読書記録

『もっと簡単に暮らせ』|人生を自分で選ぶコツ

こんにちは。早くAIが服を畳んで引き出しに収納してくれる時代が来てほしい あさよるです。気の利いた音楽なんて再生してくれなくていい、部屋を片付けてくれないか……。と、そんな話題と関係あるようなないような『もっと簡単に暮らせ』を読みました。

この本では、今現在現実問題として服を畳まなければならない我々が、暮らしやすく暮らすための極意が収められたものであります。著者のちゃくまさんはブロガーの方で、そちらも熟読いたしましょう。

毎日の、コツ

本書『もっと簡単に暮らせ』は、著者・ちゃくまさんによる暮らしのコツ、考え方のコツが86つまった書籍です。ちゃくまさんはブロガーの方で、日々ブログで暮らしに役立つ記事を投稿なさっています。で、どうやら本書は続編のようで『簡単に暮らせ』という本が先に出版されています。順番に読めばよかった(;’∀’)

また、ちゃくまさんご自身が40代女性で、夫と大学生の息子さんがいらっしゃるそうで、同じ年代の方や、子育てがそろそろ終わる方がより共感できるんじゃないかと思います。

簡単に暮らせ

簡単に暮らせ

  • 作者:ちゃくま
  • 出版社:大和書房
  • 発売日: 2016-06-22

人の目、気にするのやめない?

本書では生活全般、家事、日用品、家計、買い物、生き方、着るもの、片づけを、シンプルにするためのコツが紹介されています。しかし、よくよく読んでいると、これらって「他人との付き合い方」に尽きるんじゃないのかな?と気づきました。

たとえば、家計の話では「見栄を張るのをやめる」「つきあいをやめる」と言及されているし、「あの人がああ言うから」「義母にこう思われるのではないか」などなど、自分以外の人間を判断基準にしちゃっていたら、そりゃ片付くものも片付かないし、お金もどんどん出てっちゃうわなぁ、と。

ちゃくまさんのブログでも、人間関係について言及なさっているエントリーも充実していて、こっちも読みふけっていました。

そういえば、先日読んだ勝間和代さんの『勝間流ロジカル家事』は、トコトン勝間さんのガシェットオタクぶりが追及されている本で面白かったのですが、勝間さんの本には「他人の目」が一切入っていなかったんです。「こんなことしたらあの人はなんて思うだろう」とか「他人に自慢したい」とか、雑念が一切ないんですよねw 清々しい!勝間さんに憧れる女性がいるのもワカルワーとオモタ。

他人の目、気にするべきシチュエーションもありますよ。でも、どうでもいいコトも多い。この、どうでもいい場面で、他人の目を気にして自分の行動を決めるの、やめる……。

自分で選び取ろうよ

不必要に他人の目を気にして、他人の価値観に合わせた行動をやめると、どうなるでしょうか。……自分で考えて、自分で選んで、自分で決断するってことです。それって……上手に出来る人はいいけれども、苦手な人だっているハズです。集団行動が身についている人は、独自路線に進むのは勇気がいるのでは?

本書『もっと簡単に暮らせ』の生活の知恵って、この「他人の価値基準じゃない」「自分で選ぶ」ための手順なのではないでしょうか。

あさよるは、一つ目の項目「バッグに入れる小物は明るい色にする」ですでに「おおお~」と超納得&関心しきり。持ち物を明るい色にしちゃうと、暗いカバンの中で物が探しやすくなるんです。たしかに! んで、あさよるも小物って「自分のセンスの見せどころ」とばかりに「他人の目を気にして」「他人が羨ましがるような」持ち物を選んでいたかも! あさよるも「自分の基準で選ぶ」をやり直します(;’∀’)>

暮らしやすいように暮らす

何やら抽象的な話になってしまいましたが、本書『もっと簡単に暮らせ』は簡単な内容です。「自分の暮らしやすいように暮らす」、以上。おわり。すんごいシンプル。

なのに、簡単なのに、そうそう簡単にできない。どうしていいかわからなかったり、もう諦めている人も多いはず。あるいは感覚がマヒして、不便や不快を認識しなくなってたりして……。

暮らしやすいように暮らしましょう。たぶんそれが「幸せ」に関連する事柄だろうし、きっと「豊かさ」とはそういうことなのだろうと思います。物質的にはすでに恵まれているんですから、あとは「どう生きるか」なのかもしれません。

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『夜型人間のための知的生産術』|夜の静寂はクリエイティブな時間

こんにちは。早起き習慣を身につけたいのに夜更かししちゃう あさよるです。日付が変わる頃にはお布団に入っていたいのですが、上手くいきません。そして、布団に入ってからもなかなか睡眠導入できずムズムズしたまま時間を過ごしています。

生活習慣の改善を頑張っている最中、齋藤孝さんの『夜型人間のための知的生産術』という本を見つけてしまいました。夜型人間にとって、夜がクリエイティブな時間であり「無理に朝方型なろうとしなくていいんだよ」という、これは悪魔のささやき?それとも天使?

若干、齋藤孝さんが“夜更かしさん”なのを無理くり正当化しようと頑張っている感がある気がしないでもありませんがw 「夜」という時間が、なんだか特別に、頭の中が飛び出しても許される「野生の時間」的なニュアンスがあるのは、わかります。

夜はインプットの時間

齋藤孝さん流「夜活のススメ」は(勝手に名付けた)は、夜は知的な時間だということ。夜の静寂はインプットの時間だ。本を読もう。

夜は「人間とは何か」「自分とは何か」という哲学的なことを深く考えるのに適した時間でもあります。(中略)

すでに知的教養を十分に身につけた人が気分転換にゲームをやるのは結構なことです。
しかし知的でない人が、ようやく自由に使える夜の時間に本を読まないとなると、知的になるチャンスを逃しているようでもったいないと思います。これは、人間として生まれて、少し寂しいものがあります。
人間がほかの動物と比べて優れているのは、知的であるという点です。本を読むのは、頭の容量を大きくし、頭の中を耕すような作業です。干からびた頭を耕して、豊かな作物が育つ土壌をつくるのです。だからこそ、本を読めば読むほど、教養が育ちます。
本を読まない人の頭の中は、いつまでも荒れ地のような状態です。干からびて硬い荒れ地に作物は実りません。どんどん鍬を入れて、耕して耕して、どんな作物でも育つ状態にするのが、読書のよさです。それが人間を、より人間らしくしていくのです。

p.54-55

かなり煽り気味な読書論ですが、一応この「あさよるネット」も読書感想ブログなので、「本読むのがエエで」と推しておきますw

ただ、齋藤孝さんは読書だけをオススメしているわけではありません。テレビと、深夜ラジオもオススメしておられます。テレビ番組では「美の巨人たち」「しくじり先生」「ダーウィンが来た!」「英雄たちの選択」「関ジャム 完全燃焼SHOW」「世界ふれあい街歩き」「新婚さんいらっしゃい!」なんかが名前が挙がっていました。深夜ラジオでは「おぎやはぎのメガネびいき」。スポーツや映画も教養になります。どしどしテレビ画面を見ようね!

