宗教紛争でしょ」って納得してない?

こんにちは。地図が好きなあさよるです。世界地図なんて見ていると、行ったことがない場所ばかりですが、聞いたことのある地名がたくさんあります。「パレスチナ」もよく見聞きはするけど、それは一体どこにあるの?なんでニュースになってるの?どんなところなの?旅行した人も少ないだろうし、「知っているけど知らない」代表格なんじゃないでしょうか。

本書『14歳からのパレスチナ問題』は、タイトルに魅かれて手に取りました。なんとなく知った気になっていましたが、実は全然知らなかったパレスチナ問題が、整理されて紹介されています。

写真や地図、注釈も多くてオススメです。

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『古地図で歩く大阪 ザ・ベスト10』|大阪の成長記録、見てみない?

こんにちは。地図が(ちょっと)好きな あさよるです。なぜ(ちょっと)が付いているかというと、現在は地図好き活動を棚上げしているからです。小さなころから地図を作るのが好きで、学生時代にも何やら地図を作成していて、「こんな地図を作りたい」と理想を掲げつつ、リサーチを数年続けているうち、しばし停滞中なのです。

今回『古地図で歩く大阪 ザ・ベスト10』を見つけて、あさよるの地図好きスイッチが反応するものでした。大阪の街を扱っているので、大阪以外の方は楽しんでいただけるかわかりませんが(;’∀’)、地図や古地図が好き、地図を見ながら街を歩くのが好きな方、どうぞ!

古地図のたしなみ・大阪編

本書『古地図で歩く大阪』は、これから「古地図」などを嗜みたいを考えてらっしゃる方必見。同じ地域の地図を、時代の違う地図と比較してゆくことで、町の変遷を辿ります。本書で取り扱われている町は「大阪」。大阪の市街地周辺の地図を見比べて、大阪の町がどのように変化してきたのか〈地図〉という目で見える、手に取れるものでわかる、って、面白いですね。

本書は大きく3つの要素で構成されています。まず、大阪の街を取り上げ、古地図を見比べ、どのように街が広がっていったのかを比べて調べます。著者による街の歴史や由来、エピソードも交えながら進みます。そして、現在の地図を見て、実際に歩くべきルートや目印、行き先が記されます。更に、一口メモ的なコラムや、本物の古地図がどこで見れる&手に入るのかも紹介されています。図書館や書店、古書店等、大阪で手に入るところばかりです。

大阪に縁もゆかりもある人どうぞ(^^♪

本書の特徴は、大阪の街をよくご存じな方が読むと面白く、本を片手に街に出たくなることです。取り上げられる町は、梅田、中之島、御堂筋、ミナミ、天満、京橋、天王寺・阿倍野・住吉、十三、大正区、平野の10エリア。ね、いつも歩いている街のお話!

……そうなんです。本書『古地図で歩く大阪』は、大阪の街をよく知っている方は楽しい内容ですが、それ以外のエリアの方が楽しめる内容なのか?と言われると……ヒジョーに答えづらい。少なくとも「大阪入門編」ではなさそうですね(;’∀’) ある程度、現在の街を知っている方が読んで、再発見や再確認がある本だと思います。

ですので、ばっちりヒットする人の数は少ないのかな~と思いつつ、一応、大阪府民のあさよるは推しておきますm(_ _m) ちなみに、大阪の街をよくご存じの方は、知識や雑学としては知っている話も多いかも?本書の面白みは、大阪の街の物語を〈古地図〉を突き合わせて楽しむことでしょう。これ、なかなか面白いんです。

大阪って、新しい町なんだ!Σ(・ω・ノ)ノ!

あさよる的に面白かったのは、大阪の街は意外と新しいんだなぁということ。例えば、〈梅田〉の町は、江戸時代は町の外側で、墓地のある地域でした。そこへ、明治になって汽車が通り、梅田ステーションが登場します。駅ができたことで、町が広がりました。そして、梅田駅は時代とともに東北方向へ徐々に移動し、今の位置になりました。それに合わせて町も北へ東へ広がりました。ミナミの繁華街の中心〈難波〉も、もともと南海電鉄が〈難波駅〉を作ったことで、難波駅周辺が〈なんば〉と呼ばれ、街になりました。

