文学・評論

『弱いつながり 検索ワードを探す旅』|弱くて軽薄な憐れみを

家族、同僚、ネットのともだち……

みんな「強いつながり」ばかり。

こんにちは、あさよるです^^

東浩紀さんの著書をかつて、数冊手に取ったことがあったのですが、そのときは「なんのこっちゃ」と分からずに、数ページで投げ出してしまいました(苦笑)。

今回、東浩紀さんの『弱いつながり』はSNSにて知人が紹介していたので、手に取ってみましたが……。「最後まで読めるのかしら」と不安な読書の始まりでした(^_^;)

あれ?インターネットってこんなだった?

誰もがスマホを持ち、いつでもどこでもインターネットにアクセスできるようになりました。いつでもどこでも世界中の情報にアクセスできるのですから、それはそれは便利にな……りましたか?

SNSを通じて、これまでとは全く違う生い立ちや背景の人と繋がれ……ましたか?

あれ?インターネットって、これまで見たこともないようなワクワクドキドキ好奇心が止まらないモノだと思ってたのに、いつの間に、「いつもと同じような」メンツと、いつもと同じようなブログやサイトを閲覧するようになったんだろう?

そういえば「ネットサーフィン」なんて言葉も聞かなく&使わなくなりました。

調べ事をしようとGoogle検索すると、Googleはアルゴリズムを使って、自分が好きそうなページを検索上位に表示します。

SNSでは、自分がお友達登録をしたアカウントの情報しか流れてきません。TwitterもFacebookもそうです。「自分」という人物のフィルターを通しているので、それ以外の人と繋がりが持てません。

インターネットはどんどん、自分と似た、自分と親しい、自分の好きな人や情報としか繋がれないものとなっています。

ネットの「強いつながり」からリアルへ

インターネットにより部屋に居ながらにして世界と繋がり、見聞が広がるだろうと予想されました。

が、実際には、インターネットは自分が見たいものしか見えない、知りたいことしか知れないツールです。

しかも、思考がより濃密に凝縮されてゆくツールです。SNSでフォローしているアカウントは、みな自分の思想や心情が近い人ばかり。目障りな人や意味不明な人は、ブロックやミュートしてしまいます。

すると、どんどん自分と同じ思想を持つ人ばかりと繋がるようになる。Google検索すれば、アルゴリズムにより自分の思考に沿った検索結果が現れる。ますます、思考や思想が濃く、狭くなってゆく。

東浩紀さんの『弱いつながり』では、思考が狭まってしまうのを防ぐため、物理的な位置を動かしてしまおうと勧めています。

すなわち、旅に出る!

しかも、バックパッカーなような旅ではなく、「観光客」になろう。

軽薄な観光客になろう

旅行代理店やパックツアーを使っても良いでしょう。軽薄な、表層しか見ない観光客になりましょう。

バックパッカーのような旅は、やはり敷居が高いというか、ある一定の条件を満たせる人じゃないと難しいでしょう。例えば、小さな子供いる家族旅行では無理だし、まとまった休暇が取れる人じゃないと難しい。

現在「観光」というと、ちょっとミーハーな雰囲気があるのでしょうか。「どうせ上っ面しか見ないんだったら、行かないほうがマシだ」と思う人もいるそうです。

しかし、「百聞は一見にしかず」という言葉があります。

『弱いつながり』では、東浩紀さんご自身の旅行の経験が数々紹介されています。東さんは、ツアーメニューとして、アウシュビッツへ赴かれたそうです。そこで、観光地化された施設への驚きとともに、生々しい「死」にも驚かれたそうです。

あくまで観光客として訪れた地ですが、その一回の経験でその後の考え方まで大きく影響を与える出来事でした。

「観光客」と言うと、なんだかミーハーな響きにも聞こえますが、たった一回、上辺だけなでる「観光客」だって、「百聞は一見にしかず」を実感できます。

「憐れみ」をキーワードに

インターネットの濃い繋がりでは、どんどん思想が偏ってしまいがちです。自分の考えや自分の好みなものばかり表示されるのですから、視野が狭くなってゆくばかり。

差別発言を平気でしまくる人や、「◯◯は死ねばいい」「△△は殺してしまえ」なと、過激で突飛な発言を繰り返す人がいます。

しかし、そのような発言をする人だって、目の前で人が倒れていれば、駆け寄って声をかけるでしょう。この時、国籍を問うて助けるか助けないか考えたりしないでしょう。

そこにあるのは、目の前の人物に対する「憐れみ」です。

頭の中にある考えと、実際に目の前で起こることには隔たりがあります。

どこの誰かへ向ける「憐れみ」を本書では「弱いつながり」と呼びます。家族や親類、あるいはインターネットがもたらした「強いつながり」から離れ、人としての「憐れみ」を持ち、「弱いつながり」のある世界へ旅しましょう。

