Kindle本

『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』

少しの意識で、コミュニケーションが変わる!

「えー」「あのー」連呼、体をゆらゆら揺すってませんか?

Σ(・∀・;)ドキッ

こんにちは、あさよるです。

「話し方」……なかなか上手くなりません。人とお話をするのは好きですが、上手く自分の考えや気持ちを表現できないとき、ヤキモキしちゃいます。

「声を出す」っていうのも、なかなか難しい。もっといい声で、通る声で話せるといいのになぁ。

そこで、「話し方」の本を読んでは、話し方を意識してみます。

みなさんも、「話し方」自信ありますか?

時短・省エネ・節約で「話し方」を変えたい!

「話し方」って、ビジネスの場で語られることが多いですが、家庭や友人関係、趣味やプライベートの時間にも大きく影響します。

劇的に、自分の話し方が変わればいいなぁなんて、誰もが願うことじゃないでしょうか。

しかも、あまりお金はかけたくない。最短の時間で、最小の手間や努力で成果があれば……(・∀・)イイネ!!

実際に、話し方の先生にレッスンしてもらうのも一つですが、まずはテキストでチャレンジしてみてからでも遅くありません。

今すぐ変われる「話し方」の本

あさよるネットでもこれまで、複数の「話し方」本を紹介してきました。

マナーを主軸に置いたものや、何気ない世間話・雑談をテーマとしたもの、またどんな相手とでも分け隔てなく会話ができる話し方。

「話し方」と一口に言っても、話し方改善のための方法はさまざまです。

アナウンサーによるいい声の話し方

『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』では、「声」を変えることで「話し方」を変えようというアプローチがなされています。

著者はアナウンサー。数々の人気テレビ番組でナレーションも務めておられます。

アナウンサーと言えば「話し方」の達人ですよね。その“コツ”は案外とシンプル。

腹式呼吸を手に入れるための腹筋法や、身体を使って声を共鳴させる方法。また、滑舌を良くするためのトレーニングなど、テクニックも紹介されています。

しかし、大部分は「声の印象」に絞られています。

高い声・低い声、口角を上げて明るく話すか、落ち着いて話すのか。ゆっくりと落ち着いて話すことの意味。

また、話し方にクセがある人もたくさんいます。「あー」とか「えー」とか余計な音を発するのを控える。話しながら身体を揺するのをやめる。

少し意識をするだけで、話し方はガラリと変わるんです。

さすが「たった1日で」とタイトルにあるように、読んでるそばから実践できるものばかり……というか、良くない話し方が見に覚えがありすぎて、今すぐにでも改善したい……!

たった1日で、すぐ変わる!

「話し方」は、他者とのコミュニケーションを変えてしまいます。コミュニケーションが変わるということは、ビジネスやプライベート、プレゼンやスピーチも、質が変わるということです。

また、緊張しないで話すことや、相手から話を聞き出す「相づち」など、ちょっとした意識の変化が、大きな変化をもたらすということなんですね。

相手にどう聞こえるのか、どう見えるのかを確認しつつ、ゆっくりと落ち着いて話す。話し始めは高い声で、本題は落ち着いた低い声で。聴衆の集中力が落ちてくる頃に高い声を使う。

共鳴や腹式呼吸など、練習に少し時間のかかるものもありますが、これは追々。

今すぐ実践できる「話し方」で、コミュニケーションの幅を生み出しましょう。

たくさんある「話し方」の本から

「話し方」の本って、巷に沢山あります。

『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』は、著者がアナウンサーであること。また、話し方セミナーやレッスンを行っている講師であることが特徴です。

数ある「話し方」の本の中からどれを選ぶのか。著者のプロフィールや、実際のレッスンの充実度をチェックしてみてもよいかもしれませんね。

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『LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲』

FacebookのCOOでも、「女性である」ことにぶち当たるの!?