夜は探究の時間

夜に作品を生み出し、研究を進めた偉人たちがたくさんいます。夜は発想が広がる時間なのです。それは、夜の静寂、つまり外部との接触を断つ時間なのかもしれません。現代ではSNSやLINEで繋がりっぱなしですから、夜の「一人の時間」を意図的に作り出さなくてはいけません。日中、仕事や学業で忙しい現代人は、夜こそスマホをしばし脇において、自分のクリエイティブな時間に割り当てましょう。

「眠り」を利用する

人は眠ることで記憶が定着するといいます。眠りを利用して夜の活動を明日につなげましょう。また自分が取り組んでいる物事が「夢に出てきて」からが本番です。夢に見るほど頭の中で、そのことが定着しているしるし。そういえば、あさよるも夢の中でブログ書いたり、ブログの段取りを考えている夢を見た特に「いよいよブロガーっぽくなってきたなw」と思いました。

読了後の感想:テレビを設置しよう

あさよるは忙しさにかまけて、テレビを全く見なくなってしまいました。昨年(2016年)は大河ドラマ「真田丸」を全話見たのになぁ~。今も見たい番組は録画してるのに、見ないまま時間が過ぎてしまっています……。ちょうど、「テレビの位置が悪いのではないか」と推測して、パソコンの横にデーンとテレビモニターを設置しようかと思案していました。

まぁそれは、テレビが見たいというか「映画が見たい」からというのが一番の理由です。それよか、パソコン新調して、パソコンでプライムビデオ見るのがいいかな~。「テレビ画面そのものが邪魔」というのが本音……。

夜の時間をより豊かに過ごせるように、部屋の環境を整えたくなりました(^^)/

関連本

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『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』|研究者はやめられない

『鳥類学者だからって、鶏が好きだと思うなよ。』 メジロのイラスト - クリップスタジオ(クリスタ)

こんにちは。鳥が好きな あさよるです。自分でも鳥が好きだと知らなかったのですが、気が付くと鳥をモチーフにした絵本を数冊作っていました。気づかんかった~。鳥の、モリモリっとした羽根の付け根の筋肉とか、背中が超タイプ♥ 博物館なんかで鳥の標本見るのも好きだなぁ~(*´ω`*)

↓このイラストは、お絵かきソフトの「CLIP STUDIO(通称・クリスタ)」のお試し版で描いてみたヤツ。やはり真っ先に鳥を描いておる……ちなみにこれはメジロです。

『鳥類学者だからって、鶏が好きだと思うなよ。』 メジロのイラスト - クリップスタジオ(クリスタ)

研究は命がけ

あなたは「命をかける」ような仕事をしたことがあるだろうか。多くの人は、さすがに命まではかけないだろう。しかし、鳥類学者は違う。鳥類学者は命がけの職業なのだ。小笠原諸島では天敵がおらず、無人島では人もいないから怖いものはない。安心して夜間観察ができると思いきや、耳の穴に蛾がホールインワン!今にも鼓膜を引きちぎり、脳内を蛾がはい回る恐怖に怯えた経験なんて、なかなかない。研究は命がけなのだ。

あさよるは以下の一文を読んで戦慄した。

外来生物は調査器具の様々な場所に潜んでいる。ウェストポーチの隅、靴の裏、マジックテープの隙間、フィールドワークを常をする研究者の道具は、外来種の宝庫でもある。

p.56

外来生物がウェストポーチや靴の裏、マジックテープの隙間に潜んでいる!?これって、つまり、我々普通の生活をしていても、カバンの隅やマジックテープの隙間や靴の裏に生物が潜んでいるというということではないか? ちなみに、あさよるネットでも紹介した『ゴキブリ取扱説明書』でも書かれていた。部屋に出没する虫は、自分が持ち込んでいるってことかい……・゚・(ノД\lll)・゚・

まんじゅう怖い的な?

『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』というタイトルは「まんじゅう怖い」的な意味だと思いきや、読んでいると「鳥好き」と言ってもペットを可愛がったり、愛でることが好きというよりは、やはり学者、研究対象としての鳥なのですな。また、「研究する」ってこと自体が、とんでもなく楽しそうだ!

こんなに学者、研究者が楽しそうだと知っていれば、あさよるも学者になったのに! もっと勉強したのに! という、ぜひ子育て中の親御さんや、子どもと関わる仕事をしている人、あと、中学生くらいの生徒たちも読むと夢が広がると思うぞ。

まじめな内容なんですよ

ちょっと面白おかしく紹介してしまいましたが、いたって真面目な内容なんですよ。「鳥類学者」という日本に1200人しかいない希少種の生態を紹介しつつ、どんなふうに「研究」がなされているのか、研究者がなにを気をつけているのかなど、一般人には未知の「鳥類学者」という存在に迫ります。そこで、先にも書いたように「研究者」になりたかった!と思うのです。

あさよるも、植物学の先生の授業を履修した時、先生が尋常じゃなく傷だらけでズタズタなのが服の上から見て取れて、「ど、どんな冒険をしてきたんだ!」と一瞬で虜になりました。あさよるには“そういう未来”は来なかったな~。

関連本

『ゴキブリ取扱説明書』/青木皐

『本当に困っている人のためのゴキブリ取扱説明書』を読んだよ

『バッタを倒しにアフリカへ』/前野ウルド浩太郎

『バッタを倒しにアフリカへ』|人類のため、バッタに食べられたい

『わたしのクマ研究』/小池伸介

『わたしのクマ研究』|クマ研究でドングリを数える

『アヘン王国潜入記』/高野秀行

『アヘン王国潜入記』|のどかな山間のアヘン栽培日記

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飯テロ注意!|『小林カツ代の「おいしい大阪」』

こんにちは。飯テロにはすぐに屈する あさよるです。あさよるの前でウマいものの話はすなー! 『小林カツ代の「おいしい大阪」』は、タイトルだけでもう飯テロ成功してるんじゃないかと、こう思うわけですな。読まざるをえない。生唾を飲み込んでばかりでは我慢ならず、ミックスジュースを作るしかないのであった。

大阪の、ふつうの、おいしい話

本書は小林カツ代さんのおいしい談義。一応レシピも載ってはいますが、ガーナチョコの箱に書いてあるチョコ菓子のレシピくらい短いやつです。それに、大体は料理名を聞いて「あれね」とイメージできるものがほとんどだし、たぶん自力で作れるものが多い、と思う、のは、あさよるが大阪の人だからだろうかw

最初に登場するのはビーフカツサンド、そしてホットケーキ。しかも、「アメリカンの」ビーフカツサンドとホットケーキ。アメリカンとは、大阪は難波にある喫茶店で〈大阪の喫茶店文化〉の代表といっても異論がないお店です。そう、大阪って喫茶店の街で、まちのいたる所に小ぢんまりとした喫茶店がひしめき合っています。あくまでも「喫茶店」であって「カフェ」ではないのです。んで、この喫茶店のメニューがたまらんのですわ。あさよるも喫茶店の「おいしいんかどうなのかわからん」けれども「なんかむっちゃ特別な感じがする」喫茶メニューが大好きです。

3番目にはミックスジュースが紹介されています。ミックスジュースは あさよるもお家でよく作ります。喫茶店でも、コーヒーの気分じゃなかったらミックスジュース注文するなぁ~。ああ、飲みたいなぁ~。

こんな感じで、肉うどん、にゅうめん、オムレツ、ハヤシライス、しゅうまいなどなどと、「普通の」「ありきたりな」メニューが次々と紹介されるのですが、その、平凡なメニューだからこそ、舌が味を覚えていて読んでいるだけで反芻してしまうような……。また、小林カツ代さんのね、「おいしい」ただ「おいしい」を表現する文章がたまらんのです。

昔の、食卓の風景が楽しい

本書では小林カツ代さんの幼い頃の回想も数々ととび出します。思い出の中の「おいしい記憶」、誰だって一つや二つあるでしょう。どうしてこうして「おいしい記憶」ってこんなにも美味しそうなのだろうか!

戦後、町にはまだ女中さんや丁稚さんがいて、御寮(ごりょん)さんが食事の用意をする。お祭りの出店で、大衆食堂で、市場で、「おいしい」ものを食べる。それはただのゆで卵だったりするんです。あるいは、お母さんが漬けた浅漬け。すごく普通の、よそ行きじゃない食べもの。それがむちゃくちゃおいしい!

あ~!

「焼きそばに生卵をつけて食べる」という話があったので、母に訪ねてみると、「そんなんしたことない、けど……」とチキンラーメンでペペロンチーノを作って食べる話を聞いて、とてもやってみたい。無論、「スパゲティー茹でてペペロンチーノ作ったらええんちゃうか」という話は脇へ置いておいて。

関連本

『実践 料理のへそ!』/小林カツ代

実践 料理のへそ!

『もしも宮中晩餐会に招かれたら』/渡辺誠

『もしも宮中晩餐会に招かれたら』を読んだよ

『笑ってお料理』/平野レミ

『笑ってお料理』を読んだよ

『こまったさんのカレーライス』『こまったさんのサンドイッチ』/寺村輝夫,岡本颯子

料理はたのしい!『こまったさんのカレーライス』『こまったさんのサンドイッチ』

『理系の料理』/五藤隆介

『理系の料理』|フローチャートで料理をしたい人へ!

