
こんにちは。寺院仏閣を見て回るのが好きなあさよるです。
といっても、近場のお寺や神社を回る程度のものですが……建物や小物の意匠を見て回っている感じです。すると「これは何だ?」「何に使うもの?」「なんて書いてるんだろう?」などなど、疑問や不思議に思うことがたくさん。
お寺や神社を見て回っているうちに、仏教や神社に関する本を読んだり、詳しい人の話を聞く機会が増えました。
以前、ラジオで笑い飯の哲夫さんが「仏教に関する本を書いた」というお話をなさっているのを聞き、読んでみたいなぁと思っていました。哲夫さんは、お寺から講演を依頼されることもあるんですって。
仏教のこと、あれ!?身近なのになんにも知らない!?
仏教のことって、知っているようで知らない分野です。
あさよるは子どものころ、祖母が毎日熱心に仏壇に参っているのを見て育ちました。信心深いおばあちゃんで、他の家族が仏壇に参らないからと、代わりに家族全員分のお経をあげてくれていましたw
「お経」っていうのも、何を書いているかもわかりません。やっぱり良いことを書いてあるのでしょうか。
うちは浄土真宗だったハズなのに、おばあちゃんは真言宗のお経を使っていた気がします。この「宗派」っていろいろ聞くけど、何が違うんだろう?
そもそも仏教って釈迦の教えなんだよね?それと、お経って何の関係があるの?
仏教や仏に関することって、身近にあるけれど、ほとんど何も知らない人って多いのではないでしょうか。
我々はシャポシャポのカレーである
『ブッダも笑う仏教のはなし』は、笑い飯の哲夫さんが著者だけあって、最初から最後まで「オモロイ」本です。ユーモアあふれ、興味深い「オモロイ」です。
さらに、すごく構成が緻密で、びっくりしました。さすが漫才のネタを作る人だなぁということなのでしょうが、きちんと前フリが、後々回収されてゆきます。
最初は、「ブッダ」または「仏」または「ガウタマ・シッダールタ」について。出自や出家に至る経緯。そして悟りを開くまでの経緯。
ブッダの弟子たちの紹介と、経典の話などなど、知っているようで知らない話が整理され紹介されます。
あさよるは手塚治虫の『ブッダ』を読んだ程度の知識でしたが、とてもよくわかりました。
さらに話は仏教の教えにも触れられます。『諸行無常』とか『色即是空』『全は個、個は全』など、聞いたことはあるけれども、よくわからない話。
哲夫さんはそれをカレーライスに例えておられて、めっちゃわかりやすい!
カレーライスの中に、あらゆるすべての物がシャポシャポに溶け込んでいます。動物も植物も、無機質な物もです。それを、おたまですくい上げる。それが「私」です。しかし、そのおたまには、穴が開いていて、時間と共にカレーはカレー鍋へ戻ってしまいます。
それが「生」であり「死」である。「輪廻転生」とは違う考えです。
さらに、欲しいものが手に入らなくても、悔しがったり悲しまなくても構わない。なぜなら、みんな同じカレーだからです。欲しくてたまらない物も、自分も同じカレーを別のおたまですくっただけなんですね。
ブッダの悟った「生と死」がわかると、「お葬式」や「墓参り」「仏壇へ参る」意味も違って見えてきます。ブッダは生も死も同じだと言っているのですから、死んだ人へ「形が変わっただけだから大丈夫ですよ~」と話しかけているのです。
知れば知るほどオモシロイ!
緻密な構成に舌を巻く!分かりやすくオモロイ!
『ブッダも笑う仏教のはなし』は、最初から最後まで緻密に話の展開が用意されており、ほんと舌を巻きました。
ユーモアの部分も、不真面目なお笑い要素かと思いきや、後になって話の本筋に合流されて、ゾワッと鳥肌が立つよう!
文章も、とても厳密に言葉が使われ、論理的ですから、じっくり読めばとても読みやすい本です。ですが、飛ばし飛ばし読むと、話が分からなくなるだろうと思われるので、時間のある時に腰を落ち着けて読むととても良い本です。
ブッダという人物、仏教の起こり、宗教行事・習慣など、扱われている内容は幅広い。ですが、かみ砕いた表現で説明し、かつユーモアあふれオモシロイ。すごい!
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