グローバリゼーション

旅先では、グローバリゼーションにも出会います。

アジアの都市は近代化が進み、西洋的な建築もたくさん立ち並びます。日本の都市もみなそうですね。

しかし、同じアジア圏の西洋化といっても、その国その国によって「違い」があります。その「違い」こそが、他のものに取って代われない、その国独自の文化なのかもしれません。

また、「東京」を模倣した商業施設もあります。西洋化された東京の街を、さらに模倣するという、段階を踏むことで、新たな文化が生まれようとしています。面白いですね。

旅行嫌いのあさよるには……

実のところ あさよるは、旅行はあまり好きではありません。用意や、荷造りや荷解きが面倒です(苦笑)。

たまには、日帰りのパックツアーなら行ってもいいかなぁと思いますが、一泊となると嫌だなぁw

なるべく家から出ずに生きたい あさよるとしては、『弱いつながり』は耳の痛い話でした。

なぜなら、『弱いつながり』の主張は真っ当なものだと感じたからです。ダラダラと本を読んだりYouTubeを見ていても、楽しく毎日やっていけます。

ただし、絶対的な経験値不足に陥ってしまわないかと、実は内心恐れていたところを、図星されちゃいました。

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『君の膵臓をたべたい』|私も君も、もしかしたら明日死ぬかもしれないのにさ

読書の秋に小説でも。

青春モノと思いきや、大人になるほど胸がいっぱいに……

あと、映画化されるらしい

オススメをオススメをされた!

『君の膵臓をたべたい』は他人からオススメされて手に取りました。しかも、オススメされたをオススメされるという、又オススメでしたw

「まぁ最近、小説もチェックしてないし、人気なら読んでみようかなぁ」と、図書館の蔵書を検索すると、確か予約が30人以上入っていて、本書の人気を確認しましたw で、図書館の予約をポチってたら、忘れた頃にやっと順番が回ってきたので、意気揚々と読み始めたのでありました。

あと、作者の名前が、あさよると名前が似ていたので、気になりましたw

あさよる的にはオススメです。サラッと一気読みできて、文章も平易で堅苦しくもなく、普段小説を読まない人にもオススメしやすい感じ。読書の秋ですしね。

余命1年の彼女に、出会ってしまった

Amazonの紹介文を引用します。

 偶然、僕が病院で拾った1冊の文庫本。タイトルは「共病文庫」。
それはクラスメイトである山内桜良が綴っていた、秘密の日記帳だった。
そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。

病を患う彼女にさえ、平等につきつけられる残酷な現実。
【名前のない僕】と【日常のない彼女】が紡ぐ、終わりから始まる物語。
全ての予想を裏切る結末まで、一気読み必至!

君の膵臓をたべたい | 住野 よる | 本 | Amazon.co.jp

主人公は高校生の男の子。

たまたま病院でクラスメイトの女子・山内桜良と出会い、彼女が膵臓の病気により余命1年だと告白されます。

しかし、彼女はあと1年の命だとは思えないくらい元気で天真爛漫。これまで人と関わらず自己完結した世界で過ごしていた主人公は、彼女に振り回されるハメに。しかし、流れに流されることをヨシとする彼は、いつの間にか彼女と同じ時間を過ごす内、これまでにない「思い」が湧いてくるのですが……。

不治の病を患う女の子に出会ってしまった彼の物語。「ガール・ミーツ・ボーイ」モノの小説です。

高校生のお話。だけど大人の方が共感しちゃう

あまり筋や感想に言及し過ぎると、ネタバレになってしまいます。というか、Amazonのレビューも、ザッと見るかぎりとある“仕掛け”や話の伏線のネタバレしまくってるので、見てはいけない!w

悪いことは言わない。今後、『君の膵臓をたべたい』を読もうと少しでも思っている方は、絶対にネタバレを避けるように!