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『笑われる勇気』|オレの心はお金で買えます!

こんにちは。蛭子能収さんの本をはじめて読んだ あさよるです。蛭子能収さんの人生論、処世術を知れる本です。蛭子さんの本を初めて読んだのですが、どうやら同様の人生訓のような本がたくさん出ているようですね。知らんかった。蛭子さんってそういう感じで受け入れられているんだ……。

本書での蛭子能収さんの考えや振る舞いを読んでいますと、一貫して「自分はなにをするのか」を判断し続け、そのせいで冷たく見られたり、空気が読めない認定されているようですね。でも、冷たく見られても、空気読めなくても仕方ない。「だって自分はこうだから」と自分は自分と割り切っています。

あと、笑っちゃいけないときに笑ってしまうという話は、むしろ周りの人が笑わしにかかっていて、蛭子さんのせいじゃなんでは……と思ったり。あさよるも「笑ってはいけない」と思えば思うほど笑ってしまうので、冠婚葬祭にはできれば出席したくないのですw そう、結婚式や披露宴でも、笑っちゃいけないところでツボに入ってしまってツライツライ。蛭子能収さんは、もはや葬式に呼ばれなくなったそうで、お互いにそれが良い結論じゃないでしょうか。

蛭子さんに人生相談してはいけないw

本書の読みどころは、蛭子能収さんの人生相談でしょう。全くQ&Aになっていないというスバラシイ仕上がり。蛭子さん勝手に競艇の話してるだけやんwwと草生えるんだけども、ふと「人生の本質」を語っているようような気がしてサブイボが立つ。たぶん気のせいだけど。

Q 夫の転勤で東京暮らし2年。幼稚園の息子のママ友といい関係が築けません。

(中略)コミュニケーション能力を高めたいのなら、フリー麻雀はいいです。見ず知らずの麻雀卓を囲んでいると、すごく緊張しますが、麻雀というゲームは、駆け引きがあったり、感情を押し殺したりと、人と人とのつながりの醍醐味を教えてくれます。
あっ、でも、この人、長崎の人ですよね。長崎県民は、開放的な人が多いんです。江戸時代に鎖国していたときもオランダと貿易していたから、外国人だけではなく誰に対してもオープンなんです。それに、当時は貴重だった砂糖も、長崎だけはふんだんに使えたから、カステラが生まれたんです。オレも夏になると、水に砂糖を入れただけのものをよく飲んでいました。そんな砂糖文化があるから、長崎の人は穏やかで柔らかい気質なんです。だから性格を抑えてまで都会のママ友に合わせる必要はありません。自分らしくがいちばんだと思いますよ。

p.84

結論は「長崎の人は砂糖文化で育つ」ww

蛭子さんの人生相談で面白いところは、間に蛭子さんの世間話が入るところ。しかも麻雀の話からの、長崎県民の気質に世間話からの世間話に発展しているのがおかしいw

しかしたまに、ええことも言うからみのがせない。「元カレが忘れられない」という相談者には、蛭子さんが亡くなった先妻さんのことを話して「“忘れられない恋がある”というのは幸せなこと」と結論しててグッとくる。

フリーランスが「若い人に仕事を取られて失業してしまうかも」って相談には、「稼げないのは修行の身。がむしゃらに働くべし」と身につまされる回答も。いくつになっても、稼げないのは修業中ってこと。んで、今の職種にこだわらず他の仕事もすればいい。

好きな回答を選んでみたw

あさよるが勝手に、蛭子さんのいい回答を選んでみたw 全体的に、ゆとり世代あさよるには沁みるぜw

「人生はうまくいく」と思ってることが間違い

自信を持たなければ自信を失うこともない

どうせ死んだらすべて終わり。死に方なんてどうでもいい

時間管理能力より手を抜くテクニックを磨け

つらいときこそ日常を大切に生きる

オレにとって尊敬できる人は競艇で勝たせてくれる選手だけ

最後に勝つのは高学歴より高収入

大事なのは、プライドよりお金をくれる人の顔色

仕事において大事なのは給料の出どころだけ

貧乏は恥ずかしいことじゃない。卑屈になるのがよくなだけ

人のお金で遊んで何が楽しいの?

「宇宙人はいる?」の答えは、ギャラが発生するなら「いる」

人の心はお金じゃ買えないが、オレの心はお金で買えます!

気をつけよう、自慢話は見透かされる

自分の評価は自分でするもの

自分以外の生物にはあまり興味が湧かない

フツーにスゴイ人なだけかもしれない

蛭子能収さんのエピソードって、テレビに出ている芸能人の中で異質に見えていたけれども、一般人にはこういう人いるよね?って感じですね。蛭子さんが特殊なのって、普通の人の感覚を持ったまま、芸能界でもそれなりのポジションにあるところなんだろね。

ちなみに、リリーフランキーとはキャラがかぶってるのに(イラストレーターとマンガ家)、彼の方がCMにたくさん出演していて心中穏やかではない様子。そしてここへきて「ひふみん」こと加藤一二三さんの台頭に戦慄し、おもわず蛭子さんも将棋を始めようとしてしまったらしい。たしかに「ふしぎな」「おじさん」「勝負師」であるw

蛭子さん語録が沁みるのは、単に蛭子さんが「有能なおじさん」で、意識高い系を刺激するのかもしれない。奥様とデキ婚してから、家族を養うために働いたエピソードなんて、誰でもできそうでできないのかもしれない。ちゃんとマンガ家としても成功してるしね。

関連本

『スティーブ・ジョブズ 1』/ウォルター・アイザックソン

『嫌われる勇気』/岸見一郎,古賀史健

『嫌われる勇気』|やらないための“言い訳”を作ってた…だと?

『幸せになる勇気』/岸見一郎,古賀史健

『幸せになる勇気』|平凡で「その他大勢」である自分の価値

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『勝間式 超ロジカル家事』|「お金ムダ遣い」「捨てない」は「命」のムダ遣い

こんにちは。勝間和代さんのメルマガ読者の あさよるです。勝間さんが家事を攻略しようと試行錯誤している様子をメルマガで読んでおりまして、これが面白かった。だから『勝間流超ロジカル家事』はぜひ読みたかった本です。

ちなみに、あさよるも凝り始めるとトコトンやりたい方なんですが、勝間さんの足元にも及びませぬな。おにぎりの最適解を模索するくらいだ。

ツールを使いこなす!

『勝間流ロジカル家事』が特徴なのは、家電をフルに使いこなしているところです。ここが勝間さんっぽいところですね、ツールをとことんまで使いこなす。メルマガでは失敗や上手くいかない経験もシェアされていました。

たとえば、ヘルシオは2台使い。蒸し機能とオーブン機能の両方を使うためです。圧力IH鍋も2台持ち。みそ汁用と煮物用。そしてオーブンと炊飯器。もちろん食洗器も使います。どうも家電は高額で、食洗器も贅沢品のように感じていますが、手間が省略されたぶんの時間を、自給換算すれば値打ちのある買い物です。

調理器具も、最低限のアイテムで最大限に仕えるスタメンを選びぬいているのがシビレル。あさよるも選びぬきたい……(*´ω`*)

掃除も、機械ができることは機械に任せます。たとえばルンバ。ルンバを使うためには床面が片づいていないといけません。片づけがルンバが使える環境を生み、ルンバが使えるとその分時間が生まれます。

片づけると豊かになる?