現在の大阪の繁華街やビジネス街は、結構最近になってから発展した場所が多いんだなぁと知りました。大阪の街はもともと海だったところを埋め立てながら整備された街だと教わったことがありますが、その広がり方は近代に入ってから爆発的だったこと、そして現在の街は意外と昭和平成になってからの街が多いんだなぁと発見しました。

古代からの遺跡を内包しつつ、新しく広がっていく姿が、古地図を通してダイナミックに感じれたのが良かったです。

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『アヘン王国潜入記』|のどかな山間のアヘン栽培日記

こんにちは。人が読んでいる本が読みたくなる あさよるです。『アヘン王国潜入記』も誰かが読んでいるのを見つけて、読みたい本リストに入っていたのでした。だって、タイトルが『アヘン王国潜入記』ですよ!?で、表紙がコレですよ!?ケシのお花畑で武装した男性が笑顔で並んでるんですよ!?

と、インパクトしかなかったので、読みたかったのです。

本エントリーでは、ミャンマーを「ビルマ」と表記しています。本書『アヘン王国潜入記』が「ビルマ」表記ですので、それに倣いました。

世界の大麻薬生産地域に潜入

本書『アヘン王国潜入記』はノンフィクション作家の著者・高野秀行さんが、実際にビルマ(ミャンマー)のワ州と呼ばれる地域にあるムイレ村という閉ざされた村へ潜入し、村人と共にアヘンを育て収穫するまでの半年以上に渡る記録です。

まず、ビルマの一角がアヘン王国なのかという理由から。引用します。

 ゴールデン・トライアングル、もしくはその和訳「黄金の三角地帯」という名称は誰しも一度は耳にしたことがあると思う。インドシナのタイ、ラオス、ビルマの三国が境を接するあたりに広がる、いわゆる《麻薬地帯》である。麻薬といってもいろいろあるが、ここは麻薬の王たるアヘンもしくはアヘンを精製して商品化された非合法モルヒネやヘロインの世界最大の生産地である。世界のアヘン系麻薬の六〇~七〇パーセントはこの国境地帯から流出しているというもっぱらの評判であった。
しかし、タイとラオスはもともと生産量が少なったうえ、政府の規制でアヘンの生産は一九八〇年代に入ってから激減している。(中略)
ところが、ビルマでは諸々の事情からアヘンの生産量は落ちるどころか九〇年代になってからも増加する一方で、今ではゴールデン・トライアングルの全生産量の九割以上をビルマが担っているという。(中略)
といっても、アヘンはビルマのどこででも獲れるというわけではない。生産地は漠然とタイ、ラオスと国境を接するシャン州と考えられているが、その六〇~七〇パーセントがワ州で産出されていることはほとんど知られていない。つまり、全世界の四割前後のアヘンをこの小さな土地が生み出していることになる。

p.16-17

ゴールデン・トライアングルを地図で見ますと、中国、ラオス、タイ、ビルマ(ミャンマー)にまたがる地域。アヘンの育つ気候や土地にこの辺りが適していることと、自治区であるワ州はビルマ政府の支配を受けていないことなど、国際的“裏”の仕事がしやすい要因なのでしょう。

近代から隔絶された村で

その中のムイレ村に潜伏するという、どんなに退廃した恐ろしい土地なんだろうと想像していましたが、本書『アヘン王国潜入記』を読むと、牧歌的でのどかな土地で驚くばかり。そこで暮らす人々ものんびりと朗らかに生きているのが印象的。しかし、そんな平和そうな小さな村の中にも拘わらず、戦争の影が生々しく潜んでいる。徴兵されている人もいるし、戦争で夫を亡くした未亡人も多い。

村人たちの多くは農業に従事しています。もちろん、アヘン栽培です。他の作物は作られていないようで、村の食事は貧しいもののよう。農業といっても、日本の超効率化された農業のようなものではなく、原始的農業を想起させるようなもの。開墾した土地にアヘンの種をまき、あとは雑草を抜くだけ。親類や知り合い同士で畑を手伝いながらも、当番やスケジュールもなく、その日その日予定が変わってゆく。著者は積極的に毎日雑草取りに参加していたら、アヘンの収穫時に少しアヘンを分けてもらえることになりました。