男の子は男の子の、女の子は女の子の

こんにちは、あさよるです。

あさよるネットで以前、『会社のルール』という本を紹介しました。

女性の社会進出にあたり、男性のルールを知り、それを利用してゆこうという指南書です。

小さい頃、男の子は男の子の遊びを、女の子は女の子の遊びを通し、社会の勉強をしました。子どもの遊びとは、大人の社会を反映していて、大人の真似事をすることで、社会を学びます。

あさよるは、この『会社のルール』を読んで、これまでにない視点を知りました。

女性が社会で働くことについて、もっと知りたいと思いました。

あれ?性差と社会的立場の差がごちゃごちゃに…

女性の社会進出。どんどん進んでいますが、あちこちで問題は転がっているようです。

幼いころ伝統的な「女の子らしく」なるよう育てられたのに、成人する頃にはすっかり社会が変わり、男女同じように就活に挑む。だけど、結婚を機に就業時間を短くしたり、出産と同時に専業主婦にジョブチェンジする女性もいる。

そして、それが良いモデルとして扱われている場面って、意外と多いような気もするのです。

あれ?そういえばなんで、結婚や出産に伴って仕事をセーブするのは女性なんだろう?男性だって、働き方に幅があっていいはずだし、女性の方が所得が多かったり、多忙な仕事もあるだろう。

一方で、出産や、出産直後の授乳など、女性にしかできないこともある。

社会の中で、性差ではなく「人」として振る舞うということはあたり前のことのはずなのに、なんで男女で違うんだろう?一方で、身体的特徴として存在する男性と女性の差。

社会の中の「人」として、生物としての「ヒト」として生きるために、「女性」というどうしていいか分からない壁が立ちはだかっています。

女性が気づかない女性のモンダイ

本書『LEAN IN』は、女性が直面している問題……いいえ、正確に言うと、女性が直面していることにに気付かない問題を取り上げています。

著者のシェリル・サンドバーグさんは、マッキンゼーや財務省補佐官、その後Google社を歴任し、現在はfacebookのCOOを務めます。

『LEAN IN』を読んで驚くべきは、アメリカで、シェリル・サンドバーグさんほど立場のある有能な人物でさえ「女性」であることに打ちのめされている!

彼女はハイスクールでももちろん成績はトップ。ですが、女性が男性より優秀であると、パーティーに誘ってもらえない。要は「モテない」と周りから心配され、サンドバーグさんも悩みます。

また、女性は男性よりも自信が持てないと統計結果に出ています。男性は自分の実力以上の仕事にトライすること厭いません。実力を過信することを恐れず、他者から高い評価を望みます。一方、女性は自信がないので、確実に実績を積み上げてゆかねばなりません。さらに、自分から売り込みをせず、ただ上司が自分を抜擢すまで待ち続けます。だけど、待っているとどんどん、自分から手を上げる男性にチャンスを奪われてゆく。

男性は夢見がち、女性は現実的なんて言いますが、こういうことを言ってるのかな?と思いました。

強い女性は、お好きでない?

周囲からの視線も、性差によって変わります。

自らチャンスをもぎ取り、人の上に立ちリーダーシップを発揮する男性は、頼もしい男性だと感じます。

しかし、これが女性なら、勝ち気で強欲で、気の強い女性だとみなされます。

結婚したら、出産したら、「どうやって両立する気?」

周囲からの揶揄は、結婚・出産とプライベートな事柄にまで飛んできます。

男性が結婚し子供を持っても誰も何も言わないのに、女性が結婚し子供を持つと「仕事と家庭の両立はどうするの?」「いつまで仕事を続けるの?」と質問が降り注ぎます。彼らに悪意はなく、純粋に心配や心遣いをしているだろうことが、問題をますますやっかいにさせます。

サンドバーグさんも同様に、結婚や子育てに関して、たくさんの質問を受け続けたそうです。

肉体的な違いもある

また、肉体的に「女性であること」の問題も起こります。

サンドバーグさんは妊娠中、悪阻がひどく大変な思いをなさったそうです。出産後は3か月間の産休を取りましたが、出産後次の日にはノートパソコンを開き仕事をしていたそうです。

しかし、産休を終え、職場へ向かおうとガレージを出るときには、子供と離れ離れになるのが寂しく感じもしたそう。その後、第二子も誕生し、二人の子育ては事前の想像を超えて大変なものだったそうで、思ってもみないトラブルも勃発します。

ただ、サンドバーグさんの夫デイブ・ゴールドバーグさんは子育てに積極的に参加し、サンドバーグさんを支えました。

医学や技術革新が、どう変える?

出産や子育ての問題は、医学や技術の進歩によって変わってゆく要素が大きいのではないかと気づきました。

例えば、「産休・育休 or 職場復帰」の二択ではなく、もっと他の選択肢があってもいいんじゃないか、例えば自宅で仕事をするとか。

年々進化してゆく紙オムツとか、すごい便利なアイテムも、従来の「お母さん」の仕事を変化させているでしょう。

かつてない社会の形?