本書『勝間流超ロジカル家事』によると、勝間さんはかつての8割もの荷物を処分したそうです。多忙な勝間さんですから、家政婦を雇っていたそうですが、家政婦は「捨てる」権限はありません。勝間さんご自身も「家政婦さんに任せている」と油断もあって、どんどん物が増えまくっていたようです。片づけをし、持ち物の量を極端に減らしたことで、持ち物の管理が楽になった、特に頭の中で把握できるようになったそうです。

さて、片づけは時間を生み出します。働けばお金が稼げる時間を、ムダな時間に使っていては、時間もお金もムダにしているのと同じです。

「いつも、気づいたらお金がなくなっている」
「ムダ遣いしているつもりはないのに、お金が貯まらない……」
お金が貯まらない人は、決まり文句のようによう言います。
お金が貯まらない人に共通することが、2つあります。

1 使わないものを買う
2 買ったものを捨てない

この2つをしている限り、家計簿をつけていたとしても、まず、お金は貯まりません。

(中略)

家計破綻の原因は収納破産と同じで、前者はお金を、後者はものをきちんと管理できないことにあります。
収納の最大のコツが、不要なものを捨てて、ものを増やさないことであるように、家計管理のコツも、ムダ遣いを見つけて削ることです。

p.181-182

お金が貯まらない人の特徴は、使わないものを買ってしまい、その買ったものを捨てようとしない。結果、物が溢れ返り、その管理に労力を奪われ、在庫管理ができずまた物を買う。お金も、時間も、スペースも、エネルギーも奪われてゆくばかりです。

勝間さんは、多忙の中でも、家族分の調理をしています。貴重な時間を使うからこそ、徹底的に時短が試みられているんです。これは、「家族の食事を用意する」ってタスクが勝間さんにとって優先順位が高いってことです。時間を有効に使うことは、自分にとって何が大事なのか、何を優先すべきかをハッキリさせることです。お金の豊かさだけでなく、「時間」は精神的豊かに関わります。

時間より貴重なものはない

さらに、お金と時間をめぐる話は、展開します。

 時間をかけてお金を稼いでいるのに、そのお金をムダにするのは、時間をムダにすることになります。
時間が過ぎるということは、命を削られるということ。命は有限です。
家事をしながらがんばって仕事で成果を残したことも、上司の嫌味をがまんしたことも、すべて自らムダにするのは虚しすぎます。お金をムダにすることは時間=命をムダにすることです。

p.182-193

稼いだお金をムダにすることは、仕事をした時間をムダにすることです。そして、二度と帰ってこない時間をムダにすることは、命をムダにすることです。だから、お金は貴重で、ムダにしてはいけない。そのために、ムダ遣いする人の特徴「使わないものを買う」「買ったものを捨てない」から脱却する。

い、命の話をされると……でも、その通り……orz

「選ぶ」人になる

本書『勝間式超ロジカル家事』は家事全般を徹底的に追及しまくっている記録です。なんの追及をしてるかって?

知らん!w

時短とか節約とか、それっぽい理由は上がっているけれども、何を置いても「面白いから」っしょ。金と時間を使って、金と時間の有効利用を追求するって、サイコーにおもろいじゃないか。先に述べた通り、勝間さんほどじゃないにしても、あさよるも似たような志向を持ってるので、これ読んでるだけでソワソワしますw

本書では家事全般、調理、掃除、洗濯、収納に加え、家計術、ファッション、メイクまでロジカルに追及されているのです。その〈やり方〉が物珍しいので気が取られてしまいますが、一貫してるテーマは「選びとる」ことじゃないかと思います。「なんとなく」「みんながやってるから」「時間がないから」「やらされるから」ではなく、自分で「これをする」と選び抜いてゆく。その力が「命をムダ遣いしない」につながるんじゃないかな。

本書の勝間さんのやり方をそのままコピーすることは不可能です。たとえば調理器具や食材は、勝間さん宅の食事情が反映されているから、マネをするなら自分流に落とし込まなければなりません。だから「勝間流」なんやな。

ただ、「やってみた」的にはここまでテッテー的にやり込まれていて、かなりオモロイ。自分もやりたくなる。とりあえず、押入れの中身を外に出して、ゴミ分け始めた程度には行動に結びついていますw

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『わたしのクマ研究』|クマ研究でドングリを数える

こんにちは。自由研究を時たましたくなる あさよるです。本書『わたしのクマ研究』は図書館で、小学生向けの本だなで見つけた本です。著者がクマの研究を始めた経緯や、研究方法などが易しく書かれています。自由研究の資料や、お手本になる本です。

〈研究〉ってどうするの?

著者の小池伸介さんが、クマ研究を始めた経緯から。最初はクマに興味があったわけではなく、子どもの頃から昆虫が好きな昆虫少年だった小池さん。高校生の頃、「森の回廊」が富士山麓に作られるとニュースで知り、興味を持ちます。「森の回廊」とは、別々に分断されている森と森の間に、新たに森を作って繋ぐ計画です。森で生きる生きものが移動して生きるスペースを広げられます。小池さんは、森にすむ生き物について知りたいと思い、東京農工大学へ進学しました。

大学では、神奈川県の森やシカの調査の手伝いをしていると、先生のつながりで、クマの調査プロジェクトに参加するよう依頼されました。このプロジェクトこそ、小池さんが興味をもった「森の回廊」を作るための、クマの調査だったのです。

思わぬところでクマ調査を始めた小池さんは、クマの生息地を歩き回り、足跡や糞をあつめて、クマの生態を調べます。クマを捕まえて、GPSで行動を調べたり、エサのドングリの分布も調査します。

『わたしのクマ研究』を読んでわかること

本書『わたしのクマ研究』では、クマの研究にあたって、森全体を調査している様子がうかがえます。研究者は、クマのことを知っているだけでなく、山のこと、植物のこと、木の実のこと、科学的な測定方法も知っていなければなりません。調査のための道具もオリジナルで手作りするので、お裁縫や大工仕事もできないといけません。

クマは一頭ずつ性格が違う

クマを捕まえるとき、ドラム缶を二つ繋いだ特性の罠の中に、ハチミツを仕込んで待つそうです。クマを傷つけないように、麻酔銃で眠らせてから調査をします。このとき、クマの性格が一頭一頭違っていて、罠の中で怒っているクマもいれば、怯えて縮こまっているクマもいます。

クマは単独で生活しますから、他のクマとの関わりがなく、それぞれ個性的なのかもしれません。一頭一頭個性が違うって、人間みたいですね。

クマのメニューは豊富!

クマはいろんなものを食べます、ドングリなどの木の実や、木の皮、シカなどの他の動物も食べますし、アリやサナギも食べるそうです。ヒグマが、川を登るサケを取って食べている様子が有名ですが、サケをたくさん食べるのは体が大きなオスで、メスはあんまり食べないそうです。

足尾のクマは、若いクマほど葉やアリを食べています。歳を取るほどシカを摂って食べる個体が増えます。また、初夏の頃にシカをたくさん食べます。この頃にシカが出産の時期で、捕まえやすい小ジカが増えるからだと考えらえられます。

ドングリは豊作の年と不作の年がある

ドングリは年によってたくさん実をつける年と、不作の年があります。この理由は不明ですが、有力説として豊作と不作を繰り返すことで、より多くの子孫を残そうとしているのではないか、と考えられています。

たとえばある山で毎年同じように一〇〇個のドングリが樹木に結実しているとした場合、その山には一〇〇個のドングリを食べられるだけのネズミが生息することができることになる。するとその場合、毎年一〇〇個のドングリはネズミにすべて食べつくされて、植物は子孫を残せないことになってしまうかもしれない。
そんな状況を避けるために、植物のほうは、ある年は五〇個、次の年は一〇〇個のドングリをつけつようにすることで、ある年は五〇個のドングリを食べられるネズミが生き残り、次の年を迎えることになる。さらに次の年は二〇〇個のドングリが存在したとしても、山には五〇個のドングリを食べる分のネズミしかいないため、単純に一五〇個のドングリはネズミに食べられずに残ることができて、それらのドングリは発芽する機会を得られるようになる。

p.48-49

毎年ドングリの数を変えることで、ドングリの捕食者の数をコントロールしているのではないか?ということですね。ドングリ恐るべし。

毎年あさよるを悩ます「花粉」も「今年は多い/少ない」って予報がありますが、こういうこと?

〈調べ方〉も自分で考える

ドングリの実の数を調べる方法が複数紹介されていました。正確に数えたいなら、ドングリの木を切って、一個一個手で数えれば良いですが、これは現実的ではありません。枝についているドングリを人間が一本ずつ数えていく方法。木の下に袋をセットして置き、面積に対し落ちてきたドングリの数から、全体の量を割り出すやり方。

クマの個体識別方法も、ツキノワグマの模様で判断したり、体毛や糞から個体を割り出すやり方があるそうです。クマの首にGPSをつけて、追跡調査もします。

学校の勉強って、すでに答えや調べ方が用意されている問題に取り組むものばかりです。しかし、こうやって研究の現場では、答えもなく、調べ方もないところから、自分で答えや調べ方を模索しないといけません。そもそも最初の「問い」自体を、自ら設定するのです。

クマの種類は8種類しかない!