村人たちの間では喧嘩やモメ事も少なく、万一喧嘩が起こっても次の日には仲直りする。

資金源はアヘンなのだけど、収穫の半分以上は政府に差し出さないといけないし、兵も取られるし、かなり税は重い。

そして、このムイレ村はとても不思議な村なのだ。ムイレ村は電気もなく、近代から隔絶された村だ。他の村との交わりもなく、婚姻も村内で行われる極めて「閉じた」村である。このムイレ村での日々を読んでいると、世界がこの谷あいしかないような錯覚に陥るが、実は山一つ越えれば電気もあるしラジオも衛星放送も見れて、世界情勢がリアルタイムで入って来る。車で三日も走ればセブンイレブンがあるという。決して、近代文明から遠く離れているわけでなく、すぐ隣にあるのだ。どうやらムイレ村はじめこのあたりの地域は、首狩りをしていたようで、未だにその名残があるよう。

教育とは、医療とは、労働とは

ムイレ村では一切の近代的医療がない。衛生観念もなく、我々の感覚でいうと「不潔」な環境だ。だから、病気になったらサヨウナラだ。現に、本書中でも元気だった若い男性がある日コロッと死んでしまう場面がある。非常に恐ろしい。

「教育」というものもなく、子どもたちは字も読めない。著者・高野秀行さんの世話役のアイ・スンさんが、滞在中だけ村で学校を始め、アルファベットを子どもたちに教える。すると、それまでみんな平等で同じだった子どもたちの中で、優秀な子と落ちこぼれが生まれる。そして、貧富の差が浮き彫りになる。教育とは子どもを画一化することであり、するとその中で優劣、貧富の差が現れる。

労働も同じで、村人たちは特に取り決めもなく畑仕事をやっている。だから、働いている様子を見ても優劣の差はない。

近代化されていない村を見ることで、近代のシステムを垣間見るようで興味深い。

だんだん常識が入れ替わってゆく

ムイレ村はアヘンと共にある。アヘンを育て、収穫することが目的で潜伏した著者は、ついにアヘンを手に入れる。

しかし、その頃には著者自身もアヘン中毒になっておりw、村を足早に立ち去る。タイのチェンマイに戻ってから、収穫物のアヘンを自慢するとひどく怒られ、その場で処分してもらうことになる。そう、ワ州にいたころはアヘンがある生活が当たり前だったが、そこから一歩外へ出ると「あってはならないもの」なのです。

ムイレ村へ潜入時も常識が全く違う村で驚くことばかりだったが、半年経ちそこから外へ出てくると、次は世界の常識にクラクラする。

冒険記・探検記ってオモシロイ

本書は探検記になるんだろうと思うけれども、これは面白い。世界のどこかにこんな世界があるんだ!

また、著者の目線も楽しい。出来事を綴っているだけなんだけれども、ユーモアで溢れている。

一方で、子どもたちへの教育事情や医療事情などもしっかりを描かれている。

あさよるは時折、衛生観念の無さや、教育がないということに腹立たしさも感じた。すぐそばでは近代の文明があるのに、それに触れられない彼らは長生きができないだろう。実際に、本書に登場する人達は年寄りがいない。

それも含めて、知らない世界を覗き見た興奮は面白かった。高野秀行さんの他の本も読みたい。

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『真田四代と信繁』大河ドラマ『真田丸』をより楽しむために(^^)

NHK大河ドラマ『真田丸』を楽しもう!

『真田丸』の時代考証もされている丸島和洋先生の著書で予習&復習しよう^^

NHK大河ドラマ『真田丸』を楽しむために☆

あさよるは毎週、2016年の大河ドラマ『真田丸』をそれはそれは楽しみに見ています。

大河ドラマは例年、ちょこちょこと見る程度なのですが、今年はもう!堺雅人さんが主演とあって、毎週見逃せません(あさよるは堺さん大好きです)。

堺雅人さん目当てで見始めた『真田丸』ですが、これがむちゃくちゃ面白い!毎週ドキドキと笑いが満載で、夢中になっています。

あさよるは、戦国時代について、ほとんどなにも知りません。ホント、教科書に載っていた秀吉や信長、家康しか知らないと言っても過言ではないという……。

ドラマを見ていても、知らないことばかりなので、『真田丸』の時代考証もつとめる丸島和洋先生の著書に手を伸ばしました。

Twitterでおすすめされていた『真田四代と信繁』

『真田四代と信繁』はTwitterで、日本史ネタをツイートなさっているアカウントの方がオススメされていました。

そしてなんと、丸島和洋先生も、Twitterでも活躍されている方だったんですね。いつもRTされているツイートを拝見していましたが、まさかご本人とは!