と、あさよるは結構、ネタバレ平気でガンガン自ら読みに行くタイプなのですが、今回この『君の膵臓をたべたい』は一切前知識ナシで読んで良かったなぁと思います。

年齢を重ねるほど……身近に感じる物語

主人公は高校生男子。余命1年のクラスメイトの女子と出会い、彼女と一夏を過ごす……という物語です。が、これは歳を取るほどグッと来る物語じゃないかと思います。

正直、主人公と同年代の高校生がこの本を読んで胸がいっぱいになるだろうか?少なくとも、高校生の頃の自分を振り返ると、絶対に“不治の病の少女”の設定に「ケッ」となり、彼らの会話文に「ケッ」となっていただろうと思います(どんな高校生だったんだ)。

なんで歳を取るほど胸に迫るかというと、不治の病とか、余命とか、闘病とか、どうしようもない、治らない病気や怪我が「身近なもの」に感じるからです。自分自身や、近しい身内が、治らない病気や怪我を負っていることって……他人事じゃないんですよね。

「余命」を二人でケラケラと冗談で笑い飛ばしちゃう感じとか、だけど必ず来る“その時”にどうしようもなく焦ってしまう感じとか、読んでて何度も胸がいっぱいになってしまったり、思い出すことがあったりと、気持ちが落ち着きません。

途中、ガッカリしたけど、その後持ち直した

後半、思ってもみないアクシデントに見舞われます。

「えっ」と驚くと同時に「え~、それ~??」みたいな、落胆をしてしまいました。え~、なんで、よりによって~みたいな。うん、「成り行き」を見守りたかったのに、ホント思ってもみない出来事。

もちろん、それが作者の狙いで、そのアクシデントこそが、この物語の「メッセージ」なのでしょう。そう、生きるってそういうことだよね……と、ネタバレになるので詳しくは書かない( ー`дー´)キリッ

と、後半ダレちゃったんだけれども、その後の、主人公と彼女の気持ちが通じ合う描写が、よかった。

最後にちょっとネタバレするぞ!

誰も、死者に囚われている

これで最後です。ですので、ちょびっとネタバレします。

彼は、彼らは、死んでしまった彼女に心が囚われたまま、物語は終わります。

誰とも関わらず生きてきた主人公は、少しずつ、時間をかけて他者と関わり、心を交わし、関係を築き始めます。主人公はもうどこにも居ない彼女に突き動かされ、自らが変わってゆくんです。

少なからず我々は、必ず誰かに囚われています。時に、この世にもう居ない人物から離れられず、どこにも居ない人に影響を受けて生きてゆきます。それが人と関わるってことだし、生きるということでしょう。

高校生のひと夏の経験

甘酸っぱい恋模様を描くのかと思いきや、サラッと「生きる」ということを描きとっていて、かといって説教臭いわけでもなく、適度にキュンキュンしつつ、叶わぬ恋に胸が痛みつつ。

で、自分の青春時代を振り返ると、そういうゴチャゴチャと、生きることや焦燥感や恋のようなものについて考えたり文学に親しんだり(主人公は文学青年)、全部盛りの時代だったなぁと思います。

生きること、人と共に生きること、恋をすること、やりたいことをすること、記録を残すこと、いつか命が終わること。そういう、当たり前だけれども、当たり前すぎで見えなくなりがちな、あるいは見たくないからスルーしちゃう事柄を、高校生の彼らの視点、彼らの言葉で見せつけられる物語でした。

サラッと一気に読めますし、言葉使いも平易で読みやすい。読書の秋にオススメです。

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『スパルタ婚活塾』|軽く見られたくない、けど重い女にもならない方法

20代後半以上の婚活中女性に捧ぐ……!

為になるかどうかは……当事者過ぎてわらからないw

アラサー以上の婚活&恋活

『スパルタ婚活塾』……それは、アラサーに差し掛かった“行き遅れ”の女子たちが駆け込むべき、恋愛本である!

m9っ`・ω・´)シャキーン

結婚に焦った女子たちの乙女心はフクザツだ。

「経験が多いって思われたくない」「だけどナメられたくない」。軽い女と思われたくないばっかりに、重い女だと思われてしまう…。焦るあまりに結婚を迫りフラれる……などなど。などなど……(´;ω;`)ブワッ

「結婚」。この二文字を掴み取るべく、もがくが故に、深みにハマってしまう悲劇から女性たちを救うべく、恋愛体育教師「水野愛也」先生が立ち上がる。毎度お馴染みの恋愛理論を引っさげて、スパルタ婚活塾が開講される!

