こんにちは。あさよるです。仮想通貨の話題はすっかり珍しい話題じゃなくなりましたね。普段の会話に上ったり、ネットニュースやSNSでもよく目にする話題です。なのに、実は細かいところは全然わかってない……! これまでも仮想通貨に関する書籍を紹介しましたが、初歩の初歩としては本書が読みやすくわかりやすく感じました。押さえるべきポイントが最小限にまとめられてます(`・ω・´)b
わかりやすい!ビットコイン
これまで、仮想通貨・ビットコインに関する本を2冊紹介しましたが、3冊目に読んだこの『知識ゼロからのビットコイン・仮想通貨入門』が一番コンパクトで読みやすく、分かりやすかったです。構成も、ビットマンと仮想通貨女子ちゃんの二人の会話形式で、易しい話し言葉で進みます。紙面の多くは図解に充てられていて、分かりやすい解説に努められています。
ビットコインの始まり、安全性、概念、これから
『知識ゼロからのビットコイン・仮想通貨入門』は全4章からなっており、ビットコインの始まりとビットコインの考え方、ビットコインのしくみや安全性・信頼性、ビットコインの入手法・保管の仕方、仮想通貨のこれから、と、技術的な話や、貨幣のしくみなど、ややこしい話をスッキリとかなり簡略化して解説されています。
ビットコインのはじまり
ビットコインはご存知の通り「サトシ・ナカモト」という謎の人物が仮想通貨の理論を発表し、彼の論文をもとに発行された最初の仮想通貨です。当初は仲間内のゲーム通貨のように使われていましたが、2010年5月22日、ビットコインと宅配ピザの交換が成立し、初めて仮想通貨と実社会の財やサービスとの交換が成立しました。現在では普通の飲食店等でも、ビットコインで決算できるお店もあるそうです(ちなみに5月22日は「ビットコインピザデー」と呼ばれているらしい)。
分散型、ブロックチェーン
円やドルなどの通貨は、中央銀行があり仲介や管理者として銀行や金融機関が存在する中央集権型システムです。しかしビットコインには発行者も管理者もおらず、分散型の民主的なシステムを作っています。ビットコインの取引の記録はすべて公開され、銀行でいう「台帳」はすべてのコンピューターでバックアップが取られます。
ビットコインの取引は個人と個人がダイレクトにつながるので、銀行支払いではなく、現金での直接やりとりと同じですね。その取引データをブロックに格納し、時系列順に1本のチェーンのようにつなげてゆきます。これを「ブロックチェーン」と呼び、ブロックチェーンのデータをすべてのコンピュータで保存するのです。この、ブロックをつないでゆくために、膨大な計算が必要で、この計算を先にした人にビットコインが与えられます。
改ざんできない
また、このブロックチェーンは取引データを時系列順に並べ、すべてのユーザーで同じデータを保存するので、過去のデータを改ざんできません。情報管理に必要なコストが少ないのもビットコインの特徴です。
手数料が安い
円やドルなどの通貨を人に送る場合、銀行の手数料が発生します。相手が外国にいる場合、手数料がもっと増えるし、時間もかかります。しかし、ビットコインで支払えば、手数料がとても少なくて済みます。現在、インターネットの普及でワールドワイドに人々が繋がっていますから、従来の通貨よりもビットコインの方が便利です。
仮想通貨のこれから
仮想通貨のこれからとして、まず既にビットコイン以外の仮想通貨が複数存在しています。今後も新たに登場する仮想通貨や、考え方の違いなどで分散してゆく通貨もあるでしょう(ビットコインも、ビットコインとビットコインキャッシュに分かれています)。世界的にも国が仮想通貨を導入し始めるでしょう。日本国内でも、地域通貨として自治体や、商業施設が仮想通貨を実験的に導入する例もあります(飛騨市・高山市「さるぼぼコイン」、会津大学「白虎」、近鉄グループ「近鉄ハルカスコイン」が紹介されていました)。
あと、法整備や、税制の対策も必要です。いまのところ仮想通貨の利用による責任はすべて自己責任です。今後、リスク解消が期待されます。
新しい技術、考え方として紹介されている
本書では仮想通貨、ビットコインを新しい技術、これまでにない考え方として捉え、ポジティブな未来を描いています。あさよるも個人的に、これから受注する仕事はビットコインで支払ってもらってもいいかな~なんて考えていました。円のやりとりだと、銀行の手数料がかかりますしね。
ただし、リスクとして、仮想通貨は自分のウォレット(お財布)に入れて保存しておくのですが、何かのはずみにウォレットが飛んでしまえば、はいそれでさよなら。銀行のキャッシュカードやクレジットカードをなくしたなら、新たに作り直してもらえばいいだけだけど、仮想通貨の場合はすべて自己責任ですから、リスキー!
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知識ゼロからのビットコイン・仮想通貨入門
目次情報
ビットコインのしくみを知ることが、次の時代の武器になる
ビットコイン・仮想通貨
これだけは押さえておきたい7つのポイントPART1 誰がビットコインを作ったの?
