こんにちは。地図が(ちょっと)好きな あさよるです。なぜ(ちょっと)が付いているかというと、現在は地図好き活動を棚上げしているからです。小さなころから地図を作るのが好きで、学生時代にも何やら地図を作成していて、「こんな地図を作りたい」と理想を掲げつつ、リサーチを数年続けているうち、しばし停滞中なのです。
今回『古地図で歩く大阪 ザ・ベスト10』を見つけて、あさよるの地図好きスイッチが反応するものでした。大阪の街を扱っているので、大阪以外の方は楽しんでいただけるかわかりませんが(;’∀’)、地図や古地図が好き、地図を見ながら街を歩くのが好きな方、どうぞ!
古地図のたしなみ・大阪編
本書『古地図で歩く大阪』は、これから「古地図」などを嗜みたいを考えてらっしゃる方必見。同じ地域の地図を、時代の違う地図と比較してゆくことで、町の変遷を辿ります。本書で取り扱われている町は「大阪」。大阪の市街地周辺の地図を見比べて、大阪の町がどのように変化してきたのか〈地図〉という目で見える、手に取れるものでわかる、って、面白いですね。
本書は大きく3つの要素で構成されています。まず、大阪の街を取り上げ、古地図を見比べ、どのように街が広がっていったのかを比べて調べます。著者による街の歴史や由来、エピソードも交えながら進みます。そして、現在の地図を見て、実際に歩くべきルートや目印、行き先が記されます。更に、一口メモ的なコラムや、本物の古地図がどこで見れる&手に入るのかも紹介されています。図書館や書店、古書店等、大阪で手に入るところばかりです。
大阪に縁もゆかりもある人どうぞ(^^♪
本書の特徴は、大阪の街をよくご存じな方が読むと面白く、本を片手に街に出たくなることです。取り上げられる町は、梅田、中之島、御堂筋、ミナミ、天満、京橋、天王寺・阿倍野・住吉、十三、大正区、平野の10エリア。ね、いつも歩いている街のお話!
……そうなんです。本書『古地図で歩く大阪』は、大阪の街をよく知っている方は楽しい内容ですが、それ以外のエリアの方が楽しめる内容なのか?と言われると……ヒジョーに答えづらい。少なくとも「大阪入門編」ではなさそうですね(;’∀’) ある程度、現在の街を知っている方が読んで、再発見や再確認がある本だと思います。
ですので、ばっちりヒットする人の数は少ないのかな~と思いつつ、一応、大阪府民のあさよるは推しておきますm(_ _m) ちなみに、大阪の街をよくご存じの方は、知識や雑学としては知っている話も多いかも?本書の面白みは、大阪の街の物語を〈古地図〉を突き合わせて楽しむことでしょう。これ、なかなか面白いんです。
大阪って、新しい町なんだ!Σ(・ω・ノ)ノ!
あさよる的に面白かったのは、大阪の街は意外と新しいんだなぁということ。例えば、〈梅田〉の町は、江戸時代は町の外側で、墓地のある地域でした。そこへ、明治になって汽車が通り、梅田ステーションが登場します。駅ができたことで、町が広がりました。そして、梅田駅は時代とともに東北方向へ徐々に移動し、今の位置になりました。それに合わせて町も北へ東へ広がりました。ミナミの繁華街の中心〈難波〉も、もともと南海電鉄が〈難波駅〉を作ったことで、難波駅周辺が〈なんば〉と呼ばれ、街になりました。
現在の大阪の繁華街やビジネス街は、結構最近になってから発展した場所が多いんだなぁと知りました。大阪の街はもともと海だったところを埋め立てながら整備された街だと教わったことがありますが、その広がり方は近代に入ってから爆発的だったこと、そして現在の街は意外と昭和平成になってからの街が多いんだなぁと発見しました。
古代からの遺跡を内包しつつ、新しく広がっていく姿が、古地図を通してダイナミックに感じれたのが良かったです。
古地図で歩く大阪 ザ・ベスト10
目次情報
【地図編】
①梅田 UMEDA
拡大する「キタ」の核。②中之島 NAKANOSHIMA
大阪のお顔になった島。③御堂筋 MIDOSUJI
海と船場の物語。④ミナミ MINAMI
膨張するモザイクタウン。⑤天満 TEMMA
堀の名残に歴史あり。⑥京橋 KYOBASHI
橋から町、そして繁華街へ。⑦天王寺・阿倍野・住吉 TENNOJI/ABENO/SUMIYOSHI
神と仏をつなぐ道。⑧十三 JUSO
川を渡った地名のルーツ。⑨大正区 TAISHOKU
海風香るフロンティア。⑩平野 HIRANO
「独立国」の面影は今も。【街歩き編】
1 梅田
「キタ」と梅田、変遷の足跡をたどる。
梅田の神さん、仏さんに出会う。2 中之島
中之島の西で、歴史のディテールを探す。
田蓑橋にまつわる古代史の謎?3 御堂筋
海の物語を訪ねて。4 ミナミ
小さな神仏と路地でめぐるミナミ。5 天満
堀川の名残を追いかけて。6 京橋
川と街道の跡を歩く。7 天王寺・阿倍野・住吉
熊野街道を彩る物語を訪ね歩く。8 十三
十三渡しはどこにあった?9 大正区
フロンティアの線をなぞる。
サウスエリアの個性派橋めぐり。10 平野
環濠都市を体感する、地蔵堂めぐり。博物館で古地図と出会う。
住まいのミュージアム 大阪暮らしの今昔館
大阪歴史博物館
大阪城天守閣
狭山池博物館図書館で、書店で、ネットで
古地図探しのススメ大阪府中之島図書館
大阪市立中央図書館
MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店
心斎橋 中尾書店
古書 ゆうらく大阪街歩き古地図ベストセレクション
一、難波名所獨案内(天保年間)
二、摂州大坂画図(宝暦年間)
三、辰歳増補大坂図(元禄元年推定)
四、新撰大阪市中細見全図(明治14年)
五、古今対照大阪市街地図(明治15年)
六、大阪市パノラマ地図(大正13年)
七、大大阪明細地図(大正14年)
八、船場復元地図(昭和59年)
九、大大阪観光地図(昭和11年)
十、大阪市電車地図(昭和初期)まえがき
この本の使い方
あとがき
地図および図版所蔵先一覧
古地図を知るための10冊
本渡 章(ほんど・あきら)
1952年大阪生まれ。作家。編集者などを経て、文筆業に。1996年、第三回パスカル短篇文学新人賞優秀賞受賞。『大坂古地図むかし案内』『古地図が語る大災害』(共に創元社)や『大阪古地図パラダイス』(140B)など、古地図や名所図会をテーマにした著書多数。また、講演や街歩きツアーなども行っている。
コメント
[…] 『古地図で歩く大阪 ザ・ベスト10』|大阪の成長記録、見てみない? […]
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