ちょっと嬉しくなったあさよるでした^^

真田のルーツと歴代の賢者たち

真田信繁と「真田幸村」

本書のタイトル『真田四代と信繁』にある“信繁”という人物をご存知でしょうか。

この真田信繁こそ、後の時代に戦国のヒーロー「真田幸村」と呼ばれる人物です。

実はこの「真田幸村」という名前、全くの創作なんだそうです。信繁の没後、江戸時代に刊行された軍記物の書物に初登場します。後の時代に創作された名前が、江戸年間を通じて広まりました。

ついには、真田家の家系図にも「幸村と改名した」と誤った記載がされていたそうです。子孫ですら信じてしまうくらいに、通説がポピュラーになっていたんですね。

「幸村」と「大星由良之助」

有名な「忠臣蔵」では、例えば大石内蔵助を「大星由良之助」と呼び名を変えて、歌舞伎や文楽で親しまれていました。

忠臣蔵の赤穂浪士たちは、幕府の下した判決(浅野内匠頭の切腹、赤穂藩の廃止)が不服で、吉良上野介に仕返しをします。と言っても、あくまで判決を下したのは幕府なのですから、幕府にクーデターを起こすべきであって、吉良上野介には八つ当たりじゃないか?と思ってしまいますね(^_^;)

(さらに幕末には、その忠臣蔵をモチーフにした制服を、幕府側の見廻組や新選組が採用しているのも、ややこしい話だなぁと思います(^_^;)

いずれにせよ、天下の幕府が下した決定を不服とはけしからん!ので、「仮名手本忠臣蔵」は、赤穂浪士事件をモチーフにしながらも、人物はすべて仮名。事件も、違う出来事に上手いこと変更されています。

あくまで「フィクション」だと言い張って、人々に親しまれていたんです。

もしかしたら、「真田幸村」も、そういう理由があるのかなぁと思いました。真田信繁(幸村)も、大坂の陣で徳川家の敵方についた人です。徳川幕府から見ると、あまりいい気持ちではないでしょうしね。

伝説の人「真田幸村」から史実「信繁」へ

あさよるも創作に彩られた伝説の人「真田幸村」も好きなのですが、歴史上の「真田信繁」がどんな人物だったか気になります。

なにより、2016年のNHK大河ドラマ『真田丸』の主人公は真田“信繁”なんですから。

これまで知らなかった真田信繁の姿が知れるのが、なにより嬉しいです。

真田家のルーツ

真田家のルーツは、古くは清和天皇の孫が「海野(うんの)」を名乗り、後に真田郷に住んでいたので、「真田」を名乗るようになった。

と、江戸時代に称しているけれども、真偽は不明。どうもあまり信じがたい出自のようです。

真田家は、「海野氏の直系である」としたかったようですが、実際のところはどうでしょう。

『真田四代と信繁』によると、真田家は鎌倉時代初期に、海野氏から分かれた庶流家ではないかと提示しています。

「国衆(くにしゅう)」って?

NHK『真田丸』でも、「国衆」という集団が登場します。あさよるは、この言葉をドラマの中で始めて知りました。

国衆とは、戦国大名の領地内に、自治領を持っている自治領主のことです。

「戦国大名」は、戦国武将を束ねている家の当主のこと。

ちなみに、戦国武将とは、侍や武家の総称だと『わかっちゃう図解 サムライ』にありました(気がします/アヤフヤ)。

真田幸綱と信綱

『真田四代と信繁』では、「真田幸綱」と「真田信綱」いう人物にページが割かれます。真田初心者のあさよるは、どちらもはじめて知る人物です。

真田幸綱は、真田昌幸の父、真田信繁(幸村)の祖父です。この幸綱の母、あるいは妻が、海野から真田に嫁いだとされます。

綱吉は岩櫃城主として武田家に使えています。信綱の「信」の字は、武田信玄からもらっているのですね。これは昌幸の息子たち信幸と信繁にも引き継がれています。

「岩櫃城」はドラマでも登場しましたね。あさよるは信州にさっぱり土地勘がないので、大河ドラマに登場する地図のアニメーションがとても勉強になります(^_^;)

