『「嫉妬する女はブスになる」問題』|嫉妬はするもされるもNG

こんにちは。あさよるです。インターネットは人の嫉妬心を拡大する装置じゃないかという話を耳にして、ちょっとモヤモヤしていた。ネットの到来によって、これまでなら触れることのなかった人の幸せな話や成功譚により、嫉妬が作られているというのだ。

だけどわたしは、嫉妬はネット以前からもちろんあるし、世間が狭かったからこそ、嫉妬もより複雑だったんじゃなだろうかなんて思うと、今と昔で人の嫉妬心は違っているのだろうか……なんて考えていた。

だけど、嫉妬が自分にとって良からぬものであり、人間関係においても面倒なものであることは同じだろう。もちろん、嫉妬をモチベーションとする有効活用法もあるんだろうけど、上手にコントロールできている人は希だろう。

『「嫉妬する女はブスになる」問題』は、嫉妬が生まれる仕掛けや、そのいなし方、そして、人に嫉妬されない方法が紹介される。軽く読める内容だけど、気づきも多く読んでよかった。

嫉妬は自分への苛立ち

「嫉妬」は誰にでもある感情だけれど、自分の嫉妬心に振り回される人を「嫉妬ブス」と本書では名付けられている。嫉妬は上手に使えば、モチベーションにもなる。だけど、嫉妬の炎にやかれ、人の幸福を見て落ち込み、人の足を引っ張ることに時間を費やすようになると、自分の幸福からどんどん離れていってしまう。そんな生活を「嫉妬ブス」としている。

友人や恋人へLINEの返信や電話の催促で睡眠時間を削って……となると本当に美容にもよくはない。「嫉妬」してしまうこと自体は誰でもすることだだけど、自分で「嫉妬している」と自覚しないと、自分で自分の足を引っ張ってしまうのだ。

本書でハッとしたのは、嫉妬している人は、本当は「変化することのできない自分」に対して苛立っているというものだった。似たような境遇にいたのに、自分より先に良い思いをする人や、幸福を手に入れた人は、環境にうまく適応した人だ。自分が気にいらないのは、「環境に適応できない自分」なのだ。変わらなければならないのは自分なのに、他人の言動や考えを変えようと攻撃や依存をしかけるから、嫉妬は厄介だ。

嫉妬ブスから抜け出すには、嫉妬心を抱いたら、まずは「今自分は嫉妬している」と自覚する、そして「自分が変化しよう」と、この二つの思考へと自分を導くといいみたい。

嫉妬されない方法

「嫉妬の対象にならない」ことも、人間関係では大事だ。負の感情に晒されるだけでエネルギー消耗しちゃうよね。

嫉妬をかわすには「抜け感」が大事だと紹介されている。例えば、FacebookやInstagramに投稿するときは、リア充アピールしたなら、そのあとの〈オチ〉をつける。つまり、失敗エピソードを添えておく。良いところばかり切り取って見せていると、「見せびらかしている」ように受け取る人もいるからだ。

「別に自慢したいわけじゃないし」「向こうが勝手に嫉妬してるんだろう」と思うかもしれないけれども、それはお互い様だ。自分も、他人の言動に勝手に嫉妬心を掻き立てられて、嫉妬ブスに陥っていることもあるだろう。「無暗に嫉妬を誘わない」のも、これもまたスマートなやり方だろう。

嫉妬に火をつけないように

本書はつい嫉妬してしまう嫉妬心を解説したものだけど、それを応用して「嫉妬されない方法」まで話が及んでいるのが良い。嫉妬しないように気を付けている人は多いだろうけど、「嫉妬されること」に無自覚な人は多いように思う。わたしは個人的に、人に嫉妬されることも、これはこれで良くないことだと思っている。

「嫉妬心」は誰もが持っている気持ちだ。そして嫉妬は自らを焼き尽くし、身を破滅させてしまう程の力を持っている。これはすべての人に備わっている危うさだから、心が弱いとか、性格が悪いとか、そういう話ではない。そして、人の嫉妬を掻き立てるのは、破滅という爆弾の導火線に火をつけて回っていることと同じじゃないかと思う。物騒な話だ。

自覚的に嫉妬を煽るのはもちろんだけど、無自覚に人の嫉妬心を刺激していないか、常に確認していたいと思う。

こう感じるのは、わたし自身も嫉妬深いからかもしれない(;^ω^) 「負けず嫌い」で、嫉妬心がプラスに働いてモチベーションを上げることもあるけれども、とめどもなく時間と労力を消費するだけで終わることも多い。

嫉妬心をコントロールすることも、自慢話でマウンティングしたい気持ちを抑えるのも、どちらも「試されている」瞬間なのかも。

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「嫉妬する女はブスになる」問題

  • 柊りおん
  • サンマーク出版
  • 2016年5月15日

目次情報

はじめに/「嫉妬する女はブスになる」問題

1章 「嫉妬なんてしません!」と否定する「嫉妬ブス」・「今、嫉妬してるのかな?」と受け入れる「感情美人」
〈まずは、自分の嫉妬と向き合う〉

 「嫉妬ブス」の本音と建前
 「モヤモヤ」したときこそ「心のクセ」と向き合える
 立派すぎる価値観で「嫉妬ブス」は生まれる
 同じものを見ても嫉妬する人としない人がいるのはなぜ?
 あなたの「嫉妬タイプ」を知ろう!
 ①置いて行かれることが不安な「べったりタイプ」
 ②嫉妬心を認めない「王様女王様タイプ」
 ③ほめられたくてしかたがない「チヤホヤ渇望タイプ」
 ④ネガティブな妄想が止まらない「思い込みダメ人間タイプ」
 人文の嫉妬タイプを知ることが、「感情美人」への第一歩