為になるか、腹が立つかはあなた次第w

『スパルタ婚活塾』の内容を細く説明するのは、どうしたものか……(笑)。「読んでみてください」としか言えない、いや、マジで婚活考えてるなら一編読んでみてくだしあ。

というのも、内容は小さなライフハックならぬ「ラブハック」集だからです(ウマイこと言うたった感)。

まずは男性との出会い。そう、合コンでのハンティングの方法から、“部屋”までお呼ばれしちゃってからの~適度な“焦らし”。カップル成立後は「結婚」という二文字に男性をビビらせず、だけどじわじわと囲い込んでゆくまでの手法!

を、面白おかしく書かれています。

バカバカしいけど「悪くはない」…?

あまりに面白おかしく書かれているので、気分を害する女性もいるでしょう。うん、あさよるも、普通に読んでりゃ気分を害すどころではなく、大暴れしていたかもしれない。がしかし、幸か不幸か、あさよるは『スパルタ婚活塾』よりも前に『LOVE理論』を読んでいたのだった……。

『LOVE理論』は水野愛也先生による、世の童貞どもへ贈る脱童貞のための手引書だ。アラサーからも足を洗おうかという あさよる(女性)が読みますと、ガハガハと笑いが止まらず、そして涙目のまま「これ、やってみるとそこそこ効果あるんじゃない?」なんてテキトーに言い放ってしまってしまう内容なのですよ。

そう、異性が読むと、バカバカしいけど「悪くはない」んです。

ということは……

この『スパルタ婚活塾』だって、バカバカしいけど「悪くはない」のではないかと、思うのです。たぶん。いやマジで、他人事ではないので冷静に読めない自分でもいるんですけれども、そんな自分も受け入れつつ、ここに書いてあること実践……していいのかわからんw

おすすめは…軽くできませんw

はてさて、水野敬也さんの『ウケる技術』を読んだときは、正直、(´-`).。oO(うぅわぁ、役に立つやもしれんけどウザー)と思ったあさよるがいましたw が、水野敬也さんの著書を数冊続けて読んでるうちに、そのウザいノリが心地よく、もっと欲しいと思うようになってしまった。「次は何読もうかな~ルン♪」となっている自分がちょっぴりフクザツw

ですので、まぁ、あさよるはたまたま、以前に『ウケる技術』や『夢をかなえるゾウ』『LOVE理論』を読み、こういう作家先生なのねwと知っていたので、楽しく読めました。

が、女性向け恋愛本を探していて、水野先生の一冊目に『スパルタ婚活塾』を選んでいたら、あさよるも大っ嫌いになっていた自身があります(笑)。ですので、女性に勧めるのはビミョー。ユーモアをアハハと笑ってくれる友人にはオススメ、というかイチオシしますが、そうでない人には遠慮しちゃうかもw

ですので、案外と男性に読んでもらって、ジャッジしてもらうのもいいかもですね。なにせ、当事者である あさよるは、当事者すぎて笑うに笑えない。「図星」すぎてイラッとしてしまうという瞬間が多々有りましたw

男性の感想を集めるべし!

さて、あなたが婚活中のアラサー女性なら、まずは一度『スパルタ婚活塾』を読んでみてもいいかもしれません。その時、先に『LOVE理論』を読んでおくことをオススメします。

あるいは、男性目線で書かれた女性向け恋愛本ですから、男性が読めば「そうそう」と納得できるものではないかしらと予想。ぜひ、男性目線の感想を知りたいですね。

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『笑われる勇気』|オレの心はお金で買えます!

こんにちは。蛭子能収さんの本をはじめて読んだ あさよるです。蛭子能収さんの人生論、処世術を知れる本です。蛭子さんの本を初めて読んだのですが、どうやら同様の人生訓のような本がたくさん出ているようですね。知らんかった。蛭子さんってそういう感じで受け入れられているんだ……。

本書での蛭子能収さんの考えや振る舞いを読んでいますと、一貫して「自分はなにをするのか」を判断し続け、そのせいで冷たく見られたり、空気が読めない認定されているようですね。でも、冷たく見られても、空気読めなくても仕方ない。「だって自分はこうだから」と自分は自分と割り切っています。