性差による社会的差があるのは当然だという人もいます。

生物的に、男性と女性は違うのだと考える人もいるでしょう。

“女性”リーダーがリーダーになる日まで

世界を代表するリーダーであるシェリル・サンドバーグさんでさえ、自らの思い込みや、「女性だから」という理由で悩んでいました。

シェリル・サンドバーグさんは、決して「フェミニスト」になりたくてなった人ではなく、優秀なのに、優秀な男性と同じように振る舞えず、キャリアを詰めない女性たちを見てきました。

サンドバーグさん自身も、女性特有の自信のなさに苛まれていたと告白しています。

女性のリーダーになったことで、女性へ向けてのメッセージを発するべき立場になったのです。

これからの未来の女性のあるべき姿は、サンドバーグさんはじめ、女性のリーダーが牽引し、「発見」してゆくものなのかもしれません。

少なくとも、過去に存在した価値観とは違う、新たな社会の形を探しているのではないでしょうか。

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『「正しさ」にふりまわされないコツ』|「正しさ」の反対は「正しさ」?

自分の「正義」が、自分を追い詰めてない?

和田秀樹先生の新刊!

当あさよるネットでも以前、和田秀樹さんの書籍を紹介しました。

↑この本もですし、昔読んだ和田秀樹さんの本も面白かったので、新刊を見つけて手に取りました。

「正しい」と「正しい」のぶつかり合い

本書では、自分のもっている正義感や正しさが、自分自身をがんじがらめにし、自分を追い詰めてゆくと紹介されています。「自分自身を苦しめる正しさ」とはこれいかに。

例えば「鬱なんて怠けだ!」と仕事を休む同僚を揶揄している人は、いざ自分が鬱になったとき、仕事を休めません。確かに、気力でなんとか乗り切れる時もあるでしょうが、どうにもならない時もあるのに。

要は「詰み」になっちゃうんですね、過去の自分の発言のせいで。自分で自分の選択肢を消してしまう。本来なら、たくさん選択肢のある場面なのに、にっちもさっちもいかなくなってしまう。

そして、「正しさ」は他人が持ってる「正しさ」とぶつかり合います。例えば、「ずっと子供の側にいてあげたい」と辞職する母親も、「子供のために働きたい」と仕事に出る母親も、どちらにも正義があり、どちらも間違っていません。なのに、時にイガミあってしまいます。

「~すべき」「~であるべき」に振り回されていませんか?

「正しさ」への対処法

『「正しさ」にふりまわされないコツ』では、「正しさ」への対処法が紹介されています。

そもそも、自分の「正しさ」に振り回されてしまう人は、それだけ正義感が強い人です。だからっちょっとだけ、自分に甘くなりましょう。そして、同じように他人にもちょっとだけ甘くしましょう。「開き直り」も大切です。

「○○ならば△△しかない」と思い込むのはやめ、自分にも別の生き方、別の人生があることを大切にします。案外、間違ったって大丈夫だったりするのかもしれません。自分で勝手に「決めつけ」を行うのはやめましょう。

そして、相反する正しさと出会ったとき「どちらが正しい」と考えるだけでなく、「どちらも正しい」場合も考えます。

やっかいな「正しさ」もあります。例えば「可哀想な人に親切にする」というのは、一見素晴らしいことのように見えます。しかし、特定の誰かを「可哀想」と自分が決めていることを忘れてはなりません。

「正しい」を決めているのは自分。

そう、「正しい」「正しくない」を決めているのは、他の誰ならぬ「自分」なんですね。その決めつけ、思い込みを、時に「偏見」と呼ぶこともあるでしょう。もしかしたら正義の名のもとに「差別」と呼ばれることをしているのかもしれません(;’∀’)

そして「こうしたらあの人はこう思うだろう」「こんなことをしたら○○だって思われる」と、他人の行動や思考にまで決めつけをしちゃってます。実際問題、相手がどう出るかは相手次第です。他人は自分とはまた別の「正しさ」で動いているのです。

『「正しさ」にふりまわされないコツ』感想

本書『「正しさ」にふりまわされないコツ』は、「ほんとマジ共感」と頷いてばかりの読書体験でした。

ああ!あさよるも10代、20代の頃の自分に読ませてやりたいぜ!まったくもって、自分の正義を心から信じ、その正義に刃向かうヤツは「間違っている!」と鼻息荒く突っかかっていました。いやぁ、思い出すと恥ずかしや~。