戦国時代きっての謀将・真田昌幸

そして時間が流れて、昌幸が真田家の当主になります。『真田丸』では草刈正雄さんが演じられており、超カッコいいんですよね。

草刈さんの甘いマスクとは裏腹に(?)、寝返りに寝返りを重ね、ウソや騙しもなんのその!の「策士」として描かれます。

「ドラマだから誇張してるんでしょう~」なんて思ってみていましたが、実際の昌幸はもっとめちゃくちゃな人だったようで、まさに事実は小説よりも奇なり。

幼い頃から、人質として武田家に差し出されており、川中島合戦では本陣を守っていたという記録がある。歴史的イベントに立ちあった、戦国武将です。

真田は、北条、上杉と戦国時代の覇者に囲まれ、その直ぐ側には織田、徳川が待ち構えているという四面楚歌!そこで、唯一頼りの武田家があっけなく滅亡してしまったのですから、目も当てられません。

上杉に付いたり、織田に付いたり、徳川に付いたり裏切ったり、豊臣に付いたり……とギリギリの外交を繰り返し、読んでいるだけでも胃が痛い……。

戦国の末期、真田家はこのピンチから、江戸時代を藩主として生き抜いたのですからアッパレ。

伝説の戦国武将・真田信繁

いよいよ我らが幸村……のモデルになった真田信繁の登場です。

幼いころより武田家の人質として甲斐で過ごした後、上杉や豊臣の人質になり、豊臣秀次の娘、大友吉継の娘を妻にします。この時点で信繁の運命は決まっていたのかもしれませんね(T_T)

第二次上田合戦のあと、信繁と父・昌幸は和歌山県の九度山に流されます。この九度山でも幸村伝説がたくさん残っていて、あさよるが近々遊びに行きたい場所でもあります。

ちなみに、大河ドラマのタイトルの「真田丸」というのは、大坂の陣で信繁が作った城の名前です。大阪では今でも「真田山」と呼ばれ、地名として残っています。

泰平の世を生き抜いた・真田信幸

ドラマ『真田丸』では大泉洋さんが演じる真田信幸(のちの信之)。

信幸はギリギリの外交の中、江戸時代を生き抜き、今に続く真田家の礎を作りました。しかも、めっちゃ長生き!

江戸時代になってからも、徳川家から頼りにされ、とても賢い人だったのだろうと思いました。

あさよるは、真田四代の中では、信之が好きだなぁと感じました。乱世を強く生き抜き、かつ、泰平の世でも役に立つ人物って……スーパーマンじゃないですか!?

『真田丸』を楽しむために、携帯しておきたい!^^

あさよるの拙い日本史の知識で、この本の面白さを表現できたとはとても思えないのですが……(;´Д`)

戦国時代オンチで真田家について無知、かつ、信州のこともわからず、右も左もわからない読書でしたが、じっくり読めば、きちんと内容が分かりました。

歴史&日本史は興味があるけど、戦国時代がわからないよ~って人でも、学校で習ったような知識があれば読み進められます。

そして、戦国好きな方も、最新の研究を知るのにいかがでしょう。著者は、『真田丸』の時代考証にも関わる丸島和洋先生で、複数の節を紹介しながら考察してゆく文体がいいなぁと思いました。

なにより、ドラマを楽しむために手元に置いておきたい一冊です!

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『地図趣味。』|地図に萌えっ!等高線を愛でよ!海図も月面地図も

『地図趣味。』挿絵イラスト

こんにちは。あさよるです。あさよるは幼いころより地図をつくるのが好きでして、大学生になってもせっせと地図を作っていました。最近、地図作りができてませんから、息抜きが足りてないのかもしれませんね。と言いつつ、目下ブログのサイトマップの構想を毎日考えてるんですが(苦笑)。

「地図」って、その目的によってバリバリ情報が偏るから、すごく面白い。昔、ノラ猫がうちに居ついた頃、ネコの後をつけて、ネコの道の地図を作ったこともあります。それは人間の地図とは全然違っています(やつらは塀の上や屋根の上も歩くから、立体的に表現しないといけないし)。

「子どもの地図」も、大人にとっては道じゃない、子どもだけの道がありますから、やっぱり特別な地図になります。あさよるは過去の自分の創作物はどんどん捨てちゃうんですが(いちいち取っておけないし)、この「ネコの地図」と「子どもの地図」は置いときゃよかったとちょっと後悔しています。

『地図趣味。』挿絵イラスト

「地図に萌えっ!」それだけ!