実物はない、金融とITの融合でできた通貨。実際はコインではなく取引データの集合体
●ビットコインの単位
ビットは情報。貨幣単位はBTC。発行上限が2100万BTCと決められている●通貨としての始まり
仲間内でのゲーム通貨のようなもので、ピザを買うことに成功した●ビットコインの全体像
すべてのビットコインの取引データを電子台帳に記録。参加者全員で情報を監視する●取引(トランザクション)の基本
インターネット上にあるビットコインなどの取引所に口座を開くと、購入・送金・換金できる●取引承認の基本
取引の検証から承認まで、ビットコインのネットワーク上の参加者が行う●発行者と管理者
発行者も管理者もいない。プログラム通りに発行。ネット上の全員が取引情報を共有、監視する●ビットコインの開発者
サトシ・ナカモト名義の論文がネット上に発表。正体はいまだわからないまま●ビットコインの思想
中央集権を否定した自由主義の通貨革命。国家に左右されない通貨の必要性から誕生●運用メンバー
運用にかかわるのはコア開発者。しかし他の参加者も対等の立場●ビットコインの中核技術・ブロックチェーン
複数の取引データをブロック化し、時系列順に永久保存できる新技術を採用●ビットコインの信用性と利便性
取引データは改ざん、不正使用ができない。手数料は安く、世界通貨で使える●ビットコインの市場
発行以来ノンストップで運用されている。投機対象からネット社会のインフラにわかったかな!? PART1を30秒で理解する
PART2 発行のしくみ、安全と信用は?
電子署名された取引データが第三者により検証・承認されることで不正が起こらない
●ブロックチェーンとマイニング
新規発行、取引データがブロック内に格納され、連なっていく●マイニングの由来
取引データをブロックにおさめ、つなぐ作業をマイニング、作業をする人をマイナーと呼ぶ●マイニングの流れ
マイニングはマイナー間の計算スピード競争。勝者だけがビットコインをもらえる●マイニングの内容①取引(トランザクション)の検証
取引データの正しさ、「なりすまし」と「二重使用」の有無を検証する●マイニングの内容②ブロック接続のためのナンスの探索(ブルーフオブワーク)
前のブロックに新規ブロックをつなぐ。総当たり計算によりナンスを探す●マイニングの内容③ブロック承認
他のマイナーがナンスを検証、承認。6回承認されると、取引は安全とされる●マイニングの内容④コインべース
承認されたら、報酬となる新規発行コインをマイナー自身に送る書き込みをして、作業終了●難易度(ディフィカルティ)の設定
約10分で承認されるようにコンピューターで難易度が自動調整される●マイニングへの参加
自分のパソコンを稼働させる方法とマイニングプールに投資する方法がある●マイニングプール
マイニング市場は10のマイニングプールが全体の8割近くを占める●マイニングの問題点(51%攻撃)
悪意のあるマイナーが過半数以上を占めると不正が起こる不安がるわかったかな!? PART2を30秒で理解する
PART3 どこで保管し、どこで現金と交換する?
仮想通貨取引所を通じて、投資以上に決算や寄付など自由自在
●取引口座開設
スマホで仮想通貨取引所に登録。本人確認書類を郵送で受け取る●取引所の選び方
金融庁・財務局の登録を受けた仮想通貨取引所を選ぶ●取引口座
仮想通貨取引口座を開いたら、入出金、購入・売却、送金・受取ができる●ウォレットの管理
仮想通貨は補償されない。ウォレットの種類を選んで自己管理●ビットコインの入手方法①
仮想通貨取引内のビットコイン販売所・取引所で購入する●ビットコインの入手方法②
専用ATMや個人間での譲渡など入手方法は他にもいろいろある●取引価格
変動相場制で値動きは激しい。仮想通貨取引所ごとに価格が異なる●送金のしくみ
公開鍵暗号を使った電子署名で送金が行われる●取引確認
ブロックチェーンエクスプローラーでリアルタイムで公開された取引を確認できる●ビットコインでできること①
海外送金でも手数料と時間がかからない。簡単に現金にも替えられる●ビットコインでできるこ②
決算時の店側の手数料負担が格安。クレジットカードのように情報を取られない●ビットコインでできること③
現金や株と同様に、取引価格に従い、売り買いでき、レバレッジもきく●ビットコインでできること④
インターネット経由の少額寄付、資金調達目的の寄付出資に最適わかったかな!? PART3を30秒で理解する
PART4 私たちの生活はどう変わる?
ビットコイン以外のコインが続々登場。仮想通貨が未来の生活を変えていく
●その他の仮想通貨①
イーサリアム、リップルなどのライバルとなるアルトコインが台頭●その他の仮想通貨②
意見対立が起こり、コインが分裂し誕生するアルトコインもある
ハードフォークとソフトフォーク、何が違うの?●その他の仮想通貨③
企業がオリジナルの仮想通貨トークンを発行。ICOで事業の資金調達ができる●その他の仮想通貨④
ブロックチェーンの技術に注目。国家や地域でも仮想通貨の開発、活用が始まる●その他の仮想通貨⑤
国内でも世界でも銀行が終結。銀行仮想通貨で低コスト&素早い取引●改正資金決算法
法改正で正式に決算手段に。利用者保護、マネーロンダリング対策も●所得税・消費税
仮想通貨の譲渡益は雑所得扱い。消費税は課税から非課税に●世界の法的対応
資産か通貨か? 合法か非合法か?国によって法律はさまざま●仮想通貨のリスク対策
すべて自己負担、自己管理が基本。リスクや問題はいずれ解消していくわかったかな!? PART4を30秒で理解する
ビットコインに流れる非中央集権思想。仮想通貨が社会変革、構造変革をもたらす
さくいん・参考資料
廣末 紀之(ひろすえ・のりゆき)
ビットバンク株式会社代表取締役CEO。1991年野村證券株式会社入社。1999年グローバルメディアオンライン株式会社(現GMOインターネット株式会社)入社、同取締役、同社常務取締役を経て、2006年株式会社ガーラ代表取締役社長。2012年よりビットコインの研究を始め、2014年ビットバンク株式会社を創業。現在代表取締役CEOを務める。
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