あと、笑っちゃいけないときに笑ってしまうという話は、むしろ周りの人が笑わしにかかっていて、蛭子さんのせいじゃなんでは……と思ったり。あさよるも「笑ってはいけない」と思えば思うほど笑ってしまうので、冠婚葬祭にはできれば出席したくないのですw そう、結婚式や披露宴でも、笑っちゃいけないところでツボに入ってしまってツライツライ。蛭子能収さんは、もはや葬式に呼ばれなくなったそうで、お互いにそれが良い結論じゃないでしょうか。

蛭子さんに人生相談してはいけないw

本書の読みどころは、蛭子能収さんの人生相談でしょう。全くQ&Aになっていないというスバラシイ仕上がり。蛭子さん勝手に競艇の話してるだけやんwwと草生えるんだけども、ふと「人生の本質」を語っているようような気がしてサブイボが立つ。たぶん気のせいだけど。

Q 夫の転勤で東京暮らし2年。幼稚園の息子のママ友といい関係が築けません。

(中略)コミュニケーション能力を高めたいのなら、フリー麻雀はいいです。見ず知らずの麻雀卓を囲んでいると、すごく緊張しますが、麻雀というゲームは、駆け引きがあったり、感情を押し殺したりと、人と人とのつながりの醍醐味を教えてくれます。
あっ、でも、この人、長崎の人ですよね。長崎県民は、開放的な人が多いんです。江戸時代に鎖国していたときもオランダと貿易していたから、外国人だけではなく誰に対してもオープンなんです。それに、当時は貴重だった砂糖も、長崎だけはふんだんに使えたから、カステラが生まれたんです。オレも夏になると、水に砂糖を入れただけのものをよく飲んでいました。そんな砂糖文化があるから、長崎の人は穏やかで柔らかい気質なんです。だから性格を抑えてまで都会のママ友に合わせる必要はありません。自分らしくがいちばんだと思いますよ。

p.84

結論は「長崎の人は砂糖文化で育つ」ww

蛭子さんの人生相談で面白いところは、間に蛭子さんの世間話が入るところ。しかも麻雀の話からの、長崎県民の気質に世間話からの世間話に発展しているのがおかしいw

しかしたまに、ええことも言うからみのがせない。「元カレが忘れられない」という相談者には、蛭子さんが亡くなった先妻さんのことを話して「“忘れられない恋がある”というのは幸せなこと」と結論しててグッとくる。

フリーランスが「若い人に仕事を取られて失業してしまうかも」って相談には、「稼げないのは修行の身。がむしゃらに働くべし」と身につまされる回答も。いくつになっても、稼げないのは修業中ってこと。んで、今の職種にこだわらず他の仕事もすればいい。

好きな回答を選んでみたw

あさよるが勝手に、蛭子さんのいい回答を選んでみたw 全体的に、ゆとり世代あさよるには沁みるぜw

「人生はうまくいく」と思ってることが間違い

自信を持たなければ自信を失うこともない

どうせ死んだらすべて終わり。死に方なんてどうでもいい

時間管理能力より手を抜くテクニックを磨け

つらいときこそ日常を大切に生きる

オレにとって尊敬できる人は競艇で勝たせてくれる選手だけ

最後に勝つのは高学歴より高収入

大事なのは、プライドよりお金をくれる人の顔色

仕事において大事なのは給料の出どころだけ

貧乏は恥ずかしいことじゃない。卑屈になるのがよくなだけ

人のお金で遊んで何が楽しいの?

「宇宙人はいる?」の答えは、ギャラが発生するなら「いる」

人の心はお金じゃ買えないが、オレの心はお金で買えます!

気をつけよう、自慢話は見透かされる

自分の評価は自分でするもの

自分以外の生物にはあまり興味が湧かない

フツーにスゴイ人なだけかもしれない

蛭子能収さんのエピソードって、テレビに出ている芸能人の中で異質に見えていたけれども、一般人にはこういう人いるよね?って感じですね。蛭子さんが特殊なのって、普通の人の感覚を持ったまま、芸能界でもそれなりのポジションにあるところなんだろね。

ちなみに、リリーフランキーとはキャラがかぶってるのに(イラストレーターとマンガ家)、彼の方がCMにたくさん出演していて心中穏やかではない様子。そしてここへきて「ひふみん」こと加藤一二三さんの台頭に戦慄し、おもわず蛭子さんも将棋を始めようとしてしまったらしい。たしかに「ふしぎな」「おじさん」「勝負師」であるw

蛭子さん語録が沁みるのは、単に蛭子さんが「有能なおじさん」で、意識高い系を刺激するのかもしれない。奥様とデキ婚してから、家族を養うために働いたエピソードなんて、誰でもできそうでできないのかもしれない。ちゃんとマンガ家としても成功してるしね。

関連本

『スティーブ・ジョブズ 1』/ウォルター・アイザックソン

『嫌われる勇気』/岸見一郎,古賀史健

『嫌われる勇気』|やらないための“言い訳”を作ってた…だと?