あさよるが本書『わたしのクマ研究』を読んでびっくりしたのは、「クマの種類は8種類しかない」ってことだった。8種類のメンバーを紹介するぜ!

  1. ホッキョクグマ
  2. ヒグマ
  3. ナマケグマ
  4. メガネグマ
  5. アメリカクロクマ
  6. ツキノワグマ
  7. ジャイアントパンダ

えー!このほとんどって動物園でいるよね!「他のクマも見たいなぁ」と思ってたけれども、そもそもクマの種類自体が少なかったのか。

で、思い浮かんだのはこの本。でん!

去年から話題の『サピエンス全史』である。内容はザックリいうと、この宇宙が誕生し、地球が生まれ、地を這うもの海をゆくもの空を飛ぶものが現れ、やつらの足音が聞こえてから、現在までの記憶を、たった2冊のハードカバーで語ろうという「ムチャしやがって…」本である。あさよるも読んだけど、ブログでまだ紹介してません(;’∀’)

で、『サピエンス全史』であって、「ホモ・サピエンス全史」でなところがポイントです。本書では我々〈ヒト〉だけではなく、かつて地上に存在した他のサピエンスたちの歴史を含んでいます。

でで、我々ホモ・サピエンスには、かつて兄弟たちがいたのです。しかし現在地上に残ったサピエンスは私たちのみ。種が生き残るには多様性が不可欠です。神ならざる我々は未来を予見することができず、ただひたすら「数打ちゃ当たる」的に可能性を増やしておくしかありません。

「クマは8種類しかいない」と知り、真っ先に「え、ヤバイやん、絶滅するやん」と脳裏をよぎったのですが、「サピエンスは1種類しかいない」んすよねー。

関連本

『お父さんが教える 自由研究の書きかた』/赤木かん子

『お父さんが教える 自由研究の書きかた』|これで「知った顔」で教えよう

『ゾウの時間 ネズミの時間』/本川達雄

『ゾウの時間 ネズミの時間』|車輪を持つ生きものがいないのはなぜ?

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『超<集客力>革命 人気美術館が知っているお客の呼び方』|気分がアガるミュージアムを

こんにちは。趣味といえば美術館へフラリと足を運ぶことくらいの あさよるです(;’∀’)> 以前は関西の美術館はよく通ってましたが、今は大阪でやってる特別展をササッと見てくるだけだなぁ~。

先日、あさよるネットで世界の図書館を紹介する本を紹介しました。ほうほう「図書館はこういうもの」って思いこんでいたけれども、世界には様々な図書館があって、図書館の仕事は多様なのだと知りました。

そこで、「じゃあ、美術館はどうなの?」と興味を持ちました。一応、図書館と美術館は定期的に通っている場所なので。『超〈集客力〉革命』は、人気美術館が集客のためどのような取り組みをしているのか紹介する本です。そして、美術館が担っている仕事についても触れられています。

ミュージアムは街をつくる

まず、「美術館という〈ハコモノ〉に〈有難い美術品〉を詰め込んでいるところ」ではなく、美術館が、人を呼び込み、人を動かし、町をつくるのです。日本での例として、兵庫県立美術館と、金沢21世紀美術館の取り組みが紹介されています。

兵庫県立美術館の場合

兵庫県立美術館は安藤忠雄さんの巨大なコンクリート建築で、建物自体がアート作品です。入り口には地元企業の液晶モニター画面が設置され、来館者を待ち受けます。また、屋根の上には巨大なカエルが!今ではすっかり兵庫県立美術館の「顔」になっています。

建物は3つに分かれており、地域の子どもたちの作品を展示したり、教育施設としての役割も担っています。

また、美術ファンだけが訪れる施設ではなく、それ以外の人も気軽に足を運べるよう、レストランや飲み屋を作りました。地元の灘の酒を味わうにもいいっすな! さらに、美術館の横にバスケットコートを作って、スポーツのお客さんも呼んでいるという念の入れよう。

「美術館って近寄りがたい」とか「縁もゆかりもない」人を、アート以外の理由でも引き込んで、「美術館を身近なもの」にする取り組みがなされています。

兵庫県立美術館の最寄り駅である阪神「岩屋駅」から、兵庫県立美術館へ続く「ミュージアムロード」は、美術館帰りにショッピングや食事ができるよう整備されています。美術館によって町が育って、町に集まった人が美術館に親しむ環境づくり推進中。

子どもたちが集まる美術館に

金沢21世紀美術館の取り組みはたくさんありますが、子どもたちを美術館へ招き入れる取り組みが印象的です。美術館が身近で親しみやすい場であるならば、その人はまた美術館へ足を運びます。その〈種を蒔く〉ために、地域の子どもたちを美術館へ招待します。しかも、現代アートなんかの、おもしろいやつ!

日本の美術館は静まり返っていて、とても子どもを連れて入れないような雰囲気があります。でも、外国の美術館では、騒いだり作品に触ったり壊したりしないなら、仲間で語らったり話し込んでいる人もたくさんいるそうです。

人びとが行き交う場所

美術館はたくさんの人々が行きかう場です。世界のルーブル美術館では、世界中には美術館目当てに人が集まります。本書でも、世界の名だたる美術館の特徴や取り組みが紹介されています。また同時に、小さな美術館も多数取り上げられています。日本の美術館の規模や環境は、世界の小さな名美術館をお手本にする方が合っているというのです。

小さな美術館といっても、「名美術館」なんですよ。

……と、あさよるは勿論行ったこともない美術館ばかりなので、解説は本書を読んでくだしあ~。

まちの人のふるさと

美術館へ遠くから人もやってきますし、美術館のある町の人も集います。自分の町の美術館が、特色ある良い美術館であったとき、その町の人々にとっても美術館は「ふるさと」や「町の顔」になり得ます。外からやってくる人へ向けた観光資源であると同時に、地元に暮らす人の文化的施設なんですね。

美術館がになうもの

アートが生活の中にあり、アートがコミュニケーションの中にある。様々な美術館を見ていると、美術館にも役割や仕事は、地域によって違っているようです。どうやら日本の美術館は、でーんと巨大な箱をつくって、中は空っぽ。美術品を借りてきて並べておしまい。せっかく面白いコレクションを集めても、良い特別展を企画しても、それを宣伝して周知しないと、人は来ません。

人を集めるためには、見た目カッコイイ!とか、この作品ヤベェーとか、パッと見て心惹かれる仕掛けも大切です。それは、アートは極一部の専門家やファンだけのものではなく、それ以外の人たちの生活も豊かにしうるものだからです。マニアだけが理解するものではいけない。

あさよるが、初めて足を運んだ美術館が、先に紹介した兵庫県立美術館でした。確かゴッホ展で、ゴッホの有名な作品も多数あって豪華な展示でした。が、あさよるは、やっぱり兵庫県立美術館のあの建物にも驚き、「特別な場所」へ自分は来たんだ!と胸がいっぱいになりました。大阪府内の自宅から神戸市へ来ただけなのですが、まるで旅行に来たような非日常と言いますか。で、今でも兵庫県立美術館へ行くと、気分が「ぱぁ~っ」となります。

美術館って、美術品を拝むだけじゃなくって、そこへ行くこと自体が楽しみだったり、お買い物したり食事したり、誰かと語らったり、たくさんの楽しみが重なってるところであって欲しいなぁと。「イオンでも行く?」みたいなノリで足を運べるといいね。

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『50歳、おしゃれ元年。』|〈あの頃〉をたなおろし〈今〉を選ぶ

こんにちは。オシャレ勉強中の あさよる です。当ブログでもオシャレに関する書籍を多数紹介してきました。あさよるもオシャレを実践しようと、まずはダイエット中です。そこからかいっ!……だって、今のままじゃ素敵なお洋服に袖が通らないもの……(;´д`)トホホ