自分の「正しさ」以外の行動基準を見つけられず、自らの「正義」を振りかざし、その「正義」に自分が苦しめられていました。いやぁ、我が青春は苦しみしかなかったぜ!(^_-)-☆

八方ふさがりで、本当に「詰んだ」と悟り、「もう生きられない…」と思ったけれども、覚悟も決められず(-_-;) だらっと未だに生きていますよ。だけどそれ以降、だらっと生きながら、自分の正しさに折り合いをつけたり、他人の正しさにも正義があることを受け入れられるようになりつつあります。

( ゚д゚)ハッ! 自分語りしてしまった!

今すぐ変われるものでもない…?

とまぁ、『「正しさ」にふりまわされないコツ』に書かれている内容、「んだんだ!」と大いに納得なのですが……。じゃあ、この本を読めば、書いてある通りに行動できるのかっ!ってとこですね。

正直……自分の「正しさ」にがんじがらめになっているモードのときに、和田先生のお言葉が胸に入ってくるだろうか……(遠い目)。

あさよるの過去を振り返ると、今思えば適切なアドバイスをしてくださる人生の諸先輩方もたくさんおりましたが、全然耳に入りませんでしたっ!で、『「正しさ」にふりまわされないコツ』も、響いてなかったんじゃないのかな?と思ってしまう……。

イチバン届いてほしい人には届かないジレンマがあるのかもしれません…。

誰もが「正義」をふりかざしている?

『「正しさ」にふりまわされないコツ』で改めて認識したのは、「誰もが『正義』を持っている」ということです。

もうちょっと強く言うと、誰もが正義を振りかざしている。正義の名のもとに、誰かが誰かをバッシングする。不正を許すまじと、弱者を追い詰める。ズルをした、悪いことをした人を正義という名の「私刑」に処す。

みんな、誰もが正義を持っている。自分は「正しい」と信じ行動している。これって、時に厄介で、時に恐ろしくもある。

自分とは違う「正義」を持っている人と、譲ったり、認めたり、尊重することで、何か変わるのかなぁなんて思う。その、譲るものは、自分には理解しがたい「正義」であっても。なんだか、とても矛盾しているようにも思うけど、それしかないのかなぁ。

あなたを追い詰めるのは、誰?

もし今、息苦しさや、行き場がないように感じているなら、もしかしたら自分の「正義」感が、自分を追い詰めているのかもしれません。

他者が何か阻んでいるのかもしれません。自分が、自分の「正しさ」にがんじがらめになっていないでしょうか。

『「正しさ」にふりまわされないコツ』は、自分の「正しさ」にも、他者の「正しさ」とも、そして社会の「正しさ」とも、上手く折り合いをつけるコツがたくさん紹介されています。

読みながら納得するものばかりでした。

「ちょっと肩の荷が重く感じるなぁ」「ギスギスしてるなぁ」という時にどうぞ。

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池上彰『伝える力』|子どもへニュースを伝える力

「伝える力」が、わかった!を導く

そんな気にさせるコミュニケーション術

自分の意図を伝える力

本書『伝える力』で紹介されているのは、相手に自分の意図通りに解釈し、行動してもらう方法だと感じます。

自分の意志を「伝える」ということと、自分の意志が「伝わる」ということは、似ていますが全く違うことです。本書『伝える力』では、タイトルとは違い「伝わる」ための方法を、池上彰さんが伝授しています。

冒頭で、子どもに「日本銀行」を説明するには、どう説明するかという問がなされます。そう、なんとなく「日本銀行」について知っていても、いざ何も知らない子どもに教えようとなると、どこから手を付けて良いものか悩ましい。

さすが『週刊こどもニュース』のお父さん・池上彰さん。子どもに説明できるほど噛み砕いて、簡単な言葉に置き換えてゆくには、大人の側の理解力が試されます。大ざっぱに知っていることは、噛み砕いて説明できません。きちんと徹頭徹尾理解しているときに、簡単に翻訳することができるんです。これは、現在もテレビで池上彰さんを拝見するときのお姿に重なりますね。

伝えるテクニックを磨くには

第二章は、相手の心を惹きつけるための極意。話の「つかみ」の大切さが説かれます。小説も、最初の出だしが大事だと言います。名作と時代を超えて愛される作品は、出だしの文章まで印象的!(例 『吾輩は猫である』『雪国』)