『幸せになる勇気』/岸見一郎,古賀史健

『幸せになる勇気』|平凡で「その他大勢」である自分の価値

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飯テロ注意!|『小林カツ代の「おいしい大阪」』

こんにちは。飯テロにはすぐに屈する あさよるです。あさよるの前でウマいものの話はすなー! 『小林カツ代の「おいしい大阪」』は、タイトルだけでもう飯テロ成功してるんじゃないかと、こう思うわけですな。読まざるをえない。生唾を飲み込んでばかりでは我慢ならず、ミックスジュースを作るしかないのであった。

大阪の、ふつうの、おいしい話

本書は小林カツ代さんのおいしい談義。一応レシピも載ってはいますが、ガーナチョコの箱に書いてあるチョコ菓子のレシピくらい短いやつです。それに、大体は料理名を聞いて「あれね」とイメージできるものがほとんどだし、たぶん自力で作れるものが多い、と思う、のは、あさよるが大阪の人だからだろうかw

最初に登場するのはビーフカツサンド、そしてホットケーキ。しかも、「アメリカンの」ビーフカツサンドとホットケーキ。アメリカンとは、大阪は難波にある喫茶店で〈大阪の喫茶店文化〉の代表といっても異論がないお店です。そう、大阪って喫茶店の街で、まちのいたる所に小ぢんまりとした喫茶店がひしめき合っています。あくまでも「喫茶店」であって「カフェ」ではないのです。んで、この喫茶店のメニューがたまらんのですわ。あさよるも喫茶店の「おいしいんかどうなのかわからん」けれども「なんかむっちゃ特別な感じがする」喫茶メニューが大好きです。

3番目にはミックスジュースが紹介されています。ミックスジュースは あさよるもお家でよく作ります。喫茶店でも、コーヒーの気分じゃなかったらミックスジュース注文するなぁ~。ああ、飲みたいなぁ~。

こんな感じで、肉うどん、にゅうめん、オムレツ、ハヤシライス、しゅうまいなどなどと、「普通の」「ありきたりな」メニューが次々と紹介されるのですが、その、平凡なメニューだからこそ、舌が味を覚えていて読んでいるだけで反芻してしまうような……。また、小林カツ代さんのね、「おいしい」ただ「おいしい」を表現する文章がたまらんのです。

昔の、食卓の風景が楽しい

本書では小林カツ代さんの幼い頃の回想も数々ととび出します。思い出の中の「おいしい記憶」、誰だって一つや二つあるでしょう。どうしてこうして「おいしい記憶」ってこんなにも美味しそうなのだろうか!

戦後、町にはまだ女中さんや丁稚さんがいて、御寮(ごりょん)さんが食事の用意をする。お祭りの出店で、大衆食堂で、市場で、「おいしい」ものを食べる。それはただのゆで卵だったりするんです。あるいは、お母さんが漬けた浅漬け。すごく普通の、よそ行きじゃない食べもの。それがむちゃくちゃおいしい!

あ~!

「焼きそばに生卵をつけて食べる」という話があったので、母に訪ねてみると、「そんなんしたことない、けど……」とチキンラーメンでペペロンチーノを作って食べる話を聞いて、とてもやってみたい。無論、「スパゲティー茹でてペペロンチーノ作ったらええんちゃうか」という話は脇へ置いておいて。

関連本

『実践 料理のへそ!』/小林カツ代

実践 料理のへそ!

『もしも宮中晩餐会に招かれたら』/渡辺誠

『もしも宮中晩餐会に招かれたら』を読んだよ

『笑ってお料理』/平野レミ

『笑ってお料理』を読んだよ

『こまったさんのカレーライス』『こまったさんのサンドイッチ』/寺村輝夫,岡本颯子

料理はたのしい!『こまったさんのカレーライス』『こまったさんのサンドイッチ』

『理系の料理』/五藤隆介

『理系の料理』|フローチャートで料理をしたい人へ!

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