いつでも〈「今」の自分〉を

本書『50歳、おしゃれ元年。』は、50代女性のファッションについて、ファッションスタイリストの地曳いく子さんが指南するものです。年齢と共に似合うものは変化してゆくのに、いつまでも昔似合ったもの、昔流行ったものを持っていませんか? 本書では地曳いく子さんご自身の反省や発見を織り交ぜて、「今」の自分に似合うものを選び取る大切さが説かれています。

オシャレの落とし穴として、意外とオシャレに敏感だった「オシャレ上級者」さんの方が、年齢を重ねると失敗しやすいんだそう。それは、なまじこれまで「オシャレのセオリー」を勉強しているから、いつまでも〈あの頃〉の自分に似合う服を選んでしまうそうです。

人間誰しも変化し続けるもので、今はもう〈あの頃〉じゃない。〈今〉の自分に似合う服、〈今〉のトレンドを取り入れないと。年を取るって憂鬱に思えることですが、「〈今〉のオシャレをする」って、前向きなメッセージです。だから今が「おしゃれ元年。」なのです。

スタメンを選びぬく力

本書『50歳、おしゃれ元年。』は50代以上の女性が読者に想定されています。きっと、これまでに買い集めた洋服やバッグ、靴、アクセサリーがぎっしりとクロゼーットに収納されているでしょう。中には、「これは一生ものだから」と高価なお買い物をしたこともあるでしょう。バブル期を経験なさった方は、今では考えられない買い物の仕方をされていたのかも。

しかし、地曳いく子さんはそのクローゼットの中身に警鐘を鳴らします。その洋服たちは、「〈あの頃〉の自分」「〈あの頃〉のトレンド」に合わせたものではないのか? 「一生もの」と買ったものは、本当に一生使うのか? 一つずつ見直そうというわけです。

「50代の自分」なんて想像できなかった20代、30代の自分が買った持ち物を使い続けるよりも、「〈今〉の自分」に似合うものを選び直しましょうよ、という提案。

そして、クローゼットは小さく、持ち物はコンパクトにしていこうとも呼びかけられています。自分の持ち物は、自分が死ねばみんな不要になる物です。選び抜いた〈スタメン〉だけを手もとに置いて、良いもの、似合うもの、使うものに囲まれて生きる。

「オシャレ」って「どう生きるか」

あさよるがオシャレに関する本を読み始めて驚いたのは、意外にも服装のコーディネートの写真や、服の選び方について書かれている分量は多くないことです。それよりも「どう生きるのか」「なにを選ぶのか」「どう振る舞うのか」などの、精神的な、人生観のようなものにページが割かれていたことです。

本書『50歳、おしゃれ元年。』も、確かにコーディネートのコツやアイテムの選び方も紹介されているのですが、やはり「生き方」や「選択」の話にページが割かれています。「オシャレな人」ってのは「自分はどう生きるのか」を自分の意志で選択している人なのかもしれません。

その一例として、地曳いく子さんのご友人Bさんのお宅の片づけを手伝ったエピソードが紹介されていました。

 知人Bの場合は一軒家を処分し、50代後半からワンルームマンションで暮らしています。生活用品のすべてのものが厳選され、カップ&ソーサーは2セット、食器類も2個ずつ。来客があっても、それで十分こと足りるのだそうです。
クロゼットも余裕があり、何でもすぐに探し出せます。病気をして生活スタイルが変わってからも、もう必要としなくなったものはすぐに人に譲ったりしていました。

(中略)

それにしても、ものを片付けるには、大変な体力と気力が必要。
今なら、私たちにはその両方があります。これから素敵な60代、70代を迎えるためにも、クロゼットのクロゼットのリセットをするなら、今がベストなタイミングなのです。

p.85-86

あさよるはこれを読んで「カッコいい!」と胸が高鳴りました。それは、Bさんがご自身にとって〈今〉必要な生活を選んでいることと、〈これから〉を見据えていると感じたからです。荷物が少なくコンパクトであることは「行動しやすい」ことでもあります。年齢問わず「変化する」ことはワクワクする一方で、恐怖を感じることでもあります。それでも「〈これから〉の自分」の受け入れる準備ができてるって、すごく前向きだ。

関連本

『着かた、生きかた』/地曳いく子

地曳いく子さんの著書。

『着かた、生きかた』|自分らしい服…ってなに?

『服を買うなら、捨てなさい』/地曳いく子

地曳いく子さんの著書。

『服を買うなら、捨てなさい』|とっておきで、自分スタイル

『洋服で得する人、損する人』/霜鳥まき子

洋服選びは、靴からカバンから。クロゼットから。

『洋服で得する人、損する人』|人は靴を、カバンを、クローゼットを見ている

『毎朝、服に迷わない』/山本あきこ

鉄板アイテムを紹介。

『毎朝、服に迷わない』|オシャレ初心者に!最強の21着で着回し!

『大人おしゃれのルール』/高橋みどり

40代女性のおしゃれ本。

『大人おしゃれのルール』高橋 みどり|痛々しい”若作り”はNO!

『35歳からの美肌カウンセリング』/佐伯チズ

30代女性は、自分のスタイルの確立せよ。

『35歳からの美肌カウンセリング』|アラフォー、どう向かえる?

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『すごいストレッチ』|今すぐ!その場でラクになろう~

こんにちは。肩こりが治らない あさよるです。美容室へ行きますと、カットの最後に美容師さんが肩を揉んでくれるんですが、「凝ってますね~」からの「ヤバくない?苦しくないの?」と心配されるのがデフォです。それが恥ずかしくって、美容師の予約をすると念入りにストレッチを始める週間が始まります。

ストレッチは「週間」じゃなくて「習慣」にしたいものだなと(うまいこと言うたつもり)、本書『すごいストレッチ』を手に取りました。本書は人からオススメされていました。本屋さんでも平積みされてますね。

手軽に「効く~ぅ」!

本書はサブタイトルに「職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす」とあるように! 本書はデスクでそのままできるストレッチが集められています。座ったままできるもが多いから、今すぐその場で、その苦しみから解放されるのだ! 使う道具も登場するのはタオルくらい。中には、壁を使ったストレッチや、床に座り込んだり、寝転ぶストレッチも収録されています。これは臨機応変に、自宅でできるストレッチですね。立ったまま軽くできるストレッチもあって、ほんとに「いつでも、どこでも」であります。

んで、あさよるも早速、本書を読んでやってみました。すべてのストレッチを!

どのストレッチも「あぁ~( *´ω`)」と効くんですが、どれも爽やかに気持ちいいんですよね。痛くないし、苦しくないし、爽やかなんですよ。嫌々続けるんじゃなく、身体が重くダルくなってきたらストレッチでラクになりたい!

動画より、写真より、図解!?

本書はストレッチ方法がイラストで紹介されているんですが……サンプルをご覧ください。

『すごいストレッチ』画像

職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ | 崎田 ミナ, for.R整体院 田中千哉 |本 | 通販 | Amazon

これが、すごく分かりやすい。ストレッチのやり方、ポーズだけじゃなく、どこに効いているのか、どの部分が伸びているのかもよくわかります。

あさよるは通年肩コリに苦しんでいるので、YouTubeでストレッチの動画を見たり、写真で解説している本も何冊も読みました。しかーし!これはイラストの方がわかりやすい!ってか、この本のイラストが秀逸である。

体がジワジワジワァ~っと温まってくる感じまで描かれていて、動画や写真では表現できない表現がなされています。イラストの正しい使い方だよな~。

デスクで、気分転換に

本書『すごいストレッチ』は、今すぐ!その場で!できるストレッチが収められています。満員電車の中だとわからんけども、それ以外なら「プチストレッチ」くらいできるでしょう。体が重く苦しいなら、kindleでポチりましょう(謎の勧誘)。

ちなみに、あさよるも一通りストレッチしまして、お腹の中がポカポカして、背中がホワホワしてる~。お風呂上りでポヤ~ンとなってる感じ。でも、お風呂の疲労感やのぼせはナシ。ただただ体がラクになるのみ。やっぱストレッチしないとね~。

ちなみに、本書の著者・崎田ミナさんはgooの「いまトピ」でイラストエッセイも書かれているので、こっちを読んでみても良いかも。

関連本

『実はスゴイ四股 – いつまでも自力で歩ける体をつくる』/木村匡宏

お相撲さんの四股(しこ)を踏むことで颯爽と姿勢美人に。

やってみると簡単そうで意外とキツい!チャレンジしてみて!