また、人間関係で大切なのはコミュニケーションです。コミュニケーション力の高さは、伝える力に大いに関係があります。参考になるのは、毒舌を言っても憎まれない人たち。芸能人だと、綾小路きみまろさんや毒蝮三太夫さんが挙げられています。彼らは毒舌でお客さんのことまでヒドイ言いまわし!だけど、毒されたはずのお客さんは、みんな嬉しそう。「毒舌」にも、その根底に愛情が潜んでいることが、ポイントなんだそう。

そして、伝わる「文章」を書くコツも紹介されます。ここで紹介されるノウハウはベーシックなものが多いです。やっぱり基本は大切なんですね……。ニュースの原稿を手書きで書き起こしてみたり、あと、無闇にカタカナ語や熟語を濫用しないよう呼びかけられています。ここでも、相手に伝わる言葉の選び方が重要なのだと気付かされます。

また、アウトプットに必ず必要なのは、インプットです。しかも、上質なインプットがしたい!池上彰さんは、落語を聞いたり小説を読んだり、文化的な活動を勧めておられます。また細切れの時間を見つけて、インプットを行うために、スケジュール管理方法まで言及されています。

「教える力」「理解させる力」ではない

「伝える力」って、池上彰さんっぽいなぁってのが、感想ですw

この「伝える力」の面白いところは、「教える力」ではないってこと。先の例だと、日本銀行がどんな仕事をしているのか、社会の中でどんな働きをしているのか「教える」のではありません。あくまで、「こんな仕事をしてるんですよ~」と「伝える」力なんです。

その姿勢は、本書を通して一貫しています。相手に「教える」「理解させる」のではなく、相手に「伝える」。同じような事柄ですが、微妙に違います。池上彰さんがテレビで活躍している様子を見ても、「伝える」ことに重きを置いておられるんだと思います。

意思表示をきちんとする力

「教える」「理解させる」って、相手に働きかけ、相手に変化を与えることです。だけど、「伝える」って、ちょっとニュアンスが違うなぁと思いました。

自分の意図を伝える。きちんと意思表示を相手に認識させる。それって、社会生活の中で必要なコミュニケーションスキルの一つです。喜怒哀楽の感情も、自分たちの利益不利益も、きちんと伝えるべくことは沢山あります。

「これは大事な話です」と伝えたつもりが、相手には大事さが伝わっていなかった、なんてこと、ありますよね(あさよるは、よくあります(^_^;)>)。それって、「伝える力」がないからです。

苦情やクレームを入れるのが下手ならば、迷惑なクレーマーとして対処されてしまいます。けれども、本来クレームは上手にできれば業務やサービスの改善がなされますから、大人ならきちんと苦情、クレームを入れられるようになりたい……と思いました(あさよるは、苦情を伝えるのがとても下手で、身につまされます)

軽めの読み物として、隙間の時間に!

テレビで活躍の池上彰さん。テレビでは知っていても、実際に著書を読んだことがない人も多いかもしれません。

この『伝える力』は誰にでも当てはまるコミュニケーションの基礎のような内容ですから、誰でも読むことができます。

一方で、コミュニケーション関連の書籍やビジネス書をたくさん読んでいる方には、物足りない内容かもしれません。内容が基礎的ですので、上級者の方は、他の本を。

『伝える力』とタイトル通り、どの章節もライトで読みやすく、すんなりと頭に入る言葉が使われています。ササッと読めば、早い人なら1、2時間もあれば読破しちゃうかも?短い節に分かれていますし、通勤時間や、ちょこっとした隙間の時間に、ちょっとずつ読んでゆくのがオススメです。

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『一流の育て方―――ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』

いずれ巣立ってゆく子へ、親ができることは少しだけ

せめて将来の仕事へ繋がる学習習慣と、自信と思いやりを

間違えて手にとったw

『一流の育て方』とタイトルだけ見て、一流になるための方法とか、一流の人がやっていることが書かれた本なのかなぁ~と勘違いして手に取りました(笑)。

読んで見ると、子どもを一流に育てるための子育て本でしたw あさよるは子育てしたことがないので、こんな機会でしか子育て本を読むこともないだろうなぁと、最後まで読み進めることにしました。

結果、これまで読んだことがない内容ですので、気付きや発見の多い読書になりました。そっか、親の仕事って、究極を言っちゃうと、教育を受けさせる以外にないのかもなぁ。あとは本人の自由だもんなぁと、改めて。

「我が子」という客観視できない人だから

『一流の育て方』は、ミセス・パンプキンさんによる子育て論です。

パンプキンさんには上の2人の女の子と、その下に2人の男の子を持つ4人のお母さんです。4人は4人とも、同じ親から生まれ同じように育てたのに、それぞれ個性的に巣立ってゆきました。

タイトル『一流の育て方』にある「一流」とは、有名大学へ入学した学生たちのことを本書では「一流」と呼んでいます。一流大学の学生のアンケート結果をもとに、パンプキンさんによる一流を育てる子育て55か条!