2章 自分が「0」な「嫉妬ブス」・自分が「1」な「感情美人」
〈嫉妬が生まれるのは、どんなとき?〉

 「嫉妬ブス」になりやすい人の三つの特徴とは?
 ①相手に依存的な「0+1=2」「2-1=0」思考の人
 ②自分の価値観に執着しがちな自分に自信がない人
 ③偽りの記憶に要注意!妄想族タイプの人
 「嫉妬ブス」の逆を意識すれば、「感情美人」になれる
 「嫉妬ブス」が生まれやすい三パターンとは?
 ①似たような環境にいた誰かが、少し上に抜けたとき
 ②格下に追い抜かれそうになったとき
 ③同業の誰かが活躍したとき
 自分の嫉妬をパターン分析している

3章 妄想を生きる「嫉妬ブス」・現実を生きる「感情美人」
〈「心のレンズ」をメンテして、嫉妬と上手に付き合う方法〉

 「ゆがんだ妄想」が「嫉妬ブス」をつくる
 「思い込み」を手放せば、「感情美人」に近づける
 嫉妬は「妄想作家」のひとり言
 妄想作家先生のおしゃべりは、「こう」なだめる
 「自分を苦しめる」嫉妬、「自分に力をくれる」嫉妬
 「つい」はOK、「ずっと」はNG!
 「九十秒」は嫉妬しても問題なし!
 「心のレンズ」についているくもりや色を落としてクリアにしよう
 定期的に「心のレンズ」のメンテをする
 人のレンズまで磨こうとしてはいけない

4章 超実践編・「嫉妬ブス」VS「感情美人」
〈あなたのなかの嫉妬ブスを負かす九のヒント〉

 いよいよ、「アイツばっかり!!」「あの人がうらやましい!」気持ちを解決しよう
 ①幸せな結婚をしたあの人がうらやましい
 ②キャリアウーマンのあの人がうらやましい
 ③赤ちゃんや子どもがいつあの人がうらやましい
 ④優秀な子どもがいるあの人がうらやましい
 ⑤美人で仕事ができるあの後輩がうらやましい
 ⑥華やかな活躍をする兄弟姉妹がうらやましい
 ⑦お金持ちのあの人がうらやましい
 ⑧頼れる人がいない自分がみじめ
 ⑨絶望的な状況に陥ったなら……
 誰かをうらやましいと思ったら、事実と自分を見つめよう

5章 嫉妬を引き寄せる「嫉妬ブス」・嫉妬をかわす「感情美人」
〈SNS、職場、女子グループ……まわりから〉

 「嫉妬ブス」から標的にされないためには「抜け感」が大事
 「秘密の窓」の見せすぎに注意!
 人生の「山」ではなく「谷」を見せる
 偉人に学ぶ、嫉妬をかわす処世術
 「SNS上」で嫉妬をかわしたいときのテクニック
 男女で違う!パートナーからの嫉妬を和らげる
 世にも恐ろしい……女子グループからの嫉妬を和らげる
 足の引っ張り合い!?職場の敵を少なくするコツ

6章 ドロドロ「嫉妬ブス」から幸せ「感情美人」になる方法

 「嫉妬ブス」「感情美人」あなたがなりたいのはどっち?
 怒りと嫉妬を暴走させる「嫉妬ブス」は、自分を不幸にしてしまう
 「見返す」はOK、「仕返す」はNG!
 「嫉妬ブス」に妬まれたら、闘うか逃げるか決める
 なぜタイガー・ウッズはライバルの成功を祈るのか?
 相手をつぶす人でなく、見つけてもらえる人になる
 唯一負けていないのは、自分の弱さ

おわりに
主要参考文献

柊 りおん(ひいらぎ・りおん)

感情美人デザイナー
Officeテオーリア代表/日本感情心理学会所属/(米)アンガーマネジメントスペシャリスト
中央大学総合政策学部卒。通訳業務などを担当後、東日本大震災で被災し「今」を大切に生きるために転身を決意。感情マネジメントについての講演や執筆活動を行い、のべ約3000名もの怒りや不安と向き合う。脳科学・心理学・行動経済学に加え、歴史や芸術にも触れる独自の講座にはリピーターも多い。また「ジェラシーマネジメント講座」を企業や一般向けに開催している。
自身が離婚・育児・介護を同時に抱え精神的に苦労した経験から、ネガティブな感情に振り回される「感情奴隷」から抜け出し、自分が感情のマスターになって夢を叶えるための「感情美人学」を提唱。自分自身の手で人生に必要なものを引き寄せられると、感謝の声が多数届いている。
著書に『「感情美人」になれる7つの扉 欲しい未来が手に入る 怒りのコントロール術』(光文社)がある。

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