『実はスゴイ四股 – いつまでも自力で歩ける体をつくる』|颯爽と歩く美人に

『どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法』/Eiko

YouTubeで話題にいなったEIKO先生のベターッと開脚本。

『どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法』|柔軟な体で自信を

『2週間で腹を割る! 4分鬼筋トレ』/岡田隆

あさよるもやってます!
短期集中筋トレで腹筋を割る!

『2週間で腹を割る! 4分鬼筋トレ』|腹筋を割る。それだけだ

『糖質をやめられないオトナ女子のためのヤセ方図鑑』/森拓郎

女性が陥りがちなダイエットの間違いを斬る!

『糖質をやめられないオトナ女子のためのヤセ方図鑑』|ドタバタ女子から、おしとやか女子へ

『スロトレ完全版 DVDレッスンつき』/石井直方

無酸素運動で効率よく筋トレを鍛える。

『スロトレ完全版 DVDレッスンつき』を読んだよ

『カラダが変わる! 姿勢の科学』/石井直方

ヒトの正しい姿勢を知る。痩身への近道かも。

『カラダが変わる! 姿勢の科学』を読んだよ

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『能 650年続いた仕掛けとは』|変わり続けること

こんにちは。能が好きな あさよるです。実は、好きなんです。以前ね、能のお囃子の小鼓のお稽古に通っていました。「いよ~ぅ、ポン!」ってヤツです。引っ越しや転職や体調不良等々と重なってそれっきりになってるんですが、チャンスがあれば復帰したいデス。あ、でも、能の舞をやってみたいなぁと心密かに狙っています。能は見てるのも面白いんですが、むちゃくちゃ「自分もやりたい!」と燃えるんですよね~。

ちなみに、あさよるが初めて見た能は、関西の大学生がやっているもので、小鼓を女性がやってて「女性でもできるんだ!」と嬉しくなって飛びつきました。彼女がまた、カッコよかったんだ~。

「能」ってなんだ?入門書

本書『能 650年続いた仕掛けとは』は能をこれから知りたい人向けの入門書。10代の若い人が読んでもわかる内容です。

ところで「能」ってどんなイメージですか?もしかしたらイメージ自体がないかもしれないし、なんかオタフクみたいな仮面を想像するかもしれません。学校から能の舞台を見たことがある人もいるかもしれません。あさよるも何回か、中高生の鑑賞会の中、ポツーンと大人が混じって見たことがありますw

なんとなく「能ってこんな感じ?」ってのが頭の中にある人にとって、本書『能 650年続いた仕掛けとは』を読めば程よく能のイメージが一新されるんじゃないかと思います。「格式ばった」「厳格な」ものではなく、やさしい文体で本書が書かれているせいかもしれないし、能を鑑賞するだけじゃなく、「やりたくなる」ように用意されているからかも。

能と「サル」

能の歴史は奈良時代、大陸から輸入された「猿楽」が発祥だと習いました。本書ではさらに、古事記に登場する、天岩戸の前で舞ったアメノウズメノミコトの伝説が登場します。

 アマノウズメノミコトは天岩戸のほかに、猿田彦と結婚したことから、猿女(祭祀の際に舞う女性)の先祖となりました。猿女は、芸能の神様ですし、猿田彦も芸能の神様であるという人もいます。

p.30

大陸から「猿楽」が渡ってくる以前から、芸能を伝える「猿」系の人たちがいたのではないか?という推測です。さらに面白いのは、能が発展したのは豊臣秀吉の時代。秀吉もまた「猿」と呼ばれる人物であるということ。歴史的事実はわかりませんが、面白いつながりですね。

能の650年生き残り戦略

伝統芸能というと「頑迷」で「意固地」に同じことをし続けている芸能だと感じている人は、本書『能 650年続いた仕掛けとは』でアッサリと裏切られるでしょう。能の歴史を見ていると、スルスルと時代に合わせその姿を変えながら、現在につながっていることがよくわかるからです。

そもそも、現在に続く能を発明した世阿弥はイノベーターですね。舞台の装置そのものを作り替え、能を継承するために世襲制を採用します。テキスト『風姿花伝』も著されました。

戦国時代、武将たちに能は愛されます。中でも豊臣秀吉は能に入れ込んでいたらしく、朝鮮出兵の際は即席能舞台まで用意されたとか。秀吉は新しい能の演目をたくさん作らせ、自分も能を舞いました。家康も能を楽しみ、江戸時代に入ってからは大名家の教養として推奨されました。徳川綱吉は能狂いで、その頃から能の趣がガラリと変わります。それまでの能よりも2倍くらいゆっくりと演じられるようになったのです。時代が下ると、江戸時代の市井の人々も能に親しんでいたそうです。

そして明治時代が始まります。能を支えていた幕府や武家がなくなり、能は存亡の危機に。その後、野外にあった能楽堂(能を演じる舞台)を屋内に移した能舞台へ変わります。能は夏目漱石や正岡子規、泉鏡花など文学者に愛されました。

現代もマンガに描かれたり、『ガラスの仮面』の「紅天女」が能で上演されたりと、メディアミックされています。

あさよる的には、「能舞エヴァンゲリオン」を見たかったすな。意外にも(?)、新作がたくさん作られているんですね。能と一緒に上演される狂言でも新作がたくさんありますね。

「能」をやりたくなったら

本書内では、プレイヤーとリスナーの分断について触れられています。ロックバンドを聞いてノリノリになる人は大けれど、「聞く」と「演奏する」の間に大きな溝がある……。これは能の世界でも起こっていて、「能を鑑賞する人」と「能をやる人」が分断されてしまっている。

これは普通じゃないんです。昔の人は、自分でやってた。落語で「寝床」という話があります。客を集めて、みんんなの前で下手な浄瑠璃を聞かせて迷惑がられる話です。浄瑠璃も、戦後すぐの頃までは習っている人が多かったと聞いたことがあります。

本書の素晴らしいところは、読んでいる内に「能を習うなら」というガイドが始まっているところでしょう。鑑賞される能だけじゃ不十分で、みんながやりたい能でなければ、伝統も続かないのかもしれません(余談ですが、今若い世代はバンドやらないそうですね。あさよる含め)。

ちゃんと先生や教室の探し方や、お稽古の通い方が指南されていて(・∀・)イイネ!!

能の鑑賞のための手解きはよくありますが、習い方は初めて読んだかもw

変わり続ける伝統

本書を読んで、伝統芸能って、さすが何百年も生き残ってきただけあるんだな!と、なんだか清々しい気持ちになります。

例えば、ブログやサイトを何十年と続けている人は、サーバー移転やサービス修了や、ブログやSNSの導入など、たくさんの変化があったでしょう。データ飛ばしちゃったり、掲示板が炎上したり、晒されたこともあるでしょう。中の人だって、転職したり家族が増えたり引っ越したり病気になったりいろいろあったでしょう。長年同じサイトやってる人を見つけると「歴史アリやなぁ」としみじみ感じ入ります。それでも、未だに更新し続けている人って、変化や新しいトレンドを常に取り入れ続けた人なんですよね。しみじみ。あさよるもこのドメイン育ててこう……(なんのこっちゃ)。

とまぁ、何ごとも「長く続ける」って常に変化し続けることです。それを優に650年続けてきた能は、川の中をたゆたうハンカチのように、その一瞬一瞬変化し続けたのかもしれません。能の先祖を辿ると、もっと古いみたいだしなぁ。

変化するってエネルギーも勇気も必要で、恐ろしいものだけれども、変化しないと手に入らないものもあるのね。

関連本

『狂言でござる』/南原清隆

『狂言でござる』を読んだよ

『あやつられ文楽鑑賞』/三浦しをん

『あやつられ文楽鑑賞』を読んだよ

『先生、イノベーションって何ですか?』/伊丹敬之

『先生、イノベーションって何ですか?』|以前の世界が思い出せない

『ブランドらしさのつくり方―五感ブランディングの実践』/博報堂ブランドデザイン

『ブランドらしさのつくり方―五感ブランディングの実践』|体感をともなう体験を

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『教室内(スクール)カースト』|誰が階級を作っているの?