本書『地図趣味。』は、もうタイトルそのまんま。地図が趣味。趣味が地図。地図を眺めているだけでキュンキュンしちゃうし、平面の地図から立体の情報を妄想するだけでもワクワクしちゃう。そのために資料探しもやめられないし、神保町で古地図の衝動買いもしちゃうのだ。

個人的にとても面白いと感じたのは、マンハッタンで人に道を尋ねて、メモ書きしてもらった地図を実際の位置関係に並べて表示したもの。ナプキンや紙皿にボールペンで地図が書き込まれており、それらをつなぎ合わせると街の形になっている。バラバラの要素(地図を描いた人もバラバラさし、各人も一要素を書いただけ)であっても、情報が集まると、立体的に姿が立ち現れる様子がたまらん。

地図にもいろいろありまして

一口に「地図」といっても、いろんな地図があります。そもそもこの本は、月の地図の話から始まるんです。色とりどりの月面地図から、グリーンランドの動物の皮と流木でできた地図、ミクロネシアの棒をひもで結わいて組み立てた航海地図など、見たことのない地図から始まります。

エルサレムを中心に、アジア、ヨーロッパ、アフリカと三つ葉のクローバーのように広がった地図は「確かに、ユーラシア大陸とアフリカ大陸をこんな風に解釈もできるなあ」と妙に感心してしまいました。

別に、衛星写真に写された地球の姿こそが正解というわけでもなく、地図は解釈の仕方や、なにに注目するかによって描き方が変わります。もちろん、よく目にするメルカトル図法の世界地図もかなり歪んでいますから、メルカトル図法の地図による誤解や問題もあると思います(赤道が中央横方向に走るメルカトル図法の地図では、日本列島の場合、北海道は大きく見え、沖縄諸島は小さく見えます。沖縄問題が小さく扱われるのは、地図のせいじゃないかと疑っています。あるいはヨーロッパは巨大に見え、アジアの国々は概ね小さく見えます)。

土地の形を表すものばかりでなく、川の地図もあれば、都市部の形が見える地図もあります。

地図は何を目的とするかによって、同じ場所を表示していても全く違った姿になるのです。

地図をつくるのはたまらん!

本書が面白いのは、ただ地図を愛でるだけでなく、オリジナルの地図を作ろうという試みに発展することです。しかもただ模型を作るわけじゃなくて、地層を表現した食べられるムースとか、等高線を模したクレープとか「四色定理」グミとか、なんでそうなった! という展開にw (四色定理とは、どんな地図でも4色あれば隣り合う領域と違う色で塗り分けることができるというもの)

さらに滋賀県の形をしたアクセサリーとか、どうしてそうなった\(^o^)/

あさよるも、地図をつくるのを趣味にしていた時期があったので、ものすごく心ときめきます。

凸凹、坂道、谷や川を愛でよ

あさよるは関西在住ですから、たまに東京へ行くと、東京の街のアップダウンの激しさにクラクラします。しかも、東京の街の面白さは、パッと見渡す限りはビルが立ち並び、地面の高低差が隠されており、どこまでも平たい関東平野が広がっているように錯覚してしまうところ。しかしいざ街を歩き始めると、ビルの陰に潜んでいた坂道や、突然立ち現れる崖や、エレベーターでビルの上階に上がったのに、そこが地面につながっていたりと、奇想天外。

大阪の場合、現在の市街地の多くは人工の埋め立て地ですから、一部、上町大地(大阪城や四天王寺のある南北に細長い高台)以外は海抜が低く、基本は平らかです。だからこそ、たまにアップダウンの激しい土地に行くと、情報量が多すぎて、位置情報や高さを脳内で処理するだけで頭がいっぱいになります。とても刺激的!

地図は平面の紙に印刷されたものが一般的でしたが、現在では「グーグルアース」や「グーグルストリートビュー」というすごすぎるサービスが無料で使えますから、「地図」の概念も変わっています。すごいね!

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