(ちなみに、本書でアンケート結果として取りあげられていたのは以下の学生たち。青山学院大学、大阪大学、京都大学、慶応義塾大学、サスカチュワン大学、中央大学、東京医科歯科大学、東京外国語大学、東京工業大学、東京大学、東京理科大学、東北大学、名古屋大学、一橋大学、立命館大学、早稲田大学。誰もが知っている大学がズラリですね)

一流の育て方55か条!(の一部)

一流の育て方55か条は、過保護も育児放棄もダメ!とか、本を読ませようとか、ありきたりと言えばそうですが、なかなか子どもが親の言うことを聞かない事柄を、どうやって導いてゆくか、が中心です。『一流の育て方』の最初のページはこんな列挙から始まります。

・子どもは親のどんな教育方針に感謝している?
・なぜ「頭がよくても成功しない」子どもが多いのか?
・なぜあの人は「自分で物事を決められる」のか?
・「主体性の有無」は、出身大学と無関係
・重要な決定ほど、子どもにさせる
・過保護と育児放棄のバランスが大切
・他人に迷惑をかけない人ではなく、「役立つ人」を目指させる
・ときには自分以外の全員が「間違っている」と教えよ
・子どもを「天職」につけるにいはどうしたらいいのか?
・視野を広げず「自主放任」してもダメ
・親のアドバイスは成人してから効いてくる
・「半径100メートル」で育てない――広い世界観をもたせるには
・自分の意志で挑戦させ、簡単にはやめさせない
・子どもの「強い意志」がないところに、湯水のような教育費は無駄
・相手を理解し、心を通わせる能力を育む
・親の価値観の押し付けが、子どものコミュニケーション能力を低下させる
・怒るのではなく、気づかせよ
・たいていの子どもは放任しても強制しても、勉強しない
・教育とは、「勉強の楽しさ」「何が好きで、何が得意か」に気づかせること
・なぜ子どもに「勉強しなさい」と言ってはいけないのか?
・「何が好きで、何が得意か」に気づかせることが最大の教育
・他人の子は「しつけ」ができていて初めてかわいい
・なぜ「バーベキューパーティ」の振る舞いで将来を予測できるのか?
・子どもは「優しさだけ」を求めていない
・子どもに「お金の話」はすべきか?
・感謝力を磨け――「小さなありがとう」を忘れない
・子どもは親の言うことを聞かないが、行動の真似はする

ムーギー・キム/ミセス・パンプキン『一流の育て方』p.1.2

あさよるは子育ての経験はありませんから、「子育てあるある」は共感することが出来ません。しかしながら、あさよるも超反抗児だったので、この列挙を見て我が事を言われているような気分になります(苦笑)。

さて、55か条もの子育て論すべてを紹介するわけにもいかないので、かいつまんで。本書『一流の育て方』が面白かったのは、ミセス・パンプキンの子育て経験が元になっているのですが、その経験は必ずしも成功談ではないことです。

パンプキンさん夫妻は、お子さんにピアノを強制的に習わせていました。もちろんお子さんの将来を思っての行動ですが、息子さんはピアノは嫌だったようです。そこで、パンプキンさんは「法律でピアノを習わないといけないと決まっている」と嘘をついて息子さんをピアノ教室へ通わせていたそう。

すると、息子さんが小学生になったある日、パンプキンさんにこう報告したそうです。「ピアノって、別に習わなくてもいいのやって!」。母親を責めるのではなく、間違っていたお母さんに“教えて”くれたんですね。

……こんなエピソード、どこのお家にも一つや二つあるんじゃないかと思いますし、笑い話になっているお家もあるでしょう。しかし……小さな不信感が募り募って、大きな埋まらない溝になってしまうこともあるでしょう。