こんにちは。友だちの少ない あさよるです。中高生のことから人と「ツルむ」「群れる」のが苦手で、プイッと一人で図書室で本を読んでいました。そう、あさよるは人と喋りたくないばっかりに本を読んでるヤツだったのです。ネガティブ~。

先日、東洋経済オンラインで、『「意識高い系」社員につけるクスリはない』という記事を読みました。

この記事の中で、「意識高い系」の定義として「スクールカースト」という言葉が登場します。意識高い系はスクールカーストは被支配階級で、土地を持っていないと定義されています。だからこそ、都会へ出てワンチャン狙いたいということらしい。

そこから派生して、ダイヤモンド・オンラインの記事も読みました。ここでは、スクールカーストと学力、コミュ力、容姿、職業と、10代の頃の教室内での地位と絡めて話されています。

あさよるは「スクールカースト」という言葉を知ったのはここ5年程でしょうか。あさよるが10代の頃は「1軍」「2軍」とか「メジャー」「マイナー」なんて言葉が使われていたように思います。……しかしながら、あさよるはそういうの疎い子どもだったので、自分の教室内のポジションとかよく分かっていなかったんですけどね(;’∀’)

スクールカーストとは

本書『教室内(スクール)カースト』では「スクールカースト」という言葉の出典から始まります。

この言葉が最初に紙面に載ることになったのは、2007年に出版された教育評論家の森口朗(あきら)さんの『いじめの構造』(新潮社・2007年)という本の中です。(中略)
森口さんは、「スクールカースト」の定義を以下のように設定しています。

スクールカーストとは、クラス内のステイタスを表わす言葉として、近年若者たちの間で定着しつつある言葉です。従来と異なるのは、ステイタスの決定要因が、人気やモテるか否かという点であることです。上位から「一軍・二軍・三軍」「A・B・C」などと呼ばれます。(41~42頁)

p.28-29

『いじめの構造』が出版された頃にはすでに「スクールカースト」という言葉が存在し、意味付けもなされていました。では、いつ「スクールカースト」という言葉が登場したのでしょうか。

朝日新聞社発行の雑誌『AERA』にて「スクールカースト」の言葉を生み出したという人物が、自身の体験と共にネット上に「スクールカースト」のワードを登録したと語っています。

 マサオさんは2年ほど前、インターネット上に言葉を登録し、説明文を編集できるサイトに、実体験を基にこう書き殴った。

「主に中学・高校で発生する人気のヒエラルキー(階層性)。俗に『1軍、2軍、3軍』『イケメン、フツメン、キモメン(オタク)』『A、B、C』などと呼ばれるグループにクラスが分断され、グループ間交流がほとんど行われなくなる現象」

こうして、「スクールカースト」という言葉ができた。

(森慶一「学校カーストが『キモメン』を生む――分断される教室の子どもたち」『AERA』2007年11月19日号)

p.32-33

このマサオさんはシステムエンジニアの当時29歳で、10代の頃「イジられキャラ」でピエロを演じていたが、イジりがエスカレートし、「いじめられキャラ」に変わり、高2で退学をしました。そして「スクールカースト」という言葉を登録した、と証言しています。

スクールカーストが生まれる背景

日本の学校で起こる「いじめ」の特徴は、「教室の中」で起こることだそうです。本書でも、他のクラスに友だちがいて、昼休みなどに教室外で集まっている人たちに対し「生きてる意味あるのかな」なんて感想もあって、スクールカーストが「教室の中」の限定された空間で起こることが顕著です。本書のタイトルも『教室内カースト』と書いて「スクールカースト」と読ませています。

ちなみに、あさよるも友だちを作らず一匹狼でフラフラしてるのが好きですが、周りの人から「生きている意味あるの」なんて思われてたんでしょうか……(;’∀’)

いじめとスクールカーストのカンケイ

いじめで暴行や恐喝等が起こった場合、速やかに警察を介入させるべきだと考える人がいます(あさよるもそう思います)。しかし、いじめは「シカトされる」「クスクス笑われる」といった「実被害はない」けれども「やられる当人は死ぬほどつらい」状況に置かれることも多く、解決が難しいのです。

「いじめ」を作るのは「被害者」と「加害者」、そしてそれを見てはやし立てる「観衆」と見て見ぬふりをする「傍観者」、それらが四層に重なり「いじめ」が成立するというのです。(中略)
そして「いじめ」が起こらないとすれば、「傍観者」層が「仲裁者」層に変わったときなのだといいます。

p.52

いじめは少数の加害者によるものではなく、観衆と傍観者がいて「いじめ」になるというのです。

教室内では、スクールカースト上位者は自分の意見を発言しますが、下位の人は意見を言いません。ですから「いじめ」回避のための「仲裁者」になり得るのは、カースト上位者のみということでしょうか。

スクールカーストは悪なのか?

本書を読んでいると不思議なことがあります。インタビューやアンケートに答えている生徒や学生、教師らは「スクールカーストはなくなった方が良い」とは考えていないようなのです。

スクールカースト下位者は、カーストは「あって当然」と半ば諦めているように感じます。教師は、諦めモードのカースト下位者を投げやりで、やる気のない人のように感じています。スクールカースト上位にいたことを自認する生徒たちは、それなりに「特別」だったことを感じているようです。

また、教室内自治を行うにあたって、教員側から見ればスクールカーストはあった方がやりやすいもののようです。スクールカースト上位者は良くも悪くも目立つ人で、彼らの様子を見て雰囲気を察知しています。カースト下位者は顔も名前もわからないこともあるそうです。

また、クラスを代表したり、作文のコンクールに応募する際など、責任のある役割はスクールカースト上位者に任せます。それはスクールカースト下位者には、責任ある仕事を任せられないと考えているからです。

どうやら、概ねスクールカーストは「あって当然」「しかたがない」と諦めもありつつ、存在が認められているようです。

カースト上位はイージーモードか

本書で興味深いのは、高校生でカースト上位になってしまった人の証言です。クラスでの取り決めで発言したり、先生のネタにツッコんだり、カースト下位者にネタを振ったりしないといけない。カースト上位者の権利も多いけど、その〈権利を使わなければならない〉「義務」が大変だった。彼女は結局高校を中退してしまいました。

また、カースト上位者は下位者に好かれているワケではない。みんな内心ウザくても、それを表に出していないだけだと言います。ということは、カースト上位者って、「みんなの共通の敵」というか「みんなの共通の嫌われ者」だとも言えます。カースト上位者はクラスの結束を作るとみなが証言しているのですが、結束の内情は複雑です。

誰がカーストを作ってるんだ?

本書『教室内カースト(スクールカースト)』はたくさんのデータや出典が挙げられているので、ここから他の史料にあたることもできます。あくまで客観的資料の羅列につとめておられるようで、〈収まりのいい結論〉を求めている人には消化不良かもしれません。

スクールカーストがなくならないのは、学校の教室という限定された環境、構造がそうさせているようです。では、その閉ざされた特殊な空間で、誰がスクールカーストを作っているのでしょうか。教師はスクールカーストを利用しているようですが、教師がカーストを作っているなんてことがあるのでしょうか。

カースト上位者が、多数の下位者たちを抑圧している……とも言い切れない感じ。確かにスクールカースト上位者たちは自分の意志をハッキリ言って、ムードメーカー的存在ですが、それだけです。カースト下位者は、カースト上位者の物言いや染めた髪やピアスを見て「コワイ」「めんどくさそう」と倦厭しているようです。

「いじめ」は、スクールカースト下位の中の「いじられキャラ」が「いじめられキャラ」に変わることがあると紹介されていました。また、いじめ回避には「仲裁者」が必要です。本書を読む限り、仲裁者になり得るのはスクールカースト上位者しかいないように思えます(自分の意見を発現できるのは上位者だけ)。

〈構造が「スクールカースト」と「いじめ」を作っている〉と言ってしまえれば簡単ですが、スクールカースト下位者が、見た目が派手な生徒や、意見を言える生徒を〈遠ざける〉ことで、分離が始まっているようにも読めました。なんともややこしくて難しい話ですので、ぜひご一読ください……m(__)m

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