たまたま、パンプキンさんご家族は、溝が深まる原因にはならなかったようで、笑える話になっているようですが、一歩違うとヒヤッとする話です。

「大人ではない人」という存在

子育ての難しさは、相手は子どもとはいえ、一人の人格ある人間ですが、彼らは「大人ではない」という曖昧さなのかもしれません。

大人をマネージメントするように子どもにも接するべきですが、彼らは未熟で、目的を明確に持てなかったり、放っておくとあらぬ決断をすることもあります。多干渉は以ての外ですが、放任主義も考えモノ。世間には様々な誘惑が溢れていますから、小マメな微調整は大人が加えないといけません。

その、一人の人間として扱いつつ、適度に親の監視下に置く、という微妙な立ち位置が難しいのかもしれません。また、子どもも日々成長してゆきますから、親もそれに合わせて対応を毎日変え続けないといけないことも、難しさなのだろうなぁと思いました。

正解がない、なんでも裏と表

子育てって難しいんだなぁと思います。「正解がないから」とありきたりなことを嘯いてみますが、正にそう。

学生たちのアンケートは、「もっと叱って欲しかった」と「叱らないで欲しかった」という真反対な回答が並びます。「放任主義で好きなことをさせてくれた」という答えがある一方で、「もっとサポートして欲しかった」という答えもあります。

親が子に常識や道徳を教える必要があります。一方でそれは、親の思想や偏見を子に刷り込んでゆくことと同義でしょう。

パンプキンさんも、子どもたちに弱い人の側に立つ人になるよう身を持って教えていたようですが、それも視点が変われば評価は変わるでしょう。

大人になれば、何が必要なのか見えるようになります。英会話は出来たほうが良いでしょう。音楽に親む人生は豊かになるでしょう。中学受験のために、遊ぶのを我慢し今だけ集中すれば、未来は楽になるのではないか。長く生きているからこそ、大人は子どもに無理やりにでもさせたいことがあるんです。

……はい、自分が大人になれば分かるってヤツですね。

「親」という立場になったことのない人の感想

と、あさよるは子育てをしたことがないので、親目線の話しは想像でしかわかりません。強いて言えば、自分もかつて子どもだったことと、大人として、子どもにどう接したいかというところですね。

本書『一流の育て方』は子どもに「無償の愛を注ぐ」という話で締められます。そりゃそうなのかもしれませんが、なんだか釈然としない気持ちになったのは、これは「親の心子知らず」というヤツなのでしょうか……。

本書での「一流」は、有名大学へ入学することです。その後の身の振り方が大切だと思う方もいるでしょうが、親の仕事として、大学まで入学させたら、あとは本人の勝手なのかなぁと思いました。

ということは、有名大学へ入学させることが、「一流」を育てる親の仕事ということです。親が病気や怪我で働けなくなったり、ましてや死別したり、「無償の愛」を注げなくなってしまう場合が想定されていないので、心もとなく感じました。

子育てに時間も、お金も使える、レアな人へ

夫婦とも健康で、定職に就いていて、かつ子育てに時間を割ける余裕があり、「一流」の大学へ入学するための勉強を見てやる余裕があったり、習い事に通わせたり、読みたいだけの書籍を購入したり、時間的、金銭的余裕のある夫婦にであること。それが前提に設定されているように思えます。

で、それって、現在の「子育て」のモデルになりえるのって、かなりレアケースじゃないのかなぁ?と不思議に感じました。

「子」という独立した人間を、サポートするために

子育てって、すべての人が当事者です。誰もがかつて子どもだったのだから。だからこそ、色んな人が色んな事を言うのが「子育て」です。

自分の経験談や成功例を語る人、こうして欲しかったと願望を語る人。手に入らなかった夢を子どもに見る人もいるでしょう。

「子育て」に正解と言えるものって、あるわけがありません。誰も未来はわからないのだから、有名大学へ入学したって、一流企業に就職したって、立派な肩書を手に入れたって、万々歳とは言い切れないのは難しい所。

だけど、どう生きるのかは、結局のところ本人次第。親や兄弟でさえ関与できません。そして、「子育て」と称して、親が子にできることって、勉強のサポートをし、興味や知識の幅を増やしてやったり、学費を工面するくらいしかないのかもしれません。

有名大学へ入学したからって、その先どうなるかは、もう子どもの勝手でしょう。社会人になり、成人しているのですから。だから、親のする子育って、有名大学にでも入学させてやれれば、上出来なんでしょうね。

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